シルバーウィング   作:破壊神クルル

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52話

世界で二番目に確認された男性操縦者のシャルル・デュノアはなんと半分は男、半分は女の体である両性具有者であった。

そしてその出生はイヴ(一夏)同様、愛人との間に生まれた子供であった。

シャルルの正体と出生には驚いたがそれ以上に驚いたのが何とあの獣が‥‥

今まで血と戦いと殺しにしか興味がなかったあの獣がシャルルに惚れていたのだ。

イヴ本人としては獣が恋愛感情と言う新たな感情を抱いてくれたことに関しては嬉しい事だった。

これを機に獣には血や戦いからは遠ざかって欲しいと思いつつも厄介な物件のシャルルに惚れることに対して面倒さを感じる。

 

(でもさ、よりによってなんで?デュノア君なの?)

 

『ん?べ、別にいいじゃないか誰が誰を好きになっても』

 

獣はもはやイヴに隠す事無くシャルルに惚れていることを認める。

 

(でも、デュノア君は結構厄介な物件だと思うよ)

 

『厄介さで言ったら私達以上の奴がいるのか?』

 

(‥‥)

 

獣の言葉に対して反論できないイヴ。

 

(それで?デュノア君の何処が気に入ったの?)

 

イヴは獣がシャルルの何処に惚れたのかを尋ねた。

 

『えっ?だって彼、可愛いじゃん。あの羊みたいな可愛い目‥私に迫られていた時の赤面する顔‥‥思わず食べたくなっちゃう‥‥』

 

獣は恋愛に関してもやはり(肉食)獣だった‥‥。

イヴには獣の表情を確認できなかったがきっと獣は舌なめずりをしている事だろう。

 

(さっき食べないっていったじゃん!!)

 

『あれは獲物を油断させる為の演技だよ。演技』

 

(ふざけるな!私の体で如何わしい事をしようとするな!!)

 

イヴにしてはこれ以上体を汚されるのは御免だと言う。

 

『だったら、お前も彼の事を好きになればいいんじゃないか?』

 

(えっ?)

 

『奴は両性具有‥半分は男だが半分は女だぞ。それに見ただろう?あの胸の大きさ‥‥お前の好きなたっちゃんやたばちゃんにも負けず劣らずの大きさだったじゃないか。それにこのチャンスを逃したらお前が恋愛をする事もないぞ』

 

(‥‥私は別に恋愛なんて‥‥私は皆がいればそれでいいし‥‥)

 

『まぁ、そう言うなって‥お前も彼と一緒に過ごして行けば慣れるだろうさ』

 

(‥‥)

 

獣はイヴとの会話を終えて次にシャルルと会話を始める。

 

「それでシャルル・デュノア」

 

「は、はい」

 

「答えは決まったか?」

 

「ぼ、僕は‥‥僕は‥‥生きたい!!こんな体でも愛人の子でも生きたい!!」

 

それはシャルルの魂からの叫びであった。

 

「いいだろう。お前が生き抜く方法は簡単な事だ。さっきも言った様に故郷を捨てろ‥つまりどこか別の国に亡命するか自由国籍を取得しろ」

 

「えっ?」

 

「ああ、ちなみにコイツは自由国籍を既に取得している。方法が知りたかったからコイツに聞くと良い‥‥たったこれだけのことでお前は自由になれたんだ」

 

イヴ(獣)は楯無を指さしてもし、シャルルが自由国籍を取得したい場合は楯無に聞けと言う。

 

「‥‥」

 

イヴ(獣)の言葉にシャルルは無言。

確かにイヴ(獣)の言うとおり親や会社からの束縛から逃げるには亡命するか自由国籍を手に入れてフランス国籍から逃れる事が出来れば親からも会社からも抜け出すことが出来た筈だ。

それを思いつかなかったのは、自分は自由を諦めていたのか、まだ何処かに親に対する未練があった事なのだろう。

 

「ああ、それともう一つ‥‥こっちはもっと手っ取り早い方法だが‥‥」

 

「な、なに?」

 

「フランス国籍以外の人間と結婚しろ」

 

「えっ!?」

 

「フランス国籍以外の人間と結婚してその国の国籍になれば簡単にフランスの国籍から抜ける事が出来るぞ‥‥何なら私が貰ってあげようか?」

 

「えっ?」

 

イヴ(獣)がズイッとシャルルの顔に自らの顔を近づける。

シャルルは忽ち顔を赤くする。

 

(ちょっ‥アインスさん‥顔‥顔が近いって‥‥)

 

「んっ、んっ、やり過ぎよ。イヴちゃん」

 

楯無はわざと咳払いをしてイヴの行動を嗜める。

 

「はいはい。でも、デュノア君はこれでもうデュノア社のスパイ工作を止めるみたいですし、情状酌量の余地はあると思いますが?」

 

「はぁ~分かったわ‥この件は私の胸の中に留めておきましょう‥デュノア君」

 

「は、はい」

 

「自由国籍‥取得したかったらいらっしゃい。取得の方法を教えるから」

 

「はい‥ありがとうございます」

 

こうしてシャルルはデュノア社と手を切る事を決意した。

自らの自由を勝ち取るために。

シャルルの問題が一段落したので獣はイヴと体を交換しイヴが表に出た。

 

「で、デュノア君」

 

「はい」

 

(あれ?アインスさん何だか態度が‥‥)

 

先程まで獣だったイヴはまさに肉食系女子なのだが、表のイヴは普通というかやや内気な女子高生なので、人格が入れ替わった事によりシャルルはイヴに違和感を覚えた。

 

「その‥私の話で私が生物兵器だと言う事は知っているかもしれないけど、私にはもう一つ秘密があるの」

 

「えっ?」

 

「私の中にもう一人の私が居るの」

 

「えっ?」

 

「その口調‥イヴちゃん?」

 

「はい。今は主人格の私が表に居ます」

 

「主人格?もう一人の私?な、何のこと?」

 

当然シャルルにはイヴの言葉の意味が理解できない。

 

「私は所謂二重人格という奴なの」

 

「に、二重人格!?」

 

イヴが二重人格と言う事実に驚愕するシャルル。

 

「ええ‥さっきまで話していたのはもう一人の私‥‥殺戮の銀翼」

 

「さ、殺戮の銀翼!?」

 

シャルルもIS業界の人間であり、フランス政府から殺戮の銀翼の名前聞いていた。

しかし、シャルルが知っているのは殺戮の銀翼が凄腕の暗殺者と言う事で正体までは知らなかった。

 

「じょ、冗談でしょう?アインスさん」

 

シャルルは目の間に居る同級生があの凄腕の暗殺者なのかという疑問ばかりだ。

 

「いいえ、その子が言っているのは本当よ」

 

楯無がシャルルにイヴの正体が殺戮の銀翼である事を伝える。

 

「‥‥」

 

「私の中にはその殺戮の銀翼である人格‥獣が住み着いている。そしてさっきまで話していたのはその獣‥殺戮の銀翼‥‥今はこの体本来の持ち主である私‥‥」

 

「‥‥」

 

イヴの説明にシャルルは啞然とする。

 

「まぁ、慣れないとどっちなのか区別がつかないからね‥‥」

 

楯無は素人目またはイヴとの付き合いが短いとイヴなのか獣なのか区別がつかないと言う。

 

「勿論、この事を口外すれば私は姿を隠さなければならないし、その場合まずは貴方の口を封じる必要がある‥‥それだけは肝に銘じて」

 

「う、うん」

 

「それともう一つ」

 

「な、なにかな?」

 

「その殺戮の銀翼は私に言ったわ‥‥貴方を通じて‥『男に慣れろ』って」

 

「えっ?」

 

「その‥‥つまり、貴方と友達になれって事‥‥」

 

「‥‥」

 

イヴの言葉にシャルルは戸惑っている様子。

 

「分かっている‥身近に暗殺者なんて物騒な人がいるのは怖いって‥‥だから無理にとは言わない‥ただ、私の正体さえ黙っていてくれればそれでいい‥‥」

 

イヴはシャルルの事も考慮して無理して自分と付き合う必要はないと言う。

普通の人間ならば暗殺者と仲良くなるなんて事はしない筈だ。

しかし、シャルルは、

 

「そ、そんなことないよ」

 

「えっ?」

 

「その‥‥アインスさんには色々驚いたけど、アインスさんは色々僕の為にしてくれたから‥その‥‥僕で良ければ僕と友達になって下さい」

 

シャルルがイヴに手を差し出す。

 

「‥‥」

 

シャルルの態度に今度はイヴの方が委縮してしまう。

シャルルの体は半分男なので心配だった。

もし、出てしまったらかなり失礼になる。

自分から友達になりたいと言ってシャルルの手を握った瞬間「イヤ!!」とか言って手を叩いたり、怯えた様子で手を引っ込めないか心配だ。

 

「‥‥」

 

それでも獣が言うように自分も一歩前に進まなければ‥‥

イヴは恐る恐るシャルルに向けて手を伸ばす。

こんな時こそ、獣に出てきて欲しいくらいだ。

だが、獣はイヴの深層心理の中からイヴの行動を見ているだけ‥‥

今回獣はイヴに試練を与えた。

それはイヴに男に慣れろと言う試練を‥‥

 

「こ、こちらこそよろしく‥デュノア君‥‥」

 

イヴとシャルルの手が重なる。

 

(っ!?)

 

シャルルの手が触れた瞬間イヴは思わず手を引っ込めたい衝動に駆られるかと思ったが、意外にもその衝動はなかった。

それはやはりシャルルの体の半分が女だったからだった。

 

その日の夜‥‥

 

「もすもすひねもす~はぁーい、みんなのアイドル・篠ノ之束さんだよォ~!」

 

「あったばちゃん?」

 

「い、いっちゃん!?」

 

イヴは束に電話を入れた。

用件は勿論デュノア社の件についてだ。

まずイヴは束にデュノア社について尋ねた。

すると束は当然何故イヴがデュノア社について興味を示したのかを尋ねる。

 

「実は‥‥」

 

イヴは世界で二番目に発見された男性操縦者のシャルル・デュノアについて束に話した。

 

「へぇ~デュノア社のスパイねぇ~しかも愛人の子なんだ‥‥いっその事、殺しちゃえばいいのに‥‥(いっちゃんに害虫が着くのが防げそうだし‥‥)」

 

「そ、それが‥その‥‥」

 

「えっ?なに?もしかしていっちゃん、ソイツに惚れたの?」

 

どうも歯切れの悪いイヴの口調に束はイヴがシャルル・デュノアに恋をしたのかと思った。

 

「い、いや‥惚れたのは私であって私ではなくて‥‥」

 

確かにシャルル・デュノアには恋をした‥‥イヴではなくイヴの中に居る獣が‥‥

 

「ん?どういう事?」

 

「じ、実は‥‥」

 

イヴは束に自分の中の獣がシャルルに惚れた事を話した。

 

「えええっ!!」

 

イヴの話に束は珍しく大声を上げて驚いた。

 

「そ、そんな‥‥いっちゃんの中のあの獣が‥‥」

 

(ま、マズイ‥非常にまずい‥‥いくら獣とは言え、アイツはもう一人のいっちゃん‥‥このままではいずれ表のいっちゃんもそいつに持っていかれてしまうかもしれない‥‥)

 

束は焦りを感じた。

もし、このまま表のイヴもそのシャルル・デュノアとか言うふたなり野郎に恋心を抱いてしまってはイヴが自分から離れてしまう‥‥そうなれば自分は誰を心のよりどころにすればいいのだろうか?

そんな不安が束の心を支配する。

 

「でも‥たばちゃん」

 

「な、なにかな?いっちゃん」

 

「私は今回の事、驚いている反面‥その‥‥嬉しい‥様な気がする」

 

「えっ?」

 

「私の中の獣はこれまでずっと血と戦いと殺しだけを求めてきた‥‥それが今回、恋愛感情を抱いた‥これは獣にとっては大きな前進だと思うの‥‥」

 

「う、うん」

 

「で、できれば‥デュノア君を介して獣にはもっと人間味を持ってほしいと思えてきた‥‥これまで奴は血と戦い‥そして私の体を乗っ取る事しか考えていなかったけど、獣でも人の心を持っていたんだと思えてきて‥‥」

 

「‥‥」

 

「その‥面倒事にたばちゃんを巻き込んだことに関しては申し訳なく思っているけど‥でも、こんな事たばちゃんにしか頼れなくて‥‥」

 

デュノア社の件に関しては楯無よりも束の方が仕事も早く頼りになる。

 

「それにデュノア君の話を聞く限りそこの会社随分とISを乱暴に扱っている感じがする‥たばちゃんのISをこれ以上そんな風に扱ってもらいたくないし‥‥」

 

「‥‥わかったよ‥いっちゃん」

 

束はイヴの頼みを聞いてくれた。

 

「ありがとう!!たばちゃん!!」

 

しかし、いくら束とはいえ、今日明日で全てを片付けるのは無理なので少し時間をくれと言って電話を切った。

就寝前眠ろうとしたイヴにラウラが今日も一緒に寝たいと言ってきたので今日もイヴはラウラとベッドを共にした。

 

翌朝‥‥

イヴが目を覚ますとラウラの姿は無かった。

 

「あれ?」

 

ラウラは先に起きて一体何処へ行ったのだろうか?

イヴがそんな事を考えていると

 

「あっ?いっちゃん。起きた?」

 

「えっ?」

 

すると此処に居る筈のない人物の声がした。

それは‥‥

 

「たばちゃん!?」

 

何と其処には束が居た。

 

「ど、どうして此処に?」

 

「今日は学園が休みでしょう?だから、いっちゃんの為に朝ご飯を作りに来たんだよ」

 

束はイヴの為に朝食を態々作りに来たのだと言う。

 

(あれ?たばちゃんって料理できたっけ?)

 

しかし、ここでイヴは妙な違和感を覚えた。

これまで束が料理を作った事を見た事が無い。

その束が今、料理をしている。

あまりにも妙だ。

いぶかしむイヴを尻目に束は朝食の準備を整えていく。

そして出来上がった料理はごく普通の料理であったが、それでも自分の知る束が此処までの料理が出来るとは思えない。

 

「どうしたの?いっちゃん?」

 

束はイヴの向かいの席に座り自分の作った朝食を口にする。

どうやら、見かけと共に味は大丈夫の様だ。

しかし、基本束は悪食である。

何しろクロエが作っている黒焦げの料理を毎日平気で食べているぐらいだから‥‥

 

「えっ?いや、なんでもないよ」

 

慌ててイヴも束の作った料理を口にする。

 

(あっ、美味しい‥‥)

 

束の作った料理は普通に美味しかった。

朝食が進んで食事が終わりに近づいていくと

 

「あっ、いっちゃん。これ、束さん特製のミックスジュースだよ」

 

束がコップ入ったミックスジュースを差し出す。

色は何だか毒々しい色をしている。

 

「‥‥これ材料はなに?」

 

イヴはこのミックスジュースの材料を尋ねる。

 

「これはね‥‥」

 

束がミックスジュースの材料をイヴに教えるが材料がどれもこれも精力がつく食材ばかりであった。

 

「‥‥」

 

「さあさあ、一気にこうグーッといっちゃって」

 

(『いっちゃって』って‥本当に飲めるのか?)

 

しかし束がジッと見ているからには飲めないとは言えず、イヴは覚悟を決めて束特製のミックスジュースを飲んだ。

だが、その見た目とは裏腹にこのミックスジュースも美味しかった。

しかし、このミックスジュースを飲んだ途端イヴは強烈な眠気に襲われた。

 

「うっ‥たば‥‥ちゃん‥‥」

 

束が何か薬を持ったのだろうか?

しかし、睡眠薬程度イヴのバハムートで無効化出来るはずなのに‥‥

そんな疑問を思いつつイヴの意識は反転する。

それからどれだけの時間が過ぎただろうか?

イヴが目を薄っすらと開けると其処にはあり得ない光景が広がっていた。

なんと束がイヴの寝間着と下着を降ろして股ぐらに顔を埋めていた。

 

「た、たばちゃん!?」

 

「あっ、起きた?」

 

「起きた?じゃないよ。何をしているの!?」

 

「何って?ナニに決まっているじゃん」

 

「はぁ!?」

 

イヴが起き上がると自分の股にもあり得ないモノがあった。

シャルルと同じ男性の性器がついていた。

 

「な、なにコレ!?」

 

「フフフ‥上手くいったようだね?」

 

「な、なにが!?」

 

「さっきいっちゃんが飲んだミックスジュース‥あのジュースにはある薬が入っていたのだ」

 

「ある薬?」

 

「いっちゃんのバハムートは体内で自らが望む性質を持つナノマシンを製作・操作することが出来るナノマシンで、そのナノマシンの働きを利用していっちゃんの染色体を操作して一時的にいっちゃんの体を女から男に変身(トランス)させたんだよ」

 

束はどういった原理でイヴの体を女から男に変更したのかを説明する。

 

「な、何でこんなことを!?」

 

「何で?決まっているじゃない‥いっちゃんとの間に子供を作るためだよ」

 

「はぁ!?」

 

突然束からの子作り宣言に思わず声が裏返る。

 

「優れた者の遺伝子は後世に残しておかないとそれは人類にとって大損じゃない。大天才の束さんの遺伝子と神の子でもあるいっちゃんの遺伝子‥この二つ遺伝子が交わった子供はまさに人類の宝だよ!!という訳でさあ、Let's KO・DU・KU・RI・DA!!」

 

「ちょっ、たばちゃん!!アッ―――――!!」

 

そう言って束は真っ裸になりイヴに襲い掛かった。

 

それからしばらくして‥‥

 

「いっちゃん‥いっちゃんの子供‥出来ちゃった」

 

束から妊娠の連絡がイヴの元に来た‥‥

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

束のその知らせを聞いた瞬間、イヴの意識が暗転した。

イヴがバッと目を開けるとそこは見慣れたIS学園の寮の部屋‥‥

隣には自分の体にしがみついているラウラの姿‥‥

 

「ゆ、夢‥‥」

 

カレンダーを見てアレが夢だったのだと自覚するイヴ。

 

「よ、よかった‥‥」

 

束に変な薬を飲まされた挙句に彼女を身籠らせるなんてとんでもない夢だった。

あの出来事が夢だったとわかりホッとするイヴだった。

そして食堂にて朝食を共にした楯無、簪、鈴、本音、ラウラ、シャルルにイヴは今日見た夢の話をした。

 

「‥‥って夢を見たんだ」

 

すると、イヴの夢の話を聞いた皆は赤面した。

 

「あ、あんたなんて夢を見ているのよ!?」

 

鈴がイヴの見た夢にツッコミを入れる。

 

「うーん‥欲求不満なのかな?私?」

 

イヴがポロッと言うと、

 

「じゃ、じゃあ私が相手になろうか?」

 

簪がイヴの相手を務めると言う。

 

「あぁ~ずるいよかんちゃん。私も~」

 

本音が簪に噛みつく。

 

「なっ、わ、私もそ、それなりの知識はあるぞ!!」

 

ラウラも何故か参戦する。

 

(ぼ、僕が相手をしたら不味いよね‥‥)

 

流石に下が男の体のシャルルがイヴの相手になると不味いのでシャルルは何も言わなかった。

一方、楯無はイヴの話を聞いて束ならば夢に出てきた薬を作れるのではないかと思った。

 

(今度‥篠ノ之博士に聞いてみようかしら?あっ、でもそれだとイヴちゃんの夢の通りになっちゃうかもしれないし‥‥うーん‥‥)

 

楯無はコレを束に伝えるか伝えざるべきかを悩んだ。


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