思い付きのネタ集   作:とちおとめ

22 / 45
原作:陰湿オタクにイカれる妹(彼女)~大事なあの子が寝取られて~

このゲーム選択肢なんてあってないようなもんでしたね(白目
妹救おうと動けば主人公死ぬ、そうしなければ妹寝取られる。
最終的に元鞘に戻るエンディングもありますが、結局植え付けられた快楽には抗えず後日ネットで妹がヤッてる動画を見て主人公発狂。
なんすかね、抑止力でも働くんですかね(笑)




水原沙希の奮闘1

 男にとってその少女――水原沙希は自身の欲求を満たす存在になるはずだった。精神が壊れるほどまで犯し、男のことしか考えられないように調教する……そんな目的があった。

 彼女の下着姿、自慰をする姿、他にもあるがそんな場面の映像を入手したことで男は己の欲望が満たされる日が来ることを確かに確信していたのだ。万全を期して隠しカメラでその映像を入手した次の日に、男は沙希を人気のない場所に呼び出した。

 フードを深く被り、辺りを恐る恐る様子見している姿はひどく怯えているようで、それが男の更なる加虐心を煽り立てる。男にとっての理想とも言える体を体現し、尚且つ美少女でもある沙希を好きなように出来る。男の心は興奮して止まなかった。映像を入手してからどんなことをしようか、確実に沙希を堕とし性奴隷にするプランを何通りも考えてきた。

 男の計画は完璧だった……そう、この瞬間までは。

 

「よく来たねぇ沙希」

 

 男のねっとりとした不快感さえ感じさせる声音が響く。いまだに沙希はフードを被っているためその表情を見せないが、男は沙希が怯えているモノばかりと思っていた……そもそもの話、その思い込み自体が全ての間違いだったのだ。

 

「来てあげましたよ――あなたを消すために」

 

 フードの奥から聞こえてきた声、それは紛れもなく目の前の沙希からだ。だがその発せられた言葉は決して怯えた少女のモノではない、明確な殺意という名の意思を感じさせる強い言葉だった。

 沙希の消すために、その言葉を鼻で笑おうとした男だったが……そこでようやく沙希はフードを取った。フードの中身は美しい少女の顔があり、ずっと閉じ込められていた長い髪が風に舞った。パーカーを羽織りながらも、彼女の胸の膨らみは隠せておらず大きな存在感を醸し出していた。

 こうして傍で見れば如何に沙希が極上の美少女なのか分かるというもの。男は舌なめずりをしながら、これから行うシナリオ通りに動こうとした正にその時だった。この世のモノとも思えぬ、悍ましささえ感じさせる声が響いたのは。

 

「その不快な目で私を見ないでもらえますか。私を舐めるように見ていいのは兄さんだけです」

 

 男は一瞬、沙希の真紅の目を見た……が、すぐに視界が黒く染まった。一体何が起きた、そう思った男に次に訪れた異変は今までに感じたことのないとてつもない激痛。目元から脳を貫くように感じる熱さと痛み、男は痛みに悶えるようにその場に倒れ込む。

 痛い……痛い……痛い痛いイタイイタイイタイイタイ!!

 頭がおかしくなってしまいそうになるほどの激痛、目元に触れた手はまるで水を掬ったかのようにドロドロと何かが流れる感覚を男の脳に届けた。何だこれは、そう思考回路が働こうとした男の耳に沙希の声が届く。

 

「血も滴るいい男……いいえ、あなたの顔はそれでも醜いままですね」

 

 その声と共に沙希が近づいてい来る足音が聞こえる。ゆっくりと、ゆっくりと踏みしめる足音が近づくにつれ、男はここに来てようやく己の間違いに気づいたのだ。沙希は今まで手を出してきた女たちは違うということに。世の中には絶対に手を出してはいけない人間というモノが存在する……正に沙希がそれだということに。

 

「最初から気づいてましたよ。あなたが私を狙っていること……だから敢えて写真を撮られました。あなたという存在を“とある筋”から聞いていましたので、写真を送り付け脅迫してくることも予測していました。まあ、私としてもここまで小説とかゲームの流れみたいにトントン拍子で進むとは思っていませんでしたけど」

 

 沙希の涼し気で淡々とした言葉が男の恐怖を誘う。目が見えないだけでこれほどの恐怖なのだ。しかも目に感じる強烈な痛みもそれを助長していた。無様に地に這いつくばりながら、必死に目が見えない感覚と戦い手探りで逃げようとするも、すぐに男は壁にぶつかりその勢いが止まる。

 背後に壁という逃げ場のない状況で、男はすぐ目の前に何かが立つのを感じた。それを何かという表現するのは最早現実逃避しかない……そこに居るのは沙希以外あり得ないのだから。

 

「本当は嫌でしたよ? 好きでもない男に下着姿を、更には自慰している姿を見られるなんて。本当に腸が煮えくり返るようでした」

 

 言葉とは反対にやはり淡々とした様子なので本当に怒りを感じているのかすら分からない不気味さがある。

沙希の言葉は更に続く。

 

「でも……冷静になって考えると、それって私のその姿を見た人が居るからそう感じるだけなんです。あ、兄さんは別ですよ? 兄さんなら何を見てくれても構いません、何なら兄さんの目の前で穴と穴という自ら指で広げてみてもらいたいくらいです。それで興奮してくださるならそれに勝る幸福はありません。そして兄さんの欲望の向くままに私を汚してもらいたい、私という存在を兄さんの所有物にしていただきたいです。私は兄さんのモノだという証を刻んでほしい……あぁ、想像するだけで子宮が疼く。兄さん、貴方はこの世界でただ一人、私の唯一大切な人、私の大好きな人、私を壊してほしいと思う人、私を……私を……私を!!」

 

 長い独白の後に荒く息を吐く様子が窺えた。

 沙希の言葉をずっと聞いていた中で、男は段々と己の意識が沈んでいくような感覚を感じていた。眠くなるという感覚に近く、思わずそれに身を委ねたくなるがまだ少し恐怖が勝りそれが幸か不幸か男の意識を辛うじて繋いでいた。でもその感覚もやはり段々と薄れていき、暫くして男の意識は完全に闇へと消えた。

 

 

 

 微動だにしなくなった男を見て、沙希は何の感慨も浮かんでいないような無機質な目でそれを見下ろしていた。誰もが振り返る美少女と言えば聞こえは良いが、今の沙希が浮かべているのは無表情であり感情が見えない。何を考えているのか、それが全く分からない今の彼女の様子は不気味の一言しかない。

 動かなくなった男の前にしゃがみ、ゆっくりと口を開いた。

 

「私は兄さん以外に恥ずかしい姿は見せません。もし他人に見られたとしても、その人自体が居なくなってしまえば結局は0になりますからね」

 

 沙希はそこで立ち上がり、男に背を向けて歩き出した。背後で何か片づけをする気配を感じながらも、沙希はそれに振り向くことなく進んでいく。

 

「私を犯したいならどうぞご勝手に、性奴隷にでも何でも好きにしてください……ただし、あの世での妄想と夢の中でのみお願いします。今生きている私は兄さんだけのモノですので」

 

 沙希の呟きは闇へと消え残ることはない。沙希は再びフードを深く被り、元来た道を戻り始めた。もう彼女頭の中には先ほどまでの結末、そして男とのやり取りとそれに至るまでの過程は残っていなかった。今の彼女の脳内を占めるのは愛おしい兄のことだけ。

 

「兄さん、今帰りますね。ふふ……あぁそうだ。アイスを買って帰りましょうか」

 

 そう言う沙希の頬は赤く染まり、その時が待ちきれないと言わんばかりに笑みに溢れていた。

 

 

 

「遅いな……」

 

 水原家のリビングで一人の少年がそう呟いた。この少年の名は水原修司と言い、沙希が愛する兄である。兄と言っても修司と沙希の間に血の繋がりはなく、所謂義理の兄妹というやつだ。幼い頃にとある出来事があり、修司は沙希の両親に引き取られた。そこから修司と沙希の時間は始まった。

 ただの兄妹なら心配はするだろうがここまで落ち着かないということはないだろう。つまりどういうことかというと、修司と沙希の間にはただの義理の兄妹という言葉では片付けられないある繋がりがあった。それは……っと、ここでお待ちかねの人物が帰宅したようだ。

 

「ただいま帰りました!」

 

 玄関から沙希の声が聞こえ、修司はすぐに迎えに行くために玄関へと向かう。駆け足で向かった修司の目に映ったのはコンビニのビニール袋を抱えた沙希の姿である。沙希は修司の姿を目に入れた瞬間、花が咲いたように満面の笑みを浮かべた。でもどうやらこうして慌てて出迎えたことが気になるようで、沙希は素直にそれを口にするのだった。

 

「どうしたんですか? そんなに慌てて」

 

 修司にそのつもりはなかったが、どうやら沙希が疑問に思うくらいには慌てていたようだ。修司は少し照れくさそうにしながらも、沙希が無事だったことに安堵したのか思ったよりスラっと言葉が出てきた。

 

「言っていた時間より少し遅かったからさ。心配になったんだ……でも良かった。沙希に何もなさそうで」

「あ……心配してくれたんですか?」

「当り前だろ? 沙希は俺にとって大切な人なんだ。心配しないことの方がないよ」

 

 修司のその言葉に沙希は感動したのか、プルプルと小さく震えながらゆっくりと修司に近づく。そして我慢できないと言わんばかりにギュッと修司に抱き着いた。修司も沙希を振り払うようなことは決してせず、逆に沙希に応えるように力強く抱きしめた。

 

「ありがとうございます兄さん。兄さんに心配を掛けて申し訳ないと思う気持ちがあるのと同時に、兄さんに心配をしてもらって嬉しいと感じている私が居ます……私はいけない子ですね」

 

 申し訳なさと嬉しさが混ざったようなぎこちない笑み、どちらも沙希の嘘偽りのない気持ちなのは疑いようがないほどに表情に出ていた。確かに修司は沙希を心配していた、でもこんないじらしいことを言われてしまっては修司としては何とも言えなくなり、自身の腕の中で笑みを浮かべる愛おしい妹をただ優しく抱きしめてあげることしかできない。まあ、それで沙希もご満悦の様子だが。

 暫くそうしてやっと本来の調子が戻ってきたのか、修司は沙希の手を握りながら口を開いた。

 

「じゃあそうだなぁ。沙希が居なかった寂しい時間を取り戻す感じで、少し傍に居てくれるかい?」

 

 その言葉に沙希は目を輝かせて頷くのだった。

 

「はい! 少しと言わずずっと居ますから!」

 

 沙希の内心を表すように、彼女のツインテールがぴょこぴょこと心なしか動いているようにも見え、それすらも修司にとっては沙希の愛らしさを感じさせる光景だったのは言うまでもない。

 それからは沙希がコンビニで買ってきたアイスを差べさせあいっこしたり、体を引っ付けてテレビを見ながら二人してイチャイチャしながら過ごしていざ就寝の時間帯……なのだが、まだ修司と沙希の夜は終わらない。

 

「沙希」

「兄さん」

 

 修司の部屋のベッドの上で、一糸まとわぬ姿となった修司と沙希が深いキスをしていた。舌を絡めとるように濃厚なキスは、互いが相手を求める強い感情をこれでもかと感じさせる。

 この光景を見て分かることだが、二人は確かに義理の兄妹ではある。だがそれとは別に恋人という繋がりもあったのだ。幼い頃からずっと抱き続けていた淡い気持ちが恋心に変化するなど珍しいことではない、寧ろ修司と沙希はずっと両片思いという時間が長すぎた。だからこそ、いざ気持ちが通じ合えば反動かのように二人の仲が更に深まることなど予定調和のようなものだった。

 

「私、兄さんとのキス好きです。もっともっと、兄さんが好きって気持ちが強くなりますから」

「そう言ってくれると嬉しいね。でも、それは俺も一緒だよ沙希」

「兄さん!」

 

 修司の言葉が嬉しかったのか更に強く求めるように、今度は沙希から唇を奪う。息継ぎする時間がないのではないか、そう思ってしまうほどに激しく濃厚なキスをしてしまえばお互いにスイッチが入るのは当然のこと。

 

「うぅ~。兄さんとキスするとアソコが大変なことになります。兄さん……私もう我慢できません」

「俺もさ。いくよ沙希」

「はい。来てください兄さんっ!」

 

 辺りは寝静まった夜、けれども二人の夜はまだまだこれからだ。義理とは言え兄妹である事実、しかしそんなものは二人にとって気にすることではない。体裁は確かに大切だが、それを理由に気持ちを抑え込んでしまってはどちらも不幸になることが分かっていたからこそ、二人はお互いに気持ちを打ち明け受け入れた。

 修司は沙希が好き、沙希が自分とは違う別の男と愛し合うなど考えたくもない。

 沙希は修司が好き、修司が自分とは違う別の女と愛し合うなど何をするか分からない。

 今の二人の姿がずっと望み続けた二人の姿だ。お互いに愛おしい存在と共に居ることに生きる喜びを感じ、相手の為だけに尽くしたいとある種の歪みさえ正しいモノだと感じてしまう。でもそれで、それだけで二人は満足だった。

 

(兄さん、好き! 好きです! 大好きです! 沙希は兄さんのモノです! 兄さん以外何も要りません。私はずっと兄さんと一緒に生きて行きますから! だからお願いです兄さん……どうか私を……私を捨てないで)

 

 兄から感じる温もり、気持ち、愛、そして体に襲い掛かる快楽を受けながらただそれだけを沙希は望む。声には出していない、否出せない。彼女の口はずっと浅ましい女の喘ぎを叫び続けていた。通じるわけがない、そう思っていたのに。

 

「沙希、俺も好きだ! お前を絶対に手放さない! だからずっと俺の傍に居てくれ!!」

 

 まるで、沙希の心の声が聞こえたかのような修司の言葉だ。それだけでもう沙希の頭は修司のことだけに埋め尽くされた。

 修司の腰を己の足でホールドし、全て自分の中にくださいと意思表示をする。修司はその想いを受け取り、沙希の望み通りにするのだった。

 

「……兄さん……愛してます」

 

 自分の中に広がる心地の良い暖かさを感じながら、沙希は快楽に蕩けながらも精一杯の笑みを浮かべるのだった。

 




今回初っ端から間男を間引いたのはまあネタがなかったからです。

ヒロインを色々書くのもいいんですが、対処法とかそういったものが結局被ってくるんですよね。
なんで今回ガッツリ手を下した感じです。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。