ベルセルク・オンライン~わたしの幼馴染は捻くれ者~ 作:兵隊
2023年7月5日 PM22:00
第十八層 丘の上
――――ソードアート・オンラインにおいて“雨”とは、極めて稀な気象とも言える。
仮想世界と言えど、アインクラッドでは雨が降る。
その触感もリアルなもので、雨に濡れれば衣服が濡れて、容赦なく体温を奪っていく。アバターの皮膚に水滴が落ちれば、それは重力に従って下方へと垂れていく。まるでそれは本物の雨、仮想世界にいながら現実世界の雨に打たれているかのような感覚。
しかしリアルに近すぎるというのも考えものだ。
ベータテスト時はかなりの頻度で雨が降っていたアインクラッドでは、今では珍しいものとなっている。理由は至って簡単で単純なもの。プレイヤー達の苦情により、雨が降ることは減少していった。
アインクラッドでは珍しい雨。それが“豪雨”ともなれば、もっと珍しい。
第十八層の主街区である『ユーカリ』を一望できる丘。
地面には、至る所に底の浅い湖が出来上がっており、叩きつける雨は斜めに降り注ぎ、風は木々を叩き折らんとばかりに荒れ狂っていた。
空は既に闇の中。
丘から見える『ユーカリ』街明かりだけが、その場所に人が居ることを教えてくれる。
しかし遠い。あまりにも遠い。遠く遠く、どうしてもこの場所からは手が届かない。
そんな人の営みからかけ離れ、別離された丘の上で、獣二人が牙を突き立てていた。
「ハハッ――――!」
「…………ッ!」
獣一匹が楽しそうに嗤い、獣一匹が忌々しげに口元を固く歪めた。
そして何度目かの激突。
何度繰り返したか考えることすら放棄していた。
とにかく目の前の獣を駆除しなければならない。そんな義務感が獣の一人――――ユーキの心を急かす。
だが急いだ所で――――。
「おっと」
勝敗が決することはない。
ユーキの凄まじい膂力による一振りを、魔剣――――
そして空中で、猫のように身体の重心を操り地面に着地する。
自分の一撃が、距離を開けるために利用された事を理解すると、ユーキは苛立ちを右手に集中させる。
右手に持っている両手剣を、ギュッ、と握り締める。屈辱を力に変えて、ユーキはその場に超然と敵と対峙していた。
「……随分と、強くなったもんだ」
ユーキの敵である黒ポンチョの男――――PoHはどこか感慨深い口調で口を開いた。
その合間にも、雨は激しさを増す。
黒ポンチョが、パチパチ、と雨を弾き、ユーキの胸当ての辺りにも強く雨が打ち付けられていく。
二人を照らす光などない。まるで二人が立場は、幽世のようでもあり、生者など存在しないかのようでもあった。
しかしユーキとPoHはお互いの存在を認識しているし、どのような面構えであるかも把握していた。
二人の距離は、ちょうど数十メートルぐらいだろう。
この豪雨と烈風の中、お互いの姿をよく見えたこと、お互いの声が聞こえるのが不思議であった。
「一層では俺に手も足も出なかったのにな?」
「尻尾巻いて逃げたクソ虫が何を言ってやがる」
「あの時は、まぁ、俺も気が動転してたんだよなぁ……」
クツクツ、と口元に笑みを浮かべて、PoHは両手を広げる。
その姿は、ユーキという人間を迎え入れて、受け入れているとも取れるものだった。
とても殺し合いをしている人間が取る行動とは思えないまま、PoHという男は情愛を込めた口調で続けた。
「まさかこんな所に、貴様のような俺がいるとは思わなかったな。ある日突然、ドッペルゲンガーを見ちまったんだ。そりゃ動揺の一つや二つするだろう」
「――――――ッ!」
黒ポンチョの口を黙らせることは出来ならしい。そう判断したユーキは、行動に移していた。
黙らないのなら物理的に黙らせる。口を開きたくても、開けない状況を作り出す。
そうして何度目になるかわからない、ユーキの疾走は始まった。
水に濡れた地面、吹き飛ぶ豪雨の中で、荒々しい速度だった。
二人の距離は数十メートル程。この程度の距離ならば、恐らく五秒とかかるまい。
PoHの身体に刃を斬りつけて、地面に転がして叩き潰すのに、充分過ぎる距離だった。
しかし――――。
「――――……なっ!」
突如、ユーキの視界からPoHは消えた。もちろん、物理的に消えたわけではないし、この局面でユーキが油断して彼を視界から外すわけがない。
同時に、ユーキの頭のなかでありとあらゆる警報がなり始めた。これまで命を削ってきた経験、そして第六感による危険予知が、その場にいては危険であると結論付ける。
「貴様、左眼見えてないだろう」
異変は直ぐに現れた。
斬、という音を立てて、ユーキの左腕に衝撃が走り、それは直ぐに灼熱へと変わり、痛覚として残留した。
左方へ首を動かすと、自身の肘から先にある筈の左腕は宙に舞い、死角に潜り込んでいた敵である黒ポンチョの男は
斬られた、とユーキは自覚し苦痛を無表情で押し通し、直ぐ様態勢を立て直し反撃に移った。
「チッ――――」
舌打ちをして、右手に持つ両手剣『アクセル・ワールド』を強引に真横に振る
「おっと――――!」
ユーキの斬撃よりも、PoHの行動の方が速い。
人の理性を持つ獣は、間髪入れずに後方へと飛び闇の中へと紛れ込んだ。
普通の思考回路をもつ人間であれば、このまま攻めることだろう。何せ、片腕を斬り落とし、左眼が見えないというハンデがあることを掴んでいるのだ。このまま攻めないなんて、それこそ道理に合わない。
しかし、PoHという獣は離脱を選んだ。
彼は理解しているのだ。片腕になろうと、ユーキには関係がないということを。
何せ、あの“アインクラッドの恐怖”だ。一人でフロアボスを打倒し、今まで一人で攻略をしてきた化物だ。そんな人間が、片腕を切り飛ばしたところで動揺する筈もなく、むしろ気にせずにそのまま引かずに斬り合うことだろう。
そうなると、PoHにとっては分が悪い。純粋な斬り合いでは相手にならない、と彼は熟知している。
だからこそ驚くべきは、PoHの身体能力ではなく、即座に離脱を選んだ思考の速度。
引き際を弁えていると言ってもいい。それはユーキにとっても、厄介極まりない能力でもある。
「ったく、何て野郎だ貴様は」
PoHの頬は微かな冷や汗が流れている。それは疲労からではない。
彼は注意深く、ユーキを観察する。
変化は――――見られなかった。
数分前と同じ、少年の瞳はPoHの姿だけを捉えており、それ以外は思考の外へとはじき出している。少年の斬り飛ばされた左腕は今だに地面に転がっており、それに意識を向けている様子はない。
その姿に、PoHは恐怖を覚える。
少年の人となりを分かっていたが、実際に見てみると明らかに異常に映り込んでいた。
「今まで斬り合って、貴様には痛覚があることがわかった。貴様の身体はリアルに近づき、感覚も研ぎ澄まされているんだろう。より力強く、より速く動けるって訳だ」
「何が言いたい?」
「貴様は化物ってことだ」
吐き捨てるような言葉とは裏腹に、PoHはどこか嬉しそうな口調で続ける。
「片腕斬り落としてやったってのに、貴様は何も変わらない。死ぬほど痛いだろそれ?」
「知るかよンなもん。痛みなんぞ、気持ち次第でどうとでもなる」
「そう、どうとでもしちまう! バカ強い精神力と意志力。それこそが、貴様の力であり原動力ってやつなんだろう!」
PoHの眼の前に居るのは、彼自身が称した化物。
左腕を斬り落とし、身を悶えるほどの痛みがあるにも関わらず怯まず、なおかつ反撃してくる化物。
もしかしたら――――ユーキという少年にとって、身体が傷つくということは呼吸と同じくらい当たり前のことなのかもしれない。
少年は、誰よりも自分という人間を嫌悪しており、誰よりも自分という人間に憤怒を向けている。その証拠が、例の“黒炎”であった。自身すら焦がす黒き炎に身を焦がしながら、力を振るい続ける。
正に、自己嫌悪の塊。いいや、自己嫌悪の怪物といっても過言ではない。
ならば、PoHはどうだろうか。ユーキは自分自身と称した彼は、どうなのだろうか?
「貴様に出来て、俺に出来ないことはない。そうだろう、俺の恐怖?」
「テメェ、まさか……ッ!」
ニヤリ、と笑みを零してPoHは応じた瞬間――――。
轟、とPoHの中心から衝撃が空気の壁を叩き、荒れ狂っていた豪雨を吹き飛ばした。
異変はPoH自身にはない。
明確な変化の表れは彼の武器にあった。今まで白銀の刀身だった、
文字通り、魔剣となった獲物をユーキに向けながら。
「この世界は面白い。自分がイメージした通りに、改変されていく。俺が何をイメージしたか、教えてやろう」
自身の持つ魔剣を、意気揚々とした調子でPoHは天に掲げながら続けた。
「この剣は、プレイヤーを殺せば殺すほど威力を増す。ってことはだ、この剣は魂を食って強くなるってことだろ?」
「テメェは殺すだけじゃなくて、その剣の中に――――!」
「そう、プレイヤーの魂を食らってやることにした! この剣で殺したプレイヤーの魂を喰らい、一部にするよう手を加えてやったのさ!」
だから、と言葉を区切りPoHは恍惚とした声と表情で告げる。
「貴様を殺して、俺の一部にしてやるよ。俺達は文字通り、一心一体となるわけだ――――!」
「――――ッ!」
叫ぶように宣言すると同時に、PoHの疾走は始まった。
ユーキは思わず眼を疑う。
死角に回り込まずに、真正面から向かってくる。口を開けて、涎を撒き散らして獲物に襲いかからんとする姿は、正に獣のソレだ。
正気じゃない、としかユーキには思えない。
力でも勝っている、速度も僅かであるが勝っている。ならば正面から斬り合って撃ち負ける訳がない。
ユーキはそう確信するが――――それは、大きな間違いだった。
「ウラァ――――!」
ユーキの両手剣とPoHの魔剣がかち合う。
力負けしたのは――――。
「な――――に――――?」
ユーキであった。
眼を見開き、信じられないモノを見るような眼で、PoHを見る。
今までこんなことはなかった。いつだって、誰にだって、純粋に力負けしたことはなかった。それこそフロアボスにも負けることはなかった。歯を食いしばり、いつだって正面から打ち負かしてきた。
しかし、ここに来て。
ユーキを自分の物にするために、何もかもを喰らってきた男が、何もかもを引っさげて打ち負かす。
「確かに、貴様の剣は重い。片手で振り回している貴様が信じられない」
「テメェ、は――――!」
「だが、貴様よりも俺の方が――――思いが強い!」
「――――オレなんぞとやり合う為に、何人殺してきたッ!?」
大きく弾かれた右手に、ギリッ、と力を込め、迸る叫びと共に、ユーキは黒ポンチョの男の脳天めがけて力任せに両手剣を振り落とす。
対して、PoHは今度こそ引かなかった。心意を開放し、自身の獲物を魔剣と化したもう一人の化物は、ユーキの一撃を受け止めて事実だけを口にする。
「貴様は今まで、モンスター何匹殺したか、覚えてんのか?」
「このクソ野郎が――――!」
「おいおい、怒るなよ。地道にモンスターを殺して経験値を稼ぐよりも、プレイヤー殺して“コイツ”を強化した方が速い。仕方ないだろう?」
彼らは、自分の為に力を振るう。
理由は同じでも、根本的には異なるモノであった。
ユーキは他人が傷つくことを否とし、PoHは他人が傷つくことを是とする。
ユーキは自分が傷つくことを是とし、PoHは自分が傷つくことは否とする。
ユーキが自己嫌悪に塗れるのに対して、PoHという男は自己愛性に満ちていると言ってもいい。
ギリギリ、と奥歯を噛み締める。
今まで殺意を他人に向けたことがなかったが、ここに来て初めてユーキはPoHに殺意を向けた。生まれて初めて――――他人を殺したい、と本気で思った。
この男だけは、生きてはいけない、と。
自分と同じくらいのクソはここで消す、と己を焼き殺すように、己に向けるように、怨嗟の声を絞り出しながら。
「テメェは、ここで消す……! ここで、終わらせてやる……!」
「願ったり叶ったりって奴だ。俺がここで貴様を殺せばいつまでも一緒にいられるし、貴様が俺を殺せば俺という存在はいつまでも貴様の中に生き続けることになる」
その言葉が引き金となった。
今こそ、ここで。この場で、ユーキは己の心意を開放しようとする。
怒りが、憎悪が、呪いが、ありとあらゆる負の感情を爆発させて、今度こそPoHを斬り殺すと己に誓いを立てて、暴力を炸裂させようとする。
だが――――。
「――――――ぁ」
小さく声を漏らす。ここに来て、ユーキの殺意が鈍った。
墨よりも黒い感情を宿した蒼い双眸はPoHから逸れ、彼の背後へと向けられている。
瞳にあるのは殺意ではなく、純粋な困惑だ。
どうしてここにいるのか理解が出来ない、そんな眼をしていた。
「あぁ?」
PoHは思わず肩越しから、背後へと視線を向ける。
そこに誰かがいた。その姿は少女。
雨に濡れながら息を切らして、綺麗な紅い瞳はPoHではなく、ユーキに向けられている。
思わずため息を吐きながら。
「あーあーあー、興冷めだ」
「ガッ!?」
言葉と同時に手が動いた。
PoHは魔剣を持つ片手ではなく、無手だった片手に投げナイフを持つと、戸惑う様子もなくユーキに突き立てる。
完全に意識を、PoHから少女へと向けていたユーキにその奇襲を防ぐ手段はなく、あっさりと胸の辺りに突き刺さっていた。同時に、ユーキの身体が崩れ落ち、両膝が地面に着いてしまった。
バチャン、と水が跳ねる音が響く音が虚しく木霊した。
いくら力を入れようが身体が動かない。
HPゲージは点滅し、自分が“麻痺”していることを知らせていた。投げナイフには、高レベルの麻痺毒が塗られていたのだろう。
それを一部始終見ていた少女――――ストレアは悲痛に叫んだ。
「――――アナタ!」
「バカ野郎! オマエはさっさと逃げろ!」
自分が傷ついてもお構いなしに、ユーキも叫んだ。
動けないことは致命的である。現に今のPoHはプレイヤーを殺害し強化されていく魔剣『
心意を開放した威力は先程の見た通り。ユーキと同等いいや、それ以上の攻撃力を有している。そんな人間の前で膝を付き、手足も出ない。指一つ動かすことすら出来ないこの状況は、致命的にも何者でもない。
しかし、ユーキのあり方は変わらない。
自分の危機よりも、他人の危機を優先にする。意識は既にPoHに向けられておらず、ストレアに向かれていた。
それが何よりも。
「――――そうか」
それがなによりも――――PoHは面白くない。
ユーキの両手剣を真横に蹴り飛ばして、しゃがんでユーキに視線を合わせながら。
「俺を見ないで、あの女を見るのなら仕方ねぇ。――――女を消すとしよう」
「ま――――」
待て、と言い終わる前にPoHは行動に移していた。
身を低く、獣のように走る。草食獣に牙を突き立てる肉食獣のように、獲物を見つけた獣のように、彼は疾走を始めてストレアとの距離を詰めた。
彼女との距離を考えると、三秒もかかるまい。
他人の命を吸って強化された魔剣は容赦なく、ストレアの柔肌を抉り斬り、躊躇もなく彼女の命を吸い魂を我が物とすることだろう。
――やめろ。
――やめろ……!
――アイツは何も関係がない。
――オレとテメェとの間に、何の関係がないだろう!
――どうして、何も関係がない人間を犠牲に出来る……?
――この、この……!
「クソ虫野郎がァァァァァァ!」
ユーキの叫びが木霊し、PoHとストレアとの距離がゼロとなった。
魔剣が走る。ストレアが反応出来る道理はないように、抵抗が出来ないまま、その刃は彼女へと一閃した。
斬、という音が響き渡った。
斬る人間が居て、斬られる人間が居る。となれば、結果は明らかであった。
結果は――――。
「な、に……?」
何者かの理解が追いつかない。
「あ、あ……」
何者かの振るえる声が漏れる。
そして――――。
「――――ッ!」
何者かが、理解が出来ない者の顔面を殴り飛ばした――――。
殴り飛ばされた者――――PoHは今だに理解が出来ないのか、受け身も取れないまま地面を転がり、数十メートルのところで止まると漸く恐る恐る立ち上がる。
「貴様、何をしている……?」
「――――――――――」
殴り飛ばした人物は答えない。
いいや、何をしているのかはPoHにもわかっていた。ただ、思わず呆然と声が出てしまった。
自分の魔剣が少女を斬りつけたと思いきや、突如乱入してきた男が少女を庇い、斬られながらも自分を殴り飛ばした。
そんな簡単なことでしかない。そんなことはわかっている。分かっていても――――。
「貴様、何をしている!」
「―――――」
叫ばずにいられない。
対して乱入者は、ゆらり、と蜃気楼のように軸のないように身体をふらつかせて、一歩踏み出そうとする。
だが上手く、その一歩が踏み出せない。
簡単な筈だ。何の難しくもない筈だ。だがどういうわけか、そんな簡単な作業が難しい。
ズルリ、と軸がズレる。
斬られた左の肩口を乱入者――――ユーキは見やると。
「ぁ――――?」
大きく、大きく、これまた大きく――――抉られていた。
少しでも気を抜けば、そのまま肉体がずれ落ちる。そんなような有様になっていた。
遅れて痛覚が走る。灼熱に身を焦がし、激痛が絶え間ない感覚で襲い掛かってくるのをぼんやりと他人事のように捉える。
傷口からは血液染みた、鮮紅色の光点を無数に撒き散らしている。
元から血の気が多いのだ、血を抜けばマシになるだろう。
そんなことを考えていると、これは血ではないと直ぐに顔を横に振り否定し、今度こそユーキは膝から崩れ落ちる。
――あぁ、これはダメだ。
――痛みはどうとでもなる。
――こればっかりは、ダメだな……。
それだけ考えると、ユーキは顔を後ろに向けた。
そこには守った対象――――ストレアがいた。信じられないモノを見るような眼で、いやいやと現実を否定するように顔を横に振り震えながら涙を流している。
考えてみれば、これまで奪われるだけの人生だった。
事故で両親は奪われ、人並みの幸福を奪われて、自由という当たり前すら奪われた。
だがこうして、何者かに奪われる前に、守ることが出来た。自分のようなクソにとって、充分過ぎる最後だ。
満足するようにユーキは口元を緩めながら一言。
「――――オマ、エは、逃げろ……」
そうして今度こそ、ユーキというプレイヤーは、茅場優希と言う人間は――――生命活動を、停止した。