TOWRM3 〜ThePlain's Walker〜   作:赤辻康太郎

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第八話です。オルタータ火山での星晶採掘跡地探索です。


第八話

第八話

 

 

コンフェイト大森林での星晶採掘跡地調査から数週間、アドリビドムに新たな仲間が加わった。先ずはヘーゼル村のユージーンとティトレイ。この二人はヴェイグ同様、村に物資を送るためアドリビドムで働く事になった。次にクレスとミントの友人であるチェスター・バークライト。最後に、リッドとファラの友達のキール・ツァイベルとメルディ。二人はアドリビドム発足からのメンバーだったが大学で勉強していたそうだ。だが国家間で星晶を巡る争いが過激化し、その影響で大学が休校になったため戻ってきたらしい。

 

そして現在。樹、レイン、ウィル、ルビアの四人はオルタータ火山に来ていた。目的はコンフェイト大森林同様、星晶採掘跡地の調査である。

 

「……あつい」

 

歩き始めてから数十分、樹の口から何度目かの呟きが溜め息と共に出てきた。

 

「も〜!暑いって言ったら余計に暑くなるでしょ!」

ルビアは暑さをなるべく我慢していたが、とうとう痺れを切らし樹を怒鳴り付けた。

 

「悪ぃ、悪ぃ。レイン、大丈夫か?」

「何とか。ウィルは暑くないの?」

「心頭滅却すれば火もまた涼し。普段からこういった場所に来ることを想定していればどうと言う事はない」

 

そう言うウィルだが、その額には玉のような汗が滲んでいた。

 

「火山が活発化したのも星晶の影響だったな」

「おそらくな」

 

オルタータ火山の活動は以前はそれ程まで活発ではなかったが、星晶の採掘が終了したあたりから急激に活発化したそうだ。

 

「ならこっちでも生物変化が起きているかもしれないね」

「そうだな。ユージーン達の話しからしても、もう起きていてもおかしくないな」

 

樹達は星晶の影響による変化を『生態変化』から『生物変化』へと認識を改めていた。それはユージーン達の話しを聞いたからだ。

 

ユージーン達によると変化は採掘が終盤に差し掛かった頃から始まったそうだ。まず土地が痩せ、作物が育たなくなった。これは星晶が減少し、また近くに世界樹が根をはるっている場所もないためマナの恩恵が少なくなったせいだと予想された。だが本当の変化は採掘が終了してからだった。狩った動物が生き物らしくないと言うのだ。例えば、肉が全くなかったり、捕まえたそばから溶けてなくなる事もあり、まともに捕まえる方が奇跡言える程だそうだ。

 

これらの情報と樹達の調査から星晶枯渇の影響が単に生態系に及ぶだけでなく生物の『根源』にまで影響する変化だと分かったので、生態変化から生物変化へと認識を改めた。

 

「それにしても、『赤い煙』か」

「ああ。俄には信じられんな」

 

更に今回の調査には『赤い煙の確認』も含まれていた。これはキール達が街から得た情報で、星晶採掘後の土地から赤い煙が現れるという目撃情報が相次いで出ていて、これも生物変化の一因ではと囁かれていた。

 

「けどコンフェイト大森林の時は出なかったけどなあ」

「恐らく既に出現した後だったのだろう。目撃情報でも赤い煙が出たのは採掘が終了して間もなくだそうだ」

 

樹とウィルが赤い煙りの情報を整理していた時、

 

「あ、そうだ。コンフェイト大森林で思い出したんだけどさ」

「何だ?」

 

ルビアが何か思い出したのか樹に話しかけてきた。

 

「樹は何でエステルを責めたの?」

 

ルビアの質問に、樹は「またか」という顔になった。

 

「だから責めたわけじゃないって言っただろ」

「けどリッド達の話しだと責め立てる様な口調だったそうじゃない」

 

樹は責めた事を否定したがルビアは引き下がらなかった。

 

「そこは俺も気になっていたんだ。樹は人を挑発する事はあっても責める様な事はしてこなかったからな」

「私も気になる」

 

ウィルもレインも、樹がコンフェイト大森林でエステルに言った事が気になる様だった。

 

「……分かったよ。話せば良いんだろ、話せば」

 

樹は三人の視線に観念したのか歩きながら話しだした。

 

「俺が孤児院で育った事は話したよな?」

「ああ」

 

樹の問いに、三人は頷いた。

 

「物心ついてそれを知った時、まず産みの親を恨んだ」

「……まあそうなるわよね」

 

ルビアは少し考えてから肯定した。

 

「成長して少しずつ知識が増えていくなかで、次に社会を恨んだ」

「社会を?」

 

レインは記憶がないので親を恨む云々の話しは分からないなりに理解はできたが、社会を恨む理由は見当がつかなかった。

 

「ああ。『富める者はより富み、飢える者はより飢える』社会にな」

「成る程。どこの世界も似たようなものか」

 

ウィルは樹の言いたい事が理解できた。ルミナシアでも貴族や上流階級の人々と労働相や貧困相の人々との間に同様の関係性が成り立っていた。これは『階級』や『格差』が生じる社会共通の問題点なのかもしれない。

 

「んで、最終的に政治家を恨む様になったってわけさ」

「それでエステルにあんな事言ったの?」

 

ルビアは樹を問い詰め様に言った。いくら樹が政治家を嫌っていたとしてもエステルに当たるのはお門違いだと思ったからだ。

 

「……そうだな。あんな風に言ったのは、心の何処かでまだエステルを政治家と見ていたからかもしれないな」

「『まだ』?」

 

樹はルビアの問いを肯定し、まだエステルを政治家として見ていた節があったと言った。それに対して、ウィルは『まだ』という点が引っ掛かった。

 

「ああ。エステルが王女だって分かった時は、エステル=政治家として見ていたんだ」

「全然気づかなかった」

「そりゃそうさ。顔や態度にでない様に必死で隠してたからな」

 

レイン達は樹がそんな始めの頃から樹がエステルに嫌悪感を抱いているとは知らなかった。

 

「でもアドリビドムとして一緒に働いていく中で、エステルは違うって思った」

「確かにエステルはよく働いてるわよね」

「ああ。見ているこっちが心配になる位にな」

「うん」

 

エステルはアドリビドムに来てから本当によく働いていた。依頼に対して真摯に対応するのは勿論、些細な雑用にさえ一生懸命になっていた。それこそ、メンバーだけでなく依頼主にまでもが心配になるほどだった。そんなエステルを見ている内に、樹の中にあった蟠りは徐々に薄れていった。

 

「だから、エステルには潰れて欲しくないって思った」

「潰れる?」

 

樹はそんなエステルを見たからこそ、エステルが将来向き合うべきものに堪えれるかどうかが心配になっていた。

 

「エステルに聞いたんだ。ガルバンゾでは議会を中心に法律とか方針を決めていて国王はそれを承認するだけだって」

「別にいいんじゃない?」

 

ルビアは樹がガルバンゾの立法システムに問題があると思った様だ。

 

「別に問題はないさ。議員が世襲制じゃなくて、ちゃんと機能していればな」

「せしゅうせい?」

「簡単に言えば、次の議員には前の議員の子供か身内が選ばれる、という制度の事だ」

 

世襲制の意味を知らなかったレインにウィルが説明した。

 

「しかし、議会が世襲制とはな」

「それがどうして問題なの?」

 

ウィルは議会が世襲制だと聞いて難色を示した。しかしルビアとレインはまだその問題性に気づいていなかった。

 

「世襲制ってのは、家柄や伝統を守るって時にはいい制度なんだ。余所からの干渉なしに受け継いでいけるからな」

「だが議会の様に他人の意見を尊重し合う事が必要な場合にはよくない。国民の意見が反映されず自分達に有利な法律ばかりできてしまう可能性がある」

 

樹とウィルが順をおって説明した。世襲制は封鎖的な引き継ぎ方法で「家柄」や「血筋」を重視する場合によく用いられる。しかし、議員は国民の代表として法律や制度を定める立場にある。なので、議員は国民の意見や要望をある程度反映させていかなければならない。世論は時代によって異なるので、議員もその時代の中から選ばれるべきである。だがそこに世襲制が取られると、世論の反映効率が下がり、身内中心の政治になってしまいかねない。これが樹とウィルが危惧した事だった。

 

「それに国王に拒否権はおろか発言権もないのが問題だな。審問会でもあればいいが聞いた限りなさそうだし」

「確かにな」

 

ガルバンゾ国王には政治的発言権は許されていなかった。なので国王の役割は議会が制定した法律を承認することだけ。これでは議会が国民に不利な法律を制定した時に再考を命じる等、抑制する事ができない。審問会等の機関があれば別だがそれもなかった。ましてやエステルは王女。国王が意見する事すらままならなのに、彼女の意見に耳を傾ける者がいるとは思えなかった。

 

「このままじゃ、エステルはいずれ議会に潰される。そうならないように自信をつけてほしかったんだけど……」

「責める様に言ってしまった、と」

 

樹はエステルに自信をつけさせようと励ましの言葉を言うつもりだったが、心の何処かになくなったと思っていた蟠りが残っていたのかエステルを責める様に言ってしまった。

 

「あん時は言ってから無茶苦茶後悔したな」

「なら止めれば良かったのに」

「まあ、無理だろうな。堰を切った勢いは止めようもない。お前だってカイウスとの口喧嘩で経験しているだろう」

「カ、カイウスは関係ないでしょ!」

 

ルビアはカイウスの名前を聞いた途端、顔を真っ赤にしてウィルを怒鳴りつけた。

 

「けど、エステル落ち込んでなかったよ」

「そうだな。寧ろ前より一層積極的になったな」

「この間はキール達と何か話してたわよ」

 

レインの言う通り、エステルはコンフェイト大森林の一件があって以来より精力的に依頼をこなしていた。またリタだけでなくキールやハロルド達と積極的に交流を深めていっていた。

 

「だから大丈夫。樹の気持ちはちゃんと伝わってるよ」

 

レインは樹の前に来ると屈託のない笑顔でそう言い切った。

 

「……ふっ。ありがとな」

「えへへ」

 

樹はレインの言葉にふっと表情を和らげるとレインの頭を撫でた。レインは気持ちが良かったのか嬉しそうに眼を細めた。

 

「……ねえウィル。アレどう思う?」

「そうだな。少なくとも友達にする様な行為ではないな」

 

ルビアとウィルは、そんな二人(主に樹)の様子を少し後ろから呆れたような、生暖かい眼差しで見ていた。

 

「ん?どした、二人共」

「べっつに〜。ただ鈍いなあって」

「鈍い?」

「こっちの話だ。先を急ぐぞ」

「?ああ……」

 

それから暫く、樹達は途中何度か魔物と戦いながらも無事に目的地となる星晶採掘跡地に到着した。

 

「何これ気持ち悪〜い」

「こ、これはこの地域にしか生息していない『コクヨウタマムシ』だ!」

「死んでいる様だな」

「可哀相」

 

オルタータ火山の星晶採掘跡地もコンフェイト大森林同様に地面がひび割れ植物の一部が無機物化していた。違いは火山故か植物が殆どないこと、コクヨウタマムシと呼ばれる黒光りする昆虫の死骸が大量にあることだ。

 

「恐らく星晶採掘の影響で環境が変化したせいだろうな」

「ああ。それにしても貴重な個体が……何という事だ!」

「それはどうでもいいから!早く調査して帰りましょうってレイン何してるの?」

「コクヨウタマムシ持って帰ってお墓作ってあげるの」

 

レインは持ってきていたサンプル用のケースにコクヨウタマムシの死骸を入れていた。持ち帰って弔ってあげる様だ。

 

「……そうだな。早く帰って弔ってやろう」

「ではサンプルとしていくつか持って帰ろう」

 

ウィルが自分のケースに死骸を入れようと屈んだ時、

 

「こ、これは!?」

「何よこれ!」

「赤い、煙?」

「……っ!」

 

突然辺りから赤色をした煙りが沸き立った。赤い煙りは数匹のコクヨウタマムシに纏わり付くと吸い込まれる様に消えていった。

 

「今のは、いったい……」

「分かるわけないでしょっ!」

「此処で詮索してもラチがあかない。ともかくサンプルを採取して船に戻ろう」

 

ウィルは改めてコクヨウタマムシを手に取った。

 

「ん?こいつはまだ生きていた様だ」

 

ウィルが採取したコクヨウタマムシは先程までピクリとも動かなかったが、今はせわしなく肢を動かしていた。

 

「では船に戻ろうか」

「ああ」

「ええ」

「はい」

 

サンプルを採取し終わった一行はウィルの号令で船への帰路についた。

 

−−バンエルティア号−−

 

船に帰還した樹達はアンジュに今回の調査の結果を報告していた。

 

「お疲れ様。今回は赤い煙の確認ができた事が一番の収穫ね」

「ああ。俺はこれから研究室でコイツの観察に入る」

「わかりました。じゃあ三人共、今日は疲れたでしょう。もう休んでもいいわよ」

「ん、了解。なら……食堂にでも行くか。ロックスに何か冷たいもの貰お」

「私も行く」

「私はシャワー浴びてくる。もう汗でベトベト〜」

 

アンジュに報告した後、ウィルはサンプルを観察するために研究室へ、樹とレインは食堂、ルビアはシャワールームへとそれぞれ向かって行った。

 

「あ、樹、レインお帰りなさい」

「お帰りなさい」

「お帰り」

「お帰りー!」

 

樹とレインが食堂に入った時、カノンノ、エステル、青色の長髪を後ろで括りローブを纏った少年、キールと、褐色の肌に薄紫の髪、ピンク色の服を着て額に三角形の装飾品の様なもの『エラーラ』を付けた少女、メルディの四人が既にテーブルに着いておやつを食べていた。

 

「うす。ただいま」

「ただいま」

 

樹とレインも帰還の挨拶をしながら席に着いた。

 

「お帰りなさいませ。樹様、レイン様」

「ただいま。ロックス、何か冷たいもの頼む」

「ただいま。私も冷たいものお願い」

「ではレモンスカッシュとレアチーズケーキは如何でしょう?どちらもよく冷えていますよ」

「ならそれで」

「私も」

 

ロックスは「かしこまりました」と一礼すると準備の為に飛んで行った。

 

「それで、今回の調査はどうだったんだ?」

 

ロックスが飛んで行った後、キールが調査結果を聞いてきた。

 

「ああ。実はな……」

 

樹は今回の調査で見聞きした事を事細かく説明した。皆惨状に顔をしかめていたが赤い煙りのくだりではかなり驚いていた。

 

「……そんな事が」

「何にせよ、今は情報が少な過ぎるな」

「そうだな。今のところウィルの報告を待つしかないか」

「けどそうしている間も何処かで変化が起きているかもしれませんし、やはり調査は続けていきましょう」

「メルディも頑張るよー!」

「私も頑張る」

 

樹が話し合っていると、ロックスが樹とレインの分のおやつを持ってきたので会談は一時中断してそちらに集中することになった。

 

「ご馳走様でした。樹、レイン、ちょっといいですか?」

「ん?」

「何?」

 

先に食べ終わったエステルが立ち上がりながら樹達に尋ねてきた。

 

「これからキール達の部屋で『オルタ・ビレッジ』について話し合うと思ってるんですけど」

「君達も一緒にどうかなって思ってね」

 

エステルの言葉を引き継ぐ様にキールが誘ってきた。『オルタ・ビレッジ』とはキールとメルディが大学で研究してきた『持続可能な社会』を体言した村の事だ。『持続可能な社会』とは、『現代の人々の欲求を満たしつつ、未来の人々の為に環境や資源を護っていく』という理念を持った社会であり、地球では化石燃料、ルミナシアでは星晶に頼らない社会を形成する事でもある。この持続可能な社会の第一歩がオルタ・ビレッジというわけだ。

 

「ん、分かった。これ食ったら行くよ」

「私も行く。カノンノは?」

「ごめん。私これから仕事なんだ」

 

カノンノは自分の顔の前で手を合わせて言った。

 

「そうか。ならまた後でな」

「うん。また」

「じゃあ待ってます」

「資料を準備しておく」

「後でなー」

 

カノンノ達は先に食堂を出て行った。樹とレインも食べ終わった後、連れ立ってキールの部屋に向かった。

 

−−数時間後−−

 

「……じゃあ今日はこの位にしておこう」

「ふー。メルディ疲れたよー」

「そうですね。レインもよく眠っているみたいですし」

「ホントだな」

「スー、スー……」

 

レインは樹の膝を枕にしてスヤスヤと気持ち良さそうに眠っていた。最初のうちはレインもしっかりと話しを聞いていたが、途中でついていけなくなったのかコックリ、コックリと船を漕ぎだした。それを見ていたキールが気が散るから、とベッドで寝るように勧めたが、レインは「ここがいい」と樹の膝を枕に寝転びそのまま眠ってしまった。樹はベッドへ移動させようとしたが、エステルが

小声で猛反発し結局そのままの状態で続ける羽目になった。

 

「それにしても、レインは何者なんだろう?」

 

キールは前々から気になっていた疑問を口にした。レインがアドリビドムに来たいきさつはアンジュ達から聞いてはいたが、それでもレインが何者かが気になっていた。それは勿論、樹にも言える事だが。

 

「さあな。けど、これだけは言える」

「何だ?」

「例えレインが何者であっても、レインは俺達の仲間だ」

「そんなのは……」

 

樹はハッキリとそう断言した。キールは反論しようとしたが、樹の眼を見て何も言えなくなり口を閉じた。

 

−−コン、コン−−

 

「開いてるよー」

 

ちょうどその時、ドアをノックする音が聞こえたのでメルディは相手を招き入れた。

 

「皆、ロックスが晩御飯できたって」

 

ドアを開けて入って来たのはカノンノだった。どうやらロックスから樹達を呼んでくるよう頼まれた様だ。

 

「ん。分かった」

「あれ?レインは?」

「レインならここに……」

「た、樹!」

 

カノンノのいる位置からはレインは樹の陰に隠れて見えなかった様だった。樹はレインがいることを教えた。エステルが慌てて遮ろうとしたが既に遅かった。

 

「……何してるの?」

 

樹の膝で安からに寝息を立てているレインを見て、カノンノは明らかに不機嫌になった。

 

「レインが途中で寝ちまってな」

「ならベッドでもいいじゃない」

「俺もそう言ったがエステルがな」

「ふーん。へー、そう」

 

カノンノはそう聞くとエステルを怨みがましそうに睨みつけた。睨まれたエステルは「あはははは」とバツが悪そうに明後日の方を向いて笑っていた。

 

「まあ、いいよ。ほらレイン、起きて起きて」

 

カノンノはレインを少し乱暴に揺さぶって起こそうとした。

 

「ん……あれ、カノンノ?」

「ほらしっかりと起きて。ご飯できてるから食堂に行くよ。エステルも」

「えっ、あっ、ちょっと……」

「ま、待ってください。カノンノ!」

「待って、メルディも行くよー!」

 

カノンノは起きたばかりのレインを立たせると、レインとエステルの手を取り引っ張るように食堂に連れていった。メルディも遅れまいと後について行った。

 

「カノンノどうしたんだ?」

「僕が知るわけないだろ」

 

後には何が原因で起きたかイマイチ理解できていない男二人が残った。

 




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