青の大狼《記録されない英雄》   作:綾式

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なんとかかけましたー


第9話 ギルランダイオ要塞防衛戦4

<ギルランダイオ要塞内国境警備隊駐屯地>

 

「敵の攻撃」

そう呟いたイムカは自分のテントから出ると直ぐに広場に向かって歩きだした。直ぐに向かっていた広場には、アルフォンスやグロリアといったイムカ班のメンバーが集まっていた。イムカが来たことに気づいたアルフォンスはイムカに話しかけた。

「イムカ、今来たのか」

「アルフォンス、今の状況は?」

「敵の工作によって要塞城壁に有った要塞砲4機全てが爆破された。現在爆破工作を行った敵工作員を探しつつ侵攻してきた敵部隊の規模を確認しているところだ」

そう話していると、無線から連絡が入った。

『こちら偵察班。敵侵攻部隊を確認。敵は歩兵を中心とする歩兵部隊と思われる。規模は約、一個大隊』

それを聞いた後、イムカはアルフォンスに話した。

「私達はこれからどうする?」

「今は隊長達待ちだ。今班長の三人があそこのコテージに行って起こしに行った。だが…まだ来てないみたいだな。早くしー」

とアルフォンスが話して居ると、話にでていた隊長階級が集まって休んでいた木製のコテージが突然爆発し爆音を響かせて吹き飛んだ。

「なんだと!?あそこのコテージは確か…」

「アルフォンス、隊長の次に階級が高いのは誰?」

「隊長は少尉だった。そして唯一の士官だった。そして、国境警備隊の隊長たちはみんなあそこに居たはずだ。そして、あそこから誰も出てこないところを見ると…尉官クラスは全滅した可能性が高い…。となると、次は班長クラスになる。俺たち第3小隊の班長クラスは、曹長のイムカと、同じ階級のアデル班長だけだ。残りの班長はみんなさっきので…」

というと、イムカは直ぐにアデルの元に向かうと、アデルに話しかけた。

「アデル、敵に対して攻撃をしないといけない。部隊の指揮権をわけるのは愚策だと思う。アデル、部隊の指揮をお願い。私は指揮ができない」

それを聞いたアデルは直ぐにイムカに話しだした。

「イムカ、僕にはできない。それに。部隊に所属して、長いのはイムカだ。2人同じ階級の人間が指揮を取る場合、先任の階級の人間が指揮を取るのが普通だし、何より信頼が高いのはイムカの方だ。指揮を取るべきなのはイムカだと思う」

するとイムカは直ぐに首を横に振ると、話しだした。

「アデル、私はダルクス人だからダメ。私が指揮を取ると、要塞司令部はいい顔をしない。司令部からしたら私は生意気なダルクス人でしかない。それならば、後々問題が出ないアデルが指揮を取るべき、お願い」

そう言うと、アデルはため息を吐くと、頷いた。

「解ったよ、イムカ。僕が指揮を執る。だけど君の班だけは君が指揮を取るといい。君の指揮に従って居たイムカ班だけは、そのまま君が率いるんだ」

そう言われたイムカは困惑しているような顔をすると、後ろイムカの両肩を叩いてアルフォンスとグロリア、マーキュリー、ガルドと行ったイムカ班のメンバーがそこには居た。

「イムカ、俺たちはイムカ班だ。俺たちはおまえだからこそ、ここまでついて来たんだ。ここで切り捨てはひどいぞ」

アルフォンスが話すと、直ぐにアルフォンスの横にいたグロリアがイムカの方を見ながら言った。

「イムカ、アタシはガリア軍に所属してそこそこ長いけど、軍の中でダルクス人だからという理由で諦めているのを良く見て来た。だが、アンタは違う。アンタは諦めて無いし、何より力を示し続けていた。

アタシはそんなアンタだからこそ、ついていこうと決めたんだからね」

それに合わせて、他の班員も頷き、イムカを静かに見た。それを見たイムカは班員が頷いたのを見て、

「みんな、じゃあよろしく」

「「「「「了解」」」」」

それを見ていたアデルはすぐさま第3小隊に向けて話しだした。

「第3小隊全員に命令。イムカ班を除く第3小隊全員は、直ちに要塞に進撃を開始してきた敵歩兵大隊を撃退する。各員の奮闘を期待する。総員、配置につけ!」

その号令に合わせて、イムカ班を除いた第3小隊が次々に要塞外門に向けて走って行った。

 

 




予定では後2話で防衛戦終わりのはずだったんだけど…終わりそうに無い事が判明。

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