思い付きのネタ集   作:とちおとめ

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完全にギャグ回みたいなものとなります。

最近本当に読専になってる私です。
艦これの二次創作を良く読むのでゲームを始めようと思ったんですけど、建造画面を見た所でごちゃごちゃしててよくわからなくて、ツイッターでも評判悪そうだったのでそのまま触らなくなっちゃった(笑)

最近は理性を犠牲にするゲームをよくやっていて楽しんでます。




心春と恵梨香のエロゲ体験

 愛する人と結婚し、掛け替えのない娘まで生まれて幸せの中に心春はいた。毎日の始まりは愛おしい夫と同じベッドの中から始まり、起こさないようにキスをして家事に取り掛かる。ご飯の用意が出来れば夫と娘が現れ、何よりも大切な家族の団欒が始まるのだ。

 夫は会社に行くついでに娘を保育園へと連れて行く。それを見送った心春は再び家庭を支える妻として家事を再開した。ある程度の家事を終え、心春は少しの休憩をと思いソファに腰を下ろした。

 

「……あ、お買い物行かないとだけど……昼過ぎでいいかなぁ」

 

 時計を見てそう呟いた心春は手元にあった洋服の雑誌を読み進めていく。そんな中、机に置かれていたスマホがブルっと震えた。手に取って見てみると、そこには心春にとっての親友でありお隣に住む恵梨香からのメッセージだった。

 

『心春今暇かな? うちに遊びに来ない? ちょっと一緒にやりたいものがあるんだけどさ!』

 

 暇は暇だし心春にしても恵梨香のこの誘いを断る理由はなく、すぐに返事で今から向かうと送った。まあ何を一緒にやりたいのか、少しだけ早とちりをしたかなという不安は残る心春だったがすぐに身支度を整えて恵梨香の家へと向かうのだった。

 ピンポーンとチャイムを鳴らすと、バタバタと足音が聞こえてすぐに恵梨香が顔を出した。

 

「いらっしゃい心春! ささ、入って入って!」

「うん。お邪魔するね」

 

 恵梨香に促されて導かれた先はなんてことはない、よくお互いの家を行き来する仲の心春からすれば見慣れたリビングだ。

 

「紅茶入れるね~? そこに座ってて」

 

 テキパキと用意をする恵梨香を見て心春は毎回思うことがある。こうやって客人の持て成しもそうだし部屋の整理整頓などもそうだが、本当によく出来ている。人間変わるものだが、昔は学校でも知る人ぞ知るビッチだった恵梨香がこんなにも家庭的になるなんて……と、心春はいつもこんな恵梨香を見ると感慨深い気持ちになるものだ。

 二人分のコップを持ってきた恵梨香も心春の傍に座り、まずは一服ということで紅茶を喉に通す。そしてようやく、恵梨香は心春を呼んだ目的について話すのだった。

 

「実はね~。これを心春とやろうと思ったんだぁ!」

 

 そう言って恵梨香は何かを取り出した。それは一見すればDVDのようなケースである。なんだ、映画でも見るのかな? そんなことを思った心春だったが、そのケースの表紙を見て思わず紅茶を噴き出した。

 

「ぶぅーーーーーっ!!」

「ちょっと!? 何してんの心春!! カズ君にぶっかけられるのはいいけど、親友からぶっかけられるプレイはまだ開拓してないんだけど!?」

「誤解を招くような言い方をするんじゃないの!! 恵梨香何よそれ!?」

 

 心春がどうしてこんな反応をしたのか、それは恵梨香が取り出したものが原因である。恵梨香が取り出したのケースの表紙、そこに写っているのは女の子だ。しかしそれはただ女の子が写っているわけではなく、卑猥な格好で何やら白い液体をふんだんに顔や体に付けた絵である。恵梨香さん、言っちゃって。

 

「何ってエロゲーだけど」

「……………」

 

 見れば分かるじゃんと言いたげな顔をする恵梨香を思わず殴りたくなる心春だったが何とか拳を出すことは抑えた。

 

「……まさか、私と貴女でその……エロゲーを一緒にやるの?」

「うん! たまにはいいじゃないこういうのも」

「……私は時々貴女と親友なのを後悔する時があるわ」

 

 額に手を当てて大きな溜息を吐く心春を見てケラケラ笑う恵梨香は凄く楽しそうだ。まあ何だかんだ呆れて帰ろうとしない辺り心春も度を越えたお人好しなのかもしれない※大切に想う者限定で。

 ケースからディスクを取り出してパソコンに読み込ませる。インストールに時間が掛かる中、心春はディスクの入っていたケースに目を通した。

 

「俺の知らぬ間に寝取られていた幼馴染、気づいた時には不良たちの性奴隷でした……って、私エロゲーとかやったことないから詳しくないけど、これって所謂寝取られモノってやつ?」

「そうそう。純愛モノとかも好きなんだけどさ、偶にはこういう違う味付けのものもやってみたくってね」

「ふ~ん」

 

 ケースを表から裏にすると、挿入絵などの生々しい部分が心春の目に触れた。嫌がっているような表情を浮かべたものから嬉しそうにしているモノまで様々。

 

(……男の子ってこういうのが好きなのかしら。まあ、人の女を欲しがる“ゴミ”がいることを知ってるし他人事じゃない時期もあったもんなぁ。そういう世界の業は深そうね)

 

 なんてことを考えていたらどうやらゲームのインストールは終わったようだ。

 恵梨香がマウスで操作しながらゲームを立ち上げる。するとやっぱり卑猥なタイトルと絵が画面を埋め尽くした。パソコンから聞こえてくるBGM、ヒロインの声を聞きながら心春は思う。普通に部屋いっぱいに聞こえるような音量でやってるけど、エロゲーだからエッチなシーンもあるのでは? っと。

 

「ねえ恵梨香、イヤホンとかしないの?」

「ここにいるの私たちだけだよ? イヤホンとかいらなくない?」

「……それもそうね」

 

 それもそう、そんな簡単に流していいものかと心春は思ったが、少しばかりこのゲームに興味があるのも確かだった。声の入っているヒロインの喋る部分とは別に、ナレーションの部分は恵梨香が声に出して読み進めていく。

 

「……青春だねぇ」

「高校生って感じ」

 

 平和だ。全く持って平和に進んでいく物語。

 序盤は主人公とヒロインの仲の良さを見せていくのと同時に、深いところまで繋がることに対し少しだけ勇気を出せない甘酸っぱさが描かれている。だが忘れてはならない、このゲームのジャンルは寝取られだ。ゲームの中の主人公にとっての身を切るような辛い場面はすぐに訪れた。

 

「こんな風に襲われちゃうんだね」

「退学待ったなしだよ普通に」

 

 画面の向こうから聞こえてくる女の子の悲鳴を聞きながら、二人は冷静に感想を述べた。それからも物語は進めて数時間、この辺りまで時間が進めば寝取られの本領を発揮するシーン――所謂ヒロインが快楽に屈して堕ちる場面が描かれる。

 

「すっごい顔。二次元って凄いねぇ」

「本当……えっと、こういう顔なんて言うんだっけ」

「アヘ顔!」

「そうそうそれ……」

「どうしたの?」

「……あっくんとセックスしてる時、私もこんな顔してるのかなぁって」

「今度隣で見てあげようか?」

「やめなさい」

「あいたっ!」

 

 ビシッと心春のチョップが決まるのだった。

 しかしこうしてみると面白い光景だ。リビングに響き渡るゲームヒロインの嬌声、それを眺める20代半ばの女性が二人。全く持って不思議な光景と言わざるを得ない。

 さてさて、ゲームのシーンとしてはもう清純の欠片も残らないほどに快楽に溺れたヒロインが描かれている。ヒロインが口にする言葉も卑猥なもので埋め尽くされており、これぞTHE寝取られヒロインと言えるようなものになっている。そんなシーンを見て心春が一言、こんなことを言い出した。

 

「でもこれさ、もし寝取られとかじゃなくて主人公とそのまま続いたとしても……主人公大変じゃない?」

「どうして?」

「だってこの子セックスする時こんなに五月蠅いんだよ? ご近所さん迷惑どころじゃなくない?」

「……流石心春、ツッコミどころが違う」

 

 違うそうじゃない、なんて恵梨香は思ったがそのツッコミはまたの機会にしようと考えるのだった。

 こんな風にして二人のエロゲ鑑賞会は終わるのだった。エンディングが流れる中、恵梨香がモジモジと股を動かしている。首を傾げる心春に恵梨香はあははと苦笑しながら口を開いた。

 

「こういうゲームやると仕方ないよねぇ。濡れちゃった」

「……分からないでもないのが悔しい」

 

 人間だもの、仕方ないさ。

 ちょっとだけ顔を赤くして照れる心春に対し、続けて恵梨香はこんなことを言い出した。

 

「ちなみにさ。こんな感じで近づいてくる男が居たら心春は――」

「殺す」

「……………」

 

 カチッとスイッチを押して切り替わったのかと思ってしまうほど、心春は纏っていた雰囲気を変えた。漆黒に塗り潰されたような瞳は恵梨香でさえも思わず身震いしてしまうほどに恐怖を感じさせる。心春のこういう部分を知っているとは言え、改めて間近で見るとやっぱり怖いのだ。まあ、これが当てはまるのは心春だけではない。恵梨香だってそうだ。

 

「恵梨香だって今の幸せを壊そうとしてくる男が現れたら同じでしょう?」

「あはは、当然だよ――許せないよねぇ」

 

 似たモノ同士の二人、世の中の男たちに知らせる方法はないが敢えて言わせてもらおう。この二人に手を出そうとした時、本当に人生が終わってしまうぞ。

 

「さてと、お買い物行こうかな」

「あ、じゃあ私も行く! 今日はお鍋にしようって決めてたんだよね」

「いいわね。久しぶりにうちもそうしようかしら」

「いいじゃん。そうと決まれば特売もあるし早く行こう心春!」

「ええ、特売という名の戦い……負けられないわ!」

 

 もう完全に家を守る妻の顔に戻った二人であった。

 


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