黒の騎士団の双璧が行くIS世界   作:マスターM

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臨海学校3

時間はあっという間に過ぎ、現在7時半。大広間を3つ繋げた大宴会場で、ライ達は夕食を取っていた。

 

「凄い豪華だね」

 

「そうね。普通の学校では考えられないわね」

 

「そうだね、ほんと、IS学園って羽振りがいいよ」

ライの感想に右側に座るカレンと左側に座るシャルが言った。

ここにいる全員が浴衣姿である。なんでもこの旅館の決まりで『お食事中は浴衣着用』となっている。

浴衣姿のライを目に焼き付けようと女子達は食事をそこそこに、ライを凝視している。当の本人は何故見られているか首をかしげる。それを見たカレンとシャルは溜息をついた。

夕食のメニューはキモつきのカワハギの刺身と小鍋、それに山菜の和え物が2種類。それに赤出汁味噌汁とお新香だ。

 

「それにしてもアレは・・・」

カレンが目の前に視線を移すと、一夏の左側に座っているセシリアがずっとうめいている。

 

「セシリア健気だね」

 

「ええ、でもアレは見てる方も辛いわ」

 

「うんうん」

 

「そう言えばシャルは正座大丈夫なのね?」

 

「うん。お箸と並行して練習してたから大丈夫だよ」

ライを挟んで2人は話す。

 

「あああーっ!セシリアずるい!何してるのよ!

 

「織斑君に食べさせてもらってる!卑怯者!」

 

「ズルイ!インチキ!イカサマ!」

話していると女子達が騒ぎ始めた。どうやら一夏がセシリアに刺身を食べさせようとしてそれを見た女子達が騒ぎ始めたようだ。

 

「ああ~あんなに騒ぐと・・・」

 

「織斑先生が怒鳴り込んで来るね」

そう言った直後隣の襖がパーンと開き千冬が現れた。

 

「お前達は静かに食事もすることができんのか」

その声に全員凍り付く。

 

「どうにも体力があり余ってるようだな。よかろう、それでは今から砂浜をランニングしてこい。距離はそうだな50キロもあれば十分だろう」

 

「いえいえいえ!とんでもないです!大人しく食事をします!」

そう言って各自の席に戻っていく。それを確認して一夏の方を見た。

 

「織斑、あまり騒動を起こすな。鎮めるのが面倒だ」

「わ、わかりました」

千冬は一夏が頷いたのを確認して戻って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

食事の後解散しカレンとシャルは自分達の部屋でだべっていた。

 

「いたいた。2人とも織斑先生が呼んでるわよ」

そこに鈴が2人を呼びに来た。

 

「織斑先生が?」

 

「なんだろう?」

2人は疑問に思いながら千冬のいる部屋に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コンコン

「織斑先生、紅月と」

 

「デュノアと」

 

「凰です」

 

「入れ」

千冬の許可をもらい3人は部屋に入った。

 

「あれ?皆も呼ばれたの?」

3人が入ると、箒、セシリア、ラウラ、簪がいた。

 

「ああ。私と簪は箒に呼ばれ今来たばかりだ」

ラウラが答えカレン達も座った。

 

「ほれ好きな物を選べ」

冷蔵庫から人数分の飲料を出し、7人の前に置いた。それどれ礼を言って飲み物を口にする。

全員の喉がごくりと動いたのを見て、千冬はニヤリと笑った。

 

「飲んだな」

 

「は、はい?」

 

「そ、そりゃ、飲みましたけど・・・」

 

「な、何か入っていましたの!?」

 

「失礼な事を言うなバカめ。なに、ちょっとした口封じだ」

そう言って千冬が新たに冷蔵庫から取り出したのは、星のマークがキラリと光る缶ビールだった。

プシュッ!と蓋が開き遠慮なく喉に流し込む。

 

「さて。本題に入るか」

ポカーンとしていた全員が姿勢を正した。

 

「お前等、あいつ等のどこがいいんだ?」

ここにいる全員があいつ等とは一夏とライの事だと理解した。

 

「わ、私は別に・・・以前より腕が落ちているのが腹立たしいだけですので」

 

「あたしは、腐れ縁なだけだし・・・」

 

「わ、わたくしはクラス代表としてしっかりしてほしいだけです」

 

「ふむ、そうか。ではそう一夏に伝えておこう」

箒、鈴、セシリアの話を聞き千冬はそう言った。

 

「「「言わなくていいです!」」」

箒、鈴、セシリアがぎょっとしてから一斉に詰め寄った。

 

「で、お前は?」

さっきから一言も発していないラウラに千冬がふる。

 

「つ、強いところでしょうか・・・」

 

「いや弱いだろ」

 

「つ、強いです。少なくとも、私よりも」

珍しく千冬に食ってかかるラウラ。

 

「まあ、強いかは別にしてだ。あいつは役に立つぞ。家事も料理もなかなかだし、マッサージだってうまい。付き合える女は得だな。どうだ欲しいか?」

え!?と箒、鈴、セシリア、ラウラが顔をあげる。それからおずおずと、ラウラが尋ねた。

 

「く、くれるんですか?」

 

「やるか馬鹿。女ならな、奪うくらいの気持ちで行かなくてどうする。自分を磨けよ、ガキ共。でお前はどうなんだ更識?」

次の千冬の標的は簪となった。

 

「・・・ライには感謝してます。ライのおかげでお姉ちゃんと仲直り出来たし参式も完成した。ライには恋愛感情はないです。頼れるお兄ちゃんみたいな感じです。一夏の事は最初恨んでいましたが、ライ達のおかげで向き合うことが出来て今は友達です」

そうトーナメントの後、ライが間に入り一夏と簪を紹介した。その時簪は溜め込んでいた事を一夏にぶつけた。それが八つ当たりだと分かっていても止まらなかったのだ。全てを聞いた一夏は簪に謝り、今は友達として接している。

 

「・・・そのことについては学園側にも非がある遅くなってすまないが、学園を代表して謝罪する。済まなかった」

そう言い千冬が頭を下げた。

 

「あ、頭をあげて下さい!もう気にしてませんから」

簪が慌てて言うと千冬は頭をあげた。

 

「感謝する。そして最後にデュノア」

 

「あれ?カレンは?」

 

「紅月はいい。前に惚気を見たからな」

最後のシャルに聞こうとしたら鈴が反応し、千冬はニャリと笑って言った。

 

「///」

カレンは顔を真っ赤にして顔を俯いた。

 

「ぼ、私はライのおかげで父と義母との誤解がとけて、自分を偽らなくて済みました。ライは私にとっての王子様です」

カレンと千冬以外はシャルの事情はニュースでしか知らないが、ライが手を打った事を理解した。

 

「デュノア。蒼月を想うお前に言っておく」

直後千冬は真剣な顔をしてシャルに言う。

 

「蒼月の背負っている物は重いぞ?紅月は蒼月の全てを受け止め、支えようとしている。お前にその覚悟はあるのか?」

千冬は軽い殺気を飛ばしながら言う。

 

『『『!!?』』』

千冬の殺気にカレン以外が硬直した。

 

「そ、それでも私は諦めません!ライが何を背負っているか分かりませんが、私はライの全てを受け止める覚悟はあります!!」

 

「・・・そこまで言うなら、いう事はない。紅月はどうだ?」

 

「私からは特にありません。シャルとは既に話は終えています」

シャルの言葉を聞き、千冬はカレンにふった。ふられたカレンは既に話し終えたと言った。

 

「そっか、分かった」

そう言って缶ビールを流し込んだ。

 

「あ、あの~一つお聞きしたいことがあるのですが・・・」

セシリアがおずおずと、手を挙げて言った。

 

「なんだオルコット?言っておくが蒼月の背負っている物は話せんぞ」

 

「い、いえ。わたくしはライさんとカレンさんの出会いを聞きたいなと思いまして・・・」

 

「お前に任せる紅月」

 

「まあライとの出会いなら」

セシリアからライとの出会いの事を聞きたいと言い、千冬はカレンに任せると言い、カレンは承認した。

 

「ライと出会った時、ライは記憶喪失だったの」

 

「記憶喪失だと兄上が?」

 

「うん。今のライを見ていたら想像できないかもしれないけど、その時のライは感情のない人形みたいだったの」

 

「想像出来ないわね。あのライがねぇ・・・」

 

「詳しい事は言えないけど、ライは様々な経験を得て感情を取り戻し今に至るの。詳しくはライから聞く事ね。まあライが話すか分からないけど」

そう言いカレンは千冬の部屋を出た。

ライとのカップリングで好きな組み合わせは?ライカレは殿堂入りの為除外

  • ライ×ナナリー
  • ライ×C.C.
  • ライ×シャリー
  • ライ×ミレイ
  • ライ×神楽耶
  • ライ×千葉
  • ライ×ユーフェミア
  • ライ×コーネリア
  • ライ×ヴィレッタ
  • ライ×天子
  • ライ×ノネット
  • ライ×アーニャ
  • ライ×モニカ

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