落第騎士の英雄譚 破軍剣客浪漫譚「本編完結」   作:どこかのシャルロッ党

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今回また修羅場w


第十九幕「這いよれ!朱乃さん」

 

 

翔真の試合が終わり。次の日からそれぞれ

変化が訪れていた。まず一輝とステラがついに

カップルになった事。もう1つは翔真が無事に

愛理と和解し仲良くなった事だ。

 

また新たな1日が始まる――そのはずだった。

 

 

――――

 

 

「気を付けろよ愛理、麻衣」

 

「はい兄さん・・・では、行ってきます」

 

「行って来るね兄さん!」

 

愛理と麻衣は手を繋いで教室へと急ぐ。

「翔真、顔が嬉しそうだね」

 

「そうかな?・・・まあ、正直妹達の面倒を

見れて嬉しいのは確かだからな」

 

「そっか。ボク達もそろそろ行こっか。

時間が迫ってるよ?」

 

「だな」

 

翔真とシャルロットは自分達の教室へ向かう。

だが、生徒手帳(電子端末)に着信が入る。

画面には一輝の着信が入っていた。

 

「どうしたんだ一輝の奴?・・・はいしもしも?」

 

『あ!ようやく出た!・・・えと、はい』

 

「・・・?」

 

出るやいなや、一輝は翔真が出た事を

確認すると誰かに端末を渡す。

 

『もしもし・・・翔真君ですか?』

 

「え・・・」

 

いきなりあちら側から女性の声。一瞬固まるが

次第にその声の主が誰かなのか思い出す。

 

「もしかして・・・朱乃さん!?」

 

『!・・・はい!その通りですわ!・・・

覚えててくれたのね。嬉しいわ』

 

「どうして朱乃さんがいるの!?つうか

今何処にいるんすか!?」

 

『はい!翔真君のクラスにいますわ!

今何処にいるの?あ、私が迎えに・・・』

 

「すぐに行きます!はい!」

 

通話を切り翔真は即座に走り出す。電話の

相手は1つ年上の幼なじみ『姫島朱乃』。

何故、この破軍学園にいるのか?それを

知りたいので翔真は急ごうとした。

 

 

ガシッ

 

 

勢いよく肩を掴まれる。ゆっくりと後ろを

向くと笑ってない笑みを浮かべたシャルロットが

いる訳で・・・・・・

 

「さっき、女の人の声がしたけど・・・誰かな?

まさかまた幼なじみとか言わないよね」

 

「(シャルロット怖いよ!頼むから

目のハイライトをONにして!OFFはダメ!)」

 

シャルロットに説明しながら教室へ向かう。

翔真が必死に経緯を話す中、シャルロットは

ご機嫌斜めである。

 

「(むぅ~、分かっていたけど翔真モテすぎだよ)」

 

頬を膨らませるシャルロット。ちらっと

聞こえたが恐らく『朱乃』という女性も

翔真に好意を持っていると察したシャルロットは

思わず溜め息をつきたくなる。

 

だが、そんな事で諦める彼女ではない。

 

「(でも負けないよ!ボクは絶対に!)」

 

「あ・・・翔真君~!」

 

「ほえ!・・のわ!?あ、朱乃さん!?」

 

「えええェェェ!?」

 

 

ポニーテールを揺らして、翔真を抱き締める

少女―――そう間違いなかった。大人びた雰囲気に

大和撫子を連想させる少女――姫島朱乃は笑顔で

翔真を抱き締める。

 

「(お、おっぱいが!顔に当たってますよ!?)」

 

「うふふ・・・翔真君の息が当たって・・・はぁん」

 

「ちょっと待ちなさい!」

 

激しいスキンシップを計る朱乃を

翔真から引き離し、シャルロットが割って入る。

 

「あらあら」

 

「いいいいきなり抱き付くなんて破廉恥だよ!」

 

「でも外国では挨拶みたいものですわ。うふふ」

 

「ここは日本なの!」

 

「ちょっと二人共!?少しは落ち着・・・

『翔真/翔真君は黙ってて(ください』はい」

 

次第に野次馬の生徒が何事かと集まり出す。

中には苦笑いする一輝と何がなんだか分からない

といった表情をしているステラがいる。

 

「私が何をしようと、貴女には

関係ないと思いますが?」

 

「うっ・・・か、関係ならあるもん!」

 

余裕な表情でいる朱乃に対してシャルロットは

反論する。

 

「あらあら、どんな関係か知りたいですわ」

 

「し、翔真とボクは同じ部屋に住んでて

ボクは・・・その・・・翔真の下僕なのッ!」

 

「「「「「・・・・・・ッ!?」」」」」

 

空気が凍り付く。まるで一輝とステラの

ようなやり取りが今ここに再現されようと

していた。

 

「ちょっと待ってシャルロット!?

下僕なんて話聞いてないけど!?」

 

「だ、だって!あの時ボクに言い聞かせたよね?

『俺の隣でねろ、じゃないとお仕置き』って」

 

「誰だそのカッコいい奴ゥゥゥゥ!?」

 

 

そんな事言った覚えはないので翔真は

混乱に陥っている。

 

「うふふ・・・フフフフ・・・翔真く~ん?

一体何がどうなってるのか、説明を求めますわ」

 

「は、はい」

 

顔を赤くするシャルロットをよそに

翔真は朱乃に事の経緯を話すのであった。

 

 

 


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