Side プレシア・テスタロッサ
うまくいった。後は回収すればいい。
そう思った。なのに、
「まさか、干渉禁止世界に落ちるなんて・・・!」
ロストロギア『ジュエルシード』が見つかり、それを奪おうとして次元攻撃を放ち、『ジュエルシード』は落ちた。
管理局が恐れる『干渉禁止世界』に。
完全に想定外だった。よりによって管理局でさえ手が出せない・・・!
いや、むしろこれは逆にいい結果になったのではないか?
「管理局が干渉できないなら、邪魔が入ることはない。なら・・・!」
ああ、これは間違いなく行幸だ。確かに『あれら』がいるあの世界は危険だが、見つかる可能性は管理局よりも低いだろ。
なぜなら、魔導体系がまったく違うのだから。
そうとわかれば、早くあの人形に回収を命じなければ。
「フェイト、これからあなたには『干渉禁止世界』に行って、『ジュエルシード』を回収してもらいわ」
「干渉禁止世界?」
と命じるがしらないらしく首を傾げる。
チッ、まああの世界は一部の者しかしらないというわけではないが、知っていないといけないというわけではない。管理局としても隠す必要はないが、表立って公表するわけにもいかないだろう。
かつて自分たちが戦争を挑み、圧倒的な敗北をしたなど。いやあれは戦争というよりも『処刑』といったほうがいいか。
「そう呼ばれているだけよ、気にしなくていいわ。それより戻って準備をしなさい」
はい、とフェイトが返事をして部屋を出ていく。
ああこれでようやく願いが叶う。待っていてね、『アリシア』
プレシアは知らなかった。魔導体系の違いなどなんの意味もないことを。
あの世界はプレシアが想像もつかないような程の『神秘に満ちた世界』であることを。
プレシアの願いを叶えられるほどの力を持っていたことを。
Side サーゼクス
「サーゼクス様、監視をしていた者たちから例の世界から侵入があったと報告がありました」
グレイフィアがかの世界から侵略者たちが来たことを教えてくれる。
「彼らが?まだ百年も経ってないと思うんだけど」
信じられなかった『あれだけのこと』があったのだからもう少しおとなしくしていると思ったのだが。
「「時空管理局は全ての世界を管理している。よっておまえたちも我らに管理される管理される必要がある」だったかな。彼が言っていたのは」
「ええ、あまり覚えていませんが恐らくそんな感じだったと思います」
「・・・珍しいね。君が覚えてないなんて」
「あまりにも呆れるような内容だったので」
確かにあの発言は酷かった。
「あの言い分が通るなら今頃人間はどこかの勢力に支配されていただろうね」
まあそうなればすぐに『あの神』が出てくるだろうが。
「それでいかがいたしましょう」
グレイフィアに言われ、どう対処するか考えていると
「サーゼクスちゃん、あの人たちが来たってほんとー!?」
セラフォルーがドアぶち破ってきた。
「ああそうみたいだよ」
と答えると
「なら私イってくるよー!あんな偽物の『魔法少女』は本物の『魔法少女』の私がやっつけてやるんだからー!」
そういって今度は天井を突き破っていった。
「・・・グレイフィア、ドアと天井の修理を頼んでおいてくれ」
「・・・どちらに行かれるのですか」
「色々行かなきゃいけないところはあるけど、まずは」
あの『魔法少女』を止めなくね、と言って私はセラフォルーを追いかけた。
アリシア + 悪魔の駒 = イケるんじゃね? とか思ったりするのは私だけでしょうか。