黒の騎士団の双璧が行くIS世界   作:マスターM

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決着

(こんな・・・こんなところで負けるのか、私は・・・!)

確かに相手の力量を見誤った。それは間違えようのないミスだ。しかし、それでもー

 

(私は負けられない!負ける訳にはいかない・・・!)

ラウラは人工的に作られた人間である。ISの登場でその適合性向上為に行われた処置『ヴォーダン・オージェ』・疑似ハイパーセンサーとも呼ぶそれは、脳への視覚信号伝達の爆発的な速度向上と超高速戦闘状況下における動体反射の強化を目的とした、肉眼へのナノマシン移植処理の事を指す。そしてまた、その処置を施した目の事を『越界の瞳(ヴォーダン・オージェ)』と呼ぶ。理論上では危険性・不適合もないはずだったが、この処置でラウラの左目は金色に変質し、常に稼働状態のままカット出来ない制御不能へと陥った。この事でラウラは出来損ないの烙印を押された。

失墜の底で現れたのが千冬だった。千冬の指導で再び最強の座に君臨したラウラは千冬に心酔し憧れた。そんな千冬が一夏のせいで大会連覇を逃した事を憎んだ。

 

(敗北させると決めたのだ。あれを、あの男を、私の力で、完膚なきまでに叩き伏せると!力が、欲しい)

ドクン・・・と私の奥底で何かが蠢く。そしてそいつは言った。

 

『欲しいか・・・?汝、自らの変革を・・・理から外れた力を・・・?』

言うまでもない。力があるのなら、それを得られるのなら、私などー空っぽの私など、何から何までくれてやる!だから、力を・・・比類無き最強を、唯一無二の絶対をー私に寄越せ!

 

DamageLevel・・・D.

MindCondition・・・Uplift.

Certification・・・Clear・

 

《ValkyrieTraceSystem》・・・・・・boot・

『あ・・が王の・を、持つ・格があるか、見極・・せてもらうわ』

 

 

 

 

「ああああああっ!!!!」

突然ラウラが絶叫し泥の様な物で覆われた。それと同時に隔壁が作動しアリーナ内の扉が全てロックされた。

 

 

 

 

 

 

 

「織斑先生」

ライは異変が起きてから直ぐ千冬に連絡を取った。

 

『蒼月か!状況は!?』

 

「アリーナ内の扉が全てロックされています。生徒達が逃げようとしていますが出来ない状況です。あの権を使います」

 

『わかった。具体的には?』

 

「僕とカレン。それと簪と簪の傍にいると思う会長の4人が専用機で扉を壊し、全生徒が避難した後僕とカレンが一夏達の救助に向かいます。会長達には来賓達の護衛を頼みます。教師部隊も2班に分かれて生徒達と来賓達の護衛をお願いしたいです」

 

『わかった。教師の方は私から連絡しておく』

 

「お願いします」

ライは通信を切りカレン、セシリア、鈴に向き直り、簪と楯無に通信を繋いだ。

 

「皆今からする事を言うよ。まず僕とカレン、簪と会長が扉を壊すから、鈴とセシリアは避難誘導の後生徒達の護衛を。簪と会長は来賓達の護衛を。僕とカレンは一夏達の救助に向かう。異論は?」

 

『ないわ。こっち半分は私と簪ちゃんが担当するわ』

 

『うん』

 

「わたくしもないですわ」

 

「アタシも」

 

「勿論ないわよ」

全員異論なく早速取り掛かった。

僅か数分で生徒達の避難が完了した。

 

 

「行くよカレン」

 

「ええ」

ライとカレンはアリーナに突入した。

 

 

 

アリーナに入った時一夏は白式のエネルギーが切れたのか生身の状態だった。

 

「これはどう言う状況だい?」

 

「えっとね・・・」

ライの問いかけに近くにいたシャルは経緯を話した。

 

「成程。一夏は自分がやりたいんだね」

 

「ああ。俺がやりたいんだ。ここで引いたら俺じゃねえよ」

 

「気持ちは分かるけどエネルギーが・・・」

 

「無いなら他から持ってくればいい。でしょ?」

 

「もしかして他のISのエネルギーを白式に?」

 

「うん。普通のISなら無理だけど、僕のリヴァイヴならコア・バイパスでエネルギーを移せるよ」

 

「なら僕とカレンで動きを止めるから止めは任せたよ」

シャルの話を聞き状況を理解したが問題のエネルギー切れをどうするか悩んでいるとシャルが話に入って来て解決策を提案した。その案にライは合意し、一夏に止めを任せ自分とカレンは足止めをすると言った。

 

(相手は織斑先生のコピー)

 

(技術も同じ)

 

(なら・・・)

 

(やることは一つ・・・)

 

((雪片を取り上げる!!))

ライとカレンの思考は一致しその為の行動にでる。ライは廻転刃刀をカレンは呂号乙型特斬刀を構えた。

ライとカレンの連携の前ではいくら千冬のコピーでも対応しきれず、ついには雪片を弾かれてしまった。

その隙を見逃さずライは左腕をカレンは右腕を抑えた。

 

「一夏!!」

 

「いまよ!!」

 

「うおおおお!!」

一夏はライとカレンの合図でエネルギー刃を頭上に構え、縦に真っ直ぐ断ち切った。

 

「ぎ、ぎ・・・・ガ・・・」

ジジッ・・・と紫電が走り、黒いISが待っ二つに割れ、その中からラウラが出て来て気を失うまでの一瞬で一夏とラウラの目があった。力を失って崩れるラウラを一夏は抱きかかえた。

 

 

 

 

「一件落着かな」

と一息ついたライだが黒いISは再起動し、後ろに下がる事でライとカレンを振りほどいた。その際左目が一瞬赤く光った。

 

「今のは・・・まさか!?」

ライの驚愕をよそに、今度は右眼が赤く光り黒いISが50機程に増えた。

 

「増えた!?」

シャルの言葉はここにいる全員の代弁だった。

 

「・・・一夏、シャル、箒はラウラを連れて逃げろ」

 

「ライ?」

何時ものライの様子とは違い緊迫した口調にシャルは疑問に思った。

 

「いいから早く!」

 

「う、うん」

あまりの気迫にシャル達は避難した。

 

「カレン気をつけて・・・」

 

「ええ。わかっているわ」

ライとカレンはIS達に突っ込んだ。

2人の動きはまさに一騎当千の如く黒いIS達を蹂躙していく。しかし・・・

 

「数が減らない!?」

 

「再生?いや増殖か・・・」

 

「再生じゃなく増殖?」

 

「ああ。破壊された数だけ増えるんだ。上限は50だけど、これではジリ貧だよ」

 

「策はあるの?」

 

「あるよ。僕達の輻射波動を同時に撃つんだ」

一向に数が減らない事にカレンは苛立つがライは冷静に観察しており、カレンはライに策があるか聞く。ライはあると言った。

 

「成程ね。でもこの状況じゃ合流出来ないわよ?」

 

「10秒後地面に輻射波動を」

 

「そう言う事ねわかったわ」

合流するための方法を言うだけでカレンは理解した。

そして10秒後同時に輻射波動を地面に撃って砂煙に混じって2人は合流した。

合流した際ライは右側に立ち左腕を、カレンは左側に立ち右腕を構えた。

 

「僕は左側から、カレンは右側から真ん中に向けて撃ち続けて!」

 

「了解!」

2人同時に輻射波動をロングレンジで放ち、徐々に真ん中に向かって行った。そして遂に真ん中の最後の一機も爆散した。

 

「終わったの?」

 

「終わったみたいだね。それにしてもあれは・・・」

カレンは戦闘態勢を保ちながらライに聞いた。ライも周りを見て終わった事を確認した。そいて一連の出来事を考えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

某所

薄暗い部屋に蒼い神官服を着た女性がモニターでライ達の様子を見ていた。

 

「やっぱり凡人には使いこなせないか・・・でももう一つの実験は大成功ね」

そう言い背後に掛けられているライの写真の前に跪いた。

 

「我が狂王。私がこの世界を献上するまでもうしばらくお待ちを」

女性はそう言い部屋を出た。

ライとのカップリングで好きな組み合わせは?ライカレは殿堂入りの為除外

  • ライ×ナナリー
  • ライ×C.C.
  • ライ×シャリー
  • ライ×ミレイ
  • ライ×神楽耶
  • ライ×千葉
  • ライ×ユーフェミア
  • ライ×コーネリア
  • ライ×ヴィレッタ
  • ライ×天子
  • ライ×ノネット
  • ライ×アーニャ
  • ライ×モニカ

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