「リヴァ将軍」
「もう将軍ではない・・・エスデス様に拾われてからは、あの方の僕だ」
かつて上司と部下だった二人の男が、敵として再会を果たした。
「味方なら、再会を祝して酒でも飲んでたろうが・・・」
インクルシオの副武装であるノインテーターを構え直し、言う。
「敵として現れたのなら・・・斬るのみだ!任務は完遂する!!」
対するリヴァも手袋を外し、帝具を見せる。
「それはこちらのセリフだ。任務は完遂する」
指輪型の帝具、水龍憑依 ブラックマリン。
「主より授かった、この帝具でな」
水棲危険種が水を操作する為の器官を素材としており、装着者は振れたことのある液体なら自在に操れる。
水が大量に入った樽から、勢いよく水が噴き出て水柱を作る。
「お前達と戦う場所がここであることが幸運だ!」
「水使いか!氷使いの部下らしい帝具だ!」
「私は水がないと無力だが・・・エスデス様は無から氷を生成できる」
帝具を嵌めている手に力を込めながら言うと、ブラートに対して攻撃をする。
「同格にはするなよ恐れ多い!!」
【水塊弾】。先端のとがった複数の水の塊を飛ばす技をブラートは副武装を正面で回転させて、防ぐ。
その間にリヴァは河の水を使って次の攻撃の準備をしていた。
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クレーエはリヴァとブラートの戦闘を鴉越しに見ていた。
「・・・・・・ブラートは予想以上に強いな」
クレーエもリヴァと同じ状況で戦っても勝てる自信はある。だが、ブラート相手には戦ったとしても
無傷で勝てる保証がない。
そうしているうちにも戦況は進んでいく。
蛇の形をした巨大な水塊で相手を押し潰す技、【深淵の蛇】を放つ。ブラートはそれを真正面から蛇を潰しにかかった。
『避けずに蛇を潰しに来ると信じてたよ。船が壊れたら大量の死者が出たからな』
リヴァは空中にいるブラートに対して帝具を発動する。
『だが、船の上ならともかく空中ならば避けれまい!!』
河の水が槍のようにブラートを襲う。
『水をかけられたぐらいで・・・俺の情熱は消えねえ!!!』
ブラートはその攻撃を受けきった。しかしインクルシオの装甲が一部剥がれて、皮膚が露出していた。
『そう、あれではお前は死なない。分かっているつもりだ』
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「お前とは数々の戦場を共にして来た」
河から、大量の竜の形をした竜型の水槍がブラートに向かって飛んで行った。
「その強さも、勇敢さも私が一番よく知っている・・・だからこそ!」
【水龍天征】
「最大最強の奥義を馳走してやる!!」