ToLOVEる~守銭奴が住まう町で~ 作:ド・ケチ
個性が強すぎる男子3名がいる1年
「変な事をしそう」
残念ながら当然な理由
高校1年生男子平均値ピタリの身長及び体重、中間テストでは全教科平均値、体力測定の50メートル走も幅跳びもボール投げも男子平均値ピタリ、全てにおいて平均な男。
とりあえず、これも一種のキラキラネームではかろうか?
一方の女子クラス委員は3人の問題児のストッパーができそうな雛野がやっている。この辺りも雛野が誰かに守金を押し付けたい理由である。
「まず文化祭で何をするか案を出して、その後多数決で決めようと思います。何か意見がある人はいませんか?」
無難な進行を心がける阿部礼治。
「はい!」
いの一番に守金が挙手した。その目は¥になっていた。
「あ、ごめん。言い忘れてたけどうちの文化祭、お金を稼いだり、飲食店出したりは禁止になったよ。食中毒とかの危険もあるし、去年お金のやり取りでトラブルになったから」
機先を制した一言に絶望して守金は灰になった。
「は~い」
近衛が手を上げる。
「貸衣装屋でもいいけど、衣装の選別は貴方には任せないわよ」
雛野の一言で沈没した。とりあえず阿部は黒板に『貸衣装屋』と書く。
こうなると気になるのはもう1人の問題児。ある程度予測できる2人とは違ってこいつだけは予測できない。いや、方向性という意味では予測できる。攻撃極振りという非文化的な方針で、文化祭の趣旨に反していないという意味では。
「片羽君は何か意見があるかな?」
阿部が恐る恐る訊いてみた。
「展示で『お
「「「却下!!!」」」
クラス全体から速攻で否定される。
「冗談なんだが」
「お前の冗談はわかり難いんだよ」
守金が愚痴る。そして近衛が質問する。
「けど、仮に選ばれたら全力で展示するんでしょ?」
「なに当然の事を言っているんだ?」
速攻で否定して正解じゃないか。クラスの心が2人を除いて1つに纏まった。なお、ララは今一ピンときていない。
「3馬鹿は放っておいて、何か意見がある人はいませんか?」
オチが付いたところで雛野が会議を進行させる。
「ララちーの国の民族衣装展」
「タイム!」
雛野が宣言し、直後アイコンタクトで片羽に是非を伺う。
『問題ない』
眼で返事をする。タイムから片羽の返答完了迄の時間は零コンマ1秒。これはタイムかける必要あったのだろうか?
「ララさんの国の服で、日本とは違って日本人でも着て良い服ってあるの?」
「あるよ。ただ普通に作れるかどうかわからないけど」
道具を使えば可能であるが、基本的にあり得ないレベルの科学力を見せるべきではないという表向きの理由で雛野が止めている。暴走して被害が出ないようにという裏の意味の方が大きいが。
「とりあえず保留します」
片羽君も検証を頼むよと眼で語っていた。
「他に意見がある人はいませんか?」
「お化け屋敷がいいです」
とある
こうして意見がある程度でたところで投票に入る。
結果
1位 貸衣装屋(可能ならララの母国の民族衣装)
2位 お化け屋敷
3位 劇
「あ、言い忘れてたけど、同じ内容ばかり重なると困るから、生徒会の方で希望が却下される可能性があるからそこは注意していてね」
「「「最初に言え っ!!!」」」
「少し考えれば当然だとわかるんだが」
片羽だけは特に気にしなかった。
「例えば、全部のクラスが貸衣装屋をすると、それはもう文化祭じゃないよね。そんな事がないようにバラけさせる必要があるんだよ」
阿部が簡単に説明する。もっとも、それはそれで行ってみたい気もするが。
クラスメイト「「「ギャ ⁉」」」
?1「突き合いたい殿方は居残りして下さい」
近衛「これはラブレター⁉」
?2「君には必要ないでしょ」
守金「嘘を教えた近衛の罪はでかいな」
?1「少しいいかな?」
守金「億でも逃げたい」
近衛「俺様の竹刀が火を吹くぜ!」
?2「アイツの代わりにぼこぼこにされない?」
守金「どういう意味だと思う?」
?2「脅迫ネタを集めるチャンスよ」
雛野「片羽君、お願いだから大人しくしてて」
片羽「全力でお断りします」
次回 番外編1-承
文化祭 会議、準備、本編、打ち上げの4部でお送りします。
人物設計初伝③
近衛
よくある主人公の友人スケベ枠。そして女性に頼まれると嫌とは言えないでパワーアップする。裏で何かやっている。この世界とは違う言語「こういうの」を話せる。ただし基本的に反転されてるので開示は自己判断で。
阿部礼治
ネットで検索すると違う漢字のアベレイジさんがいた。そしてマリアさんもいた。
名字も名前も奇をてらったものでないのにどうしてこうなった?という例。なお、
兄の