遊戯王GX ユーリな遊利の物語   作:読みイクト

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久し振りの投稿になります。
色々とリアルで忙しく、話を作るのが思うようにいかなかったです。
今回の話は男前ヒロインがデュエルリンクスに九期カードを追加した結果、リンクスの環境がヒドイことになったことを遠回しにdisるものとなっております。
来月に制限をされて一ヶ月の天下でしたが。



これはヒドイ。デュエルリンクスで九期のカードをテーマごと追加したぐらい。

「隼人がいなくなる!?」

 

十代とカイザーのデュエルがあった次の日に隼人がこのアカデミアから去ると翔から聞かされた。

 

「なんで隼人がいなくなるの?隼人は一年留年したとはいえそれが理由になるとは思えないし………」

 

「隼人君のお父さんから「アカデミアの成績が悪いからこれを機に隼人には家の酒造をしてもらう」って言われたんだよ。」

 

「家庭の問題に他人が口を出すのは良くないけど。隼人はどうしたいのかを聞いたの?」

 

「隼人君はやめたくないって。あ!それで「デュエルをちゃんと学んでいれば俺に勝てるはずだ。お前がデュエルで俺に勝てばこの話は無かったことにする」とも言われたよ!」

 

「隼人が勝てば……か。でも僕は隼人の腕を知らないんだけど強いの?知識は少なからずあるのは知ってるけど」

 

この前のテストで十代と翔の筆記が悪かったので僕が鬼のような指導をして、その後に成果が出ているか僕が作ったテストをやらせた。

 

ついでに隼人にもやってもらったんだけど(比べる対称が悪いのかもしれないけれど)オシリスレッドの中では良いレベルとよべるデュエルの学力がある。

 

ちなみに翔は「まあ、頑張っていこうよ」ぐらいで十代はHEROに相性が良いものと汎用性の高いカードの知識なら良いのに他が何故か出来てないという残念な結果だった。

 

だけどそれがあるからといってデュエルの腕に直結するかと言ったらそうでもない。

 

十代みたいな運があるとプレイングに良い影響がでるし、知識が多いからといって相手に自分の戦略の穴を突かれたりする時だってあるからそれで冷静に対抗することが出来なくなる時だってあるのを見たことがある。

 

だから知識はあるにこしたことはないけど知識が多い=

デュエルの腕とは限らない。

 

「隼人君は自信が無かったからたぶん………」

 

翔は暗い顔をしてしまった。

 

隼人とまだ一緒にいたいけど隼人の反応から期待出来ないと思ってしまったんだろう。

 

「隼人は今どこにいるの?」

 

「僕達の部屋だよ。」

 

僕は隼人のいる場所まで走り出した。

 

と、その前に………。

 

―――――――――

 

「お!遊利じゃないか」

 

「いらっしゃいなんだな」

 

「隼人に貸したいものを持ってきたんだ」

 

そういってここに来る前に自室から持ってきたジュラルミンケースを開く。

 

「おお!カードがいっぱい入ってる!」

 

「すごいんだな!」

 

ジュラルミンケースの中にはぎっしりとカードが入っていた。

 

しかも。

 

「初めてみるカードばかりだ!」

 

「俺も知らないんだな。」

 

十代たちにとっては初見のカードだ。

 

「はあはあ。遊利君ひどいっスよ!置いてっちゃうなんて!……わあ!初めてみるカードだ!」

 

翔を置いてきちゃったのは申し訳ないけど行き先はだいたい検討がつくから先回りできると思ったんだけど。

 

僕の後を追いかけてきたからこうなっちゃたんだね。

 

それにしても翔も目を輝かせながらジュラルミンケースに入ってるカードを見てる。

 

「三人ともオフレコで聞いて」

 

今の僕は真面目な顔をしているだろう。

 

それだけ重要なことなんだ。

 

「何だ?」

 

「このカードたちは世に出回ってないカードなんだ」

 

「え!?どういうことっスか!?」

 

「もしかして偽造なのか!?」

 

「偽造って犯罪なんじゃないか!」

 

三人とも驚いている。

 

そりゃそうだよね。

 

世に出回ってないカードなら偽造という発想が思い浮かぶだろう。

 

しかし。

 

「十代の言った偽造のカードじゃないんだ」

 

「じゃあ何で世に出回ってないんだよ」

 

偽造じゃなければ一体どうして世に出回ってないのか。

 

それは。

 

「それは僕がI2社のテスターだからだよ」

 

「テスター!?それって本当なの!?」

 

三人はI2社のテスターだと分かり驚いている。

 

「うん。しかも新しい召喚方法のテスターとして選ばれているんだ」

 

「それじゃあこのカードたちは試作段階のカードだから世に出回ってないのか」

 

鋭いね十代。

 

そこに行き着く思考ができるならもっと勉強しようよと内心思うけど。

 

「その通りだよ。だから世に出回ってないしオフレコで聞いて欲しかったんだ。あまり騒がれたくないから」

 

「でもこのカードを見せたこととテスターを言ったことにどんな意味があるの?」

 

翔がもっともな意見を言う。

 

ここまでも重要なんだけどここからも重要なんだよ。

 

「隼人にこのカードたちを貸してお父さんとのデュエルに使ってもらおうと思っているんだ」

 

「俺に!?む、無理なんだな!俺には使いこなせないんだな!」

 

「別に使いこなすなんてことは期待していないよ。いきなり渡されてもプレミしない人なんかいないよ」

 

「じゃあなんで……」

 

「僕は隼人が本当にここに残りたいなら手助けしたいんだ。友達として」

 

隼人はしばらく黙ってしまうが。

 

「遊利!手を貸してくれ!俺がんばってみせるから!」

 

真剣なまなざしで僕に言う。

 

助けを求めているんだからこたえてあげないとね。

 

「じゃあデッキの動かし方を覚えようか」

 

「はいなんだな!」

 

―――――――――

 

隼人の父親、熊蔵とのデュエル当日が来た。

 

隼人は覚悟を決めた顔をして父親に挑む。

 

「父ちゃん、行くぞ!」

 

「かかってこい隼人!」

 

「「デュエル!」」

 

「先攻は俺なんだな!ドロー!モンスターを伏せてターンエンド!」

 

隼人

モンスター

セットカード1枚

魔法・罠

なし

手札

5枚+1-1=5枚

 

「おいのターン、ドロー!酔いどれタイガーを攻撃表示で召喚してバトル!セットモンスターに攻撃!」

 

「セットモンスターはデス・コアラだ!デス・コアラのリバース効果発動。父ちゃんの手札5枚×400のダメージを与える!」

 

「しかし酔いどれタイガーはリバース効果を無効化することができる!」

 

「そんな!」

 

「おいはカードを二枚伏せてターンエンドだ」

 

熊蔵

モンスター

☆4酔いどれタイガー

ATK1800

DEF600

魔法・罠

伏せカード二枚

手札

5枚+1-1-2=3枚

 

「俺のターン、ドロー。…あっ!これならいける!俺はレスキューキャットを召喚。そして効果発動。デッキからレベル3以下の獣族モンスターを二体特殊召喚するんだな。森の聖獣ヴァレリフォーンとハイエナを特殊召喚」

 

「しかし召喚権はもう使っている。守備を固めるつもりか?」

 

「こうするんだな!レベル3ハイエナにレベル2ヴァレリフォーンをチューニング!シンクロ召喚!レベル5ナチュル・ビースト!」

 

☆5

地属性

獣族

ナチュル・ビースト

ATK2200

DEF1700

 

「な、なんだこの召喚は!?」

 

「隼人が行ったのはシンクロ召喚と言い、シンクロモンスターに記載されている素材となるチューナー及び、それ以外のモンスターをフィールドに揃えるとシンクロモンスターを召喚することができます」

 

僕がシンクロ召喚を知らない熊蔵さんのために解説をする。

 

「ナチュル・ビーストで酔いどれタイガーに攻撃!」

 

「罠カード銀幕の鏡壁を発動!これでお前のモンスターの攻撃力は半分だ!」

 

「手札から速攻魔法発動サイクロン!これで銀幕の鏡壁を破壊!」

 

熊蔵

ライフ

4000+(1800-2200)=3600

 

隼人

モンスター

ナチュル・ビースト

魔法・罠

なし

手札

5枚+1-1-1=4枚

 

「おいのターン、ドロー。酔いどれエンジェルを攻撃表示で召喚して永続魔法、ちゃぶ台返しを発動」

 

「その発動にチェーンしてナチュル・ビーストの効果を発動する。デッキの上からカードを二枚墓地に送りその魔法の発動を無効にするんだな。しかもこのモンスターがいる限り何度も使えるんだな」

 

「な!?それじゃあおいは……」

 

「父ちゃんは魔法カードを使えない!」

 

「くっ!おいはこれでターンエンド……」

 

熊蔵

モンスター

☆4

地属性

天使族

酔いどれエンジェル

ATK1800

DEF400

魔法・罠

伏せカード1枚

手札

3枚+1-1=3枚

 

「俺のターン、ドロー。召喚僧サモンプリーストを召喚。召喚に成功したから守備表示になる。サモンプリーストの手札の魔法カードを1枚捨てて効果発動。デッキからレベル4モンスターを特殊召喚するんだな。俺は手札の魔獣の懐柔を捨ててデッキから二枚目のレスキューキャットを特殊召喚。さらにレスキューキャットの効果発動。このカードを墓地に送ってデッキからレベル3のXーセイバーエアベルンとハイエナを特殊召喚。ここからレベル3ハイエナにレベル3Xーセイバーエアベルンをチューニング!シンクロ召喚!レベル6ナチュル・パルキオン」

 

隼人

モンスター

☆4

闇属性

魔法使い族

召喚僧サモンプリースト

ATK800

DEF1600

☆5ナチュル・ビースト

☆6

地属性

ドラゴン族

ナチュル・パルキオン

ATK2500

DEF1800

魔法・罠

なし

手札

4枚+1-2=3枚

 

「バトル!ナチュル・パルキオンで酔いどれエンジェルに攻撃!」

 

「罠発動!二枚目の銀幕の鏡壁!」

 

「俺はナチュル・パルキオンの効果を墓地から二枚のカードを除外して発動!銀幕の鏡壁の発動を無効にして破壊!」

 

「なに!?」

 

「続けてナチュル・ビーストで攻撃!」

 

熊蔵

ライフ

3600+(1800-2500-2200)=700

 

「俺はこれでターンエンド」

 

隼人

モンスター

☆4召喚僧サモンプリースト

☆5ナチュル・ビースト

☆6ナチュル・パルキオン

魔法・罠

なし

手札

3枚

 

「………おいのターン…ドロー。…おいはターンエンド……」

 

「俺のターン、ドロー。ナチュル・ビーストで攻撃!」

 

熊蔵

ライフ

700-2200=-1500

 

―――――――――

 

なんていうか。

 

これはヒドイね。

 

正直レスキューシンクロはやり過ぎたとこのデュエルが始まる前から思っていたけどデッキが動いてから殆どなにもさせてあげない状態になってたし。

 

レスキューシンクロは全盛期は環境トップにいたから勝つことはある程度簡単と言えるけど、それでもこれはねぇ………。

 

強すぎる力は自身で身を滅ぼすことを表せるデュエルだったよ。

 

ただ熊蔵さんのプレイングミスがあったからそこがなかったら変わっていたかもしれない。

 

銀幕の鏡壁の発動時が攻撃宣言時だったからだ。

 

銀幕の鏡壁はダメージステップでも発動できるからそこで発動すればサイクロンで破壊されなかったのに

なにはともあれこれで隼人がアカデミアから去ることはなくなった。


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