「まさか、当たるなんて……」
「……何言ってやがるんだこのモジャモジャ。当たるに決まってるじゃねーか」
やったよ!レフを倒した。よし、これで聖杯回収したらカルデアに返って俺この女装から解放されるよ!やったね!
その時だった。
「私は、このローマそのものを触媒としてある大英雄の召喚に成功している。喜ぶがいい!ネロ・クラウディウス!ローマは滅びるぞ!」
「何を言うか!ローマは滅びはせぬ!」
「来たれ!破壊の大王アルテラよ!」
そして、現れたのは肌は褐色で長い白い髪をした綺麗な女の人だった。
「さぁ!殺せ!破壊しろ!焼却しろ!滅却しろ!大王アルテラぁぁぁぁ!」
「黙れ」
そして、俺たちの目の前でレフが両断された。
「「え?」」
「レフの聖杯がアルテラに吸収されています!!先輩たち気をつけてください!」
冷や汗が背筋を滴る。
「私はフンヌの戦士である。そして、大王である。この西方世界を滅ぼすもの」
アルテラを大量の魔力が覆う。
「これは……⁉︎対城宝具です!皆さん、私の後ろに!先輩令呪を!」
「うん!分かった!マシュ、宝具全力解放!!」
そして、大量の光が俺たちを襲う。
ーーーーー
「はぁはぁ、死ぬかと……」
俺は周りを見渡す。城だったものは全て瓦礫へと代わっていた。
「立香!マシュちゃん!みんな!」
俺以外みんな倒れていた。ランスロット達も戦闘は厳しい……か
「魔力も枯渇してやがる。かはっ」
内臓がやられたのか血反吐を吐く。
『鬼灯くん!無事かい⁉︎』
「はは、ドクター。死屍累々だ。まともに動けるのは俺しか」
「みんな!」
「ブーディカさん……?」
「これは……?戦いが終わって駆けつけたんだけど……あの光を見て咄嗟に宝具発動したけど」
「ブーティカさんはみんなの救護お願いします。俺は、あいつを止めに行きます」
『鬼灯くん⁉︎む、無茶だよ!何言ってるの!サーヴァントもいないし今魔力も……』
「うん、俺には何も出来ないかな。ここにいても、だけど足止めなら出来るかもしれない。ブーディカさん。俺、足止めするんで急いで、急いでこいつらをちゃんとさせてください」
「君は……死ぬつもりなの?」
「ははは!死にませんよ。そもそも死にたく無いですから。久々に魔術をちゃんと使おうと思ってるだけですよ」
「うん、そうか……分かったよ。みんな起こしてから行く。それまでちゃんと足止めしててね」
「鬼灯、私も行こう」
目の前に現れたのは、筋肉だった。そう筋肉だ。筋肉そのものだった。
「はは、そうだな。俺一人だと心細い。助かるよ」
そして俺は令呪をスパルタクスの目の前に突き出す。
「―――告げる!汝の身は我と共に、我が命運は汝の剣に! 聖杯のよるべに従い、この意、この理に従うのなら―――」
「―――我と共に戦え! ならばこの命運、汝が剣に預けよう……!」
すると、スパルタクスは顔をニッコリと破顔させる。
「バーサーカーの名に誓いそれを受けよう。鬼灯、汝をマスターと認め共に圧政者を滅ぼそう!」