私は教授じゃないよ。大袈裟だよ   作:西の家

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憂国のモリアーティ2巻を買ってきました!
やっぱり面白いな。
月間連載漫画だから続きが待ち遠しい。

今回の話はオリ主の本領?が発揮されるかな......


食堂

バスに乗って揺られること10分ほどで学校に到着し、私たち5人は校門をくぐった。

 

「零さんおはよう!」

 

「ハーイ、玲瓏館」

 

「おはようございます零さん」

 

「グッドモーニング、皆!」

 

校内に入って早々、挨拶のマシンガンの連射だ。

私だけでなく、他の人にも挨拶はしないとダメだよ?

 

「入学して1週間で人気者だね零さん」

 

「はは、そんな大袈裟だよ不知火君」

 

「卑下すんなよ零。皆お前のこと頼りにしてるんだぜ?なんたって一般科目の勉強をイヤな顔せず全部教えてくれるんだからよ。俺もそれで助かってるぜ。キンジもこの前、マンツーマンで勉強教えてもらったろう?」

 

「そうだけどよ。勉強くらいで皆大袈裟だろ?零もそう言ってるし」

 

「なんだよキンジ?まさか一般中出身の零に勉強教えてもらって恥ずかしいのか?」

 

「ちげぇよ⁉︎バカじゃねぇのか」

 

「気をつけろよキンジそれと零」

 

うん?武藤君が私と金次君の間に入って、声を落として喋り出した。

 

「偶々、お前らのマンツーマンの勉強風景を見ていた他の連中がキンジに嫉妬しているぜ」

 

嫉妬?なんで金次君に嫉妬する必要があるのだろう?

ただ私は勉強を教えていただけなのに......そりゃあ、放課後に遅くまでそれこそ日が暮れるまで、勉強に付き合ってあげたけどさ。

 

「はぁ?なんで俺が嫉妬されなきゃならねぇんだよ⁉︎」

 

「お前鈍いな〜。まあ、それについては後々話そうぜ」

 

「皆、早くしないと遅刻しちゃうよ?」

 

白雪さんが早く行くように促す。

武藤君の言葉は気になるが今は遅刻しないようにしないと!

 

 

教室に到着した私が席に着くと、

 

「おっはよー!れいれい!」

 

「おはようりこりん」

 

小柄で童顔、金髪のフリフリ改造制服を着たロリっ子が私の前にやって来た。

この人は峰 理子。

専門科目は私と同じ探偵科。一見するとコギャルなイメージがあるが成績は良く、ランクはA。

同じ探偵科で授業もよく一緒になる。

実は私が入学して間もない頃、わからない事があったらよく質問していたのはこの理子さんなのだ。

あっ、「りこりん」というのは彼女がそう呼んでほしいそうだ。

彼女は探偵科、クラスメイトの間では人気者で熱心なファンクラブもあるくらいだ。

おまけに話題も豊富で話していて飽きない。

彼女は会った人にあだ名を付けるのが好きなんだよね。

私が彼女に付けられたあだ名は「れいれい」

パンダみたいだ、とは言わないように。

 

「校門で見たよ。凄い人気じゃん!これは私のアイドルの座を奪いにきたか⁉︎」

 

「ははは、そんな事しないよりこりん。私はアイドルなんて呼ばれる人間じゃないよ」

 

「えー、知らないの?れいれいは男子と女子にかなり人気あるんだよ。意外と鈍感だね〜」

 

「う〜ん、私そのあたりはよく理解できないからね......ごめんね鈍感で」

 

額に手を当て思わず困ったように苦笑いした。

しかし、人気......ねぇ。いつの間にそんなものが?

 

「そんな鈍感なれいれいに私、りこりんがわかりやすく教えてあげましょう!これ見てよ」

 

そう言ってりこりんは何処からかAー4サイズの紙を取り出し、私の机に置いて見せてきた。

そこには、クラスメイトの女子の名前、その右隣に棒グラフが書かれていた。

私が「これは?」と尋ねると、

 

「これはりこりん特製の人気表だよ。ほら、見てよここ。れいれいは人気ナンバー2だよ」

 

自分の名前の欄を見てみると、なるほど、確かに人気があるようだ。

しかし、こうもハッキリと見せられると何だか恥ずかしい......

よく見てみると白雪さんの名前もあったよ。ナンバー3だ。

あっ、チャッカリとりこりんの名前もある。こっちはナンバー1だ。

 

「ねぇ、りこりん。男子の人気表もあるの?」

 

「ヒヒヒ、気になりますか?もちろん用意してますぜお客さん」

 

某ゾンビゲームの武器商人風の声で喋ってきた。

凄っ⁉︎超そっくりじゃん!

私を驚かした後、ちゃんと見せてくれた。これは女子から男子への人気表のようだ。

あれ?なぜ私は男子の人気表が気になったんだろう?

疑問に思いながらも見てみると、不知火君はダントツのナンバー1だ。

そうだ、金次君は?

名前の欄を下りるように見ていくと、あったよ。最下位だ。

金次君......人気無さ過ぎだよ。人付き合いは大事にしないと......

ちなみに武藤君は下から2番目だった。まあ、金次君よりはマシかな。

 

「ありがとうりこりん。凄くわかりやすかったよ」

 

「ヒヒヒ、サンキュー。じゃあ、お代を払ってもらいましょうか」

 

お代?なるほどね。それが目的で見せてきたな。

噂大好きりこりんからして望みの報酬は私の情報かな?

 

「お主も悪よな〜」

 

「ふふふ、お代官様には敵いませんよ。それじゃ、れいれいのこと教えて!」

 

まあ、質問には答えないとね。

 

「好きな事は?」

 

「数学と読書かな。あっ、今ハマっている本は『小惑星の力学』かな」

 

私はカバンから本を取り出し、りこりんに見せた。

ジェイムズ・モリアーティ著作の『小惑星の力学』。

彼は犯罪者だったけど、これを読んでいると彼は学者として本当に優秀な人だったんだなと思えてくるよ。

 

「うわー、難しそうな本を読んでるね。じゃあさ、特技は?」

 

「うーん、ボクシングかな。母さんから仕込まれたからある程度は自身はあるよ。母さんが言うには元拳闘士だった曽祖父から代々受け継がれているらしいよ」

 

右手は顎、左手は目の高さに持ってきて、ジャブを放つ。

あっ、代々武術を受け継がれている人、私だった。

入試の時、金次君に悪い事したな......

 

「カッコイイ!女ボクサーだ。そういえば、れいれいのママは何しているの?」

 

「母さんは海外企業の相談役をしているよ。偶に日本に帰ってくるかな」

 

「れいれいは見たところハーフだよね。発言からしてママは日本人?」

 

「違うよ。母さんがイギリス人で父さんが日本人。日本に帰って来るというのは、母さんはこっちに移住してきた人だから」

 

母さんの実家はイギリスにあるそうだけど、私は生まれて一度も行った事がない。

母方の祖父母にも会ったこともないし、話をした事もない。

母さんが言うには父さんとの結婚が原因で喧嘩別れしたそうな。

ちなみに結婚の経緯については、父さんが母さんに一目惚れした。

その際、隙あれば母さんに''アタック''を仕掛けて、落としたそうだ。

 

「じゃあさ、苦手な物は?」

 

「鹿撃ち帽」

 

「えっ?鹿撃ち帽って、あの頭に被るヤツだよね?どうして苦手なの?」

 

「うーん、なんか見ていると嫌な気分になるから......かな?」

 

自分でもよくわからないのだが、鹿撃ち帽を見ていると何だか嫌な気分になるんだよね。

母さんも同じで「見ていると反吐が出る」と言うくらい嫌ってる。

もしかして、私と母さんの前世は鹿だったりして......

 

「成る程ね。そうだ、れいれい。ずっと喋っていて喉乾いたでしょう?よかったらこれ飲んで」

 

そう言ってりこりんは私にイチゴ牛乳を渡してきた。

りこりんはこれが好きなんだよね。

 

「ありがとうね。じゃあ、ありがたく」

 

私はゴク、ゴクと遠慮なく飲んだ。

うん、甘い。

 

「じゃあ、最後にれいれいのスリーサイズを教えて」

 

「ブホォ......⁉︎」

 

突然のりこりんのトンデモない質問に私は飲んでいたイチゴ牛乳を吹いてしまった。

ちょっと......りこりん絶対にワザとでしょう⁉︎これを狙って飲ませたな!

 

「何でそんな事を知りたいの?やましい思いとかじゃないよね?もしかしてりこりんは百合......」

 

「違いまーす。ただ知りたいだけでーす」

 

最後の辺りを伸ばして喋るのは何で?

しかし、スリーサイズときたか......

 

「まあ、良いけど。じゃあ、耳を貸して」

 

「もちろん♪」

 

りこりんの耳の側に口を持ってきて、ゴニョゴニョと周りには聞こえないように喋る。

はい、そこの男子諸君。聞き耳を立てない。

そうしていると、キーンコーンカーンコーンとチャイムが鳴った。

朝のホームルームの時間だ。

 

「ほら、りこりん席に戻らないと先生に怒られるよ?」

 

「ラッジャー!」

 

両手で敬礼した後、そのまま両手を広げ「キーン」と叫びながら、席に戻っていった。

見ていると本当に小学生みたいだ。

 

「はーい、全員席について。出席を取りますよ」

 

出席簿を持った先生が入ってきた。

何はともあれ新しい1日がスタートだ。

 

 

 

1〜4限までの一般科目が終わり、昼食の時間だ。

私は学校の食堂に移動する。

武偵高校の食堂は広く、メニューも豊富で海外の料理もあるくらいだ。

お金かけているね。

食堂にはすでに大勢の同級生、先輩の姿があった。

私は券売機でかけ蕎麦を選んだ。

 

「おばちゃん、かけ蕎麦ひとつお願いします!」

 

「はいよ。ちょっと待ってね」

 

かけ蕎麦の券を調理師のおばさんに渡す。

白の調理服に頭にミットを被った50代のおばさんだ。

一見するとただのおばさんだが、実は生徒の間では「武偵高最強のおばちゃん」と呼ばれているらしい。

 

「はい、かけ蕎麦ひとつ。お残しは許しませんよ」

 

「ありがとうございます」

 

お盆に乗ったかけ蕎麦を持って移動する。

さて、どこで食べようかな?

周りを見渡すが、どこも満席のようだ。

 

「あ、見つけた」

 

ちょうど隅っこの2人がけの席がひとつ空いている。

席には男子が1人座っているだけだ。

同席させてもらおう。

 

「前いいで......あっ、金次君」

 

「げぇ、零」

 

座っていたのは金次君だった。

後ろ姿だったから、誰だかわからなかったよ。

 

「女子の顔を見て嫌そうな顔をしたらダメですよ。軽蔑されるよ」

 

「大きなお世話だ」

 

「ねぇ、金次君。同席させてもらってもいいかな?他に席が空いてなくてさ」

 

「......勝手に座れ」

 

彼の了解を得て、私は前に座る。

その際、周りから「零さんが......!」「キンジぶっ殺す......」「なぜ、あんな根暗と」「神は死んだ......!」など聞こえてきた。

あの金次君の後ろの男子の皆さん?何故、箸を握り締めながら血の涙が出てくるような目つきでこっちを見るの?

......まあ、いいか!

 

「金次君かけ蕎麦食べてる。奇遇だね私もかけ蕎麦なんだよね。好きなの?」

 

「まあ、嫌いじゃないかな。お前こそ好きなのか?蕎麦」

 

「まあ、嫌いじゃないかな」

 

ちょっと意地悪に鸚鵡返しした後、蕎麦を汁に漬けてズル、ズル、ズルと音を立てて食べた。

 

「なあ、零はハーフだよな。その......蕎麦を食べるときの音とか嫌じゃないのか?外国人は嫌いと聞くぞ」

 

「うーん、私は嫌いじゃないよ。半分日本人の血と小さい頃から食べていたおかげかな」

 

「そうか」

 

「そうだよ」

 

そのままお互い無言のまま黙々と蕎麦を食べるーー気のせいかズル、ズル、ズルという音が被る。

一通り食べ終えた金次君が箸を置き、

 

「あのさ零。言うのが遅くなったけど......この前勉強見てくれてありがとな。正直助かった」

 

金次君がお礼を言ってきた。

顔を少し赤くし、頬をポリポリと掻きながら恥ずかしそうに。

 

「いいんだよ。困っていたらお互い様。それに金次君はなんだか教え甲斐があるんだよね」

 

「なんだか教師みたいな言い方だなーーそれにしても零は本当に教え方が上手いよな。スラスラと覚えられた」

 

「金次君に教えた勉強法は『記憶術』と呼ばれるものだよ。聞いたことない?」

 

「いいや」

 

「記憶術というのはね......」

 

私は金次君に説明した。

記憶術は、大きく2つの系統に分類できる。一つは、純粋に記憶のコツのようなものによって記憶の効率を上げる方法、もう一つは、人間の能力を向上させることによって記憶力を向上させる方法である。

金次君に教えたのは前者だ。

彼は決して頭は悪くはない。寧ろ良い部類に入る。

ただ勉強を覚えるコツがわからないだけだ。

 

「へー、そんなモノがあるんだな。知らなかったよ」

 

「ちなみに武藤君も同じで勉強法を使ってるよ。下手したら彼に追い越されるよ〜金次君。今なら3割引きでもっと効率よく教えてあげるよ?」

 

「悪徳セールスマンかお前は⁉︎」

 

「冗談だよ。金次君は真に受け過ぎ」

 

「お前、悪どいな」

 

「私は悪どいよ〜」

 

冗談だけどね。

 

「ねぇ金次君。話は変わるけど......金次君は何か悩みを抱えているでしょう?」

 

「......どうしてそう思うんだよ」

 

目が右下を向いている。

 

「身体的なことで悩みがあるようだね」

 

私がそう言うと眉毛をつり上げ「......なっ⁉︎」と、わかりやすいくらい驚いた。

やっぱり悩みを抱えているね。

 

「それと金次君はあまり自分からは話さない人だよね。過去に人間関係ーー異性のことで傷ついたことがあるでしょう」

 

「そんなことはない」

 

頻繁にまばたきしている。嘘だね。

動揺を隠しているようだけど、テーブルの上の箸を手で弄っているのが証拠だよ。

 

「あと、黒のハンカチを持ってたね。それは拒否・断念・不安の象徴。しかし、今の現状を変えようと努力はしてはいるが、思うようにいかない。その証拠に赤い色を嫌っていたね」

 

この前、探偵科で習った『嫌いな色があらわす性格傾向』を金次君に試したら「赤が嫌い」と言っていた。

この色を嫌っている人は自分の努力が報われていない感、挫折感・無力感を抱えているからね。

 

「金次君は家族にお兄さんかお姉さんがいるでしょう?多分、キョウダイに対してコンプレックスを抱えているね。お兄さんかお姉さんの職業は武偵・警察または検事......いや、これはお父さんかな」

 

額にダラダラと汗を一杯かいてきたね。どうやらビンゴのようだ。

一人っ子の場合は、親の愛を一身に受けて育つ。

そうなった場合は、親和欲求が強く、ストレス耐性が低い傾向がある。

しかし、金次君のストレス耐性は強いので、キョウダイがいると見ていい。

家族構成は上にお兄さんかお姉さんいや両方いるかな。

お父さんは検事の司法機関に所属している。

 

「身内に対してコンプレックスを抱え、過去に異性で心に傷を負った。そして身体的な悩みを抱えている。最後に述べたモノは他人ーー特に女性には言えない悩みだね。どうかな違う?」

 

「もうやめてくれ。降参だ......」

 

金次君はゲッソリとした顔をしていた。

ちょっとやり過ぎたかな......

 

「ねぇ金次君。私たちはこれから3年間同じ学校の屋根の下で学ぶ者同士......だから悩みがあれば遠慮なく言っていいんだよ」

 

「お前に何がわかるんだよ?」

 

「わからないよ。金次君が打ち明けてくれるまではさ」

 

私を強い視線で上目づかいに見てきた。

視線が強い場合は、相手に反感や怒りを感じている。

しかし、逆にそれは自信がなく相手に頼りたいと思っている証拠でもある。

 

「金次君。さっき私は黒のハンカチを持っているのは、拒否・断念・不安の象徴と言ったよね。でもね、あれはそれを変えようと努力するタイプの象徴でもあるんだよ。きっと金次君は陰で努力を積んでいる。お兄さん・お姉さんに少しでも届くようーーコンプレックスを克服する努力をね」

 

金次君は黙って私の話を聞いている。

「努力」という言葉を聞いた瞬間、彼の目に輝きが戻った。

 

「この前、雨が降ったとき傘を忘れていたね。ああ、気が抜けているというわけではないよ。あれは、いろいろなものに興味をもち、創造的で新しい発想を生み出すのが得意な人によく現れることだよ」

 

その証拠に金次君は強襲科で様々な技を編み出していると聞く。

同級生の中には彼の技を手本にしている人も少なくない。

 

「私にはわかるよ。金次君は常に一歩先に行こうと努力を積んでいる凄い人。他人がどんなに根暗呼ばわりしようと私が否定してあげる」

 

「最後の根暗は余計だ。でも......ありがとうよ。そんな風に誰かに......気にかけてもらったのは初めてだ」

 

ちょっと拗ねているけど、そこは金次君らしいね。

 

「今はダメでも気が向いたらいつでも相談に乗るよ。私、私立相談役だから」

 

「ははは、なんだよそれ。私立探偵の間違いだろう」

 

「あー、そうだね。ははは」

 

まただ。私立探偵と呼ばれて気分が良くない。

 

「どうした零?」

 

「な、なんでもないよ金次君。あ、もうこんな時間だ。もうすぐ昼休みが終わっちゃうね。さっきも言ったけど何でも相談してね」

 

最後にそう言って席を立つ。

次は専門科目だから頑張らないとね。

あれ?そう言えば私、なんで金次君のことあんなに気にかけたんだろう?

それにこの胸のドキドキは一体?

 

 

 

 

キンジ視点

 

俺は席を立って去っていくその女子の後ろ姿を目で追った。

玲瓏館 零ーー変わった女子だ。

あんなに俺の胸の内に踏み込んできた女は初めてだ。

最初、勝手に踏みこんできて不快だったが、「金次君は努力をしている」と言われて気分が変わった。

自分の努力を認めてくれたーーそんな感じだった。

 

「それにしても相談......か」

 

相談に乗ってくれるのは正直、嬉しい。

家族ーーこれについては相談してもいいかもしれないが、

 

「俺の体質についてはな」

 

遠山家の男に代々遺伝するあの困った体質ーーヒステリア・サヴァン・シンドローム通称ヒステリアモード。

俺は性的興奮するとそれになる。

そして......女子に対してフシギな心理状態になってしまう。これには欠点がある。

1つーー女子を、何がなんでも守りたくなってしまうこと。

2つーーその際、女子に対してキザな言動を取ってしまうことだ。

 

「さすがにこれは相談できねーよ」

 

頭を抱えていると、

 

「おい、キンジ〜」

 

「命の貯蔵は十分か遠山」

 

「死ぬがいい」

 

俺の後ろに殺気立った男達がいた。

どいつもこいつも強襲科で見たことのある顔だ。

 

「な、なんだよ⁉︎お前ら!」

 

「うるせぇ!黙って死ね!」

 

「玲瓏館様と一緒に食事とか羨ましいぞ!」

 

「なんでこんな根暗がモテるんだよ!」

 

「おまけに下の名前で呼び合うとは!クソったれ!」

 

突然、襲いかかってきた。

なぜこうなる⁉︎

俺は慌てて食堂から逃げ出した。

 

 

 

 

 

 




暫くは日常的な会話になるかな......
理子に危険人物と勘違いされるにはどうしたらいいかな。
心理学でいくか!

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