落第騎士の英雄譚 破軍剣客浪漫譚「本編完結」   作:どこかのシャルロッ党

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第二十幕「彼女達は女神―ヴィーナス― 上」

 

暑い今日この頃。翔真はすずめの鳴き声が

聞こえる朝。優雅な朝を迎えるはずの翔真は

ある人物によって起こされていた。

 

「明日菜、何やってんの?」

 

「・・・ねぇ翔真君」

 

翔真の身体の上に股がっていたのは明日菜だった。

二段ベッドの上ではシャルロットがすやすやと

寝息を立てながら眠っている。

 

「実はね・・・はい」

 

「ぶっ!」

 

制服のボタンを外し谷間を強調する明日菜。

そして谷間の隙間からチケットを出す。

 

「あああ明日菜ひゃん!?なな何をしてんの!?」

 

「こうすれば翔真君が喜ぶかなって・・・どう?」

 

上目遣いで尋ねる明日菜。彼女は両手で

さらに豊満な胸を強調する。朝から大胆な

光景を目の当たりにした翔真。さらに・・・

 

「あ・・・翔真君、なにか硬い物が・・・」

 

「(し、しまったァァ!!)」

 

自身の相棒が絶賛自己主張を起こしていた。

それはそうだ。朝の生理現象+幼なじみの

淫らな姿に興奮しないでいられるだろうか?

 

Cボーイ・・・またの名をチェリーボーイな翔真は

興奮せずにはいられない。

 

「つうか明日菜!・・・一体そのチケットは?」

 

「はい」

 

彼女から渡されたのは近くにある

プール施設の『1日無料体験チケット』と

書かれた物だった。

 

 

「一緒に行きたいなーって思ってさ。

シャルロットちゃんや朱乃さんも誘って

翔真君や私で行こうかなって・・・ダメ?」

 

「たまにはいいかもな。しかもこれ

4名までしか使えないみたいだし」

 

本当なら妹達や一輝達を誘いたいと思ったが

たまにはデートも悪くないなと翔真は思い

準備を始める。

 

―――――

 

 

「あらあら、明日菜ちゃんもすっかり

可愛らしい女の子になりましたわね」

 

「これも、全て朱乃さんのおかげです。

私、まだまだ頑張りたいと思います!」

 

「翔真~!全員揃ったよ~」

 

「了解だ。じゃあ出発するか!」

 

 

翔真は彼女達を引き連れプールデートへ行く。

先に彼女達の水着を買わないといけないので

ショッピングモールへ向かう。

 

 

水着販売売り場。デザインが可愛いビキニタイプの

水着が並ぶ中明日菜やシャルロット達が早速

選びに入る。

 

「(それにしても目のやり所に困るな)」

 

女性の水着売り場に現在男一人。少し

売り場から離れようとしたが、明日菜達に

害虫達(男)が近づいていた。

 

「あれ~!君たち可愛いーね!」

 

「ねぇねぇ!少し俺達と遊ばねェ?」

 

 

「悪いですが、私達はこれから彼氏と

デートに行きますの。貴殿方と遊ぶ事は

ありませんので」

 

朱乃が真剣な表情で告げると一人の男子が

ケラケラと笑いながら出て来る。

 

「まあまあいいじゃん。彼氏なんて

放っておいて俺達と『俺達が何かな?』」

 

男の言葉を掻き消すように翔真が朱乃達を

守るように現れる。翔真は男子達の服装を

見ていた。

 

「(コイツらの制服・・・貪狼学園か。面倒な)」

 

どうやらこの男達は貪狼学園に所属する生徒達。

はぁーと溜め息をつきながら翔真は口を開く。

 

「悪いが彼女達は俺の連れでね。ナンパなら

他当たりなよ」

 

「はぁ?」

 

「マジかよ・・・リア充がいい度胸してるな?」

 

囲まれる。朱乃や明日菜達は困るが

翔真は睨みを利かせる。

 

「退けよ。じゃないと・・・」

 

「ほう?やる気って訳か」

 

獣のような鋭い瞳。貪狼学園の生徒は戦闘狂が

多いという噂を耳にしていた翔真。やはり

噂は本当かと思いながら男子生徒の肩に手を

置く。

 

「戦うなら外だ。お前らだってこんな所で

問題起こす訳にはいかねぇだろ?」

 

「その言い様、何処かの学園の伐刀者か?」

 

「まあな」

 

それを聞いた男子生徒達はニヤリと笑う。

 

「来いよ。テメーをぼこぼこにしてやるよ」

 

「ほう。そいつは楽しみだな」

 

「ちょっと翔真!?戦う気なの!?」

 

焦るシャルロットだが、翔真は凄くいい笑顔で

『片付ける』と言い残し貪狼学園の男子生徒達と

ショッピングモールを一度出る。

 

「大丈夫かな翔真君」

 

「うん。あの数だしね」

 

「大丈夫ですわ。すぐに帰ってきますわ」

 

心配する明日菜やシャルロットをよそに

朱乃は大丈夫だと二人に言い聞かせる。

そして10分後。

 

 

「お、おまたせ」

 

「翔真君大丈夫なの!?色々ボロボロだよ!?」

 

「大丈夫大丈夫。さあ、気を取り直して行くぞ」

 

戦闘を約6分で終わらせた翔真。彼女達と

気を取り直しプールへと向かった。

 

 

「やっぱり僕の目に間違いはなかったかな。

綾崎翔真さんか・・・接触もありかな」

 

この時、翔真は気づかなかった。貪狼学園の

生徒――問題児のレッテルを貼られた加宮ツバサ

に目をつけられた事を。

 

 

 

 

 

 

 


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