この作品はGXが原作なので番外編として出来ると思って執筆意欲があるうちに書いた方がいいということで突貫工事の状態ですが出来上がりました。
雑な仕上がりですが楽しめていただければ幸いです。
―――これは遊利や十代たちがデュエルアカデミアに在籍している時のIFの物語―――
「やろうぜ遊利!」
今日は大型の連休だから寮の自室でのんびりと過ごしている時にバンッと扉を開けて十代がやってきた。
「やろうぜって十代、主語が抜けてるよ。どうせデュエル関連の話題だから今流行りのデュエルリンクスをやろうぜってことでしょ?」
十代はデュエルに関することは飛びつくのがはやい。
そして最近デュエル関連の話題で十代が飛びつくのは“あの”デュエルリンクスしかない。
デュエルリンクスは海馬コーポレーションが開発した仮想現実空間、所謂VRの空間でその中で行われるデュエルはスピードデュエル採用したルールとなっている。
モンスター、魔法・罠ゾーンは3つまででデッキは20~30枚、エクストラは5枚まで。
LP4000、初期手札4枚でメインフェイズ2はなし。
またデュエルリンクス内で実装されているカードは現実(GX世界)には発売されていない、または世界に数える程度しかないカードもある。
これはデータによって作られた空間なので可能であり、蛇足ではあるが翔がブラック・マジシャン・ガールを使えると聞いた時は、その場に居合わせた人達曰く翔の背
後に綺麗な花畑が見えたとか。
これによってデュエルリンクスならではの戦略が求められ、デュエル好きの人達にはそれが良いみたい。
「早速いこうぜ!」
「ちょっと待ってよ十代!」
十代に手を引っ張られながらアカデミア校舎内にあるデュエルリンクスにダイブする部屋まで連れて行かれた。
――――――――――――
「やってきたぜ!デュエルリンクス世界!」
「はいはい。」
今日は珍しく利用する人が少なかったので直ぐに使えた。
デュエルリンクスは普及して間もないがアカデミアの運営も海馬コーポレーションがしているのでアカデミア用の機材が多く運ばれてきていた。
全校生徒全員とまではいかなくても半分の人数はあるのでアカデミア生の大半はデュエルリンクスを体験している。
しかし十代はレッド生なので順番は後回しにされ、本日めでたく使用できた。
なので十代は今ものすごくテンションが高い。
僕?僕は成績上位者だから何度か来ているよ。
「早速デュエルだ!」
「ちょっとまって!」
「何だよー。せっかくデュエルできると思ったのに。」
「十代、まさか初期デッキのまま行くつもり?」
「へ?」
何その間抜けな顔。
絵文字みたいと思ったよ。
「初期デッキだから一応戦える程度のカードしかないんだよ。初期デッキは数種類があってランダムに配られているんだけど1枚は強いカードが入っているからそこは見てからのお楽しみってやつだね。」
「それは楽しみだ!早速見てみるぜ!…………っお!ネオスとハネクリボーがある!」
「っえ!?本当!」
十代の初期デッキを見てみるとURのネオスとSRなハネクリボーが入っている。
「こんなことあるんだ………。しかもフェザーマンとバーストレディ、フェザーショットもある。運が良すぎる位だよ。」
「で、これからどうするんだ?」
「パックを買いに行くよ」
「お、ここにどんなカードがあるか楽しみだぜ!」
――――――――――――
ショップに着いてすぐに十代はパックの収録カードを眺めていた。
「どのカードも使ってみたいな!で、どのパックを買うんだ?」
「十代はどんなデッキを使いたいの?やっぱりHERO?」
「そうだな………いつも通りHEROデッキだな。」
「それならパックを買うよりストラクチャーデッキを買った方がいいね。」
現在デュエルリンクスではストラクチャーデッキは四種類存在しており、そのうちの1つに「HERO見参!」というHEROデッキがある。
ストラクチャーデッキは相性の良いスキルをデュエルで使用すること前提で作られたデッキであり、HEROデッキはスキル「ヒーローの戦う舞台」を使うことでより強力なものとなる。
スキルはプレイヤーによって手に入るものが変わり、十代はHERO関連のスキルを入手できることが確認できた。
なので十代の運は良すぎる。
ちなみに「入手できる」だから今はスキルを持っている状態ではないので使用はできない。
「買ってきたぜ!早速デュエルしに行こうぜ!」
「オッケー。次はコロシアムだね。」
――――――――――――
「遊利!あの人たちって!」
「ん?ああ、迷宮兄弟だね。」
「あの人たちもここに来てたのか!もう一度デュエルしに行ってくる!」
「十代ちょっと待って。」
「ぐえっ!何すんだよ!」
十代が迷宮兄弟のところへ走っていきそうになったのを襟首を掴み、勢いがあったので首が締まり変な声が出た。
「十代、あの迷宮兄弟は本人じゃないよ。」
「え?」
「あの迷宮兄弟の頭の上に青いマークが浮いてるでしょ。あれはNPCで、デュエルリンクスではレジェンドデュエリストがNPCで配置されているんだ。」
「なーんだ。本人じゃないのか。」
「それよりコロシアムに行くよ」
――――――――――――
「おおー!人がいっぱいいる!」
コロシアムのエリアでは様々な人種が集まっており、賑わっているのが分かる。
「コロシアムではデュエリストのランクを決めるランク戦、勝敗の影響が無いフリーデュエル、友達とデュエルするフレンドデュエル、チーム戦ができるデュエルルーム、色んな人のデュエルを観戦できるリプレイがある。十代の場合だとランク戦でも良いんじゃない?ランク戦だと勝利数によって報酬が貰えるし。」
「早速行ってくるぜ!」
ウワー!
ツヨスギダヨアンナノ!
「ん?あっちが騒がしいけど何かあったのかな?」
「えっ?………あれって明日香だよな?」
先程騒がしかったのは明日香が原因なのだろう。しかし何故そんなことが起きたのか。
「本当だ。あ、こっちに来てる」
ツカツカと足音を鳴らしながら不機嫌オーラ駄々漏れな明日香、今は明日香様と言った方がいい状態でこちらに向かってくる。
「十代に遊利じゃない。あなた達もランク戦を?」
「僕はやらないよ。十代の案内役」
「今からデュエルするのが楽しみで仕方ないんだ。それより明日香はどうしたんだ?」
「対戦相手の殆どがサレンダーするか遅延行為をするのよ。しない人たちはロックデッキで、勝っても負けても批判されるのよ。腹が立ってくるのよ。」
「ちなみにどんなデッキを使ったんだ?」
「機械天使だけど?」
十代はへーといった表情しているけど、僕としては明日香に返す言葉は、
「(相手が)御愁傷様」
――――――――――――
明日香と別れて十代は早速ランク戦に挑戦中。
現在はシルバーランクからゴールドランクに昇格を賭けたデュエル中でもうすぐ終わるようだ。
「勝ったー!」
「お疲れ様。もうそろそろ夕餉の時間だし帰る?結構なデュエルをこなしたし疲れたんじゃない?」
「そうだな。面白いデュエリストがいっぱいいたし、デュエルリンクスならではのデュエルも楽しかったな。おかけでお腹が目茶苦茶空いてて早く戻りたいぜ。それに今日はエビフライの日だから尚更だ。」
満面の笑みで此処に来て良かったと述べる十代に僕も笑顔で喋る。
「気分が良いところで悪いけど、宿題はキチンと終わらせるんだよ。どうせ溜まってるんでしょ。」
「うげっ!それは言わないでくれよ………。」