インフィニット・ラグーン   作:上海・人形

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こっちの世界の白式は暮桜のマイナーチェンジ品です。
同じ能力で射撃武器を"乗せなかった"暮桜に対し、射撃武器を"乗せれなかった"白式と言う風になってます


六話

簪とのほほんに誉められさらに少し仲良くなった俺は何事もなく翌日を迎えた

 

「と云う訳で、クラス代表は八雲夏君に決定しました~、皆さん拍手~」

 

山田先生がSHRでそんな事を言うとクラスからは拍手が起こる

 

「ですので、代表になった八雲君には意気込みを言って頂きましょう」

 

「ご紹介に預かった八雲です、クラス代表になった以上頑張りますので声援いただけると嬉しく存じます」

 

「堅いですね、もっと気楽な感じで良いんですよ」

 

「はぁ、分かりました」

 

「では授業を始めます」

 

織斑と篠ノ之が睨んでくる以外何事もなく授業が終わり放課後、俺はのほほんに連れられ生徒会室に来ていた

 

「サムサムは仕事終わるまでちょっと待っててねー」

 

「待ってるのは良いがそろそろ連れてきた理由を教えろよ」

 

軽口を叩いているとのほほんの姉である布仏虚が紅茶を持ってくる

 

「八雲君に訊きたいことがあって本音には来てもらったのよ」

 

「聞きたいこと、ねぇ」

 

更識盾無がそんな事を言う

 

「訊きたいこと?」

 

「そう、だから仕事が終わるまで待っててね」

 

「ハイよ」

 

夏は紅茶を啜りながら15分ほど待つ

 

「終わったわよ」

 

「やっとか、それで?訊きたい事ってのは何だい」

 

「貴方の素性」

 

楯無がそう言うと生徒会室にピシリと凍ったような空気が走る

 

「貴方はDNA的に云えば織斑一夏の筈、しかし貴方は否定するでは一体何者なの?」

 

「フー、流石は対暗部組織・更識、と言ったところか」

 

「ではやっぱり」

 

「そう、俺はかつて織斑一夏と呼ばれていた しかしだ、四年程前に拐われてから名前を捨てた」

 

「どうしてなの?」

 

問われ夏は拐われた日の事を思い出す

 

「更識でも知り得ない情報と言うわけではないだろう?」

 

「どういう意味?」

 

「どうもこうも、政府のお役人共が頑張って隠してる真実さ」

 

「真実?」

 

「俺が拐われたとき、織斑千冬はそれを伝えられたにも関わらず、『其がどうしました?私が出ることには変わりありませんよ?』と言ってたからなぁ」

 

「ッ!」

 

「そう、それが俺が織斑一夏の名を捨てた理由だよ」

 

「そう、後もう一つ聞きたい事があるのだけど」

 

「何だい?」

 

「貴方はマフィアなの?」

 

「何故?」

 

「ブーゲンビリア貿易と三國交易はロシアンマフィア、ホテルモスクワとチャイニーズマフィア、三合会 それぞれの下部組織ですもの」

 

「俺はマフィアではないが、ロアナプラで動いている以上、その辺の連中との関わりは切れねぇ」

 

「ではマフィアではないと?」

 

「あぁ、仕事ならマフィアと関わるが、仕事でもなければ関わる気は余りねぇよ」

 

「なら良いのよ」

 

「会長、そろそろ下校時間ですよ」

 

「そうね、では解散しましょうか」

 

「じゃあ、本音部屋に帰るぞ」

 

夏がそう口走る、それを見た楯無がニヤニヤし始める

 

「へ~、もう名前を呼ぶような仲なんだ」

 

からかうように言う

 

「へッ!?」

 

それで本音は顔を少し赤くして驚いたように声をあげる

 

「あー、スマンなぁのほほん」

 

「ううん、ダイジョーブだよ」

 

「青春ねぇ」

 

「そうですね」

 

軽く二人にからかわれながら生徒会室を出る

部屋に戻る途中の階段で先に上っていた本音が足を踏み外す

 

「あ」

 

「チョッ!危な!」

 

夏は慌てて本音を抱き寄せて支える

 

「大丈夫か?本音」

 

「う、うん 大丈夫だよ夏くん」

 

「そうか」

 

そう言って互いに顔を赤く染める

夏はそのまま少しトロンとした顔の本音を見て不思議な感情が沸き上がってくるのに戸惑っていた

そこに人が通りかかる

 

「あれ?本音と八雲君?なんで抱き合ってるの?」

 

「アー、アレだ 本音が階段を踏み外したから助けただけだ」

 

そう言って二人はゆっくり離れる

 

「ふーん、そうなんだ」

 

そう言ってクラスメイトの相川はニヤニヤする

 

「まあ、好きにすればいいさ」

 

「うん、そうするね おやすみ~」

 

逃げるように相川は走っていく

 

「帰るか」

 

「うん」

 

本音は顔を赤くしたまま頷く

 

(何だろうなこの感じは)

 

(このモヤモヤはなんだろう)

 

二人はどことなくモヤモヤしながら手を繋いだまま部屋へ戻っていった




生徒会室で少し書こうと思ったら帰りがおかしな事に何故だ

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