エイトside
フィリアとアンクルと共にこの雪原を探索している。それにしてもどこをみても雪だな。
フィリア「そういえば2人は特殊なアバターだね」
アンクル「あ、忘れてました!これをこうして……」
アンクルはメニュー画面を開き何か操作を始める。するとアンクルのアバターはデュエルアバターからダミーアバターに変わった。アンクルのダミーアバターって名探偵ホームズみたいな格好だな。
フィリア「可愛い!」
レミ「あ、そうだ!この姿の私はレミと言います!ほらエイトさんも!」
俺はレミに手を取られ、メニュー画面を操作する。すると俺のアバターはデュエルアバターからダミーアバターに変化した。
奨真「こんな機能があったのか」
フィリア「うわぁ……すごいイケメン」
奨真「鎧姿よりもこっちの方が動きやすいな」
フィリア「あれ?見たところ妖精っぽく見えないけど……」
レミ「私たちはここの住民じゃないんです」
奨真「俺たちはブレインバーストってゲームからやってきたんだ」
フィリア「ブレインバースト?」
聞いたことがない感じで言ってきた。まあ加速について知ってるのはバーストリンカーだけだからな。
奨真「簡単に言えば格闘ゲームだ」
フィリア「へぇ、じゃあ戦闘に関しては強いの?」
レミ「奨真さんは強いですよ!無数の剣を使って完全無双!!」
レミはそう言って説明をする。まぁ間違ってはないけど、なんか恥ずかしいな。
フィリア「あ、あそこに大きなモンスターが!」
レミ「奨真さん!よろしくお願いします!!」
奨真「俺任せかよ……」
まあフィリアが気になってる俺の強さを見せるのに丁度いいか。
奨真「
両手に干将・莫耶を作り出し、構える。俺はそれをエネミーに投げつける。そしてもう一度作り、そして投げる。それの繰り返しだ。地味っぽく見えるが、これはエミヤもよくやる戦い方だ。
レミ「奨真さーん!そろそろゲージ溜まったんじゃないですかー!」
奨真「よし!決めにいく!!
必殺技で固有結界を作る。それを初めてみるフィリアは驚きを隠せないでいた。
フィリア「えっ?えっ?どうなってるの!?」
レミ「これは奨真さんの必殺技です!見ててくださいね!これからが本番です!」
奨真「速攻で終わらせる!!」
俺は周りにある無数の剣を操り、エネミーの上に雨のように降らした。エネミーは剣の雨の餌食になり、消滅した。敵がいなくなったのを確認して、結界を解除する。
奨真「あんまり歯ごたえがないな。ここのエネミーは弱いのか?」
フィリア「す、凄いよ!結界なんて見たことないよ!!」
奨真「そ、そうか?」
フィリア「でも無限の剣を使う子なら知り合いにいるよ?」
俺以外にもいるのか?それは気になるな。
フィリア「私の仲間たちと合流出来たら紹介するね!」
レミ「楽しみですね!」
俺たちはそんな感じで、雪原エリアを探索するのであった。
奨真side out
楓子side
私たちは街で少し休んで、次の探索に備えることにした。準備のため、私とキリトはアイテム補充に行くことになった。
キリト「悪いな楓子。アイテム補充に付き合わせてしまって」
楓子「そんなの気にしなくていいのに」
アイテム補充も完了して、エギルさんの店に帰る途中、女の子が私たちに話しかけてきた。
???「キリト。その人はキリトの新しい愛人ですか?」
楓子「あ、愛人?」
キリト「初対面の人に誤解を招くような発言はやめてくれプレミア!!」
私のことをキリトの愛人と言ったこの子はいったい……。キリトは名前らしきことを言っていたから知り合いだと思うけど。
キリト「あ、楓子は初めてだな。この子はプレミア。元々はNPCだったけど、この世界にプレイヤーとして連れてきたんだ」
NPCをプレイヤーとしてALOに連れて来るなんて……キリトって一体何者なの?そんなことよりもこの子に自己紹介ね。
楓子「私は楓子。よろしくねプレミアちゃん」
プレミア「はい、よろしくお願いします」
礼儀よくお辞儀をしてきて、私も同じようにする。まだ小さいのに立派な子ね。
キリト「プレミア、ティアは一緒じゃないのか?」
プレミア「砂漠で逸れてしまって……」
そのティアって子と砂漠逸れたらしい。でも砂漠はまだ行くことができない。草原エリアにあった神殿のようなところが雪原エリアにあるといいけど。
楓子「なら早くみんなのところに戻って雪原エリアに行った方がいいわね」
プレミア「はい。あ、言い忘れてたことがあります」
楓子「どうしたの?」
プレミア「私の種族はウンディーネです」
たしかキリトたちにはそれぞれ9つの種族があったわね。サラマンダー、ウンディーネ、シルフ、ケットシー、ノーム、スプリガン、インプ、レプラコーン、プーカがあったはず。
プレミア「ですので、支援魔法は使えます。役に立てます」
楓子「それは頼もしいわね。期待してるわ♪」
私たちは会話をしながらエギルさんの店に戻り、みんなにアイテムを配り、雪原エリアに転移する。
〜雪原エリア〜
リズ「相変わらず寒いわねー」
ういうい「うぅ……体が冷えるのです」
それを聞いた私は咄嗟にういういを抱きしめて暖をとろうとする。
楓子「ういうい、寒くない?」
ういうい「んー!んー!」
リーファ「楓子さん!ういちゃんが苦しそうですよ!」
リーファにそう言われて私は離れる。私ったらまたやっちゃったわ……。
「た、助けてくれええ!!!」
「「「「っ!?」」」」
突然の悲鳴に私たちは反応して、そっちをみる。私たちが見た方からプレイヤーが数人、何かから逃げるようにやってきた。
キリト「どうした?」
「あ、あいつは何もしてないのに突然俺たちの腕や足をへし折ったりして不気味なんだよ!!」
よくみると、彼らは腕がなかったり足が片方なかったりしていた。
黒雪姫「とりあえず行ってみよう」
私たちは彼らが逃げてきた方に向かい、歩き続ける。でもなかなか人らしき影は見当たらない。
ハルユキ「誰も……いませんね」
エギル「あいつらはいったい誰にやられたんだよ」
???「さあ?誰でしょうね」
「「「「っ!?」」」」
急に声が聞こえてきて、私たちは振り向くと、そこにはさっきまで誰もいなかったところに誰かが立っていた。
???「凶れ」
シノン「エギル!!」
シノンは咄嗟に弓を構えて矢を放つ。すると矢は急にへし折れた。この力って……。
???「やりますね。ですが、私のほうが強い」
楓子「藤乃、よく見て。私たちよ」
藤乃「…………あ、楓子さんたちでしたか。ではあなたたちは仲間というわけですね」
キリト「あ、ああ」
これで藤乃とも合流できたわね。まだ少ないけど段々と増えてきたわ。
シノン「ねえ、藤乃だっけ?あなたいったいどうやって私の矢をへし折ったの?」
藤乃「そのことでしたか。それは私の眼です」
シノン「眼?」
藤乃「私のデュエルアバターは見たものを凶げる力を持ってるのですよ」
シノン「へえ、不思議な力ね」
特殊な眼を持ってる藤乃。藤乃だけじゃなく、式も似たような眼を持っている。直死の魔眼と歪曲の魔眼。この2つはとても強力な力を持っている眼だった。
シリカ「じゃあオブジェクトを破壊し放題ってことですか?」
藤乃「破壊不能でなければ可能です」
破壊し放題だからこそ、必殺技ゲージを何度も溜めることができるのよね。
アスナ「ねえ藤乃さん。さっき襲った人以外に誰か見たりした?」
藤乃「直接はあってませんが、赤い人がガイコツさんと一緒にバイクに乗ってるのを見かけました」
ガイコツさんって……アッシュのことね。赤い人って言えばあとは式だけど、藤乃なら式のことを名前で呼ぶものね。ならこの世界の住人のはずね。赤の他人かキリトたちの仲間か。
アスナ「どの辺りで見ました?」
藤乃「ここからそう遠くない広場のようなところです。まだいるなら爆走してるはずですよ」
リーファ「行ってみませんか?そのガイコツさんって人はもしかしたら黒雪ちゃんの仲間かもしれないし、赤い人はクラインさんかもしれませんし」
ストレア「さんせーい!」
私たちは藤乃が言ったところに向かうことにした。そこにいる人はたぶんアッシュだけど、もう1人はいったい……