駄文ですが、温かい目で見てくださると幸いです。
目を覚ますと、そこは真っ白な空間だった。そして何も無い――訳ではなかった。簡素な机と椅子が置いてある。俺はとりあえず、一呼吸して、大声で叫ぶ。
「どこだぁぁぁぁ!!! ここはぁぁぁぁぁ!!!?」
「ちょ、ちょっと!! うるさいわよ、アンタ!!」
「あぁ?」
突然、声を掛けられてしまい、俺はそちらを向かざる得なくなる。叫びを一旦やめて、その声に反応する。
すると、目の前に青色をベースとした、なんか女が居た。
うん、女だ。顔はかわいいが、正直、俺好みではないな、俺はもっとこう、いじめたくなるような感じの娘が好きだからな、うん。
「オッホン! 突然ですが、私は女神アクアと申します。そして
「え? どして? 俺って確か……どうやって死んだっけなぁ? 確か……車に轢かれて……あぁ、ダメだ。その後が思い出せない」
「アンタ、子どもを助ける為に、子どもを突き飛ばして、自分は轢かれたのよ?」
「それで、死んだのか……?」
「違うわ、それでもあなたは全身から血を垂れ流していたけど、死にはせずに、バナナの皮に足を滑らせて、綺麗に転んで、頭を強く打って死んだのよ?」
「……ちょっと待て、それはギャグで言ってるのか……?」
「そうね、確かに今まで……異例の……ププ……プークスクス!! あり得ないんですけどぉ! 車に轢かれて死んだ人はいっぱい知ってるけど、車に轢かれた後にバナナの皮に足滑らせて死ぬ人とか漫才でしか見た事ないですけどー!!」
「笑ってんじゃねぇ!! こちとら死んでんだぞォォ!!? つか、ふざけんな!! なんだその死に方! 納得できねぇ!! せめてトラックに轢かれて死ぬか、通り魔に殺されて死ぬかのどっちかにしろぉ!!! 車に轢かれて死ぬのもギリギリありだぁぁぁ!!!」
「アンタを轢いた車って軽自動車だったけど、それでも死ななかったのってアンタ、相当の耐久力あるのね、それでも頭打ったらさすがに死んだけど、プークスクス」
「お前、覚えてろよ? いつか、殺す」
「絶対に無理なんですけどー!」
そんな会話をし、一旦女神が区切る。
「さてと、そろそろ本題に入ります。まず、あなたには選択肢があります。天国に行く事、人生をもう一度やり直す事」
「ふーん……正直、どっちも嫌だな、つまんなそうだし」
「ふ、アンタならそういうと思ったわ、私の目に女神アクア様の目に狂いは無かったのよ! そう、アンタ、ゲームは好き?」
「あ? まあ人並みに」
「だったら、転生を選んだほうがいいわ」
「転生って?」
「実はこことは違う世界で魔王が居る世界があるのよ、そしてその世界は人生をやり直す人が少なくて、人工が減る一方でね、それぐらい過酷な場所なんだけど、魔王さえ討伐してくれれば、それも無くなると思うのよ、だからあなたに転生して、魔王を討伐して欲しい訳なのよね」
「へー。でもよ、その魔王を討伐できる力って俺には無い訳で」
「そこは心配しなくてもいいわ。転生にはね、特典がつくの、言ってみればチートね、それでアンタは即戦力になる訳よ! まさにウィンウィンなのよ!」
「ふーん……即戦力ねぇ。まあいいけどさ。それで特典ねぇ……なんかカタログ的なものねぇの?」
「あるわよ、さぁ、選びなさい!」
「ほう……結構分厚いな、さてと、選ばせてもらいますかい……」
ペラ、ペラ、ペラ、ペラ、ペラ、ペラ。延々と捲り続ける。
ふーむ、そもそも、どうしてあれなんだろうか、その世界の魔王は倒されて無いんだ? 多分、俺以外にも来てるぜ、あの女神様の反応を見れば……だったら、適当なチートじゃ魔王は倒せないな……。一応は魔王と名乗るだけはあるみてぇだな。だったら、絶対に俺がぶっ殺す為に……強いやつを選んでやる。
「ねぇ、さっさとしてよー。まだ女神様の仕事は残ってるんだしさぁ」
「うるっせぇな……こちとら、そっちの世界で生き残るための知恵絞ってんだから、ちっと黙ってろよ……」
それに大して、まだ駄々をこねる女神。正直、あんまり女神っぽく見えない。というか女神じゃねぇんじゃね? もしかして、俺、女神選択間違えたんじゃね? ったく、もしキャンセルができるなら、キャンセルしたいぐらいだな……。キャンセル……? キャンセル……キャンセルか……ちょっと面白い事考えたぞ。
「えっと……無いかな、無いかなぁー? っと、あ、あった」
「何、何? 何にしたの?
「俺はこの『フルキャンセル』を選ぶよ」
「へぇ、そんなのあったんだ。まあそれでいいなら、それでいいわ」
「読んでたら見つけたんだよ。ま、これぐらいありゃ、大体は大丈夫だろ」
「まあね、それじゃ、さあ勇者よ、願わくば、新たな勇者候補の中からあなたが魔王を倒す事を祈っています、さすれば神々からの贈り物として、一つだけ願いを叶えてさしあげましょう」
「マジかよ!?」
「さぁ、旅立ちなさい」
異世界への門は開かれた。俺はそのまま、異世界へと旅立つのだった。
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