倉崎家の養子になって二週間がたった。倉崎家の暮らしにもだいぶ慣れた。部屋でパソコンをいじっていると楓子が入ってきた。(一緒に暮らし始めてから楓子ちゃんのことを呼び捨てで呼ぶようにした)
「奨真君、もうお昼だよ」
「ああ、わかったよ」
パソコンをシャットダウンし、一階に降りた。降りると母さんが昼ご飯を作ってくれていた。
「ご飯できてるよ」
「ありがとう」
俺は母さんが作ってくれた昼ご飯を食べた。食べていると楓子が話しかけてきた。
「ねえ奨真君。午後から一緒に買い物に行かない?」
「いいけど、何か買うの?」
「ノートやその他色々」
「わかった。じゃあ一時になったら行こっか」
「うん!」
『よかったじゃない楓子。奨真君とデートできるじゃん』
『も、もう!お母さん!』
なんか二人でコソコソ喋ってるけど、内容が全然わからないな。まあいっか。食べ終わって、俺は部屋に戻って出かけるために着替えた。着替え終わって玄関で待っていると楓子が部屋から出てきた。
「お待たせー」
「じゃあ行こっか」
俺と楓子はショッピングモールに向かって歩いて行った。ショッピングモールについて、楓子は文房具屋に向かった。俺は適当にぶらぶらしているとあるものに目がいった。それはネックレスだ。勿論本物は買えないから安いレプリカの方を買った。ニューロリンカーで俺の両親の遺産を見ると、使いきれないぐらいのお金があった。
「これだけのお金使い切ることはできないんじゃないか」
そんなことを言いながら文房具屋の前まで戻ると、楓子が中から出てきた。
「お待たせ。あら?その袋は?」
「後で説明するよ。取り敢えず、ちょっときてくれないか」
「う、うん」
俺は楓子の手を取り、ショッピングモールの屋上の楓子も知らない所に向かった。
「わあ!凄い景色!屋上にこんな所があったんだ」
「この間見つけたんだ。なあ楓子。これ」
俺はさっき買ったネックレスをあげた。
「これは?」
「ネックレスだよ。っていっても本物じゃないけどな」
「でもなんで急に?」
「その……楓子に似合うと思って………でもいつかちゃんとしたものをプレゼントするよ」
「ありがとう。大切にするね!」
「じゃあそろそろ帰ろうか」
「うん!」
俺と楓子はショッピングモールを出て、行きと同じ道で帰っていた。
信号で止まっていると誰かが楓子とぶつかった。そのせいで楓子が道路に飛び出してしまった。楓子はバランスを崩してそのまま道路の真ん中で倒れた。隣を見るとトラックが走ってきていた。
「楓子!!」
俺の体は直ぐに動いた。このままじゃ楓子がトラックに轢かれてしまう。だから俺は楓子の元へ走り、向こうの歩道に投げ飛ばした。その瞬間俺の意識は闇へと消えた。
「奨真君!!奨真君!!目を覚まして!!」
奨真君は私を庇ってトラックに轢かれてしまった。ぶつかったと同時に奨真君の右腕はトラックの下敷きになってしまっていた。トラックは直ぐに後ろに下がったけど、奨真君は意識を失って目を覚まさなかった。
「誰か!!誰か救急車を呼んで!!」
私がそういうと誰かが連絡して救急車がきた。私も一緒に救急車に乗って、病院へ向かった。