施しの英雄の隣に寄り添う   作:由月

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という訳でFGО編開幕です。
さて、ここで注意事項です。
英霊の座についての捏造設定ありです。とある方の小説で英霊の座とはつまりは“マンションの部屋みたいなもので行き来は可能”、という説を見て、何それ素敵となったのでその設定で書かせてもらいます。
英霊の中には下手に仲良くなっても聖杯戦争でのアレコレを危惧して、とか生前のしがらみ、または呪いでいけない事もあるという設定です。

主人公視点、カルナさん視点で分けられます。今回はさわりのみです。甘いです、注意。
※後書きにちょっと謝罪を置かせてください。




――主人公side――

 

 

 

 英霊の座というものはなんというか不思議な場所だった。見渡す限りの白い空間、時間という概念が存在しないその場所はとても静かだった。

 まあその感想もカルナさんがひょっこりと顔を出した頃にはなくなったんだけども。

 

 え?ええ?と私がわたわたしているとカルナさんは首を傾げた。

 

「ん?どうした」

『え?だって今カルナさんどこから来たの?』

「オレの座からだが?」

『ふぁ!? だって、え?ええ?それってありなんですか?』

 

 私の混乱の声にカルナさんはぱちぱちと瞬きをした。傾げられた首はそのままに不思議そうにカルナさんは続ける。

 

「うん?何をそこまで動揺する。この場はいわば霊体のみが存在するような場所だ。多少の非常識はあり得るぞ」

『ええー?』

「他の奴の事情は知らんが。オレにはこれ如きなんの縛りにもならない」

 

 カルナさんはなんの気負いもなく言いのける。私の手をとり、その手にカルナさんはすりっと頬を擦りつけた。

 

 猫が懐くようなその仕草に私の頬が熱を持つ。細まる青い瞳の柔らかな熱に私にのぼせるなというのが無茶な話だ。

 

 私の沈黙にカルナさんはフッと小さく笑う。

 

「――オレはお前の傍に在れれば、それだけでいい」

『ッ』

 

 しっとりと熱を含むカルナさんの言葉に私は息をのむ。

 

「オレは恵まれているな。死してなお、愛しい者の傍に在れるのは言葉に出来ない程の幸運ではないだろうか」

『カルナさん、それ、言いすぎですよ……』

「そうだろうか?オレはそう思えてならないのだが……」

 

 カルナさんの甘やかな言葉に私は耐え切れずにぼそぼそと呟く。カルナさんは私の赤く染まる頬を撫でて、生真面目に言うのだからもう勘弁してくださいという気持ちで一杯だった。

 

 カルナさんの顔を見れずに俯く私にカルナさんはクスリと笑う。

 

「変わらないな。そんなお前だからこそオレはこうも惹かれたのだろうな」

『ひえええ。カルナさんどうしたんですか?』

「うん?どうもしないが」

『あ、うん。ソウデスネ』

 

 カルナさんの熱烈な言葉に私は戸惑いの声を上げた。カルナさんはこれが通常通りだが?と言わんばかりの態度だったので私は頷くしかなかった。

 

 ああ、そう言えばカルナさん徐々に私に言葉を惜しまなくなったんだよなぁとインド生活での月日を思い出す。私の大切な日々だ。

 

 最初から熱烈っていうのが珍しかったのでつい戸惑ってしまったけれど、私もカルナさんと一緒に居れるのは嬉しい。ので、さっきの言葉も素直に喜ぶ事にする。

 

「ああ、そうだ。ドゥルヨーダナもこちらへと来るそうだ」

『ふぁ!?』

 

 驚く私にカルナさんはそろそろ着く頃だなと頷いた。そう言うのはもう少し早く言ってください……、と私は力なく項垂れる事となる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 英霊の座に至り、しばらく経って大分慣れた頃。その頃にはドゥルヨーダナさんが遊びに来ることも慣れてきた。ちなみにカルナさんの座と私の座がいつの間にか繋がっているという驚愕の事態があったのだが、まあそれはいいだろう。夫婦だし、もうここまで来ると一蓮托生、運命共同体レベルだと思うのだ、私は。

 

「何?何故聖杯戦争に呼ばれないのか、だと?」

 

 ドゥルヨーダナさんは私の疑問の声に白けたような目をむける。そ、そんな目をしなくても……と私はしょんぼりする。

 

「ドゥルヨーダナ」

 

「カルナよ、そなたはそう睨むでないわ。――聖杯戦争、なぁ。余が思うにそなたの伝わり方が曖昧なせいだと思うぞ?」

 

 カルナさんの咎める声にドゥルヨーダナさんは渋い顔をする。そして咳払いの後に話し始めた。

 

『あいまい……』

「そうだとも。“カーリーの申し子”、“カルナの御者”、“カルナの妻”。そなたの呼び名は数多にあれど、決定的なものがない」

『はい?』

「すなわち真名だ。英霊の弱点にして要。知名度はあれど、それがないそなたは呼ばれる筈がなかろうよ」

『……言っていませんでしたっけ?』

「少なくとも、余は聞いた事がない。まあそんな細かい事どうでも良かったしな」

『おおぅ……』

 

 ドゥルヨーダナさんの懐の広さに私は慄く。マジか、私。すっかり違和感がなかった為に失念していたのだ。

 

 カルナさんは私の背を撫でる。気づかわし気なその優しい温もりにちょっと肩に入っていた力が抜ける。

 

「そなたが呼ばれるとしたら、特殊な状況下だろうな」

『とくしゅ……』

 

 これで話は終いだ、ドゥルヨーダナさんはそう言って締めくくった。私はと言えば脳裏にとある予感が過ぎりちょっと落ち着かなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カルナさんと言えば時折聖杯戦争に呼ばれることがあったりしたようだった。その時私はカルナさんの帰りを待つしかないのだけど。

 

 私が何か手出しをすればカルナさん怒りそうだし。そもそもカルナさんを信じている私としては手を出すつもりはない。

 

 薄情だと思う人も居るだろう。でもこれはカルナさんへの私なりの誠意の表し方だ。誠意というか、信頼というかそういう感じの気持ちだ。

 

 聖杯戦争から帰ってきたカルナさんからその時々の話を聞くのもちょっと楽しみだったりする。カルナさん視点の戦いの話は臨場感あふれるもので。カルナさんのマスターとの交流の話も結構知らない一面が見えてきたりして好きだったりするのだ。まぁちょっぴり嫉妬したくもなる事もあるけど。

 

「どうもオレはお前以外に言葉を惜しむらしいな。――余計な事を言ってしまう自覚があったからなのだが」

 

 と月の聖杯戦争から返ってきたカルナさんの言葉には私は少し笑ってしまった。カルナさん、自覚があったんだと。

 

『――そんなにひどいですかね?そうは思えないんですけど』

「それはお前だからな」

 

 私の前では全て思う事を言っているとカルナさんは恥ずかしげもなくさらりと言いのける。私は不意打ちに近いものもあり、うぐぅと変な声を上げてしまった。

 

 私の赤面にカルナさんはこてりと小首を傾げる。くっ、何故だか負けた気持ちで一杯だと私は悔しく思う。

 

「言葉とは難しいものだな。思うまま、感じるままに相手に伝わる訳でもなく」

『でも、きっと言わないと分かんない事もありますよ』

「……そうなのだろうか」

『そうですよ。行動の方が伝わる事もあれば、そうじゃない事もあるんです。だって、カルナさん私に言葉で伝えてくれるじゃないですか』

「ん?」

『それってそう言う事でしょう?カルナさんも、行動だけだと伝えきれないものがあってそれを言葉に伝えてくれる』

 

 不思議そうに瞬きするカルナさんに私はゆっくりと語る。カルナさんのふわふわとした髪を私はゆっくり撫でる。サラサラとして指に絡まる事のない白銀は私の指にあわせてなびく。カルナさんはされるがままだ。

 

『それって素敵な事だと思いません?――私はカルナさんのその想いが嬉しい』

「!」

 

 私は緩む口元に逆らう事なく笑う。へにゃりと崩れた笑いはカルナさんの目を見開かせるに充分だったらしい。

 

 カルナさんは隣に座る私の腕を引っ張り、膝に抱える。ぎゅっと背後から抱きしめられ、肩口にカルナさんは甘えるように頭を擦りつける。ちなみにカルナさんは座にいる時は黄金の鎧を装備していない。インドの民族衣装を纏っていた。

 

 だから抱きしめられてもなんら私に痛みはない。けれど、突然だったから私はびっくりしてしまった。

 

『か、カルナさん?』

「――お前は酷いな」

『へ?』

「オレをどこまで甘やかすのか」

 

 とろりと溶けてしまいそうなカルナさんの甘い声に私はヒエッと声を上げた。み、耳元でその囁きは反則だ、カルナさんの方こそ酷い、と私は赤面しながら訴える。

 

 耳元でカルナさんは幸せそうに喉で笑った。ぐぬぬ、可愛すぎか、私は早々に白旗を上げた。降参だ、こんなのかなう筈がない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 最近やたら眠くなるのが多い。座に至ってからというもの、睡眠欲とか無縁だった為に私は困惑する。カルナさんも心配そうにしてたけれど、他に不具合がなかった為に私は大丈夫だとカルナさんに笑った。

 

 

 

 夢を見た。目の前は全てを呑み込む漆黒の闇。けれどもどこか懐かしい夜の暗闇だ。

 

 私は夢うつつのまま、ただひたすらにその睡魔に身を委ねる。

 

 ――答えよ。

 

 暗闇から聞こえるのは静かな声だった。老若男女誰とも違う、けれどもどこか共通点があるその声に私は目を開けた。

 

 ――答えよ、我が愛し子よ。

 

 うん、この話を聞かないスタイルは邪神様ですね、懐かしいなと私は遠い目をしてしまった。

 

 ――汝の覚悟、刻みし道程。我が祝福に値するものだ。

 ――故にもう一度、お前に踊ってもらおう。

 

『はい?』

 

 ――歩め、その命の思うままに。

 ――示せ、その覚悟を。

 ――理解せよ、我が力のその本質を。

 ――汝が何を手にするか、我が前に示すがいい。

 

『んん?ちょっと意味分かりませんね。ワンモア、ワンモア!』

 

 ――覗け、深淵のその先を。

 ――刻め、汝が縋りしは邪神であると。

 

 

 

 相変わらず不吉過ぎて笑えない……と私は戦慄した。というか何度目だこのやり取りは、と白目をむく私に暗闇が消えていく。

 

 いつかの日に見た、白い閃光が目の前に迫った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ぱちり、と私は目を開けた。突然の覚醒に何回か瞬きを繰り返す。

 

 どうやら地面に倒れていたらしい。私はそのまま手をついて、身体を起こした。とそこで手をついた地面が可笑しい事に気づく。

 

 ザラリとしたコンクリートの手触り、ひび割れているもののちゃんと機能しているのであろう道路に私は混乱した。

 

 アイエエエ!! ナンデ?コンクリートなんで?! と絶叫しそうになりながらも、私は状況把握の為に辺りを見渡す。

 

 

 そこにあったのは地獄絵図だった。

 

 

 まず目につくのは赤。ゴォゴォと燃え立てる火は建物を呑み込み、全てをのみこまんと大きくなる。建物、と言えど、そこにあるのは崩れた残骸だ。人の生活なんて見る影もない。世界の滅亡を絵に描いたような光景に私は呆然と立ち尽くす。

 

 というか私、よく無事だったなとぼんやりと思う。と、そこまで考えて私はアッと一つの閃きが降って湧いた。

 

 

 これ、FGОの序章じゃね?と。

 

 

 いやまあ他のFate作品の可能性もあるけれどでも目の前にマスターが居ないので多分違うのだろう。ほら、FGОだとその特異点の空気魔力濃度が高いとかなんとかではぐれサーヴァントが居る事だし、全く可能性がないとは言えないのだ。

 

 そう、サーヴァント。私の今の身体は紛れもなくサーヴァントのものであると確信できる。それは本能に近い直感が告げていた。

 

 服装は白い襤褸布に男装の時の服装。全体的に袖が長めの民族衣装だ。右耳の金の耳飾りも健在で私はホッと息を吐く。

 

 クラスはライダー。残念ながら宝具名が分からない今の私はポンコツサーヴァントだけれどもまあ戦えなくはないだろう。

 

 まぁ悩んでも仕方ないので私は今の問題に目を向けようと思う。

 

 

 特異点F 冬木。

 

 

 従来の聖杯戦争を行っていたそこで、なんらかしらのトラブルがあった。それが特異点の発生理由であり、それらを調査する為にFGОでの主人公さんとマシュさんはレイシフトする。もっともレイシフト自体はレフ教授の爆発事故によるシステムの暴走によるものだったか。

 

 このレイシフトにはカルデア所長、オルガマリーさんも巻き込まれる。そして序章終了時に彼女はレフ教授の裏切りに絶望の中死亡するのだ。

 

 大筋はまだ頭の中にあるものの私は細かい事までは正直覚えていない。だって何十年前の記憶だと思っているのか。ここまで思い出せただけでも奇跡に近いと思う。

 

 私はそこまで考えて頭を抱えたくなった。私ってイレギュラーな上に要らないよね?と。え、オルガマリーさんを助けろとかいう無茶ぶりなのか。そうなのか、邪神()様!と私は空を仰ぎたくなった。

 

 え、でも状況詰んでないか、と私は呻く。オルガマリーさんの本体?というか肉体は爆発でお亡くなりになっているらしいじゃないか。つまりオルガマリーさんは正真正銘、霊体のみの存在だ。それを助けるって……、と問題が山積みどころか、てんこ盛りな現状に頭が痛い。

 

 うーん、まずはFGОの主人公と合流しようと思いなおす。ここでうじうじ悩んでも何も始まらないし。

 

『“この手が掴むは原罪の端、形を変えよ”』

 

 私は宝具の漆黒の大剣を顕現させた。見えない空間から引き抜いた大剣は相変わらず禍々しい見た目だ。私の身体よりも大きい刃に纏う黒いもやに久々ながら遠い目をしてしまいたくなる。

 

 宝具を顕現させて私はとある事に気づく。あれ、これ負担が軽くなっているんじゃないかと。次いで私は納得する。生身の人間よりサーヴァントの方が耐久性高いよねーと自分に頷いた。

 

 私の今のクラスはライダー。なので戦車を召喚する事も可能だ。

 

 来い、と私は漆黒の大剣に念じる。すると大剣からブワッと黒いもやが噴出し、戦車の形を形作る。もやが実体化し、一台の戦車になった。黒いもやを纏うその戦車はとても懐かしい姿だが、とあることに私は衝撃を受けた。

 

『お馬さんがいない……だと?!』

 

 戦車の手綱の先は馬を繋ぐところに伸びており、肝心の戦車を引く馬がいない。え?カルナさんと一緒に居たあの戦の時、確かに馬が存在したのに。そして私の密かな癒しの存在だったのに……!と。

 

 悔しいが、まあ仕方ない。私は戦車に飛び乗り、動かすように意識をむける。ガラリと車輪が動いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――カルナside――

 

 

 

 

 英霊の座に居るカルナは愕然とした。

 

 居ない。何処へ行ったというのだ。いつも隣にいた彼女が近くにいないのを感じ取る。見渡す白い空間にその姿はなく、あるのはただただひたすらの静寂だ。

 

 近頃、彼女はしきりに眠いと夢うつつの状態だった。カルナも心配したが、それ以外は特に問題がなかった為に様子を見ていたのだ。

 

 眠る彼女の隣に座り頭を優しく撫でてその安眠を見守るのが最近のカルナの日課だった。それが、突然彼女の姿が金色の粒子に変換され、たちまちカルナの前から姿を消した。

 

 慌てて、繋がっている彼女の座へと行こうとするも無駄だった。

 

 彼女の座がない。正しくは、何処かへと転移したのだろう。彼女へ贈ったカルナの黄金の鎧の欠片を使った耳飾り。あの気配を頼りに探れば、あやふやながら英霊の座自体は感じられた。

 

 しかしこの存在の希薄さはどうしたことか。カルナ自身ではどうにも判断がつかなかった。

 

 友たるドゥルヨーダナを頼れば、ドゥルヨーダナは難しい顔をして黙り込んでしまった。

 

「カルナよ、余は以前言ったな。あやつの伝わり方が曖昧だと」

「ああ。――故に俺は座を繋げ、消える事のないようにしたのだが」

「だろうな。お前はそうするだろうよ。――それで、だ。曖昧な座がしっかりと同じ場所に留まると思うか?今のアレはさながら小宇宙を漂う流星だ。捕まえる事なんぞ出来る筈がない」

 

「ッ!?」

 

 ドゥルヨーダナの冷静な言葉にカルナはヒュッと息をのむ。つまり、それはカルナの脳裏に嫌な想像が浮かぶ。

 

「見よ、この英霊の座から見える景色を」

 

 ドゥルヨーダナはそう言って右手を天へとかざす。白い空間がたちまち変わり、さながら宇宙空間にいるような景色へと早変わりした。

 

 真っ黒な空間に点在する星々のような輝きたち。カルナはそれを呆然と見やる。

 

「見えるか?その一つ一つの輝きがそれぞれ英霊の座なのだ。過去、未来問わずに集められる英霊は星の数ほどにおるのだ、カルナよ。その中の一つだけを見つける可能性は限りなく低いぞ?」

「それは迷う理由になり得るか?ドゥルヨーダナ」

「ふむ。――分かっていたが意志は固いな。ならば余は友として助言をしてやろうぞ」

 

 カルナの真っ直ぐな瞳にドゥルヨーダナは神妙な顔つきになる。

 

「先程そなたは存在が希薄なのだと言っておったな?―― 一つ、考えられるのはあやつが召喚された可能性だ。本体から分霊が分かれ、存在が希薄になったのだろうよ。何せあやつは少し特殊だ」

「しかし、召喚される可能性は低いのではなかったのか」

「ああ、言ったとも。だが、ないとは言い切れん。その特殊な状況下が今発生したのだろうさ」

「――分かった。肝に銘じよう」

 

 ドゥルヨーダナの言葉にカルナは頷き一つ返す。その青い瞳に宿るのは鋭い光だ。

 

「もし、召喚先にあやつに会う事があれば――」

「ああ、重々承知している。もう手を離すような真似はしない」

「上々だ。――成功を祈っておるぞ。カルナ、我が友よ」

「――感謝しよう。ドゥルヨーダナ、俺はやはり人に恵まれているな」

「はっはっは!そなたのその言葉を聞く事になろうとはいやはや分からんものよ。――気をつけてな」

 

 カルナの言葉にドゥルヨーダナはきょとりとする。次いで呵々大笑して友を見送る。カルナは英霊の座から飛び立った。

 

 

 例え、それが終わりの見えない旅だろうとも構わない。カルナはそれを些末事だと思えるくらいには彼女への愛は深いのだ。

 

 

 

 




という訳で序章開幕です。
英霊の座についてとか補足してほしい事があれば遠慮なく言ってください。作者頑張る。



そして、
この場をかりて一つ謝罪をさせてください。主人公の真名についてつい作者が迷い、一部読者様方にはご迷惑をおかけいたしました。申し訳ありません。凄く、すごーく迷ったのですが、このまま主人公さんには名無しさんでいかせてもらいます。もしくは“カーリーの申し子”としての二つ名で書かせてもらいます。
相談に乗ってもらった読者様には申し訳ないです。うじうじ悩むなや!!と聞こえてきそうですが、はいその通りです。
作者、ネーミングセンスは皆無なんだ……(絶望)
反省いたしますので、もう少し拙作にお付き合いの程よろしくお願いします……。

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