第六戦隊と!   作:SEALs

81 / 83
お待たせしました。
予告通り、再び台湾側に戻ります。
リアル過ぎる現大戦にもなるかと言う展開になる故に、現実味を帯びている展開が繰り広げられます。
いつも通り楽しめて頂ければ幸いです!
それでは、どうぞ!


第79話:落日の美麗島

 

台湾 博愛特区(台北市中正区重慶南路)

X-day 時刻 1345

 

オリンピア・深海連合艦隊は、制海権・制空権の双方を手中に収めると、すかさず上陸作戦を敢行した。

上空にはオリンピア海軍の空母艦載機に伴い、各水鬼・姫・鬼・空母ヲ級などが搭載する深海艦載機に護衛されて台湾海峡を押し渡り、台湾海峡の海底に待機していた輸送潜水艦に続き、オリンピア陸軍水陸両用部隊や海兵隊を満載した最新鋭の輸送艦、架空の民間企業を装ったコンテナ貨物船の群れから、各輸送艦から格納された主力戦車や装輪装甲車輌などを搭載した揚陸艇を降ろし、ヘリ甲板からはVTOL輸送機や輸送ヘリには重装備の機動歩兵部隊、同時に完全武装した数百人規模の機械化歩兵部隊を乗せた上陸用舟艇が一斉に放たれ、新竹から台西にいたる海岸線に上陸作戦を開始する。

双方の沿岸部に要塞や機銃陣地、掩蔽壕を構築していた台湾軍は、此れらを迎撃もするも直ぐさま無力されてしまう。

少ない抵抗をもろともせず、次々と上陸していたオリンピア戦闘車輌部隊、機械化歩兵部隊、其の双方を支援する攻撃ヘリ部隊などが各地で抵抗する台湾軍を蹴散らし、台湾西岸地域を蹂躙。主たる目的は橋頭堡を確保した後、政治中枢機能を担う首都・台北市を含めて、新竹、台中、台南、高雄などの主要都市の他、重要な軍事基地、飛行場を手中に収めることだった。更には重要な港湾や軍港、油田施設なども破壊され、そして沿岸部の防衛線すらも破られ、応援に駆け付けようにも、同じく反撃しようにも制海権と制空権を奪われ、各島嶼地域に取り残された全ての台湾軍は孤立する一方だった。

そして左営・馬公・基隆に配備された台湾海軍は、オリンピア・深海連合に包囲され、圧倒的な数の差が、優位が物を言った。

衆寡敵せず。橋頭堡を確保したオリンピア陸軍は進撃する。

自慢の空母に加えて、空母棲姫たち、空母ヲ級などの合同艦載機による空爆。戦艦棲姫筆頭する合同連合艦隊の艦砲射撃。大地を焦土化するロケット弾の嵐で月面のようにされてしまった各沿岸部から、市街地が集中する内部に浸透し、台湾各地を占拠しながら、物量作戦に加えて電撃戦を繰り返し、縦横無尽に駆け巡っていく。

 

各地でオリンピア陸軍の侵攻作戦が行われている頃、台湾の首都に向かって、航空機の編隊が空を覆っていた。

オリンピア空軍の主力大型輸送機、Y-20大型輸送機だ。

かつてロシア軍のIL-76輸送機を参考にした、中国人民解放軍が独自に開発し制式採用していたものを拝借し、其れを再利用している。

両翼のターボファンエンジンの響きが空を震わせ、流れていく白い雲さえも慄いて身を縮める。

オリンピア軍特有の標識。御馴染みの右手に剣を、左手にマドンナリリーを携えた戦乙女を描いた機体の群れを、双方ともスリムさはあるものの、武骨な機体に、見る者たちに邪悪な印象を与える黒色を施した中国軍の戦闘機J-31と、韓国軍のKF-21という2種類のステルス戦闘機が護衛している。

 

空挺部隊を乗せた各輸送機編隊は、博愛特区の上空に達した。

中華民国総統府のほぼ中央に位置し、台湾にとって重要都市である。

台北市の住民たちは、遅かれ早かれオリンピア・深海連合軍の侵攻は覚悟していたに違いない。

――しかし、此処まで早く来るとは予想していなかった。

総統たちはもちろんだが、意表を突かれた住民たちが唖然として見上げると、幾つもの人々が降下してきた。

背中に背負うウィング・スーツを広げて、其の纏う姿は姑獲鳥。

かつて中国に伝わる鳥の妖怪。夜な夜な空から赤子を攫うだけでなく、さらなる飢えを満たそうと、人々の命を奪おうとする姿はそっくりそのものだ――と、その正体に気づいた住民は、泡を食って叫びを上げた。

 

「空挺団だ!しかも我が盟友日本を襲ったオリンピア軍だ!奴ら、空からも襲って来たぞ!」.

 

新たな恐慌が襲い掛かって来た。空を覆って降下するオリンピア軍の空挺団の恐ろしさは充分なものだった。

妻や子どもたちを地下壕や地下室に避難させる者、軍用銃や汎用機関銃、散弾銃、短機関銃を持ち出して一戦を挑もうとする台湾陸軍や警官に加えて、果ては自衛用に持ち出した銃を取り出した自警団や民間人などと溢れかえっていた。

突然の空からの奇襲によって、苦しい兵力の中から無理をして、台北上空の直掩に当たっていた台湾空軍、この地域の死守しようとせんとする陸軍や憲兵隊部隊には、満足にも此れに対抗すべき力は残されていなかった瞬間でもあった。

右往左往する住民たちを差し置いて、自動小銃の連射音が轟いた。

逃げ惑う住民たちの間に、火煙を上げて銃弾が撃ち込まれた。

突然空から降って襲い掛かった、空挺部隊に驚愕する間も、降下した空挺兵が懸命に作業する。やがて開封した重火器が納められた箱から重機や重火器を取り出し、進出して、猛砲撃の火蓋を切った。

銃弾が窓を割り、空挺部隊仕様に改良されたRPG-7V2、FGM172 SRAMに加えて、携行式迫撃砲が古き良き時代を象徴する装飾的な店舗の一部を吹き飛ばしていく。嵐のような銃弾が、凄まじい榴弾や迫撃砲弾が、市街地を走って木霊する最中――

 

「我が軍を塞ぐ敵軍は皆無なり!」

 

史実では、かつて行われた第二次世界大戦中に実行されたドイツ軍によるクレタ島降下作戦、失敗に終わったものの、連合軍のマーケット・ガーデン作戦並みの、大量の空挺団降下という大混乱に乗じて、数十両の戦車が猛然と暴れ込んだ。

声高らかに勝利に宣言し、いち早く到着したオリンピア陸軍は、快進撃を続ける。

 

「所詮は大陸の敗残兵軍だ!どのみち満足な補給も続かず、兵器の整備も思うように続く事もない。日本やアメリカなども我々の混乱作戦により、混乱して引きこもったまま、助けに来ることは絶対にない!各部隊、前進せよ!男どもなどを踏み潰し、目障りなものは全て破壊尽くして、ねじ伏せろ!」

 

指揮官の号令一下、何百台というエンジンの唸りが轟いた。

 

「全車前進!歩兵部隊は戦車を盾にしながら蹂躙せよ!敵戦車は、我々が片付ける!」

 

彼女たちが駆る主力戦車は、99式戦車だ。

此れも同じく中国大陸から調達したものであり、世界標準に追いついた中国陸軍の主力戦車であり、中国の十八番であるダミー会社や大金を利用して、多くの欧米の技術を上手く盗み取り入れ、独自開発などにも着手して、主砲から対戦車ミサイルも発射可能を持つ125mm滑空砲を備えており、その下に、重騎士にも似た車体を大地を踏みしめながら、砲塔を旋回しつつ――

 

「撃て!撃て!日本に味方する台湾を吹き飛ばせ!我々に抵抗する者も、価値のない者たちも同じくだ!」

 

戦車長の言葉に応えたのか、空気を感じ赤熱させて飛翔した砲弾は、建築物を紙のように貫通し破壊していく。閃光。咆哮。爆発。バリケードも戦車の砲撃で一撃で粉砕し、履帯で踏み躙って、全力突撃を下令する。この様子はさながら、終戦間際に『葛根廟事件』という、旧満州の興安から葛根廟に避難していた日本人約千数百人が避難しようとして、目的地の新京の方に向かって行こう、という事で出発するのだが、この葛根廟に来た時に、ソ連軍の戦車14輌、同時にソ連兵が待ち受けてて、其れでこの3時間、浅野参事官が避難民たち(其の多くが女性や子供たちだった)を率いていた。

彼らはソ連軍たちがいたという事で、白旗を掲げて行こうとしたら、そのまま機銃掃射を受け、さらに戦車隊がそのままこのまま千数百人の市民のところに、ブワッとやって来て、遺体というよりも踏み潰された人が宙に舞うくらいの蹂躙をされるわけである。

この大量虐殺を再現するように、この攻撃から逃げ遅れた婦女子、女性たちなどを捕まえると、美女だからという理由で、その場で暴行を加えて、その上建物に閉じ込めて、そこで焼き殺されるなどの蛮行を、人としてやる事ではないぐらいの非道行為を愉しんだのだった。

 

「時間との勝負だ!とはいえ、マザーと我が軍の完璧な作戦のおかげで誰も台湾なんて助けに来ないし、お前たちの頭の悪い総統どもや、誰もこんなちっぽけな島国なんて助けるか、ざまあみろ!!!!!!」

 

同時に罵声を浴びせると、猛射が吼え続けた。

さらには様々な口径を持つ装輪自走ロケット砲、装輪自走迫撃砲、装輪自走砲や自走榴弾砲に加えて、対人用として動員した対空戦車部隊の容赦なく降り注ぐロケット弾や榴弾砲弾、機関砲弾の雨が吹き飛ばし、コンクリートなどを切り刻み、身を寄せ合い、震えながら、嵐が過ぎ去るのを祈る民間人、兵士たちの生命もろとも奪い去っていき、伝統を誇る古都や古びた家々、市街地を粉々の廃墟に変えていく。

抗う様子もなく、無抵抗の相手を徹底的に殲滅して、渦を巻いていく紅蓮の炎。地獄の光景を思わせる瓦礫の山々。蒼空を、蒼海を、そして大地を血に染めて無辜の民を死に追いやる市街地を揺るがす爆発。かつて毛沢東率いる中国共産党軍に中国本土を蹂躙された、あの悪夢の戦い『国共内戦』を、追いやられた屈辱の象徴を彷彿させる瞬間、台湾全土を震撼させる戦争は、新たな展開に突入したのである。

これにより、日本はもちろん、頼みの綱でもある米軍やNATO海軍も同じように攻撃されて、強力な軍事支援は、空しい幻想のように木っ端微塵に砕け散っていった。

 

「……オリンピア軍の機動力、戦闘力、物量、戦略などは、全てこちらの予想を超えていた。この戦いは我々の負けだ」

 

現実はあまりにも残酷だった。敵軍によって、閃光と爆炎に揉みしだかれる街を見つめている、王総統は力なく言った。

民進党の伝統である台湾独立主義を貫き、長年の悲願でもあった日台同盟を果たし、アメリカと台湾の間に結ばれた『台湾関係法』という、一種の軍事同盟もあるものの、この戦いにかけて、台湾軍は悉く追いやられ、電撃戦の名を相応しい急進に右往左往する台湾軍は各所で寸断され、オリンピア軍に撃破されていき、動乱の淵に突き落とすかのように、恐怖はまだ始まったばかりだ、と、誰かの宣言したどおり、その嵐はやがて大陸を超えて、日本にも襲い掛かっていく。

 

オリンピアの占領区域、或いは植民地化された今、インド洋やマラッカ海峡もオリンピアの支配下に入り、日本のシーレーンも当然脅かされる。

 

台湾制覇という、中南海の野望においては、ほんの始まりに過ぎなかった。

 

台湾攻略が一段落後、すぐにオリンピア・深海連合艦隊は尖閣諸島、東シナ海の海底油田地帯に差し向けた。

この場所はかつて日中境界線にそった中国側の石油掘削リグと境界線を挟むようにしていた。今は日台境界線として、日本側のリグが活動している。他に平湖、白樺(台湾名は春暁)、樫(台湾名は天外天)、翌檜(台湾名は龍井)、楠(台湾名は段橋)が交錯している。

この場に配置された艦船部隊は、各種深海棲艦、ミサイル駆逐艦、フリゲート、合わせて30隻。此れらが尖閣諸島から日台境界線ともいえる石垣島、最も近い宮古島に掛けて広く展開した。

昔から言われた『昨日の台湾は、明日の日本』という言葉を表わすように、現実は遥かに事態を超えていることになったのだった。

 




今回はタイトル通りの展開に、もとい『超日中大戦』のような展開になりました。
今回もCoD MWシリーズみたいに現代戦を上手く描写出来たか不安でしたし、何とか今月中に投稿出来ましたから良かったのであります。
オリジナル展開にさせたり工夫するのに結構時間も掛かります故に、モチベーションが上がったり下がったりしますが故に、新作も考案及び執筆しながらでしたので遅くなりました。
本当に申し訳ない(メタルマンふうに)

では、次回予告になりますが……
次回はいよいよあの人物の登場回となります。大変お待たせしました。度々出てはいましたが、本格的に介入するためにあの人物が登場するのでお楽しみください。

???「また皆様に会えるのを楽しみにしていますよ」

それでは、第80話まで…… До свидания(響ふうに)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。