この素晴らしいキャンセルに祝福を!   作:三十面相

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今回も駄文ですが、温かい目で見ていただけると幸いです。

あと短いです。


初クエスト

 俺が一番初めに居た場所は街だった。広場に俺は居て、そのまま辺りを軽く見回す、なんというか異世界らしい異世界って感じ、誰もが想像する異世界ライフだ。

 

 さいっこうだな!!! おい!! 楽しそうだぜ! チートと言う最初の『武器』は手に入れた。

 

 次はやっぱりハーレムだよなぁ!! ハーレム、ふむハーレムかぁ……え、どうやって作ればいいんだ……!!? ハーレムなんてありきたりなそんなモノすら俺は作れないのか? いいや、ありきたりならば、俺は作れるはず、そうさ、絶対に作ってやる。

 

 さーてと、まずはありきたりな存在のギルドに行きますか、うん。きっとありきたりだし、あるよね? 無かったら……うん。どしよ。

 

「ちょっといいですか?」

 

「あぁ? なんだい兄ちゃん」

 

「この辺りでギルドってありますか?」

 

「あぁ、それならここから真っ直ぐ行って右だ」

 

「ありがとうございます」

 

「何、気にするな。なんだ、お前、今日からギルドに入るのか? 一応言っておくが、あんまりオススメはしねぇぞ?」

 

「大丈夫ですよ、俺、結構強いですから」

 

 素でもね、車に轢かれても大丈夫程度だよ。あぁ、バナナの皮には弱いけどな……。チッ、あの女神、絶対殺す。魔王を殺した後はアイツだ……! 願いで殺す。

 

「……はぁ」

 

 そのまま俺はギルドへと足を運んだ。

 

「……ここがギルドか結構大きいな」

 

 俺はガランッと入っていく。やはり一番初めは肝心だな。さてと、威風堂々と行くぜ。

 

「……」

 

 かち、こち。ダメだ。威風堂々じゃない。どちらかと言えば緊張でカチコチになってる人になってる。顔だけでも、顔だけでも厳つくしよう。正直、自分の顔がどうなってるかわからないから、厳ついかどうかわからない。

 

「あの、えっと、その、ちょっといいですか」

 

「あ、は、はい。なんでしょうか?」

 

「ギルドに、登録、したいん、ですが」

 

「で、でしたら、登録料が千エリスになります」

 

 スーハー……ちょっと待て、一旦落ち着かせろ。ここに来た所為で変に緊張してしまった。大丈夫だ。受付の人もかわいいし、大丈夫なのだ。

 

「えっと、千エリスですね」

 

「あ、はい」

 

 俺は懐からお金を出す。一応は女神様がここら辺は見繕ってくれているようだ。まあ無ければ、より一層ぶち殺し確定だったが、ふん、運が良かったな、クソ女神。

 

「……えっと千エリスですね、はい」

 

「はい、丁度……それではまず、ギルドカードを作りますので、あなたのステータスを数値化させていただきます」

 

「ステータスを数値化?」

 

「はい、それではこれに触れてください」

 

 と俺は言われるがまま、差し出されたカードに触れる。すると、俺のステータスが数値化されたようだ。

 

「な……!? 『筋力』と『生命力』と『敏捷性』が凄まじいですね……。他のステータスも結構高めですね……これなら、上級職の『クルセイダー』か『ソードマスター』になれますね、他の職業も上級職以外でしたら、何にでもなれますね」

 

「ふーん……だったら、『ソードマスター』にしてもらうか」

 

 正直、どっちでも良いが、なんというかクルセイダーよりはソードマスターの方がカッコいいよさそうに聞こえるからそちらにしよう。

 

「わかりました。それでは、良い旅路を」

 

「はい」

 それでは、さっそくクエストを受けよう。どうせ、何やっても同じだ。えっと、一番難しいので……は? グリフォン? いや、これは無理だな。死ぬ。違うのにしよう、そうしよう。

 

 さてと、えっと? スライム? これは余裕っしょ。スライムっつったら雑魚中の雑魚やん。はーっはっは!! コイツにするぜ。

 

 そうして、俺はスライム討伐のクエストを受けて、さっそくスライム探しに行くぜェ!!

 

 

 

 

―――――

 

 

 

 フラグって本当にあるんだなって実感しました。

 

 俺は今、スライムから全力に逃げている。なぜかって? 想像以上に厄介だからだよ。俺はまず、クエストを受ける前にショートソードを買ったんだ。一応は最強の攻撃力を誇るのがソードマスターだ。だから、まず、俺は剣を一振りした。それでどうなったと思う? 吸収されたんだよ。衝撃を、斬れても、液体生物な所為ですぐに元に戻るし、あれだ。スライム雑魚とか言ったヤツ出て来い!!! 俺が死んだら、絶対に後悔させてやるぅぅぅぅぅぅ!!!! ま、俺なんですが。

 

「チッ、このタイミングで使わざる得ないぜ……『フルキャンセル』!!」

 

 俺のチートスキル。『フルキャンセル』を使った。これは簡単に言えば、事柄をキャンセルする力を持つ。目の前の敵に向かって、言うだけでこれは発動される。これは超絶チートスキルと言わざる得ないだろう。

 

 たとえば、魔法を放ったとしよう。それの威力をキャンセルしたら――? 意味のない現象になる。だからスライムに『斬れない』という事柄をキャンセルした。つまり――。

 

「ただの柔らかい生物は斬れる」

 

 俺は一瞬で五体撃破した。これでクエストは達成だ。なんとも軽く面倒な仕事だった。『フルキャンセラー』を持ってなかったら、多分一瞬でやられてたな。うん。俺、ここで死んでた。それにしても、使い勝手が良いな、これ……。やばくない?

 

「……ん?」

 

 でかい……蛙? なんだ、アイツ、こっちに来てる……? ショートソードを構える。そして、一閃。俺の攻撃がでかい蛙を一刀両断したのだ。

 

「……弱っちいな、おい……スライム以下かい!!」

 俺はそんな事を呟きつつ、とりあえず、街まで戻る事にした。俺はその道すがら、適当に狩りつつ、戦っていた。街から少し出れば、モンスターは結構出てくるので、俺は一通り目に入った、モンスターを斬って、斬って、斬りまくった。

 

 俺はその後、とりあえず、ギルドへと戻り、このクエストの完了を伝えて、報酬を貰う。これが一連の流れだ。

 

 とりあえず、初クリアなのだが、やはりチート持ちという事で、楽はしている。ちなみにこの『フルキャンセル』、チートと呼べるだけの代物ではあるのだが、これには一応、制約がある、それは一日、三十回までという制約だ。

 

 微妙であるのだが、どうやらこれは俺のレベルと共に上がる仕様になっているようで、そこは良い部分だ、つまり俺が強くなればなる程、強くなるって事だよな? うん、それは素晴らしい。威力は最初からマックスだけど……。

 

(さてと、報酬は六万エリスと結構高額だっ……さてと、とりあえずは宿屋に泊まるか……。金はこんだけあんだ、その前に飯食えばいいか。さてと、適当に頼むか)

 

 そうして、適当に頼んだ結果――。

 

「……これ、炭酸飲料? 酒? んー? わからん……わからんが、いける」

 

 そんな感じで、ハマりにハマり、結構金を使って、正直、ちょっとだけ後悔してる。だが、いくら後悔しようとも、金など戻ってこないのだ。だから、俺はとりあえず、後悔先に立たずという言葉を胸に、宿屋に向かった。

 

(うげっ!? 結構高いじゃねぇか。最悪って言葉がお似合いの世界だな、おい。さっきからよぉ!? まあいい。そもそもあのクソ女神が選択したんだ。これぐらいは想定の範囲内――という事にしておこう)

 

 俺はそうして、宿屋で一泊する事になった。さて、明日はどんなクエストを受けようかな!




ここまで読んでくださってありがとうございます。


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