黒の騎士団の双璧が行くIS世界   作:マスターM

33 / 44
臨海学校5

「では、現状を説明する」

旅館の一番奥に設けられた宴会用の大座敷・風花の間にライ達専用機持ちと教師陣が集められていた。

照明を落とした薄暗い室内に、ぼうっと大型の空中ディスプレイが浮かんでいる。

 

「二時間前、ハワイ沖で試験稼働にあったアメリカ・イスラエル共同開発の第三世代型の軍用IS『銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)』が何者かに襲われ、制御下を離れ暴走。監視空域より離脱したとの連絡があった」

千冬の言葉に一夏と箒以外は神妙な顔になっている。

 

「その後、衛星による追跡の結果、福音はここから二キロ先の空域を通過することが分かった。時間にして五十分後。学園上層部からの通達により、我々がこの事態に対処することとなった。教員は学園の訓練機を使用して空域及び海域の封鎖を行う。よって本作戦の要は専用機持ちに担当してもらう。それでは作戦会議を始める。意見があるものは挙手するように」

 

「はい」

早速手を挙げたのはセシリアだった。

 

「目標ISの詳細なスペックデータを要求します」

 

「わかった。ただし、これらは二ヵ国の最重要軍事機密だ。けして口外するな。情報が漏洩した場合、諸君には査問委員会による裁判と最低でも二年の監視がつけられる」

 

「了解しました」

未だに状況を飲み込めていない一夏と箒以外は開示されたデータを元に相談を始めた。

 

「広域殲滅を目的とした特殊射撃型・・・わたくしやカレンさんライさんのISと同じく、オールレンジ攻撃を行えるようですわね」

 

「攻撃と機動の両方を特化した機体ね」

 

「機動は弐式より上」

 

「この特殊武装が曲者って感じするね」

 

「しかも、このデータでは格闘性能が未知数だ。持っているスキルもわからん。偵察は行えないのですか?」

セシリア、鈴、簪、シャル、ラウラが言う。

 

「無理だな。この機体は現在も超音速飛行を続けている。アプローチは一回が限界だろう」

 

「一回きりのチャンス・・・ということはやはり、一撃必殺の攻撃力を持った機体で当たるしかありませんね」

真耶の言葉に千冬とライ、カレン以外が一夏の方を見る。

 

パンパン

 

「全員気持ちは分かるが、まだ策はあるはずだ。そうだろ蒼月?」

千冬が手を叩き、注目を集め言ってライにふった。

 

「お前なら、いやお前達なら勝率はどれぐらいだ?」

千冬の問いかけに全員がライに注目した。

 

「僕かカレンが単独で70%。2人なら90%の確率で勝てます」

ライの言葉に千冬とカレン以外は驚愕した。

 

「戦術パターンは36通り思いつきました。先程織斑先生が仰った何者かもしくは別の勢力の横槍がない限りこの一機には勝てます」

自信満々に答えるライに他の専用機持ち達はライとの差を理解する。

 

「では蒼月、お前が主体となって・・・」

 

「すいません織斑先生。どうやらもう1人作戦を考えている人がいます」

 

「何?誰のことだ蒼月?」

千冬の言葉を遮り、ライは別の人物も意見があると言うと、千冬は誰かライに聞く。ライは天井を向いて言う。

 

「聞いていたんでしょう束さん?」

 

「さーすがラーくん!束さんに気付いてるなんて。しかも考えている事もわかるなんて。とうっ★」

部屋のど真ん中の天井から束が、空中で一回転して着地した。

 

「ちーちゃん、ちーちゃん。ここは断・然!紅椿の出番なんだよっ!」

そして束は千冬に紅椿の性能と作戦を説明した。聞き終えた千冬は頭を抱えながらライに聞く。

 

「蒼月、お前はどう思う・・・」

 

「そうですね」

 

「あ、ラーくんちょっと来て」

ライが答えようとすると、突然束に手を引かれ宴会場から連れ去られた。

 

 

宴会場から離れると束はライの手を離して、タブレットをライに見せる。

 

「福音を襲った奴等なんだけど、ラーくんだけに教えておこうと思って」

 

「僕だけですか?何故です?」

 

「その答えはこの映像にあるよ」

そう言い映像を流し始めた。

 

 

 

映像には福音が補給の為に基地に着陸しようとした瞬間、地面から機械の触手が生えて来て福音を拘束した。軍人達が重火器で攻撃しようとするが、一部は味方に発砲する。撃っている者達の顔は困惑顔だった。

味方を撃っていた者達以外が倒れると、撃っていた者達も倒れこんだ。

そこで映像が途切れたが、ライは最後に映ったマークを見逃さなかった。

 

「間違いない。福音を襲ったのは教団。目的は軍用ISの強奪及び契約か・・・」

 

「これで束さんの作戦の意図わかった?」

 

「一夏と箒を囮に、教団の炙り出し。でも以外ですね。束さんが身内を危険に晒すなんて」

 

「何回か実戦を経験したいっくんはともかく、箒ちゃんは今有頂天になっているから、その自信を砕く為だよ。ラーくんの事だからそれを含めた作戦たてるでしょう?」

 

「まあ僕も友人を見殺しにしたくありませんから」

 

「ラーくん、束さんは少し教団を探ってくるから、ちーちゃん、箒ちゃん、いっくんの事頼んでいいかな?」

 

「任せて下さい。束さんも気を付けて下さいね。特に絶対遵守や記憶改竄、時間停止のギアスには」

 

「うん。じゃあ頼むね~」

そう言い束は出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「束さんの作戦に、サポートにカレンと遠距離援護ができるセシリアをつけて行います。現場指揮はカレンに一任。もしもの時はカレンの指示に従うよう」

宴会場に戻ったライは小声で千冬に教団の事を話し、作戦はカレンとセシリアのサポートをつけて行う事となった。

 

「聞いての通りだ。作戦開始は三十分後。各員、直ちに準備にかかれ」

ぱんと千冬が手を叩き、それを皮切りに教師陣たちはバックアップに必要な機材の設営を始めた。

その中ライはカレンに近づき小声で耳打ちする。

 

「カレン気を付けて。ギアス教団が今回絡んでいる」

 

「成程。だから私が一夏達のサポートなのね。ライは教団の襲撃の警戒?」

 

「ああ。もしかしたら、福音はギアスを持つ可能性が高い。危険だと思ったらすぐに撤退して」

 

「わかったわ。ライも気を付けて」

 

「ああ」

そう言い2りはそれどれ準備に向かった。

ライとのカップリングで好きな組み合わせは?ライカレは殿堂入りの為除外

  • ライ×ナナリー
  • ライ×C.C.
  • ライ×シャリー
  • ライ×ミレイ
  • ライ×神楽耶
  • ライ×千葉
  • ライ×ユーフェミア
  • ライ×コーネリア
  • ライ×ヴィレッタ
  • ライ×天子
  • ライ×ノネット
  • ライ×アーニャ
  • ライ×モニカ

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。