そんなこんなで、めぐみんと言う一応、上級職の女の子をパーティに入れたカズマ。ちなみにこの状態はなんだか合コンみてぇだな。なんて事を思ったりしたが、一方はポンコツクソ女神でもう一方はポンコツ中二病魔法使いだ。どちらも勘弁していただきたいので、決して合コンとか言う言葉は使わないようにしよう。
そんな事を考えながら、俺は新たなるスキルを覚えようかと思ったが、なんというか、何を覚えればいいのか、わからず、結局、覚えずにしている。ずっとスキルポイントだけ上がっていくんですが……。
「さてと、今日もクエストに行こうか……? いや今日は一人で行動しようかなぁ……ちょっとアイツらと付き合うの疲れるんだよなぁ……たまには休日も必要だよな、うん! 今日はちょっとゆっくりしよう!!」
俺はそうと決めたら、実行する男だ。俺は有言実行の男。リュウトだぜい!! そんな感じで今日一日は適当に、過ごす事に決めて、まずはギルドでクリムゾンビアでも浴びるほど、飲もうかと思い、ギルドへと入ると、三人がもう既に居た。その内、二人、知らない美女が居た。一方は銀髪の細みな盗賊っぽい女性、もう一方は金髪の女騎士って感じの女性だ。
「なんつーか、どうしたんだ?」
そんな事を言いながら、俺は近づいていく。そうして、話を聞くと、どうやらカズマがこの銀髪の女性、クリスと言う女性にスキルを習得して貰おうとしてるらしい。冒険者は誰かからスキルを教えて貰わないと習得ができないらしい、そのおかげか、すべてのスキル、魔法を取得できるという事だ。
そんなこんなで、クリスと金髪の女性、ダクネスとカズマはギルドの外へと出て行った。
「ふむ、良いな。あの女」
そんな事を呟いたら、めぐみんとアクアから軽蔑の視線を頂いた。もちろんMじゃない俺には全然嬉しくない。はぁ……なんだよ、良いだろ。俺だって男なんだら、ああいう体に興奮したってよぉ……。
そんな事を胸中で呟く俺だった。
―――――
どうやら『スティール』というスキルを手に入れたカズマがクリスに向かってスティールを放ち、ぱんつを奪い取ったという話をギルドで大きな声でクリスが言っていた。どうやら復讐を受けているようだな。そんな事を思いながら、俺はカズマに近寄って行く。
「なぁ、そのスティールって言うスキル、俺でも使えるかな?」
「知るか!」
くっそ! こんな事なら、盗賊にでもなっとくべきだったぜ!! スティール! なんて甘美な響きだ。俺も欲しい! スティールが欲しいよォ!!! そんな煩悩満載な俺を下卑た目でアクアとめぐみんは見ていた。
その後、そのスティールを見てみたくて、俺が言ったら、めぐみんに対して、スティールを使い、真っ黒なぱんつがカズマの手の中にすっぽり入っていた。
「なんですか、レベルが上がって、ステータスが上がったから、冒険者から変態にジョブチェンジしたんですか……あの、スースーするので、ぱんつ返してください」
「あ、あれぇ……? ランダムのはずなんだけどなぁ……」
なんつーか、アレだな。あんな目で見られたくないから、やっぱりいらない。
「な、なんと言うことだ、こんないたいけな少女の身ぐるみを公衆の面前に剥ぎ取るなんて、真の鬼畜だ! 許せない!! ぜひ、私を仲間に入れてくれ!!」
なんでだぁぁぁぁぁ!! 俺は心の中で叫んでいた。そうして、なぜだか仲間になったダクネスだったのだ。
―――――
『緊急クエスト、緊急クエスト! 今すぐに街の中にいる冒険者の各員は、至急冒険者ギルドに集まってください! 繰り返します。街の中にいる冒険者の各員は、至急冒険者ギルドに集まってください!』
ん? どうやら緊急のクエストが来たようだ。なんだ? 何か緊急事態なのか? 俺がそう思っていると、ダクネスが呟く。
「む、そうか、もうそんな時期か」
「早いものですね」
「なんだ? なんだ? 何の時期だ?」
俺がそう聞くと、二人はそろって答えた。
「「キャベツの収穫だ(ですよ)」」
「……???」
俺だけでなく、カズマも疑問を浮かべている。キャベツの収穫にどうして、俺達冒険者が集めさせられるんだ? そんな疑問はすぐに解消される事になる。
「あぁ、二人は知らなかったわね、ここのキャベツはね、飛び回るのよ! 時期になると、簡単に食べられてたまるか! って事で、キャベツ達が逃げ出すのよ、それで山を越えて、海を越えて、誰も知らない秘境の地で枯れると聞くわ」
んなバカな……これを大真面目で語ってるからおそろしい。なんつーか、アレだなぁ……確かに異世界だ。
「えぇ、もう察している方もいらっしゃると思いますが、キャベツ収穫です、一玉一万エリスです。すでに住人には非難して貰っているので安心して、できる限り、捕まえて、ここに入れてください! では、くれぐれも怪我をせずに!」
「……はぁ、異世界って凄まじいな……」
「なんつーか、俺、馬小屋帰って、寝てていいか?」
そんなこんなで、結局、キャベツ収穫を駆り出された俺達。これが結構な速度をつけて、激突してくるので、結構体力が削られる。おそらく結構耐久力があるダクネスが誰かれ構わず、庇ったりしている。しかもなぜか――。
「はぁ、はぁー、はぁー、はぁ、はぁ、はぁー」
なんだか、息が荒く、顔がほんのり赤い。なぜだ? 息が荒いのはまだ、納得できるが、どうして顔が赤くなる……? なんだろう、凄く嫌な予感がする。できる事なら、こんな予想は当たらない方に全身全霊を賭けたい。
―――――
(う、うめぇ! 何このキャベツ!? こんなたかが野菜炒めが俺の舌を蕩けさせる!!?)
「それにしても、この顔ぶれも結構凄くなってきたわね、アークプリーストにアークウィザード、そしてクルセイダーにソードマスターなのよ? 上級職の前衛職が二人に、上級職の後衛が二人……カズマってば、超恵まれてるじゃない!」
「そうなのか……正直に言って、これから苦労しかなさそうな気しかしないんだが……」
(それは完全に同意)
俺はそんな事を即座に思ってしまってる時点で、ここのパーティメンバーはきっと残念集団なんだろうな。うん……そうして、俺達は新たな仲間、ダクネスを加え、これからも冒険をしていくのだろう。
さぁ、明日は一体どんな冒険が待っているのか、そして、カズマの苦労は天井知らずなのだろうか。一体これからどんな仕事が舞い込んでくるのか、俺はどういうポジションでそれを見ていれば良いのか。
そうして、今日という一日は幕を閉じるのだった。なんつーか、面倒ごとが徐々に増えていきそうな、嫌な展開に陥ってないだろうな……。
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