花火を見る場所で待っていると、他のみんなも集まって来た。
「早いな」
「場所取りは大事だろ?」
「ふふっ。君らしいな」
パーン……
パーン……
「へえ〜」
「本物じゃなくてARなんだけどね」
「身も蓋もねえなハカセはよ…」
それにしても今の技術って凄いな……。
この時代に生まれてから改めて思ったよ。
「綺麗ね」
「ああ。でも」
「でも?」
「お前には負けるよ」
「あらあら。奨真君ったら」
「そこもイチャイチャは程々にしろ!!見てるこっちが恥ずかしいわ!!」
ニコに怒られてしまったか……。
よく見ると何人か顔を赤くしてるな。
「顔を赤くしてるういうい可愛い!」
「んー!んー!」
「楓子ちゃん!?ういちゃんが窒息しそうだよ!」
「むう……」
「アルトリア?どうしたの?」
「美早…。いや、彼女も胸が大きいなと思ってな」
「そうですよね。私も羨ましいです」
「白雪は私よりあるからいいじゃないですか…」
あっちではなんかアルトリアが落ち込んでるな……。
ん?あそこにいるのはハルユキとサッチか…。
「綺麗ですね」
「ああ」
「加速世界が大変なことになってるのにこんなことしていいのかって思ってたんですけど……やっぱり来てよかったです。みんな楽しそうですし」
「ふふ……ハルユキ君、君は考えたことがあるか?自分がバーストリンカーでなくなることを」
「はい、でもうまく想像できないです。ただひたすら怖いだけで」
「そうだな。私も怖い」
「ポイントを全損すれば、ブレインバーストの消失とともに、バーストリンカーの時の記憶も失われる。それがある種の救いにもなると思っていたんだ」
「東京全土にソーシャルカメラネットの異常が及べば、我々は事実上バーストリンカーではなくなってしまう。そうである記憶を持ったまま……な。よもやこんな終わり方があるとは思わなかったよ」
「今日みんなで集まれてよかったよ。まあ、大事な作戦前に少々遊び過ぎてしまったがな。フーコやういういにニコ、それに奨真君たちも、口には出さないが恐れているんだ。わけもわからず爛れてしまうことを」
「……大丈夫ですよ」
「うん?」
「僕たちは加速世界がこのままなくなっていくのを黙って見ているほど潔くないですよ。先輩も言ってたじゃないですか。クレバーの撤退なんか犬に食わせろって。もし、加速ができなくなっても、それでも僕らはバーストリンカーです。先輩と僕を繋ぐものも、みんなと繋ぐものもなくなったりしません。僕は先輩に会うまでずっと孤独でした。現実なんかいらない、バーチャルだけあればそれでいいって思ってました。でも「ハルユキ君!」えっ?」
サッチは大きな声を出して、ハルユキを見て、下の方に指を指していた。
俺はゆっくり見ていくと、ハルユキの手はサッチの尻を触っていた。
「わあああああ!!!!」
そのままハルユキは後ろに転がって土下座をしていた。
俺たちはそれをただ見ているだけだった。
「ちちちちゃうんです!!ちゃうんです!!ごめんなさい!!ごめんなさい!!」
「………ハルユキ君……その……は、話が吹っ飛んでしまったわ!!」
「ええ!?な、なんの話でしたっけ!え、ええと……すみません」
「謝らんでいい!!」
「「「「ええ!?」」」」
いいのかよ……。
次の日、俺たちはハルユキの家で目覚め、朝食を食べてから作戦に移った。
早速ニューロリンカーに直結用ケーブルを付けて、準備を整えた。
「みんないいか。このミッションは一発勝負だ。これを逃せば次はないかもしれない。気合い入れていくぞ!」
「「「「おお!!」」」」
「叫べっ!!」
「「「「アンリミテッドバースト!!」」」」