落第騎士の英雄譚 破軍剣客浪漫譚「本編完結」   作:どこかのシャルロッ党

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恐らく、幾つかの他作者様が書く落第騎士とは
違いこの作品にはシリアスがかなり少ないです。



第十二幕「オレんっ家」

 

 

シャルロットとの同棲から次の日。翔真は

冷や汗を掻きながら学校の支度をしていた。

 

「(やべーよ。シャルロットはいいとして

明日菜になんて説明しよう・・・・・)」

 

「じゃあ、ボクは先行くね」

 

「お、おう」

 

女の子との同棲。一応この学園では当たり前だし

一輝やステラがいい例だ。だが自分はなにせ

少々エッチな男の子で紳士(自称)。

 

当然自分を知る明日菜が黙っているはずがない。

シャルロットを見送り、10分後に部屋から出る。

 

「(はぁ~帰りたくねぇ・・・・・そうだ)」

 

電子端末を取り出し、一輝にメールを送る。

 

 

 

――――1年1組・教室内

 

PPPPP~♪

 

 

「ん?メールかな」

 

「誰からなの?」

 

「翔真からだ。なんだろ」

 

一輝は不思議に思いながらメールを開く。

 

 

 

―差出人 翔真

 

―件名 今夜泊めて。

 

今夜一輝の部屋に泊めてくれないか?今日は

その・・・・・帰りたくないんだ。

 

 

 

「(なんなの!?なんなのこの女の子っポイ

メールは!?)」

 

「いいいいイッキ!?なんなのよこのメールは!」

 

「僕に言われても分からないよ!?」

 

ステラは勘違いを起こして一輝に迫る。すると

ナイスタイミングで翔真が教室に入って来た。

 

「ちわーす。おろ?また二人は夫婦喧嘩か?」

 

「「誰のせいだと思ってるの/思ってるのよ!?」」

 

夫婦喧嘩には触れず、一輝とステラは

からかう翔真にツッコミを入れた。

 

「おやおや~?翔真さん今日もボケが

冴えてますな~♪」

 

「ま、まあな(んなわけないだろ)」

 

加々美に言われ回答はしたが、翔真自身

これが精一杯の振る舞いである。

 

そして時間はかなり経ち昼休み。翔真は

一輝とステラ、更に加々美を交えて昼ご飯を

食べていた。

 

「なに?・・・やっぱり公式戦の相手は桐原か」

 

「うん」

 

実は一輝や翔真達には選抜戦が控えていた。

しかも一輝の相手はあの桐原静矢だった。

 

「やっぱりな。桐原の場合、隠れるのが

得意だからな・・・・・接近戦を得意とする俺や

一輝にとっては厄介な奴だ」

 

「確か昨年度の主席入学者で、去年行われた

七星剣祭の代表でしたよね?」

 

加々美が思い出したかのように言うと

翔真は補足を付け足す。

「だがアイツは、自分の持つ特性が相手が

持つ特性の相性が悪ければ棄権する奴だ。

ま、俺からすれば戦力5のゴミに過ぎないが」

 

「真顔でそんな事言える翔真先輩、

まじパネっす!」

 

 

加々美がまじリスペクトと言わんばかりに

目を輝かせる。するとステラは急に立ち上がり

翔真に対して口を開く。

 

「そう言えば!今日の朝のメール!あれは

一体なんなのよ!」

 

「あ、あれは・・・・・」

 

ステラに問いかけられ返答に迷う翔真。

そしてある言葉を思い付く。

 

「い、いや~・・・・・一輝に勉強を教えて

もらおうと思ってさ」

 

「うーん。でも、僕とステラの部屋だと

少し狭いよ?確か翔真の部屋って広くなかった?」

 

ギクッと体を震わせる。

 

「そうよそうよ。なら、自分の部屋で

一輝に教えてもらえばいいじゃない」

 

「お!勉強会ですか!なら、私も

付いていきますよ!」

 

「いや待て!その俺の部屋はマズイというか!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「(結局こうなる定めかよ)」

 

 

あの後、必死の説得も虚しく勉強会は

翔真の部屋で行われる事になった。しかも――

 

「もう、なんで私を誘ってくれないかな?」

 

「お兄様が教えてくれたから

いいじゃないですか明日菜さん」

 

「それにしても、全てにおいて謎だった

翔真の私生活が丸裸になる時が来たのね」

 

一輝は珠雫、アリス、さらには明日菜まで

呼んでしまった。

 

「(どうかシャルロットが帰って来ませんように)」

 

 

まさしく王道ラブコメのハーレム主人公の

ような修羅場に突っ込もうとしている翔真は

冷や汗を掻くしかない。

 

 

そして部屋の扉の前に到着。鍵を取り出し

玄関のドアを開ける。だが、いきなり

最悪の直面に激突する。

 

「だあああああァァ!?いきなり

フォロー出来ないものがァァァ!!」

 

玄関の天井にシャルロットの物と思われる

下着やブラがぶら下がっていた。

 

「ちょっと!?なによこれ!?」

 

「・・・・・最低です」

 

ステラや珠雫の言葉が聞こえる中、明日菜は

目元に影を作っている。

 

「まさか!?翔真先輩に女の影ありですか!?」

 

「違うわッ!ちくしょォォォォ!!」

 

「・・・・・ねぇ、翔真君」

 

ドスの聞いた明日菜の声に一輝達は思わず

振り向いた。アリスや加々美でさえ黙っている。

 

「その下着やブラ、サイズが合ってないよ?」

 

「「「「(認めない気だ・・・・・)」」」」

 

翔真を除く一輝達の考えが一つなる。

そして最悪の事態が起こる。

 

 

「ただいま~って・・・どうしたの?」

 

「(シャ、シャルロットさァァァん!?)」

 

悪いタイミングでシャルロットが帰って来てしまった。

 

 

 

 





次回は一輝とステラが苦労しますw


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