落第騎士の英雄譚 破軍剣客浪漫譚「本編完結」   作:どこかのシャルロッ党

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第四十五幕「固有時制御対神速」

 

「お前が俺を倒せるとでも思ってるのか?」

 

「ああ。だからここに来たのさ・・・」

 

「そうか。死んだ母さんに申し訳ないと思わないのか」

 

「別に・・・取り敢えず黙れよ」

 

 

翔真は時雨に斬り掛かる――――しかし、時雨は翔真の剣撃を蹴りで交わし翻弄してゆく。翔真もまた時雨に斬り掛かろうと必死になり神速を出す。

 

 

「遅いな・・・Time Alter double Accel」

 

「くっ!?」

 

 

神速を上回る速さ・・・それは綾崎時雨が得意とする時間操作の魔術。呪文を唱えることで自身の速さを格段に上げることが出来る時間操作の魔術であり、それを使用することで時雨は翔真の攻撃を簡単に交わすことが出来る。

 

 

「(アンタがそれを使ってくるのは分かってたよ)」

 

「(なに・・・更に速くなるのか!)」

 

 

自身の身体に少々の負荷が掛かろとも、更に神速を引き出す―――――

 

 

「ちぃ!」

 

「そらぁ!」

 

 

時雨は自身の固有霊装である二丁拳銃「干将・莫耶」を発泡。翔真は天鎖斬月で弾丸を斬り伏せてゆきながら宙を舞う。

 

 

「飛天御剣流・・・龍槌閃!」

 

「Time Alter triple Accel」

 

「三重加速・・・!」

 

 

刃を交わした時雨は翔真を蹴り飛ばすとそのまま発泡。地上に着地した翔真は壁に登りながら弾丸を交わす。

 

 

「飛天御剣流・・・九頭龍閃!」

 

「・・・!?」

 

 

九頭龍閃を繰り出す翔真―――――九つの斬撃を身体に命中させるとそのまま天鎖斬月で斬り付ける。

 

 

「がぁぁ!?・・・ふん!」

 

「なに!」

 

 

油断した束の間、時雨は干将・莫耶を撃ちながらカウンターで反撃。その反動で床へと倒れてしまった翔真・・・天鎖斬月は離れた所へ突き刺さり、日本刀も折れてしまう。時雨は冷酷な表情を浮かべて翔真に銃口を向けた。

 

 

「さらばだ」

 

「(ここで終わりかよ・・・)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「全く、相変わらずだね翔真」

 

「先輩・・・こんなところで果てないでくださいよ」

 

「な!?・・・い、一輝・・・翼・・・」

 

 

翔真がトドメを刺されようとした時―――――時雨の背後には学園にいるはずの一輝と蔵人の側近である加宮 翼がいた。

 

 

「ほう・・・まさか君までいたとはな、黒鉄君」

 

「・・・まあそうですね。貴方には聞きたいことがある・・・裏で人身売買をおこなった件について詳しく聞きたい」

 

「へぇ~、綾崎家ってどんだけ偉い家かと思ったらそんな裏があったんですね~?」

 

「っ!?」

 

 

時雨は二人を蹴り飛ばそうとしたが既に二人は翔真の側にいた。

 

 

「一輝、どうしてお前が・・・」

 

「翔真は嘘を付くのが下手すぎだよ。ほら、立てるかい?」

 

「すまねぇ。翼お前もなんで」

 

「僕はただ面白そうだから付いてきただけですよ。さあ行きますよ先輩」

 

「偉そうによォ」

 

 

翔真・一輝・翼は時雨に立ち向かう―――――一方で苦戦していた明日菜とシャルロットにも援軍が訪れた。それは一輝同様に付いてきたステラ・由紀江と翼と一緒に付いてきた小猫だった。

 

「ステラちゃん!?どうしてここに!?」

 

「水くさいわよアスナ?私達友達なんだから・・・助けるのは当然でしょ?」

 

「明日菜さん、シャルロットさん・・・まだ立てますか?」

 

「うん!」

 

「うん・・・でも意外だよ。小猫ちゃんまでいるなんて」

 

「私はただツーくんに付いてきただけです。気にせずに」

 

 

明日菜達は未だに動くメイド軍に立ち向かい力を振るう。

 

 

 

 

 

 


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