忙しくて暇があるときに書き直したりしていたので、どことなく文章に違和感を感じることがあるかもしれません。そのときは感想など書いていただければできるかぎり直そうと思っています。
はやてによって本は時に凶器にもなることを身をもって教えられた二人は正座で説教を受けていた。
フェイトは正座をしたことがないのか時折もぞもぞとしていたが。
「で、自分いったいなんであないなことになっとたんや?」
呆れたような、いや呆れた目でフェイトを見て問いかけるはやて。
「探し物をしていて、それに時間をかけてたから」
「・・・探し物って。限度を知らんのか自分。というか親からはなにも言われんかったんか?」
「母さんは忙しいから。それにアルフは今母さんのところで休んでる」
「アルフ?お姉さんの名前か?」
はやてが新たに出た名前の人物のことを尋ねる。
それに対して嫌な予感を感じた一誠がフェイトの代わりにしゃべろうとするが。
「アルフは私の使い魔だよ」
フェイトがあっさりとアルフの正体を吐いてしまう。
それを聞き、なにやってんだよ・・・と頭を抱えたくなる一誠。
どうにか誤魔化せないかと一誠が思考を回らせるが無為に終わる。
なぜならば、
「使い魔?ということは自分もしかして魔法使いか?」
はやての発言が予想外なものであったから。
「ううん、私は魔導士だよ」
「魔導士?よくわからんけど魔法使いとはなにが違うんや」
「魔導士っていうのはね---」
魔導士のことで話し出す二人。
それを一誠はただ見ていることしかできなかった。いや、正確には見ているのではなく二人のほうを向いて考えていただけだった。
なぜ、はやては使い魔と聞いて魔法使いと思ったのか。
いくら子供でも使い魔と聞いて魔法使いかどうかなど尋ねたりはしない。使い魔とはなにかや、ゲームの話かなにかなど思うはずだ。
なのに、はやては魔法使いかどうか尋ねた。
まるで『魔法使いがいる』ということを知っているかのように。
「---聞いとるんいっくん?」
はやての発言によって思考の海に沈んでいた一誠であったが、その原因であるはやてによって引き上げられる。
「あ、なに、どうしたの?」
突然話しかけられ戸惑いながら尋ねる一誠にはやてはため息を吐き答える。
明日フェイトちゃんの家に行くよ、と。
夕暮れの中二人の姉弟、車イスに乗ったはやてを一誠が押しながら家への帰り道を目指していた。
車イスを押す一誠はあの発言以降まったく喋っていない。ずっとはやての言葉の意味を考えていたからだ。
「いっくーん、聞いとるかー」
「んあっ、・・・ごめん聞いてなかった」
考えることに夢中で間抜けな声で答えてしまい一誠は顔を羞恥に染める。
そんな一誠を心配そうな顔ではやては見つめる。
「大丈夫か?マンション出るときもフェイトちゃんに挨拶せずに帰ったろ。具合が悪いんなら明日は私とフェイトちゃんだけで行くけど」
「うん、大丈夫だけど。なんで明日フェイトの家に行くことになったの?」
本来ならもっと前に聞いておかなければならないことを今になって尋ねる。
それに対してなんでもないことのようにはやては言う。
「魔法使い『は』見たことがなかったからなー。それにしてもいっくんが魔法使いの手伝いをしてることがビックリや」
「フェイトの話を信じたの?(フェイトのやつどこまで話したんだ。『天の鎖』のことは言っていないといいんだが。それに、今なにかおかしくなかったか?)」
「まあ魔法使いぐらいいたっておかしくはないやろ、この世界」
「・・・それどういう意味?」
はやての更なる発言に驚き立ち止まり尋ねるが、はやては答えず笑って一誠を見つめる。
そのはやての笑みに何故か恐怖を感じ後ろに下がろうとする一誠の手をはやてが掴む。
「大丈夫や、なにも怖がらんでええ、私が守ったるから」
今度こそ、絶対に、と呟き、狂気を宿した瞳で一誠を見て告白する。
私には『紫炎祭主による磔台』があるんだから、と。
Side 悪魔
冥界のとある場所に数十体の悪魔が列をなして、ある悪魔の話を聞いていた。
「諸君!今回の任務は愚かにも再び侵入してきた異世界の人間の抹殺である!」
指揮官と思しき悪魔が並んでいる悪魔たちに言う。
「さらに、今回魔王様が来られる!くれぐれも無様な姿だけはさらしてくれるなよ!」
その発言に並んでいた悪魔たちがざわめきだすが、すぐにそれも静まる。流石はこの任務に『選ばれた』者たちというべきだろう。
「これより侵入者のところへ転移を行う。準備はいいな!」
『ハッ!』
「よし、・・・では、転移開始!」
集まっていた悪魔たちを囲むほどの巨大な転移の魔法陣が現れ、悪魔たちを飲み込む。
事態は最悪の方向に動き始めていた。
久しぶりなのに結構シリアスな感じに仕上げてしまいました。
しばらくはシリアスな展開になると思いますが、お付き合いいただければ嬉しいです。
それと今更ですがお気に入りが100、UAが10,000を超えました。
こんな作品ですが皆様に読んでいただけて、とても嬉しく思います。
更新もできる限り早くしていこうと思っていますので、楽しんでいただければ幸いです。