思い付きのネタ集   作:とちおとめ

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圧倒的に強いのは幼馴染でした。自分も入れるとしたら幼馴染かなぁと思います。

今回も箸休め、完全ネタ枠です。
NTR作品での美醜反転。



NTR物の反転というかそんな感じの

 あるところに不可思議な世界があった。その世界は現代の作りと非常に似通っており、違いなど見受けられないようにも思える。だがたった一つだけ、今の世界を生きる我々にとっては何とも言えない違いがその世界には存在していたのだ。

 それは何が起きてそうなったのかは分からない違い……そう、美しさと醜さの反転だ。簡単に言うと、美しいモノが醜く見え、醜いモノが美しく見えるという世界だ。もちろんその世界はこういうものとして認識が出来ており、その世界に生きる人々は何もおかしさを感じてはいない。ただ美しい者と醜い者で、大きな差別が起こっているのも特徴的で、醜い存在――ブサイクに生まれてしまったら冷たい目で見られながら生きることが約束されてしまう……そんな残酷な世界でもあった。

 そのように生まれによっては幸福に、或いは不幸になってしまう世界で生きる一人の少年が居る。その少年はイケメンでもなければブサイクでもない、所謂フツメンと呼ばれる存在だった。しかし少年にとってはイケメンとしてチヤホヤされるでもなく、ブサイクとしてちょっかいを掛けられることもない今の生活は気に入っていた。

 ……まあ美醜の違いによって扱いが決まると言ったが、それは何故か女性に強い傾向があり、男子は生まれた瞬間から人生勝ち組とされてもいた。それは男子の出生率の低さもあるだろうし、子を成すためには男の力が必要なのも男性に優しい社会を作り上げる一因になったのかもしれない。

 さて、長くなってしまったが話を戻そう。

 これから語るのはこの一風変わった世界に生きる一人の少年のお話だ。その不可思議な世界で生きる……一つの秘密を抱えた少年の物語。

 

 

 

 

 

 

 その世界で生きる少年の朝は早い。一人では起きられない深い夢の中に居ても、彼を夢から呼び覚ます存在がいるためだ。

 

「たっくん、起きて」

「……?」

 

 少年を夢の世界から引き上げる存在、優しい声で彼を呼び覚ますのは幼馴染の少女だ。寝起きで頭が働いていない瞬間であっても、少年の体は既に少女に起こされるこの時間を日常として覚えている。目を覚ますと眼前いっぱいに広がっているのは少女の“醜い”笑顔。でも少年は特に気にすることなく、その少女に促されるように上体を起こした。

 

「おはようたっくん。ご飯出来てるよ? 美咲ちゃんと百合華ちゃんも待ってるからね」

 

 少女の声に頷き少年は身支度を整え始めた。まだ眠そうにしながらもゆっくりと体を動かす少年の名前は山田太郎、特にこれと言った特徴のない普通の少年だ。パジャマを脱ぎ普段着に着替えようとすると、穴が開くのではと言わんばかりの強い眼光で見つめる少女……かなり不気味な光景だが、太郎にとっては普通の光景である。

 太郎は小さく溜息を吐きながら少女へ向かって口を開いた。

 

「……えっとさ、そこまでジロジロ見られると着替えにくいっていうか」

「……はっ! ご、ごめんね! こうすれば見えないよね!」

 

 少女――太郎の幼馴染でもある陽ノ下心春は目に手を当てて見えてないアピールを強くする。しかし指の隙間からしっかりと見えているため全く意味がない。太郎は再び溜息を吐いたが、それを気にした様子もなく心春は太郎の体を見てどんどん鼻息を荒くしながら目に焼き付けようとしている……もう太郎は諦めた。

 着替えを終え、心春を連れてリビングに向かうとそこには二つの人影があった。

 

「あ、タロ君おはよ!」

「太郎君おはよう」

 

 声を掛けてきたのは上から姫川美咲、一条百合華の心春に続く幼馴染の少女たちだ。太郎の家は母子家庭であり母は早い時間から仕事でおらず、代わりにと言うことでこの幼馴染三人が基本太郎の世話を焼いている。まだ高校生という若い時でありながら、一人の男のために時間を使うなど勿体ないと思われるのだが、この三人にとって太郎の世話を焼くことは何にも勝る栄誉であり義務だと考えている。太郎の為ならばどんなことでもできる、なんであっても捨てることができるほどの狂気的な愛と献身を少女たちは太郎に捧げているのだ。

 遅れてきた太郎と心春が席に着き、朝食の時間が始まる。

 用意された朝食は日替わりで心春、美咲、百合華のローテーションで用意されるのだが、三人の料理の腕はプロ顔負けであり、毎日太郎はこの愛情の込められた料理をご馳走されていた。

 

「美味しい」

「ふふ、ありがとうたっくん!」

 

 今日用意したのは心春で、褒められた彼女は満面の笑みを浮かべて頬を赤く染めていた。その光景を見て美咲と百合華は羨ましそうにしていたが、逆に次にこうやって褒めてもらえるのは自分なのだと頑張る活力にもなる。太郎を巡る恋のライバルとも言える関係だが、将来的に三人は太郎に嫁ぐと決めているため嫉妬する必要もない。いい意味で太郎に関わる“女性たち”は彼のおかげでこの世界に生まれた不条理を嘆き続けることはなかったのだ。

 朝食を食べる中、改めて太郎は三人の幼馴染を順に見た。心春、美咲、百合華、この三人は世界の美醜の基準において圧倒的なまでのブサイクに振り切った少女たちだ。外を歩けば冷めた目で見られヒソヒソと陰口を言われ、学校では生徒もそうだし先生からも嫌がらせを受けていた。そんな少女たちが目の前に居てどうして太郎は平然とできているのか、それは同情や憐れみと言った感情から来ているモノではない――単純に太郎の精神構造がこの世界に適応していないためだ。

 

(……どっからどうみても美人なんだよなぁ)

 

 そう、太郎はこの幼馴染たちを美人だと思っている……本気で、さも当たり前の感覚かのように。最初はこの感覚はおかしいのかと悩みもしたが、ブサイクを愛でるよりも美人を愛でたいと考えるのは誰もが一緒だろう。そこまで考えてそういうものなのだと受け入れてしまえば、世間では直視することさえ苦痛なほどのブサイクな三人が太郎にとって物凄いレベルの美人、所謂絶世の美少女たちとなるのも必然だった。

 綺麗な子とお近づきになりたい、それは誰もが一度は考えるであろう当然のこと。太郎ももちろんそんなことを考えはしたが、この世の不条理に踊らされ生きることに絶望した美しい女性たちを見るのは太郎は嫌だった。嫌がらせを受けていた彼女たちを救いたい、そしてできればお近づきになりたい。そんな下心もあるにはあったが、そんな下心など今まで優しくされたことのない女性側からすればどうでもいいことだった。

 優しくされたことなどない、名前すら滅多に呼ばれることのない彼女たちに差し伸べられた手。温もりと優しさを持った太郎の手を彼女たちが無視できるわけがなかったのだ。太郎はあまり深く考えていないが、太郎の優しさに触れて彼に依存した女性たちの想いは生半可なレベルではない。そんな彼女たちの前でもしも太郎に対する侮辱の言葉を投げつけた暁には……想像するのも恐ろしい事態になるのは明白である。

 

「あ、タロ君ちょっとストップ」

「うん?」

 

 ふと美咲に呼び止められ彼女に視線を向けると、彼女は動かないでと言って顔を近づけてきた。何をするのだろうと思いジッとしていると、美咲は太郎の頬をペロッと舐めた。

 

「えへへ、ご飯粒付いてたよ」

 

 照れくさそうに美咲は説明してくれた。美咲が照れているのは当たり前だが、太郎の感覚でいうところの美人にそんなことをされてしまえば彼も同じように照れるのは当たり前だ。お互いに顔が赤くなってモジモジする中、今度は百合華が近づいてきた。

 

「太郎君、口を開けてくれる?」

 

 何故口を開けるのか、言われた通りに口を開けると百合華の顔が近づいてくる。二人の距離が零になり、ヌルリと百合華の舌が太郎の口内に侵入してきた。くぐもった声と共に交換される唾液、舌を隅々まで舐められる何とも言えない感覚に太郎はされるがままだった。

 

「ちょ、ちょっとそれは反則じゃないかな!?」

「そ、そうよ百合華! 私だってどさくさに紛れてキスしようとしたけど我慢したのに!!」

 

 外野が何かを言っているみたいだが百合華に気にするつもりはないようだ。口内を蹂躙される中、太郎は興奮もそうだが百合華から香る匂いに頭がクラクラする。激しいディープキスを終えて口を離した百合華は大変満足した様子、しかもはぁはぁとまだ息は荒く何かを期待もしているようだった。

 正直な話、ここまでされて太郎自身何もしないという選択肢なんてない。幸いにも今日は休日、目の前で太郎基準の超美少女が物欲しげな顔をしているとなっては手を出さないなど男ではない。……っと意気込んだのだが、この世界の女性はとにかく強かった。性のことに関してもそれはもう強かった。

 

「太郎君はそのままでいいわよ」

 

 椅子に座った状態で良いと言われ、そのまま太郎の下半身に百合華は顔を近づけた。そこにあるのは当然のことながら太郎の太郎が臨戦態勢になっている状態である。醜いと言われる自分で興奮してくれる、その事実が百合華を幸福にさせ発情を促し気持ちを更に昂らせるのだ。

 そのように百合華が色々しようとしている中、他の二人だって黙っているわけがない。百合華同様、太郎とそういうことをしたいと考えるのは心春も美咲も一緒なのだから。

 

「タロ君、いっぱい舐めて?」

 

 美咲は服を脱ぎ露出した胸の先端を太郎の口へと近づけた。先を越されたと悔しそうにしている心春だが、太郎が手を伸ばし彼女の胸に触れたことで心春の表情は歓喜に満ち溢れ体はビクンと震えた。

 色んな意味で準備が各々できたそんな時に、玄関からバタバタと何かが走る音が聞こえる。太郎を含めた少女たち三人がそのままの状態で来客を迎えるのだが、まあ何も起きないわけがない。

 

「太郎兄さん! こんにち……はあああああ!?」

 

 元気に挨拶から驚きを一気に行ったのは水原沙希、近所にすむ年下の女の子だ。沙希の困惑、後に訪れる悔しさを表すように彼女のツインテールがぐわんぐわんと動いていた。

 

「三人ともズルい! 私も太郎兄さんとエッチする!!」

 

 もう隠すこともしない沙希の言葉、間違ってはいないため否定する者はいない。そして――。

 

「太郎君、お母さんは……あらあら」

 

 続いて現れたのは太郎の母の後輩にあたる近所の若奥様である本田雪江、現状を見て笑みを深くし、次いで太郎の太郎を見て頬を染めて熱い吐息を吐く。太郎に関わりのある女性たちの中でも一番大きな胸の先っぽが彼女の興奮を示すようにぷっくらと膨らんでいた。

 まだまだ来客は続く。

 

「この匂い……太郎君のエッチな匂いだね!」

「恵梨香? ……って、あら本当。私たちを差し置くなんてひどいわね太郎君」

 

 次に現れたのは櫻井恵梨香、白崎綾乃。この二人も太郎を好いているこの世界基準のブサイクな子たちだ。彼女たちも服を脱いで太郎奉仕パーティに参加することとなるのだった。

 太郎を含め、合計八人のパーティは外が暗くなるまで続いた。仕事から帰ってきた母も参戦するのだが、とりあえず言えることは大変近所迷惑だったとだけ言っておこう。

 




山田太郎

フツメンの少年、世界に反逆するように感覚が反転している。学校や近所からはブサイクを侍らせる変わり者と思われているが、太郎基準の美女や美少女たちが傍に居るので気にするモノでもない。馬鹿にした人間がよく遠くに引っ越したりしているのが気になりはするが、綾乃を筆頭に全員が気にすることじゃないと言っているので、気にはなっても流すことにしている。
NTR作品に興味を持ち、インターネットで検索したのだが出てくるのは太郎基準のものすっごいブサイクな女の子がアヘ顔晒しているモノだったためそっ閉じした。それまでの興奮がなかったかのように、彼の息子も急速に縮んだそうだ。

陽ノ下心春

太郎を愛する幼馴染その一、物凄いブサイクだがそれはつまりとてつもない美少女ということ。太郎にとってあらゆる物事の初めての存在であり、太郎にとっては無意識だが心春が一番彼の心に居座る存在でもある。己を虐待、軽蔑していた両親を排除してからは本格的に太郎のお世話を開始する。
ヤンデレレベル10

姫川美咲

太郎を愛する幼馴染その二、物凄いブサイクだがそれはつまりとてつもない美少女ということ。幼いころから太郎の傍で過ごし、一緒にキャッチボールをしたりするのが大好き。最初の内は嫉妬に狂うこともあったのだが、中学生の頃太郎に処女をもらわれてからはそれが一気に鳴りを潜めた。
ヤンデレレベル10

一条百合華

太郎を愛する幼馴染その三、物凄いブサイクだがそれはつまりとてつもない美少女ということ。金持ちの両親の家に生まれたが暫くしてお世話係以外は相手をしてくれなくなった。その代わりに太郎に依存するようになり、彼の為にその身を尽くすことになる。太郎に愛を尽くす学生の中で尤も大きい胸で彼に奉仕するのが何よりも好き。
ヤンデレレベル9

水原沙希

太郎を愛する近所の美少女、本当の兄のように太郎を慕う。彼女には義理だが一緒に住む兄が居るのだが、その兄にいつもいつもひどいことを言われ傷ついていたが、普通の女の子のように接してくれる太郎に出会い彼女の妹になりたいと願うようになった。急に成長した大きな胸を忌避していたが、太郎が照れてくれるので今は感謝している。
ヤンデレレベル9

本田雪江

太郎を愛する近所の奥様、せっかく結婚できたのに旦那は美人な愛人の家に行ったっきりで帰ってこない日が多い。仮に帰ってきても会話はなく夫婦生活なんてものは既に破綻していた。そんな中で太郎に知り合い20代も後半になって漸く誰かを愛し愛されることを実感できた。実は物凄いマゾ体質で、それを太郎に打ち明けたその夜思いっきり苛められたので骨抜きになった。
ヤンデレレベル8

櫻井恵梨香

太郎を愛する高校からのクラスメイト。とにかくセックスがしたいという願望を抱いていたのだが、その容姿故に男に相手されることはなく決まってお相手は意思を持たない電動玩具だった。心春と愛し合う太郎を見てその場に乱入し、人生初めてのセックスで太郎の色に染まってしまい以後彼だけを愛するようになった。
ヤンデレレベル5

白崎綾乃

太郎を愛する高校からのクラスメイトであり生徒会長。エッチなことに興味がありよく生徒会室で自慰をしていた。その場を太郎に偶然見られ罵倒を覚悟したが、その拍子に泣いた自分を太郎に抱きしめられ異性の温もりに触れて一目惚れした。太郎を害する者に容赦はなく、太郎の近辺でよく人が消えるのは綾乃が原因。
ヤンデレレベル15

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