「どんな願いでも叶う、理想都市?」
「そう。どんな願いも」
夜の森、にてクレーエは一人の少女と対峙していた。
アカメ。元帝国政府の特務機関、暗殺部隊に所属していた暗殺者。
「断る!」
その一言と共に駆け出し、肉薄する。アカメの持っている刀はただの刀ではない。
一斬必殺 ムラサメ。日本刀型の帝具で、効果は相手の身体に傷の一つつければそこから呪毒が回り、死に至るという凶悪な代物。
(とはいえ、斬られなければ問題ないわけだが)
「やられっぱなしはよくないな」
右の手の甲で振り下ろされたムラサメを弾き、左手でアカメの腹部を穿つ。
「――――――っは!」
肺の空気がすべて抜け、吹き飛ばされる。
「立て。まだ戦えるだろう?」
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ナジェンダに拾われてまだ浅い頃、帝具使いではないロクゴウ元将軍相手に舐めてかかった結果、殺されかけたことがあった。
その日から、クレーエは鍛錬を欠かさなかった。転生前に得たあらゆる武の知識を基に鍛錬を重ねた。あらゆる体術を使いこなせるように訓練を重ねた。
皇拳寺拳法、カラテ、ルチャリブレ、六式、天童式戦闘術、八極拳、カポエラ、柔道、流水岩砕拳、バリツ、CQC、カラリパヤット、サバット、ボクシング。物理的に不可能な鼻毛神拳や難しすぎて習得不可能な北斗神拳、南斗神拳以外のほとんどの体術武術を修行し、現在進行形で鍛錬中である。
現在ではブドー大将軍相手に『帝具無しでの戦闘で、クレーエに勝てるものはいない』と言われるほどの戦闘能力を有していた。
「・・・・・・来ないならこっちから行くぞ?」
構えを解き、脱力しながらアカメが立ち上がるのを待つ。アカメがムラサメを杖代わりにしながら、立ち上がる。
「
アカメがこちらを向いた時にはクレーエはアカメと距離を詰めており、虎突が入る距離までいた。だが、アカメも今まで修羅場をくぐってきただけあってムラサメの柄でクレーエの右腕を逸らして攻撃を避ける。
「天童式戦闘術、二の型十六番。隠禅・黒天風」
左足を軸に右足で回し蹴りを繰り出す。が、それも柄で受け止められる。
(至近距離のままでは勝ち目がないと思って、無理矢理距離を取ったか。しかもまた柄で防御しやがった)
先ほどの一撃を受けたことによって、冴えて来ているのだろうか。全体的に技が研ぎ澄まされてきていた。
「ソニックブームカラテ。イヤー!」
掛け声とともに突きを放つ。その際に放った衝撃波をまともに受けて、吹き飛ぶアカメ。木に直撃して落下する前に
「天童式戦闘術、一の型十五番。
下から突き上げるような鋭いアッパーカット。対するアカメは空中で身を捻り、軌道を逸らす。そのまま着地して、クレーエに斬りかかる。
「やっぱり素手だけだと難しいな」
コートの中に隠しているナイフを取り出そうとした時、作業をさせていた自動人形から報告があった。
(オリジナル。
(了解した。エスデスが北の異民族を虐殺した場所が計画に必要な場所でよかった。西は部下達に任せておけば何とかなるからな)
「さて、アカメ。ここでの用事は全て終わった。帰らせてもらうよ」
戦闘描写が上手くなりたい。(切実)