適用すると自動で直してくれる便利&楽さに溺れて注意力散漫になりそう。
あと、この小説の挿絵イラストを知り合いの絵師さんの妹さんを人質に取り、脅して描かせました!
……嘘です自分で描きました。
エレティカのイメージ画像です。
【挿絵表示】
「……何者だ?いや、今、一体どこから現れた。」
「初めまして、スレイン法国の皆さん。」
「私達の名は、アインズ・ウール・ゴウン……。」
「あの村とは少々縁があってさあ。」
「村人の命乞いにでも来たのか?」
「いえいえ、実は……。」
そこで、モモンガ様の雰囲気が、ガラリと変わる。
いや、雰囲気ではない、空気が、大気が、そして……この場の流れというものが変えられる。
「お前と戦士長との会話を聞いていたのだが、本当にいい度胸をしている。」
「私達がせっかく救ってやった村人を全員殺すだと?」
「こんな不快な事があるかよ。」
「不快!とは、大きく出たな、冒険者?で、だからどうした?」
「抵抗することなくその命を差し出せ。」
「そうすれば少なくとも痛みはないわ。」
「いいぜ、もしそれを拒絶するっていうなら……」
「「「愚劣さの対価として、絶望と苦痛の中で死に絶えることとなるだろう。」」」
キャーッ至高の方々カッコイイーッでも普通に言ってくれ頼むから。
リレーして言うのほんと腹筋に来るから!
あとペロロンチーノ様はさりげなく幻想ぶち殺す人っぽく言うのやめーや!
一瞬「あれ?」と思ったわ!!
「天使たちを突撃させよ!!」
そして、飛んできた哀れな羽虫の刃が、モモンガ様の服に突き刺さる。
……が……。
「……人の忠告は素直に受け入れるものだぞ?」
「やはりユグドラシルと同じモンスターのようね。」
「お前らがどうしてそれを使えるのか知りたいとこだけど、それは後においておこうか。」
「次はこちらから行くぞ?鏖殺だ。」
……それは一瞬、そう、ほんの1秒にも満たない出来事だった。
モモンガ様の飛ばした負の波動と、ペロロンチーノ様の放つ光速の弓矢、ぶくぶく茶釜様による、不可視の盾の生成と攻撃による圧殺。
それぞれ全てが一撃で天使を屠るに至っている。
「ば、馬鹿な!?」
「ば、化け物!!」
そして混乱した敵が次々に魔法を放つ。
どれも、ユグドラシルの物で、私たちからすれば、何もしなくても何のダメージにもならない、無意味なもの。
「やはりユグドラシルの物ばかりね。」
「……誰が、その魔法を教えた?」
「ぷ、プリンシパリティーオブザベイション!!かかれ!!」
……ん?おっと、モモンガ様にいくのかと思ったら、こっちに来たな。
まぁ一応ペロロンチーノ様を守っている盾役として受けといてやるか?
……それにしても遅いなぁ。
「……エレティカ、別に待たずにやっちゃってもいいよ。」
「承知しました、では。」
許可が出たのであなたには一撃も見せ場はなく終わっていただこう、たった今メイスを振りかぶっているところだけど、残念、遅すぎ。
《ヒュッ》
スキルを使うまでもない、通常攻撃。
申し訳ないけどお前なら手刀による一突きで十分オーバーキルだ。
そのただの一突きで、頑強な筈の天使の外殻は豆腐か何かのように陥没、そのまま、光となってキラキラと消滅していく。
「一撃……だと……!!?ありえん!!上位天使がたった一回の武技で滅ぼされるはずがない!!!」
いや、武技ですらないんだけどね?
「ヒュゥーッ流石俺のエレティカ!」
「お褒めに預かり光栄の極みで御座います。」
「も、モモンガ様、次、次は私がやりましょうか?」
「い、いや、お前は守りに徹していろ……。」
「かしこまりました!」
「た、隊長、我々はどうしたら!?」
「……最上位天使を召喚する!!」
あれは……魔封じの水晶(雑魚入り)!ユグドラシルのアイテム(無駄遣い)もあるわけか……!!
「アルベド、スキルを使用し、私達を守れ。」
「必要ないとは思うけど、一応私も防御魔法をかけておくわね。」
「ハッ!承知しました。」
うん……本当に必要無いんだよね、とはいえ一応警戒するふりだけでもしておくか。
「見よ!!最高位天使の尊き姿を!!ドミニオン=オーソリティ!!」
《バサッ!!!!》
おお、でっかい。
こりゃ確かに何も言われなけりゃ最高位の天使って思っちゃうかもなぁ……。
……実際は私たちの足元にも及ばない雑魚なんだけれども……。
「馬鹿な……。」
「これが、切り札……?」
「……ありえん。」
「恐ろしいか?怯えるのも無理はない!」
「……下らん」
「興が冷めたわ……。」
「正直これは……期待はずれかな。」
「……何?」
「この程度の幼稚なお遊びに警戒していたとは……。」
「幼稚……?期待はずれ……?何を馬鹿な……いや、まさか……ハッタリだ!!!ドミニオン=オーソリティー!!あの愚か者どもを滅殺せよ!!!」
《ズズンッ……!!!》
その次の瞬間、私達へ向けて光の光線が天より放たれる。
……とはいえ、それが与えるダメージなどもとより無に等しい。
カルマ値がマイナスであるモモンガ様やアルベドですら「ンーちょっと今日日差し強すぎかなー?」くらいのもんである。
私に至ってはカルマ値が善寄りなので、ほぼ何も感じない。
「ハハハハ……これがダメージを負う感覚!痛みか……!」
「ん~……?ちょっと強い日差しって感じ?」
「あ、それだ!」
この人たち一応今攻撃受けてんだよなぁ……?
私もだけどさ……。
「か……」
「か?」
「下等生物があああああああああああああああああーーーーーっ!!!!!」
《ドゴゴゴッ……!!!》
えっ!!?ちょ、なにこれ、ひょっとしてこのアマ、怒りの咆哮だけで光の柱を打ち消しやがったの!!?さ、流石はアルベド……!!
「私の、私の超~愛している御方に、いた、痛みを与えるなどおおおおおおっ!!!ゴミである身の程を知れえぇぇーーーーーーーーーーーーっ↑↑↑!!!!」
「ヒィィーーーーッ!!?」
「よ、良いのだアルベドよ。」
「ですが!!モモンガ様!?」
「良いのだ、天使の脆弱さを除き、ありとあらゆる事態は私達の狙い通りだ。」
「……かしこまりました、モモンガ様……。」
「(びっっっっっっくりした~~~~~……。)」
「(アルベド、こえ~~~っ。)」
……あっ、ひょっとして今、私も今のやるべきだった?
……ん~、先にアルベドがキレたせいで冷静になってしまった、ということで。
「今度はこちらの番だな……絶望を知れ。【ブラックホール】」
そう唱えると、空中に、光も音も温度も感じられない真っ黒な空間が生成され、全てを飲み込むように空間を捕食していく。
無論、最高位天使(笑)も無事ではすまず、音も立てずにその中に吸い込まれ、そして黒い空間が消えた時、そこには何も残らなかった。
一瞬思考が停止したような顔をしたニグンだったが、すぐに現実に戻ってきたらしく、唯一、現状を正しく理解できた……いや、まだ足りないか。
「お前は……お前らは、一体、何者だ!?」
「最初にいったはずだけど耳もついていないのかしら?」
「この名はかつて、知らぬ者がいないほど轟いていたのだがな……。」
《ビシィッ!!》
んぉっと!!?あぁ、そういえばあったなーこれ。
空間にヒビみたいのが入っているのが見える。
すぐに粉々になると空気となって消えていくそれは、情報系の魔法が阻害された時の物だろう。
「い、一体何が?」
「情報系の魔法によって、お前を監視しようとした者が居たみたいだな……。」
そう告げると、ニグンは既に悪かった顔色がサーッと更に青くなっていく。
「本国が……俺を?」
「私達の防壁が作動したから、大して覗かれてはいないはずだけどね。」
「では、遊びはこれくらいにしよう。」
「まっまままま待ってほしい、アインズ・ウール・ゴウン御一行殿!!いや、様……!!私達、いえ、私だけで構いません!!命を助けていただけるのならば!望む額の用意を……。」
「あなた間違っているわ。」
「はぇっ!?」
「人間という下等生物である貴方達は、頭を下げ、命を奪われる時を感謝しながら待つべきだったの。」
うわぁ~~~~エッグイ……。
「かとう……せいぶつ……。」
「無駄なあがきをやめ、そこでおとなしく横になれ、せめてもの情けに苦痛なく殺してやる。」
……とここでニグンさんはあまりの衝撃とショックで失神、周りの部下達も次々に倒れていった。
……つって、実は絶望のオーラで気絶させたんだけどね~。
「……では、これをナザリックに運んでおきます。」
「うむ、頼んだぞ、エレティカ。」
ニグンさん……うん、まぁこれっぽっちも同情はしていないけども、ちょっと哀れだなぁ~……え?いやいや、……救いはない。
そして、その夜。
モモンガ様は結局モモンガ様のままだったので、改名したという事は伝えられなかったが、とりあえず「勝手に出歩いてごめーんねっ☆彡」て事と「詳しくはアルベドよろしくぅ」って事だけを伝えて今日の活動報告は終わった。
……と思っていたのか?
「デミウルゴス、モモンガ様、ペロロンチーノ様、ぶくぶく茶釜様とお話した際の事を、皆に。」
「我ら至高の方々であるお三方が夜空をご覧になったとき、こう仰言いました。
私達がこの地に来たのは、誰も手にしたことのない宝石箱を手にするためやも知れない、と……そして、こうも仰言いました。
……世界征服なんて、面白いかもしれないな。と。」
「各員、ナザリックの最終目的は、至高の御方々に宝石箱を……この世界をお渡しする事だと知れ!!」
「「「「オオオオオオーーーーーーーッ!!!」」」」
……ご苦労様です……。
世界征服なんて、面白いかも知れないな……。
下僕「ktkr」
モモンガ「えっ」
ペロロンチーノ「えっ」
ぶくぶく茶釜「えっ」
エレティカ「普通にやってのけそうで怖い」
次回は番外編です。