夕日を眺めてゆっくりしていると、後ろからレミが話しかけてきた。
「あの、奨真さん!」
「レミ?どうした?」
「奨真さんに大事な話があります。先生、奨真さんを借りてもいいですか?」
「ふふ、いいわよ。じゃあ私は先に戻ってるね」
楓子は立ち上がって、みんなのいるところに戻っていった。
俺も立ち上がって、レミと向かい合った。
何故かレミの顔は赤くなっていて、胸に手を当てていた。
「レミ?」
「ひゃい!?」
「大丈夫か?」
「大丈夫です!落ち着いて……私なら言える」
まるで自分に言い聞かせるように、レミは何かを言っていた。
すると、少しずつ落ち着きを取り戻していき、真剣な目で俺を見つめていた。
「奨真さん。私は、あなたのことが好きです」
「えっ……?」
今なんて言ったんだ……?
俺のことが好き?
「私は本気ですよ。本気であなたが好きなんです、1人の男性として」
「えっと……いきなりすぎて頭が回らないな…、ちょっと頭の中を整理させてくれ」
今レミは俺に好きだって言ったんだよな……。
それって告白……じゃないか?
でもなんでだ、いつもは余計なことを言ってくるくらいなのに…。
「奨真さんは今、なんで自分のことを好きだと思ってるんだと思ってますよね」
「え…」
「確かに私は、いつも奨真さんに迷惑をかけてました。でもそれは、本当はいつまでもあなたに私という存在を見て欲しかったからなんです。まあ私も、それに気づいたのは最近ですけど」
レミは笑ってそう言った。
もしかして今までしてきたのは、全部俺に見て欲しかったからなのか?
そこまで俺のことを思ってくれていたのか……。
なら、ちゃんと返事もしないと失礼だよな。
「レミ、そう思ってくれていたのは本当に嬉しい。俺もレミのことは好きだよ。けど、ごめん。その……」
「……あはは、知ってますよ!奨真さんには先生がいるんですから!でも、こうやって伝えないと、落ち着かなかったんです」
顔を下に向けて、レミは俺に抱きついてきた。もちろん俺は驚いたが、ゆっくりと抱きしめ返した。すると、レミは少しずつ涙を流した。
「レミ?」
「すみません、少しこのままでいさせてください」
「……わかった」
俺はレミが落ち着くまで、優しく抱きしめて、頭を撫で続けた。でも、俺のことが好きだったなんて……。今でも信じられないな。
しばらくすると、レミは俺から離れて、涙を拭いて、笑顔を見せてきた。
「ありがとうございます!落ち着きを取り戻しました!」
「そうか」
「ささっ!みなさんが待ってますよ!行きましょう!」
「お、おい!引っ張るなよ!」
そう言うが、俺は嫌そうにはしなかった。元々嫌ではないが、こんなに笑顔のレミはみたら嫌とは思えないからな。
さて、こんな場面を楓子に見られたら何を言われるか…。まっ、楓子ならわかってるくれるだろう。さっきもなんとなくレミの言いたいことをわかった感じだったし。最初は怒られるかと予想していたが、その不安はいつの間にかなくなっていた。他の人には茶化されそうだが……。