「貴方にはナイトレイドを始末して欲しいんですよ」
帝都の宮殿のどこか。そこに呼び出されたかと思ったら、色取り取りの5cm程のミニチュアケーキ(実際食べれる)で作られた巨大なケーキを食べている死んだ眼をした豚・・・・・・もとよりオネスト大臣にそう言われた。
オネスト大臣。現帝国の実質的な最高権力者。というのも幼い現皇帝を洗脳して好き勝手やっている屑だ。
しかもただの屑ではなく、今の幼い皇帝を世継ぎ争いで勝たせた切れ者でもある。
「帰ってきてそうそう厄介なことを」
ちなみにクレーエは正式な大臣派の将軍ではなく、気が向いたときや利害が一致したときのみ味方するということになっている。
「俺としても・・・・・・ナイトレイドとは戦いたいと思っている」
「ということは」
意外そうな顔をするオネスト。そんなオネストに、平然と言う。
「それなりの報酬はもらう、覚悟しておけよ?オネスト」
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「ただいま我が家よ!」
宮殿近くの高級住宅にクレーエは住んでいる。
『『おかえりなさいませ、
出迎えてくれたのは目麗しいメイド達・・・・・・
「ここで妻の一人でもいればいいんだがなぁ」
今ばかりはノウケン将軍が羨ましいと思うクレーエ。そのまま屋敷の地下にある魔術工房へ入ると、テーブルに置かれた銃をとる。
ブルーブラスターMK.3。現在クレーエの部隊で正式に採用している礼装だ。仕組みは普通の銃と大差ないが、撃ち出している攻撃は勿論魔力。M240機関銃以上の威力の魔弾を毎分1200発放つことができる。更に貫通弾、炸裂弾、散弾、誘導弾まで発射可能。挙句の果てには
「MK4開発には何が必要かねえ」
西の異民族との戦闘で使用した宝石を充填する。因みに、人形工学以外で使える魔術は、宝石魔術、ルーン魔術、錬金術、転換、降霊の7つだ。
他にも基礎的な結界の張り方、強化や治癒の魔術も使えはする。
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『御夕食の御用意が出来ました』
礼装の製作や戦闘の準備をしていると人形メイドが呼びにやってきた。ダイニングルームまで行くと珍しいことに地方から売られた少女達、ルナ、ファル、エアの3人が座っていた。
彼女たちは人形メイド相手に完全に敗北し、心が折れてしまっている。が、中々に面白いので解雇にせずに3食おやつに昼寝と給料付きで住ませている。
「いただきます」
「「「「いただきます」」」」
3人の他にも屋敷の警備をしている人間の兵士と共に食事をとる。
今日のご飯はマッシュポテト。茹でたジャガイモを潰して塩をかけただけの料理だ。これを主食に、肉や魚の料理を自分用の皿に盛り付けるのが我が家の食卓のルールである。
(それにしても、この芋うまいな)
そのうち大臣を洗脳しよう。そうして主食を芋にする法律を敷いてもらおう。そう思った。
かなり遅れました申しあけございません。