「よし皆んな集まったね」
Dr.が俺ら全員に声をかける。
「はい!朝浦鬼灯とそのサーヴァントランスロット、謎のヒロインXオルタいま…」
「どうした朝浦君?」
「えっちゃんがいねぇ」
そう、えっちゃんが居ないのだ。マイルームを出るまでは一緒にいたのだ。おそらく「マスターさん私炬燵でのんびりしてるので特異点修復頑張ってください!」と言われイラっとして和菓子を与えなかったから拗ねているんだろう。
俺は悪くない!てか、拗ねるって子供か!
「仕方ない」
そして俺は叫んだ。
「えっちゃん!このまま出てこなかったらカルデアにいる間、お菓子禁止!」
「すみません!全力で頑張るので許してください!」
「あ、出てきた」
立香が驚いてる。まぁしょうがないだろう、俺も驚いた。だって天井に張り付いてたんだから。
だが俺は動揺を隠しつつ。
「えっちゃん、ちゃんとやるか?」
「はい!きちんとしっかりと全力でやります。やりますからカロリーを!」
「……分かった。ほらどら焼きだ」
「ほ、鬼灯君扱い慣れたね」
「まぁな、この三日間ほぼ一緒にいたからな」
「と、とりあえず!次の特異点の説明をするよ」
Dr.が仕切り直しした。すみません!俺のサーヴァントが!
「次の特異点はフランスだ。そこで大きな歪みが観測された」
「フランス!」
何故か立香の目が輝いてるが、恐らく立香が思ってる現代のフランスじゃないんだろうなぁ。
「それで年代はどのくらいなんですか?」
俺が尋ねる。
「百年戦争をしてる真っ只中だね」
Dr.はきちんと答えてくれる。
「戦争って危ないんじゃないの?」
「大丈夫、君たちにはサーヴァントがいる。きちんと守ってくれるだろう」
「きちんと和菓子をくれたら守ります!」
おい、エセセイバー。ま、彼女なりのジョークと言うことは分かってるんだけどね。
「じゃあ頑張ってきてくれ」
「「はい!」」
俺はコフィンの中へ入る。コフィンの中は真っ暗だ。
「じゃあレイシフトを行うよ」
ああ、またあの魔力切れの地獄が戻って来るのか。そう思いつつ俺は礼装を握りしめた。
「頼むぜ礼装ちゃん。魔力切れを起こさないように」
そう呟いた途端、俺の目の前がピカッと光った。
目を開けるとそこは草原だった。
「成功したな」
「成功したね!」
俺と立香はお互いに言い合う。
「前回は事故による転移でしたが、今回はコフィンによる正常な転移です。身体状況も問題ありません」
マシュちゃんもそう言ってる
「時間軸は1431年、ちょうど百年戦争の休止期間ですね」
「え?戦争に休みがあるの?」
立香が聞く。
「はい、百年戦争といっても百年ずっと継続してやってる訳ではありません。この時代の戦争は比較的のんびりした戦争です」
ま、俺らはおそらく
「よし頑張るか!」
俺はそう言って空を見た。
「え?」
「どうしたの鬼灯君?」
「そ、空を見てみろ立香」
「なんか面白い形の雲でもあった……の、何あれ」
空には大きな輪があった。
『よし、繋がった。映像も粗いけど繋がるよ』
Dr.からの通信が来る。タイミング悪いなぁ、いやタイミングがいいのか。
『ってどうしたみんなして空なんか見上げて』
「Dr.、映像を送ります。あれは何ですか?」
マシュちゃんはそう言って映像をカルデアに送る。
「こ、これは。光の輪…いや、衛星軌道上に展開した何らかの魔術式か?何にせよ1431年にこんな現象が起こったという記録は無い。間違いなく未来消失の理由の一端だろう。アレはこちらで解析するしかないな」
そう言ってDrは考え込んだ。
「君たちは現地の調査に専念してくれていい。まずは霊脈を探してくれ」
「「はい!」」
頑張りますか。
骸骨兵A「ここがフランスかー」
骸骨兵B「おー!風が気持ちー!」
骸骨兵C「なぁ、あれって竜?」
骸骨兵AB「「え?」」
骸骨兵D「評価、感想よろしくお願いします!」