闘技場で俺と先生は向かい合う。まさか先生と戦う日が来るとはな。絶剣って呼ばれてたくらいだから相当強いんだろうな。
ユウキ「思う存分楽しもうね!」
奨真「全力で行きます!」
カウントが始まり、俺は干将・莫耶を投影する。ゼロになると同時にお互い突っ込む。
ユウキ「やあ!!」
奨真「はああ!!」
先生は通常より細い片手直剣で突き攻撃してくる。俺は両手に持ってる剣で受け流す。受け流した時の回転を利用して左足で蹴りにいく。
ユウキ「ガフッ……」
ダウンした時に攻めに行こうと思ったが、先生は受け身をする。俺は剣を逆手に取り、接近する。
ユウキ「てやあ!!」
奨真「っ!?」
先生は剣で四角形を描くような4連撃で俺に斬りつけてきた。防御に回ったが、一撃目で剣が破壊されてモロに食らってしまう。
奨真「…………流石、絶剣って呼ばれてただけはありますね」
ユウキ「ふふん♪」
まさか、先生の剣があんなに速いとは思わなかったな。でも、まだ負けたわけじゃない。剣は破壊されたけど、また作ればいい。作るのもタイミングが大事だが。だから俺は投影せずに先生に突っ込むことにした。
ユウキ「素手だとキツイんじゃないかな!」
奨真「さあ?それはどうでしょうね!!」
先生が下から剣で斬りあげてくる。俺はそこを狙って干将・莫耶を投影して両手で跳ね返す。
ユウキ「っ!?」
流石に先生も驚いているか。
ユウキ「その剣はさっき壊したはず……」
奨真「だから作ったんですよ」
ユウキ「えー!そんなのずるい!」
ずるいって……。
ユウキ「まあそのほうが面白そうだし、いっか♪」
奨真「じゃあ仕切り直していきますよ!!」
それからはお互い全力で戦う。広い闘技場をあちこち移動しては剣を交え、剣だけでなく体術も使ったりした。
ユウキ「はあ……はあ……」
奨真「はあ……はあ……」
ユウキ「こんなワクワクしたのアスナの時以来だよ!」
奨真「俺も楽しいですけど、戦うことで精一杯ですよ……」
ユウキ「まだまだボクには敵わないってことだね♪」
奨真「それは聞き捨てなりませんね」
俺は剣を持ち直し、俺はある言葉を唱えた。
奨真「トリガーオフ!」
俺の干将・莫耶は大きくなり、攻撃力も高まった。
ユウキ「なにそれ!?」
奨真「魔法で言うところの強化ですよ」
俺は強化した剣で斬りつける。何度も何度も攻撃し、反撃の隙を一切作らない。先生も守ることで精一杯だな。このまま押し切る!
ユウキ「ここ!!」
俺が攻撃してる途中、先生は目に見えない速度で剣を操り、俺の攻撃を跳ね返した。
奨真「嘘だろ!あれが見えるのか!!」
ユウキ「はああ!!」
できる自信はないが、一か八かあいつが使ってた
奨真「天の鎖!!」
ギルガメッシュの時みたいに宝物庫からは出てないが、なにもないところから鎖が三本出てきて先生の腕を縛る。
ユウキ「っ!?」
奨真「やってみた甲斐があったな」
でも5秒で鎖は消えた。やっぱりギルガメッシュが使ってる天の鎖やエアは特別なんだな。なら、俺の必殺技で。
奨真「
ユウキ「わあ!景色が変わった!」
奨真「先生にはこれを防ぐ自身はありますか!」
俺は剣の雨を先生の頭上に降らせた。これを先生はどう捌くのか。
ユウキ「バーチカルスクエア!!」
ソードスキルを使って回避しようとしてるけど、無数の剣を捌ききることはできないか。
ユウキ「数が多い!なら、君自身を叩く!!ヴォーパルストライク!!」
先生はものすごいスピードで俺の方に突進してくる。咄嗟にローアイアスで防御するが、スピードが速いせいか、ローアイアスにヒビが入る。
ユウキ「このまま一気に肩をつける!!」
先生の剣は紫色に光り、もう一度突き攻撃を仕掛けてくる。それもものすごいスピードで。
奨真「お、重……ローアイアスが」
ユウキ「やあああ!!!マザーズロザリオ!!!」
マザーズロザリオ。そうか。これがVRMMO界で伝説となった11連撃。こんな凄い技を食らって終われるなら、悔いはない。最後の一撃がくると、ローアイアスは砕け、そのまま俺に突き刺さる。
奨真「…………あれ、まだ生きてる」
HPを見てみると数ドットだけ残ってた。峰打ちで済ませてくれたのか。
ユウキ「立てる?」
奨真「ありがとうございます」
ユウキ「いやぁ君強いね!」
奨真「先生のほうが上ですよ」
ユウキ「勝負ならいつでも受けてあげるからね!」
奨真「レベルアップしてから挑みます」
楓子「お疲れ様」
観客席で見てたみんなが下に降りてきた。
アスナ「やっぱりユウキは強いね」
ハルユキ「奨真さんが負けるなんて思いませんでしたよ」
キリト「どうだったユウキ?もう慣れたか?」
ユウキ「もちろん!これで思う存分戦えるよ!」
先生の準備運動も終わったし、転移門に向かおうとする。途中で先生は転移門で待っててと言って違う方に行った。多分買い出しだと思ったから先に行って待つことにした。
奨真side out
ユウキside
ボクはみんなと一旦離れてある人物を追う。それは急にみんなの輪から抜けた蓮君だ。何故抜けたのかはわからないから、とりあえず追いかけて呼び戻しに行く。
ユウキ「あ、いたいた!おーい!蓮……君?」
後ろから見ても蓮君の様子がおかしいのはわかる。咳き込んでいるし、右手を壁につき、左手で胸のあたりを押さえてた。
蓮「っ!?ユウキ……さん」
ユウキ「胸を……心臓のあたりを押さえてたけど……」
蓮「なんでもないです。さあ、戻りましょう」
彼はなんでもないって言うけど、顔は辛そうだった。もしかして……。
ユウキ「ねえ蓮君。もしかして……君心臓が」
蓮「大丈夫です。まだ……大丈夫ですから」
ユウキ「あんなに辛そうだったのに?ボク、一回見ただけでわかるんだ。どれだけ強がっても、本当は辛いってことくらい」
蓮「あなたも病気だったからですか?」
ユウキ「まあそれもあるかな。本当に辛かったらログアウトしたほうがいいよ。命は大事だからね。君たちの住む未来でボクは医者らしいから、帰ったら未来のボクに頼んでみるのもアリだと思うよ」
蓮「考えておきます。みんな待ってると思いますし、戻りましょう」
ユウキ「だね。あ、気になってたんだけど、蓮君ってボクたちには敬語だよね?」
蓮「まあ今日知り合ったばかりですし、これが俺の普通というか」
執事としての癖が出てるのかな?でも奨真君たちには敬語じゃないし、よくわからないな。そんなことを考えて、ボクたちはみんなと合流した。