アクセル・ワールド 君の隣にいるために   作:フラっぴー

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第8話 『直死の魔眼』

 

煉獄ステージの建物内。俺は遠くからオルタと式の戦いを見ることにした。もちろん俺だけじゃなく、楓子とジャンヌ、白雪もだ。

 

 

「さて、オルタはわかるけど、式はどんな戦いをするんだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オルタside

 

 

 

煉獄ステージね、私と1番相性のいいステージじゃない。あの女はどうくるのかしら。

 

 

「へえ、それがお前のアバターか」

 

 

「そういうあんたのアバターは?」

 

 

「自己紹介がまだだったな。俺はブラッドバニー。そうだなぁ……ブラッドって呼んでもらおうかな」

 

 

「ダークアヴェンジャー。ダークよ」

 

 

アバターの色は赤。なら遠距離かしら?とりあえず距離をとろう。私は一度距離を取り、相手の出方を見た。

 

 

「一旦離れたか……。いい判断だ。だが………………その程度の距離じゃ離れたことにはならないぜ?」

 

 

「っ!?」

 

 

結構離れたはずなのに!?一瞬で目の前に!?

私は咄嗟に腰から剣を取り出し、あいつの攻撃を防ぐ。剣とナイフがぶつかり合い、私は剣に炎を纏わせる。これなら手は燃え移るはず!

 

 

「ふっ……」

 

 

あいつはナイフを私の剣から一度離すと、今度は炎を斬りつける。すると、私の剣に纏っていた炎が一瞬で消えた。

 

 

「な、なんで?」

 

 

「さあ?なんでだろうな?」

 

 

「くっ!この!!」

 

 

旗を振りかざすと、あいつはジャンプして避ける。そのまま宙を舞って、私の背後に着地する。私は後ろを振り向きながら炎を飛ばす。けど、さっきと同じようにあいつはナイフで炎を斬りつけると、また炎が消えた。

 

 

「なんなのよもう!!」

 

 

「そうカッカするな。わかるのもわからなくなるぞ?」

 

 

「うっさいわね!!あんたのその力がわかんないからムカついてるのよ!!」

 

 

「そりゃそうか……。今まで俺の力を見破ったやつは1人もいないからな」

 

 

「は、はあ?」

 

 

「特別に教えてやるよ」

 

 

あいつはナイフを下におろすと、私に能力について話してきた。

 

 

「俺の目はね、物の死が見えるんだよ。例えそれが水や炎だったとしてもな」

 

 

「な、なんなのよそれ!」

 

 

「この目……アビリティの名前は……『直死の魔眼』。どんなものでも死を見ることができて、どんなものも殺すことができる」

 

 

こ、こんなバカげた能力を持つリンカーがいたなんて……。

 

 

「だから……生きているのなら、神様だって殺してみせる」

 

 

だったら……一気に決めにいくしか……ない!!

 

 

「やあああ!!!」

 

 

剣に炎を纏わせて、それを辺りに振りかざし、炎を飛ばす。

 

 

「物の死が見えるんでしょ。だったらここから脱出することもできるよね!」

 

 

私はジャンプして、屋根のヒビの入ったところを刺した。すると、屋根は崩れ始めて瓦礫が落ちてくる。私はすぐに脱出できるけど、あいつは炎を消さないと出れない。瓦礫に埋まったところを狙って必殺技でトドメを刺す。これが私の作戦。

 

 

「まずは脱出ね」

 

 

私は建物から脱出すると、さっきまでいた建物内が崩れていく。そこを狙って決める!!

 

 

「ラ・グロンドメント・デュ・ヘイン!!」

 

 

最強の技を使って、瓦礫を炎で燃やし尽くす。いくら物の死が見えても、これを避けることは不可能ね。

 

 

「おおー、あんなものまともにくらったら終わりだな」

 

 

「っ!?」

 

 

な、なんで?あいつは瓦礫の中にいたはずじゃ!?

 

 

「な、なんであんたがここに!!」

 

 

「決まってるだろ?逃げてきたんだよ」

 

 

「に、逃げ道なんかなかったはずよ!!」

 

 

「もう忘れたのか?俺はあの炎の死をみて、炎を殺したんだよ。そしたら建物が崩れてきたから脱出したんだ」

 

 

そんな……まさかあの一瞬で……。こいつ……強すぎる……。

 

 

「さて、お前もなかなか強かったが、俺の方が一枚上手だったみたいだ」

 

 

負けを認めるしかなさそうね……。

 

 

「ここがお前の死だな」

 

 

そう言ってこいつは私の胸のあたりをナイフで斬りつけると、私のHPは一瞬で消し飛んだ。まさか……一撃必殺が使えるリンカーがいるなんてね……。

 

 

 

オルタside out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

奨真side

 

 

 

現実世界に戻ってきた俺たちは、とりあえず飲み物を口に運ぶ。コーヒーを飲み終えると、俺は式に聞く。

 

 

「見てたけど、あれはもう一撃必殺に近いな」

 

 

「直死の魔眼って……か、空の境界に出てきましたよね!!」

 

 

「ああ、そうだぞ。どうやらフィクションが現実になってしまったみたいなんだ」

 

 

「フィクションが現実になるなんて……そんなことがありえるの?」

 

 

「実際に俺がなってるからありえるんだろ」

 

 

そういえば能力を見破ったものはいないって言ってたな。なら、王たちも見破れてないということか?それともまだ式の存在を知らないのか?

 

 

「なあ式。お前は七王と会ったことはあるのか?」

 

 

「七王?あーあいつらか。白の王はここにいるから、白を抜くと……黒以外は会ってるかな。無制限フィールドで」

 

 

会ったことはあるんだな。なら、王でも見破ったやつはいなかったってことになるな。

 

 

「さて、そろそろいこうぜ。日が暮れてしまう」

 

 

「そうですね」

 

 

「ここは俺が奢るよ。今日楽しませてもらったお礼だ」

 

 

式が俺たちの分も奢ってくれて、店の外に出た。式は俺たちとは帰る方向が違うから、店の前で別れることになる。

 

 

「あ、そうだ。…………ほらよ」

 

 

式は指を俺の方に弾くと、俺のニューロリンカーに式の連絡先が送られてきた。

 

 

「何か用があったらそこに連絡してくれ」

 

 

「あ、ああ」

 

 

式はそう言うと、帰る方向に歩いていった。俺たちも帰るために歩き始めた。

 

 

「あいつ……桁違いだわ」

 

 

「オルタでも歯が立たなかったからな」

 

 

「悔しい……何もできなかったなんて……悔しすぎる」

 

 

「オルタさん……」

 

 

「絶対にあの女に勝ってやる!ギャフンと言わせてやるわ!!」

 

 

「あ、オルタ!!」

 

 

ジャンヌは声をかけるが、オルタはそのまま帰っていった。しばらく歩くと、白雪とも別れ、そのまま家についた。俺は部屋に入ってベッドに寝転がると、楓子が部屋に入ってきた。

 

 

「ねえ、奨真君。もしかしてだけど……式って……」

 

 

「ああ…………あいつは……両儀式は……王じゃないけど……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

加速世界最強のリンカーに近いかもな」

 

 

 

 


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