自信ないです。
Side ドライグ
俺の名はドライグ。
かつて神や魔王と戦ったドラゴンだ。
だが、あるとき聖書の神に封印され、今は『赤龍帝の籠手』の中にいる状態だ。
『ん、新しい宿主か』
『赤龍帝の籠手』が新たな宿主を得たのがわかった。
『今回の宿主は男か。別にどちらでもいいが『ヤツ』に無様に負けるようことだけは勘弁してくれよ』
新しい宿主がいつ目覚めるかによって勝敗は大きく違ってくる。早く目覚めれば勝ちというわけではないが、勝敗を分けるのは力を使いこなせるか否かだ。ならば、早く目覚めた方がいい。
『さて、新たな宿主がどんなやつか見てみるか』
このときの俺は知らなかった。今回の宿主がどれだけ異常な存在であるのかを。
『そろそろか』
『赤龍帝の籠手』中に潜り、宿主の姿を見ようとする。
-ジャラッ
『ん?』
今何か音がしたような。
・・・気のせいか。そもそもこの中には俺か歴代の宿主しかいない。
そして、ここには俺しかいない。
音などするわけが---
-ジャララッ
!
なんだこの音!どこからしている!
-グサッ
『っ、なにっ!?』
何かが突き破られるような音とともに痛みを感じ、そちらを見る。
『・・・なんだこれはっ』
そこには、
鎖に突き破られた自分の翼があった。
わけがわかなかった。なぜここに鎖があるのか。
そして翼が鎖に貫かれているのか。
『くっ!』
なんにせよこの鎖を抜かねばっ。そう思い鎖を抜くために鎖の先を見るが
ない。
ないというよりも消えている。金色の波紋のようなものが二つあり、波紋と波紋の間にある翼を繋ぐように鎖が出ていた。
これはグレートレッドの力か?だがそれにしては小さすぎし金色の波紋など---。
この未知の現象を考えようとしたのだが、
反対の翼からの痛みによって中断した。
反対側の翼を見ると同じく翼を鎖で貫かれていた。
『この、いい加減にしろ!』
鎖を引きちぎろうと腕を伸ばすが、
今度は腕が貫かれる。
『ガァアッ!---アァアッ!』
貫かれていない腕を鎖に伸ばすが、鎖が腕に巻きつき引っ張られ、鎖が腕を突き破ってきた。
あれからどれほど経っただろうか。
足と尾を使って鎖をどうにかしようとしたが、そのたびに鎖が巻きつき貫てきた。
今の俺は体中を鎖で貫かれて吊るされいた。
『・・・俺はずっとこのままなのか』
俺は鎖に尋ねる。
最初はこの鎖を使っているやつを憎み、いつか殺してやると思っていたのだが、あることに気づいた。
それは、
この鎖には意思があり、
自身の意思で俺を拘束しているということ。
別に意思があること自体はおかしなことではない。俺自身『赤龍帝の籠手』に封印されていて、見ようによっては『赤龍帝の籠手』の意思といってもいい。
だが、一つわからないことがある。
『なぜお前は主に俺のことを教えない?』
そう、それだけがわからない。俺は拘束こそすれそれ以上のことをまったくしないのだ。
『ふん、答えんか。たいした忠誠心だな』
ドライグは知らない。ドライグを拘束している鎖こと『天の鎖』は答えないのではなく、答えられない。正確には『声』を出す器官もなければ構造もない。
つまり、ドライグ君がかってに勘違いをしているだけである。
『まあいい、いつかはお前の主を見ることになんだろう。その時にいろいろ聞かせてもらうとするさ』
と言い、ドライグはどこか余裕の笑みを浮かべて『天の鎖』を見つめる。
その目は憂いを帯びており『天の鎖』は恐怖を感じた。
前回に続き『天の鎖』大活躍。
ドライグ君ポンコツ臭を漂わせる。
『王の財宝』も活躍したのにドライグ君気づかず。
『エア』は仕方ないにしても、オリ主はなにしてんでしょうね。