アクセル・ワールド 君の隣にいるために   作:フラっぴー

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第5話 有名人?

 

 

???side

 

 

 

ったく……面倒なことに巻き込まれたな……。

マンションを目指す前に銀行に寄ったら強盗かよ……。俺もついてないな……。

 

 

「おい!!早く金持ってこい!!」

 

 

「人質がどうなってもいいのか!!」

 

 

俺もその人質の1人なんだが…………全員で5人か。こういうのには関わりたくなかったけど、仕方ないな。

 

 

「やるか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハルユキside

 

 

 

「あれ?なんか騒がしいですね?」

 

 

「ん?あれは……警察ではないか?」

 

 

「銀行強盗ですかね?」

 

 

「そうみたいだよ」

 

 

銀行強盗か……。この辺で起こるなんて珍しいな。でも、帰り道はこの道しかないし……先輩は家に遊びにくるから僕の家に直行だし。

 

 

「な、なんだ?中が騒がしいな」

 

 

「誰も突入はしてないよな?」

 

 

「何が起こってるんだ?」

 

 

警察の人たちはなんか混乱してる?悲鳴は聞こえてくるけど、声を聞くと、悪そうな人の混乱した様子の声も聞こえる。

 

 

「ちょ、ちょっと中覗いてみます?」

 

 

「何言ってんのよハル!危ないに決まってるじゃない!!」

 

 

「だ、だからズーム機能で見るんだよ!」

 

 

「それなら安全だな」

 

 

「じゃあ見てみましょう」

 

 

僕らはニューロリンカーのズーム機能を使って中を覗いた。中では一般人らしき人がマスクを被った人たちと乱闘していた。

 

 

「た、たった1人で5人を相手にしてる!?」

 

 

「武術の達人なのでしょうか?」

 

 

「と、とりあえずこのまま見てみよ!」

 

 

僕らは中をずっと覗き見ることにした。

 

 

 

ハルユキside out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???side

 

 

 

俺はいつも持ち歩いてる護身用のナイフを取り出し、バレないように手に縛った縄を切る。あとは隙ができるのを待つだけ。

 

 

ここにはいろんなものが揃っている。いざとなればそれを活用すればいい。そんなことを考えてると、1人の強盗が俺の方に近づいてきた。やはり見張りは暇なんだな。

 

 

「子連れが多いな。おっ?お前よく見たら女みたいな顔した男だな。それに変な格好だ」

 

 

変な格好は余計だ。あとこいつ隙だらけだな。なら今がチャンスだ。

 

 

「動くな」

 

 

「っ!?」

 

 

「動いたら死ぬぞ?」

 

 

「こ、こいつ!?」

 

 

俺は手に取ったナイフを首筋に当てる。男は驚いて俺の額に銃口を当てるが、俺との距離が近すぎたせいで、男は俺に腹を蹴られて吹っ飛ばされた。

 

 

「やれやれ……こんなものか?」

 

 

「リーダー!頭を打って気を失ってます!」

 

 

「チッ!?全員かかれ!」

 

 

全員が発砲する前に、近くにある机を倒して上に重ねてバリケードを作る。これで他の人を巻き込むことはないだろう。

 

 

「お前たちは絶対にここから出るな」

 

 

忠告だけして、俺は飛び出す。銃口の位置を確認して銃弾をかわす。普通の人間ならできないと思うが、俺はできる。

 

 

「な、なんで当たらないんだ!!」

 

 

「ショットガンを使え!!」

 

 

「その前に終わらせる」

 

 

椅子を手に取り、思い切りぶん投げる。1人に命中して、さらにもう一つ投げて追い討ちをかけた。これで動けないだろう。あと3人。

 

 

「このやろ!」

 

 

男がナイフを取り出し、俺に切りかかってくる。だが、俺から見たらナイフ捌きがまだまだだ。だから俺は全てナイフで防ぐか弾いている。そろそろ防ぐのも飽きたから、俺は本気で殺す気で顔の横にナイフを突き出し男の被ってるマスクを少し切った。

 

 

「おい!後ろ危ないぞ!」

 

 

「っ!?」

 

 

誰かが叫んでくれたおかげで助かったな。あとで感謝しなくちゃな。さて、俺の隙を狙ったやつを後悔させてやろう。

 

 

俺はナイフを投げつけ、男の背後にある壁に突き刺す。男はチャンスと思い、襲いかかってくるが、見事俺の罠にかかった。俺が投げたナイフにはある仕込みをしている。取っ手の部分に糸をくくりつけておいた。糸を勢いよく引っ張り、自分の手元に寄せた。男が俺に接近した時点で、男の首筋には俺のナイフが当てられている。それにビビった男は気を失った。

 

 

 

「ふぅ……こんなものか」

 

 

「「「おおおお!!!!」」」

 

 

な、なんだ?こいつらを倒したら他の人たちから拍手を貰うことになった。あ、そうだ。さっき俺に手助けをしてくれたやつに感謝の言葉を言わなきゃ。

 

 

「あ、顔がわかんないや」

 

 

「君すごいな、武術の達人かなにかか?」

 

 

この声、さっきの声と同じだ。ならこいつが……。

 

 

「別にそんなんじゃないよ。あ、さっきはありがとう。おかげで助かった」

 

 

「ふふっ、初対面なのにもう仲良くなってるの?」

 

 

「楓子、それはどうかわからないけど」

 

 

「自己紹介がまだだったな。俺は両儀式、よろしく」

 

 

「式か。俺は橘奨真。こっちは俺の恋人の」

 

 

「倉崎楓子です。よろしくね式」

 

 

「こちらこそ、恋人同士か。デート中に巻き込まれるなんて災難だったな」

 

 

「今日は運がなかったみたいだよ」

 

 

落ち込んでるみたいだな。そりゃそうか。

 

 

「あ、奨真さん!師匠!!」

 

 

「奨真君!楓子!大丈夫か!」

 

 

また増えたな……。ん?よく見たら警察が追いかけてきてるじゃないか。無理矢理入ったのか。

 

 

「こ、こら!君たち!まだ調査中なんだからダメじゃないか!」

 

 

「別にいいだろ、調査っていう調査なんかないし」

 

 

「あ、あるよ!」

 

 

「じゃあ俺が説明するよ。ここに5人の強盗がきて、そいつらを俺が倒した。これでいいか?」

 

 

「そ、それだけじゃっ!?」

 

 

うん?急に黙り込んでどうしたんだ?

 

 

「着物にその上から赤の革ジャン……、ま、まさか君……あの両儀式か!?」

 

 

「そうだが?」

 

 

「式って有名人なの?」

 

 

「いや、有名人ではないけど、ただの高校生だ」

 

 

「両儀式を知らないのか!?この人が事件に関わると必ず犯人を無力化するというすごい人なんだぞ!?」

 

 

「それはそいつが弱いだけだろ?」

 

 

「でも式。さっきの強盗のときだが、あれは人が簡単にできる技じゃないと思うんだが」

 

 

「大したことじゃないんだけど……まああれだ、経験?」

 

 

「修羅の道を通ってきたということか?」

 

 

「先輩、それはちょっと違うんじゃないですか?」

 

 

「それよりもあんた、仕事に戻ったほうがいいんじゃないか?」

 

 

「そ、そうだな!君たちも早く帰るんだよ!」

 

 

警察はパトカーに乗り、仕事に戻ったみたいだな。他の警察はこの場の片付けか。

 

 

「ていうかよく見たら凄い美形な人だね!」

 

 

「チユ!?」

 

 

「チーちゃん!?」

 

 

「タッくんもかっこいいけど、式さんもイケメンだね!」

 

 

「タクム君とはまた違うタイプだな」

 

 

はっ?さっきから何言ってんだ?

 

 

「ねえ奨真君、サッちゃんや鴉さんは気づいてないのかな?」

 

 

「そうみたいだな」

 

 

奨真と楓子は小声で何か話してるみたいだけど、なんとなく内容はわかる。この4人は気づいてないみたいだし、教えておくか?

 

 

「なんか勘違いしてるみたいだけど…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は女だぞ?」

 

 

 

 

「「「「えっ?」」」」

 

 

奨真と楓子はやっぱりかっていう顔で見てるな。2人は俺が女だってことには気づいてたか。

 

 

「「「「ええええええっ!?」」」」

 

 

「そんなに驚くことか?」

 

 

「4人はわかってなかったみたいだし、驚くんじゃないか?」

 

 

やれやれ……。

 

 

「お、女の人だったんですか!?」

 

 

「見てわからないのか?」

 

 

「わ、わからん……」

 

 

「酷い言われようだな……」

 

 

「そ、そういえば師匠と奨真さんは学校が終わってからこっちにきたんですか?服装が制服だからもしかしてと思ったんですけど」

 

 

「まあそうだな、電車でここにきてデートっていうわけだ」

 

 

「その時にこの銀行に入ったら巻き込まれたの」

 

 

「お二人とも災難でしたね」

 

 

この眼鏡に俺と同じこと言われてるな。そういえば名前聞いてないな。

 

 

「お前らの名前は?」

 

 

「黒雪姫だ」

 

 

「倉嶋千百合です!」

 

 

「あ、有田春雪です!」

 

 

「黛拓武です」

 

 

「さっき聞いたと思うが、両儀式だ」

 

 

これで自己紹介は終わったな。さて、いつのまにか落としてしまったナイフを探したら、荷物を持って移動だな。その時、小さな女の子が俺の荷物を持ってこっちにやってきた。よく見たら鞘に収まったナイフも一緒にあった。

 

 

「これお姉ちゃんの物?」

 

 

「ああ」

 

 

女の子に優しく微笑む。

 

 

「はいこれ!」

 

 

「ありがとう」

 

 

荷物を受け取ると、黒雪姫が女の子に問いかけた。

 

 

「君、この人をよく女だってわかったな」

 

 

「えっ?わかるもん!だって!ちゃんとお胸もあるもん!」

 

 

そこかよ……。

 

 

「で、でも私と同じ大きさだよな。なら彼女も仲間?」

 

 

黒雪姫はなんか一人でブツブツの言い始めたし、放っておくか。

 

 

「さて、そろそろ行くよ。マンションを探さなきゃいけないからな」

 

 

「どんなマンションですか?」

 

 

「確か……こんなところだ」

 

 

写真を送信するとハルユキは驚いた。いやチユリとタクムもだ。

 

 

「ここって僕らが住んでるマンションですよ!」

 

 

「そうなのか?じゃあ道案内頼もうかな」

 

 

「わかりました!」

 

 

「あ、そうだ。式、俺と楓子の連絡先だ」

 

 

俺のニューロリンカーに2人の連絡先が送信された。俺は登録して、2人と別れてマンションを目指した。

 

 


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