現在大規模(というほどでもない)改編していますので、また改編するかも知れません。
女神との邂逅
「あなたは死にました。なので、転生してもらいます」
『お断ります』
あ、やべ。ついいつもの癖で断っちまった。
たまにさ駅の周辺で署名をお願いします、とか声かけてくる人いるじゃん。あれと同じ対応しちまったよ。
いや、あの人たちも遊びでやってるんじゃないことはわかるよ。たださ、急いでるときとかされるとたまにイラっとするんだよね。たった数分で済むことではあるんだけど、その数分で本来乗る電車を逃して次の電車を待ったりしたくないし、仕事で疲れて家に帰って休めると思っているときとかに話しかけられるとついイラっとくるんだよね。
器が小さいとか、カルシュウムが足りてないのとか言われたら、それまでなんだけどさ。
ま、そんなわけでつい断ってしまったわけなんだけど大丈夫かね。
そもそも転生って、最近二次小説によく出てくるあれのこと?
じゃあ話しかけてきたのってもしかして神様的な感じの存在?
色々とわからないことはあるが、今は反射的に断ってしまったあの人に聞いてみるしかない。
そんなわけで先ほどから静かにしている『彼女』に目をむけると。
『な・・・、なせですっ』
唖然としていた。あらやだ可愛い。
『なぜ、と言われればまあ
めんどくさそうだからです』
俺はアニメとか好きで、二次小説とかも読んだりする。その中には転生ものもあったりする。というか転生系の話は好きです、大好物です。
で、読んでいるうちにあることに気が付いた。
『転生ってことは赤ん坊からスタートしていくんですよね?だとしたらそうとうキツイと思うんすよ。生まれてすぐの赤ん坊なんてろくに動けないし話せません。そんな状態で数か月あるいは一年近くも過ごしたストレスで狂いそうな気がします』
「そ、それならある程度経ってから記憶を戻します。それなら問題ないでしょう?」
『・・・いえ、問題はそれだけじゃないんです。むしろ問題なのは十数年後のことです』
そう本当の問題は別にある。
『『ヤツら』から逃げるのは難しい。少なくとも生きていくならいずれは戦うことになるでしょう』
「なっ、そんな存在がいるのですか!」
『・・・俺は仲間たちと一緒に多くの『ヤツら』戦いました。中には百以上の『ヤツら』と戦ったものもいれば、戦いの中で心や体を壊した連中もいました』
「そんな、・・・『ヤツら』とはいったいなんなのです!」
忘れもしない、いや忘れられるか!
あの戦いを、あの日々をどれだけ経とうと忘れるものか!
俺は絶対に忘れない!
『彼女』はかたずをのんで俺から『ヤツら』を正体を聞こうとしている。
『『ヤツら』は・・・、『ヤツら』の正体は・・・!』
「ゴクッ・・・」
『 入学試験 と 就職活動 です!!』
「入学試験と就職活動それが『ヤツら』の!・・・・・・はい?」
『く、『ヤツら』は恐ろしい!入学試験はある程度わかるし終わりが見えるが、就職活動はまるで終わりのない・・・って聞いてます?』
「・・・フフ」
?
「なにかと思って聞いていれば・・・フフ、ウフフフ・・・、
Yetzirah!」
は?
「Longinuslanze Testament!」
そう『彼女』が叫ぶと、あら不思議。どこからともなく、かの有名な獣殿の聖槍が出てくるではありませんか。
・・・え。
こちらがまったく事態についていけていない中、『彼女』が聖槍を振り上げる。
『なるほど、これが悟るというこ---
最後まで言うことなく、俺は光に飲み込まれた。
「いい加減、起きなさい」
『はっ、なんだ夢か---
「もう一度飲み込まれたいの?」
『すみません、勘弁してください』
そう言い即座に土下座をしようとして今の自分に気が付いた。
『あれ、体がない?』
「今頃気づいたのあなた」
『彼女』は心底呆れたように言った。
『え、なんで?もしかしてさっきの一撃で?』
「あなたここに来たときから体なんてなかったわよ。というよりも体があったらここには来れてないわ」
Why?
「はぁ。本来ならここに来たときに説明するんだけど、あなたのせいでできなかったの。これからあなたに説明してあげるから、・・・黙って聞きなさい。いいわね」
そうして『彼女』は出荷される豚を見るような目を向けて、言い放った。
「私は女神で、ここは転生するための場所。ここに来るには魂だけの状態でなければならない。このくらいは低能なあなたでもわかるわね?」
と毒を吐きながらきいてきた。
『なんか最初と態度違くない?』
「今までは人間が想う女神みたいな感じで相手をしてきたわ。そっちのほうが色々と都合がいいのよ。というか、女神に対してその話し方は無礼よ、焼かれたいの?」
聖槍の先をこちらに向け言ってくる。
『ちょ、危ない!てかなんで『それ』があんの!?』
『彼女』--いや女神に持っていた聖槍のことを尋ねる。
「あぁこれ?以前転生させたやつが望んだ特典よ。言っておくけどこれ本来のものより弱くなってるわよ」
『なんでその特典をあん---女神さまがお持ちになっているんでしょうかっ!』
あんたと言おうとして睨まれたため、言葉を正す。
「・・・あのゴミは、こともあろうに、特典として私を要求するという、無礼を働きました。よってすべての特典を剥奪しました」
忌々しいといわんばかりに女神は語る。
「主人公が女神を特典とした物語があります。そのことをあのゴミは知っていたからか、可能と思い私を要求してきたのです。それだけで無礼極まりないというのにあろうことか、私に俺の女にして喜べと言い放ったです」
ああ、あの作品ね。というか、どーしよ。思ってたよりも重いんですけど。そりゃ女性にそんなこと言ったら大抵は怒るだろ、イケメンだったら別かもしれないけど。あ、ここ魂しかないからイケメン関係ないか。
「この話はもう終わりにしましょう、思い出すのも忌々しいので。それにそろそろ本題に入りましょう。まずは今すぐ転生してもらいます」
やっぱり忌々しかったのね。てか展開早くね、しかも決定事項ですか。
『えーやだー働きたくなーい』
「あなた一人にこれ以上時間をかけるわけにはいかないの」
『・・・もしかして鬱陶しい?』
「結構ね」
そういい女神は片手で俺もとい、俺の魂を掴む。そして、
地面に押し付けた。
『ちょ、暴力反対!ストップストップ!出ちゃうから、これ以上押された出ちゃうから中身的なナニかが!』
「大丈夫よ、魂に中にはなにも入ってないから。それに」
グィ
「ただ転生するだけだから」
『地面に埋めて転生なんて聞いたことないんですけど!普通は落ちるんじゃないの!』
「ウチは埋めるタイプだから」
『斬新すぎ!』
そんなことを言っているうちに徐々に地面に埋まっていく。
『イヤだ・・・、俺は・・・、もう・・・、
就職活動なんかしたくないぃーー!!!』
「・・・もうツッコまないわよ、疲れたから。特典は決まりだからあげる。そうね・・・、
よくあるテンプレ的なのなんてどうかしら♪」
そんな楽しそうな悪魔の声を最後に俺は地面に埋まっていくのだった。
最後のあたりで力つきました。
終わり方が少し雑になっている木がします。