アクセル・ワールド 君の隣にいるために   作:フラっぴー

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第10話 戦闘という名のリハビリ

 

 

闘技場で俺と先生は向かい合う。まさか先生と戦う日が来るとはな。絶剣って呼ばれてたくらいだから相当強いんだろうな。

 

 

ユウキ「思う存分楽しもうね!」

 

 

奨真「全力で行きます!」

 

 

カウントが始まり、俺は干将・莫耶を投影する。ゼロになると同時にお互い突っ込む。

 

 

ユウキ「やあ!!」

 

 

奨真「はああ!!」

 

 

先生は通常より細い片手直剣で突き攻撃してくる。俺は両手に持ってる剣で受け流す。受け流した時の回転を利用して左足で蹴りにいく。

 

 

ユウキ「ガフッ……」

 

 

ダウンした時に攻めに行こうと思ったが、先生は受け身をする。俺は剣を逆手に取り、接近する。

 

 

ユウキ「てやあ!!」

 

 

奨真「っ!?」

 

 

先生は剣で四角形を描くような4連撃で俺に斬りつけてきた。防御に回ったが、一撃目で剣が破壊されてモロに食らってしまう。

 

 

奨真「…………流石、絶剣って呼ばれてただけはありますね」

 

 

ユウキ「ふふん♪」

 

 

まさか、先生の剣があんなに速いとは思わなかったな。でも、まだ負けたわけじゃない。剣は破壊されたけど、また作ればいい。作るのもタイミングが大事だが。だから俺は投影せずに先生に突っ込むことにした。

 

 

ユウキ「素手だとキツイんじゃないかな!」

 

 

奨真「さあ?それはどうでしょうね!!」

 

 

先生が下から剣で斬りあげてくる。俺はそこを狙って干将・莫耶を投影して両手で跳ね返す。

 

 

ユウキ「っ!?」

 

 

流石に先生も驚いているか。

 

 

ユウキ「その剣はさっき壊したはず……」

 

 

奨真「だから作ったんですよ」

 

 

ユウキ「えー!そんなのずるい!」

 

 

ずるいって……。

 

 

ユウキ「まあそのほうが面白そうだし、いっか♪」

 

 

奨真「じゃあ仕切り直していきますよ!!」

 

 

それからはお互い全力で戦う。広い闘技場をあちこち移動しては剣を交え、剣だけでなく体術も使ったりした。

 

 

ユウキ「はあ……はあ……」

 

 

奨真「はあ……はあ……」

 

 

ユウキ「こんなワクワクしたのアスナの時以来だよ!」

 

 

奨真「俺も楽しいですけど、戦うことで精一杯ですよ……」

 

 

ユウキ「まだまだボクには敵わないってことだね♪」

 

 

奨真「それは聞き捨てなりませんね」

 

 

俺は剣を持ち直し、俺はある言葉を唱えた。

 

 

奨真「トリガーオフ!」

 

 

俺の干将・莫耶は大きくなり、攻撃力も高まった。

 

 

ユウキ「なにそれ!?」

 

 

奨真「魔法で言うところの強化ですよ」

 

 

俺は強化した剣で斬りつける。何度も何度も攻撃し、反撃の隙を一切作らない。先生も守ることで精一杯だな。このまま押し切る!

 

 

ユウキ「ここ!!」

 

 

俺が攻撃してる途中、先生は目に見えない速度で剣を操り、俺の攻撃を跳ね返した。

 

 

奨真「嘘だろ!あれが見えるのか!!」

 

 

ユウキ「はああ!!」

 

 

できる自信はないが、一か八かあいつが使ってたアレ(・・)を試すとしよう。

 

 

奨真「天の鎖!!」

 

 

ギルガメッシュの時みたいに宝物庫からは出てないが、なにもないところから鎖が三本出てきて先生の腕を縛る。

 

 

ユウキ「っ!?」

 

 

奨真「やってみた甲斐があったな」

 

 

でも5秒で鎖は消えた。やっぱりギルガメッシュが使ってる天の鎖やエアは特別なんだな。なら、俺の必殺技で。

 

 

奨真「unlimited blade works(アンリミテッドブレイドワークス)!!」

 

 

ユウキ「わあ!景色が変わった!」

 

 

奨真「先生にはこれを防ぐ自身はありますか!」

 

 

俺は剣の雨を先生の頭上に降らせた。これを先生はどう捌くのか。

 

 

ユウキ「バーチカルスクエア!!」

 

 

ソードスキルを使って回避しようとしてるけど、無数の剣を捌ききることはできないか。

 

 

ユウキ「数が多い!なら、君自身を叩く!!ヴォーパルストライク!!」

 

 

先生はものすごいスピードで俺の方に突進してくる。咄嗟にローアイアスで防御するが、スピードが速いせいか、ローアイアスにヒビが入る。

 

 

ユウキ「このまま一気に肩をつける!!」

 

 

先生の剣は紫色に光り、もう一度突き攻撃を仕掛けてくる。それもものすごいスピードで。

 

 

奨真「お、重……ローアイアスが」

 

 

ユウキ「やあああ!!!マザーズロザリオ!!!」

 

 

マザーズロザリオ。そうか。これがVRMMO界で伝説となった11連撃。こんな凄い技を食らって終われるなら、悔いはない。最後の一撃がくると、ローアイアスは砕け、そのまま俺に突き刺さる。

 

 

奨真「…………あれ、まだ生きてる」

 

 

HPを見てみると数ドットだけ残ってた。峰打ちで済ませてくれたのか。

 

 

ユウキ「立てる?」

 

 

奨真「ありがとうございます」

 

 

ユウキ「いやぁ君強いね!」

 

 

奨真「先生のほうが上ですよ」

 

 

ユウキ「勝負ならいつでも受けてあげるからね!」

 

 

奨真「レベルアップしてから挑みます」

 

 

楓子「お疲れ様」

 

 

観客席で見てたみんなが下に降りてきた。

 

 

アスナ「やっぱりユウキは強いね」

 

 

ハルユキ「奨真さんが負けるなんて思いませんでしたよ」

 

 

キリト「どうだったユウキ?もう慣れたか?」

 

 

ユウキ「もちろん!これで思う存分戦えるよ!」

 

 

先生の準備運動も終わったし、転移門に向かおうとする。途中で先生は転移門で待っててと言って違う方に行った。多分買い出しだと思ったから先に行って待つことにした。

 

 

 

 

奨真side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユウキside

 

 

 

ボクはみんなと一旦離れてある人物を追う。それは急にみんなの輪から抜けた蓮君だ。何故抜けたのかはわからないから、とりあえず追いかけて呼び戻しに行く。

 

 

ユウキ「あ、いたいた!おーい!蓮……君?」

 

 

後ろから見ても蓮君の様子がおかしいのはわかる。咳き込んでいるし、右手を壁につき、左手で胸のあたりを押さえてた。

 

 

蓮「っ!?ユウキ……さん」

 

 

ユウキ「胸を……心臓のあたりを押さえてたけど……」

 

 

蓮「なんでもないです。さあ、戻りましょう」

 

 

彼はなんでもないって言うけど、顔は辛そうだった。もしかして……。

 

 

ユウキ「ねえ蓮君。もしかして……君心臓が」

 

 

蓮「大丈夫です。まだ……大丈夫ですから」

 

 

ユウキ「あんなに辛そうだったのに?ボク、一回見ただけでわかるんだ。どれだけ強がっても、本当は辛いってことくらい」

 

 

蓮「あなたも病気だったからですか?」

 

 

ユウキ「まあそれもあるかな。本当に辛かったらログアウトしたほうがいいよ。命は大事だからね。君たちの住む未来でボクは医者らしいから、帰ったら未来のボクに頼んでみるのもアリだと思うよ」

 

 

蓮「考えておきます。みんな待ってると思いますし、戻りましょう」

 

 

ユウキ「だね。あ、気になってたんだけど、蓮君ってボクたちには敬語だよね?」

 

 

蓮「まあ今日知り合ったばかりですし、これが俺の普通というか」

 

 

執事としての癖が出てるのかな?でも奨真君たちには敬語じゃないし、よくわからないな。そんなことを考えて、ボクたちはみんなと合流した。

 

 


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