「どれくらい遠くに来たんでしょうか?」
「そろそろ追いつくころだと思うんですが……」
「見えたの!」
3人はルークをみつけて駆け寄ろうとしたが、強敵が姿を現した。
「っ!?お前は!!」
「久しぶりだねクロウ君」
「ブラックバイス!!」
ルークは気づいてないが、地面から加速研究会副会長ブラックバイスが姿を現した。
「こいつは強敵ですよ!!」
「クロウさん!ここは2人で戦いましょう!」
「は、はい!」
「カレンさんはルークさんをお願いします!」
「2人とも、無理しないで!!」
2人はカレンを先に行かせて、ブラックバイスと対峙した。
そしてクロウはいきなり突っ込んだ。
「せやああああ!!!」
バイスは地面に潜り、クロウの攻撃を避けて、そのまま必殺技を放った。
「シャドウ・ラーカー」
地面からバイスの体の一部の板を何枚か出してくっつけて、高速で回転した。
クロウはバイスの近くにいたせいで攻撃をくらってしまった。
「ぐわあ!!」
「クロウ君!!」
吹っ飛んだクロウを抱き止めて衝撃を少なくした。
すぐに立たせて、シルは盾を構えて防御態勢に入った。
「地面に潜るのが厄介ですね」
「私が隙を作るので、クロウ君は私が合図したら空から攻撃してください」
「はい!」
クロウは空を飛び、シルは突っ込んで盾で殴りにいった。
バイスはさっきと同じように地面に潜り、同じ必殺技を放った。
シルは盾を立てて、盾の上に回避した。
けど、衝撃のせいで盾は不安定だった。
「なかなか耐えるね君」
地面からバイスが姿を現し、シルは盾でバイスにアッパーを決めて、クロウに合図を送った。
「クロウ君!今です!」
「はい!ダイブアタック!!」
クロウは急降下して宙に浮いたバイスに飛び蹴りをした。
バイスは地面に叩きつけられ大ダメージを負った。
「グフッ………油断したよ」
バイスはゆっくりと立ちがった。
大ダメージを負ったはずだが、ピンピンしていた。
「けど、それくらいじゃ僕は倒せないよ」
「なら!!レーザーランス!!」
「ミラージュシールド!!」
クロウは手に光集め、それをバイスに突き刺すように手を前に出し、シルは盾を立てて、向かいに鏡に写ったようにもう1人の自分を作り出して、バイスを挟んだ。
そして盾を投げると、向かいにいる自分も同時に投げて、交換するようにしてバイスに攻撃した。
バイスはクロウのレーザーランスを自分の体一部を使ってガードしたが、シルの攻撃は防ぐことができなかった。
「その程度ですか?なら今度は僕がいきましょう」
「ヘキサヘドル・コンプレッション」
「っ!?は、挟まれた!?」
「ぐぅ……動けない……」
クロウとシルは大きな板で挟まれ、動くことができなくなった。
抜け出そうとした時、板は形を変えて、箱の形になって2人は完全に閉じ込められた。
「出せ!!」
「この!!」
「無駄だよ。………はあ!!!」
バイスは技を放ち、箱は爆発した。
「っ!?ロードカルデアス!!」
シルは咄嗟にロードカルデアスを放ったが、完璧に発動する前に爆発に巻き込まれた。
爆風が晴れていくと、倒れたクロウと盾を支えに膝をついたシルがいた。
クロウは僅かにHPはあるが、戦闘不能になっていた。
「はあ……はあ……ロードカルデアスでもこのダメージ……」
「君も限界だろ。楽にしてあげるよ」
「ロード……ぐぅ……」
「ユニラトラル・ダート」
シルはロードカルデアスを発動することが出来ず、バイスの心意技をくらいそうになったが……。
「うおおおお!!!」
バイスの心意技で放った体の一部を、突然現れた誰かが全て跳ね返した。
そのデュエルアバターは黒色で両手にはサバイバルナイフ型の強化外装が握られていた。
「おや?君は?」
「シャドウアサシン」
「なんで邪魔するのかな?」
「………お姉ちゃんを虐めたからだ!!」
「え……?」
シャドウの突然の発言でシルは思考が停止した。
有田春雪『シルバークロウ』
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