黒の騎士団の双璧が行くＩＳ世界

VS福音１

時刻は１１時半。

砂浜に一夏、箒、カレン、セシリアがわずかに距離を置いて並んで立っていた。

「作戦開始行くわよ」

「おう」

「ああ」

「はい」

カレンの掛け声に一夏達は頷きそれぞれISを纏う。

そして一夏は箒が操る紅椿の背中に乗った。

そして一気に上空３００メートルまで飛翔した。

「は、早いですわ！」

それを見たセシリアが驚きの声を上げた。

「セシリア呆けてる場合じゃないわよ。私達も続くわよ」

「は、はい」

カレンに言われ、セシリアはカレンに続き飛んだ。

「思ったより離されちゃったわね（もし先に教団が仕掛けてきた場合一夏達が危険だわ）セシリア私先に行くから、無理せず来てね」

「わかりましたわ」

カレンはセシリアにそう言い速度を上げた。

「見えた」

カレンが一夏達に追いついたタイミングで一夏が福音に零落白夜を発動させた。

瞬時加速で一気に間合いを詰め、光の刃が福音に触れる、その瞬間・・・なんと福音は最高速度のまま反転、後退の姿となって身構えた。

「敵機確認。迎撃モードへ移行。《銀の鐘(シルバー・ベル)》、稼働開始」

オープン・チャンネルから聞こえて来たのは抑揚のない機械音声だったが、アキラかな敵意を発していた。

「箒！援護を頼む！」

「任せろ！」

一夏は箒の援護でまた福音に仕掛ける。

「セシリアファーストアタックは失敗。セシリアはスターライトｍｋⅢで援護射撃を。私が福音を抑えるから」

『わかりましたわ』

カレンはセシリアに援護を要請し、呂号乙型特斬刀を左手に持ち福音に向かった。

「一夏、箒。福音をこのポイントに誘導するわよ」

カレンがプライベート・チャンネルでセシリアの狙撃ポイントの座標を送った。

「「わかった」」

一夏と箒は返事をし、狙撃ポイントに誘導を始めた。

「これで！」

紅蓮の輻射波動を囮に福音を狙撃ポイント近くまで誘導した。そしてゲフィオンネットで動きを止めた。

「頂きましたわ！」

スターライトｍｋⅢの狙撃が命中する直前、福音の周りに盾が出現し、狙撃を防いだだけでなく、盾が爆発しゲフィオンネットも破壊した。

「なんだ！？」

「盾で防いだ？」

「そんな盾なんて情報ありませんでしたわ」

一夏、箒、セシリアは情報にない事に驚いていたが、カレンはライからギアス教団が絡んでいると教えられていたので、ある事が頭を横切った。

「（ギアス！？爆発する盾を使えるという事かしら？下手に近づいて盾に囲まれて爆発されると厄介ね。でも遠距離は今みたいに防がれそうね。盾の役割と爆発は同時に出来るかどうかで対応は変わってくるわね。セシリアもう一度狙撃をお願い」

「わかりましたわ」

カレンはセシリアに援護を頼み、射出に合わせて近づく。

するとセシリアの狙撃は盾で受け止めたが、カレンの攻撃は避けた。

「（如何やら盾と爆発は同時に使えないようね。それなら・・・）一夏零落白夜の準備を。私とセシリアが援護するから、盾が出たらそのまま切って。箒は一夏のフォローを」

「わかった」

「うむ」

カレンの指示に一夏は雪片弐型を握りしめて、零落白夜を何時でも発動できるようにした。箒は一夏の前に行き、一夏に攻撃がいかないよう、雨月、空裂を構えた。

セシリアの狙撃、カレンの43mmグレネードランチャーで福音を攻撃するが、福音は盾とウィングスラスターのの砲門全てを開いて全方位に向け一斉射撃する。

セシリアは回避を、カレンは輻射障壁で守っているなか、箒は光弾の雨を紙一重にかわし、追撃をする。

隙ができたが、一夏は福音と真逆の直下海面へと向かった。

瞬時加速と零落白夜の両方を最大出力で行い、一発の光弾に追い付いた一夏はそれをかき消す。

「何をしている！？折角のチャンスに」

「船がいるんだ！」

そう一夏がかき消した光弾の射線には船があった。

そしてエネルギーが切れた為、雪片弐型の光の刃が消えた。

「作戦失敗。作戦概要を破棄。戦線から離脱するわよ」

一夏の攻撃手段がなくなり、カレンは撤退を決めた。

「皆私が殿を引き受けるから先に戻って。箒は一夏の護衛を」

「わかりました。カレンさんお気をつけて」

まずセシリアがゆっくり後退し、ある程度離れてから、旅館に向かって瞬時加速を発動させた。

そんな中一夏と箒は言い合いをしており、福音はそんな２人に一斉射撃モードへと入っていた。

「一夏！箒！」

全速で一夏と福音の間に割り込み、最大出力の輻射障壁で光弾を受け止める。

「２人共ここは戦場よ！！気を抜かない！！それに今は私の指揮下だから私の指示を聞きなさい！！」

カレンは２人に向かって怒鳴った。

「わ、私は・・・」

「言い訳は後！今は逃げる事に集中して！！」

カレンの激で一夏と箒は撤退を始めた。

「もう少し時間を稼がないとね」

カレンは時間稼ぎと、自身が離脱するタイミングを見計らった。

再び一斉射撃が始まり、今度は輻射障壁で受けず全て紙一重で避けていく。

そして一夏達と距離があいたのを確認すると、前にミサイルを射出して光弾に当て、爆発さてた。

カレンは煙幕に利用し瞬時加速で一気に戦線を離脱した。

ファーストアタックは失敗に終わった。