落第騎士の英雄譚 破軍剣客浪漫譚「本編完結」   作:どこかのシャルロッ党

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第四十三幕「強襲、綾崎家へ」

 

 

「はぁ・・・はぁ・・・」

 

「よくやったな翔真。俺の修行をよく耐えた」

 

「師匠・・・」

 

「翔真。本当にお前は・・・家へ行く気か?」

 

「・・・奴等を黙らすには、これしかないんです」

 

 

1週間という短い期間で翔真は剣斗が与えた課題を次々とクリアし、服は破れ憔悴していたがひとまず剣斗との修行は終了した。翔真は自らが家の運命を終わらせる為にどんなに辛いことでも頑張ってきた・・・そして今がその時なのだ。

 

 

「師匠、頼みがあるのですが」

 

「なんだ」

 

「俺は・・・あと少ししたら破軍学園を出ます。俺が出た後、妹達を頼みます・・・」

 

「まさかお前・・・正気か・・・」

 

「はい。師匠お願いします」

 

 

剣斗に愛理達を頼み、翔真は皆が寝静まった頃に破軍学園へと帰ってきた・・・部屋へ帰ると明日菜とシャルロットが出迎えた。

 

 

「お帰り翔真君!」

 

「翔真・・・良かった、元気そうだね」

 

「まあな。部屋は・・・大分片付いてるな」

 

「翔真君、一輝君達に言わなくていいの?」

 

「一輝達に言ったら・・・色々気まずいだろ?だから言わない方がいいさ」

 

 

段ボールが部屋に集められ引っ越しの準備は出来ていた。翔真は理事長である黒乃に自分と明日菜達の転校を頼み、一輝達にバレないように今日の夜に引っ越しを決行することを決めていた。

 

 

「そう言えばグレイフィアさんは?」

 

「朱乃さんの部屋にいるよ・・・翔真君、本当にやるの?」

 

 

明日菜が不安そうな表情をしながら聞いてきた・・・そう、翔真は今から因縁を絶つ為に家との直接対決に出向こうとしていた。

 

 

「正直・・・一人では無理かもしれない・・・明日菜、シャル・・・頼めるか?」

 

「うん、いいよ」

 

「翔真が望むなら、ボクは手を貸すよ」

 

 

翔真はグレイフィアに全てを頼むと翔真達は学園を出た。やがて朝日が登り始めた頃―――――綾崎家へ到着。翔真・シャルロット・明日菜は固有霊装を手元に召喚すると家の門を破壊した。

 

 

「愛理や麻衣が安心して暮らせるように・・・やってやるぜ」

 

「翔真あれ!」

 

「あれは!」

 

「綾崎家在住のメイドさん達だ・・・二人共、頼む」

 

「任せて!」

 

「いくよ!」

 

翔真は天鎖斬月を右手に持ち、左手に木刀、口に日本刀の柄を咥えて三刀流で迫るメイド軍団を吹き飛ばし、屋敷の中へ――――――

 

 

「全員・・・構え!」

 

「はん・・・今度こそ始末してやるわよ!」

 

「(三刀流・・・鬼斬り!)」

 

 

三刀流による斬撃でメイド達が放った弾丸を切り裂き、そこから次々と始末していく翔真。左手に持った木刀を投げると咥えていた日本刀を左手に持つ。

 

 

「決着を着けよう・・・ヒルダ、ヨルダ」

 

「望むところだ」

 

「これ以上、当主様を失望させる訳にはいかないのよ」

 

「あんな奴に就くより、俺に就いた方がいいぜ」

 

 

そんな冗談を言いつつも、翔真は二人に立ち向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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