第六戦隊と!   作:SEALs

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お待たせしました。
短めながらも相も変わらず備長告知をお許しください。
令和初の良いニュース。5月6日に故ポール・アレンの調査チームが古鷹を発見した事を知り、嬉しくて感涙するSEALsです。
私が艦これを始めたきっかけを作ってくれたのは、古鷹たちや三川中将などのおかげであります所以、第六戦隊提督として、とても嬉しいニュースです。次は加古や衣笠なども見つかると良いですね。

それでは、本編突入ですが……
前回の後書きに書いた予告、今回もまた申し訳ありませんが、一部を変更している事をお伝えします。

御理解とともに、御了承頂ければ幸いです。
そしていつも通りですが、最後まで楽しめて頂ければ幸いです。

では、本編開始です。どうぞ!


第47話:黒鉄の巨魔 後編

とある敵指揮官の企み、陽動作戦が展開されていることに、提督たちは気づかずに前進し続けた。

相変わらず敵味方が交わり合う激しい空中戦に伴い、双方の攻撃によって作られた爆焔の華が絶えない蒼空では、変化が起き始めた。

 

「味方の支援機が来たな」

 

元帥が口を開くと、提督たちが空を見上げた。

彼女の言う通り、遥か上空から接近してきた飛行物体が姿を現した。鋼鉄の猛禽類を思わせるMQ-9《リーパー》の群れとともに、鏃型の未確認飛行物体、UFOを模倣させるような機体と機動性などを兼ね備えたMQ-47C《ロードスター》やMQ-170《センチネル》などを中心とした無人戦闘攻撃機部隊が展開された。彼らだけでなく、全ての味方が待ちに待った反撃の狼煙。この支援機の増援及び、奇襲攻撃により、オリンピア軍の戦闘機と無人航空機部隊は対応し切れず、次々と撃ち落とされる光景が見えた。

 

ならば、こちらも急いで新たな生存者を見つけ、オリンピア軍と深海棲艦も撃破しなくてはならない。

幸いにも端末機の情報によると、古鷹たちの艤装が保管されている軍用格納庫まで、もう少しで辿り着く予定だ。近くの多目的軍用空港などに味方のF-64統合打撃戦闘機があれば、上空に舞い上がり、敵空中航空母艦と敵機部隊、深海棲艦部隊も撃滅することが出来る、と提督は確信していると――

 

「奴らめ。またコソ泥を」

 

近くの公共広場に建つ雑貨店で、オリンピア軍兵士がいた。

またしても戦利品漁りをしているのか、と、提督は呟いた。

狙撃しようとしたら、こちらの視線に気づいたのか、彼女たちは戦いもせずに蜘蛛の子を散らすようにして逃げ出した。

応戦もせずに逃げるとはおかしいな、と、彼らは呟いた。

 

「とりあえず追ってみよう、逃げ出した理由もある筈だ」

 

提督の言葉に、全員が頷いた瞬間。

 

《元帥に仕え、艦娘らを恐怖支配し、自らを帝王と気取る哀れな提督どもに伝える。私は音無桐子大尉だ》

 

思わず彼は『お前はなにを言っているんだ?』と、探す手間が省けたな、と思いつつ、全員に見つからないように注意を促し、古鷹たちは各々と近くの雑木に隠れた。すぐさま双眼鏡で声が聞こえる方向に合わせ、その声の主を確認した。

双眼鏡越しに見えたのは、拡声器を手にそう告げた音無桐子という名の女性指揮官。彼女とともに、15名の完全武装した黒尽くめの敵兵たち、2名の重装甲兵士、そして少し離れた場所には2台のウラル-4320輸送トラック。1台は通常型、2台目はキャビンと荷台に装甲を施し、対空機関砲ZU-23-2を積載していたガントラック。

重装甲兵士とガントラックに護られているのか、戦場でわざわざ名を名乗るのは、自己顕示欲の表れだろうかと呟きつつ、一同が様子を伺う。

 

《何処に隠れているかは知らないが、降伏しなければ……》

 

音無桐子が顎を、クイッと動かした。

直後、背後にいた兵士たちが動き出し、ウラル-4320の荷台から、ある人物たちを無理やり引っ張り出してきた。

 

《貴様らのせいで、ここにいる海上護衛空母の神鷹ちゃんと、防空駆逐艦の涼月ちゃんという可愛い艦娘たちが死ぬことになるわよ?私たちが殺すのではない。貴様ら無能な提督どもが彼女たちを殺しに来たのだ》

 

戯言に伴い、挑発の言葉を聞いた瞬時、提督の側で様子を伺っていた初月は動揺が表れた。

 

「涼月姉さん!」

 

今にでも飛び出そうとする彼女を、五月雨が押さえた。

 

「初月ちゃん、ダメだよ!いま飛び出したら、殺されちゃうよ!」

 

「だけど早くしないと、涼月姉さんが!涼月姉さんが!」

 

しかし、それでも振り解こうと抗う初月に対し、提督の剛腕で両肩が押さえられ、ふたりの懸命な努力で冷静さを取り戻した。

 

「落ち着け、初月。奴らは人質を殺さない。彼女たちを餌に、俺たちを誘き寄せ、油断した隙に俺やくっしーを射殺し、元帥やお前たちを捕らえる作戦に違いない」

 

「そんな……危うく、僕がみんなを……」

 

自分のせいで危うく提督たちの命を落とし兼ねない行動に出たことに

自責する彼女に、提督は責めることなく、彼女を落ち着かせるために撫でた。

 

「俺だって古鷹たちがそうなったら、お前みたいになるさ。だから、責めることはない。必ず助けるから安心しろ」

 

「……うん」

 

「五月雨。すまないが、初月を頼む」

 

「はい。おまかせください」

 

提督が促すと、初月は小さく頷いた。

彼は宥め終わると、彼女を頼むように五月雨にまかせた。

 

「古鷹、加古、青葉、衣笠。俺は暫くの間、姿を消す。これを渡すから、プランBになったら頼んだぞ」

 

『はい。提督(司令官)』

 

提督は、古鷹たちにとある銃を手渡した。

彼はC4プラスチック爆薬や時限信管といった必要な装備品を携えた。のちに彼女たちの額に軽くキスをし、そして抱き締めた。

準備完了、救出作戦開始。全員が頷くと、先手を打つ提督は左手首に装着している端末機を操作すると同時に、仲間であり、大切なひとり娘てもある初月を泣かした罪を償わせ、そして卑劣なテロリストたちから囚われの身となった人質たちを助けるために行動を開始した。

 

 

《彼女たちの命は貴様らの手に掛かっている。そちらが降伏するだけで、人質の命が救われる》

 

提督たちによる救出作戦が行なわれていることを知らずに、心理戦という変わらず挑発をし続ける音無大尉と、彼女の部下たちは退屈そうに周囲警戒に伴い、呑気に会話を楽しんでいた。

黒尽くめや重装甲兵士たちは、ここに来るまで警備隊はおろか、あらゆる無抵抗な男性たちなどを殺し、挙げ句は、その死体を積み重ねた後、油を掛けて焼却処分した自慢話や、命乞いした民間人を様々な拷問で食肉処理場の家畜のように殺害したことを思い出しただけでも嬉しさとともに浮かべた指揮官の美しき表情、あの恍惚な笑みが忘れられないなどと話していた。

 

――外道めっ。

 

兵士たちの話を聞いた提督は毒づいた。

民間人をゴミでも焼くように遊び感覚で殺している。そう思うと、腸が煮えくり返る思いだったが、この怒りはこいつで受けてもらおう、と彼はC4爆薬を取り出し、ガントラックの下部にセットした。

敵も、まさか車輌の下に提督が潜り込むとは思いもしなかった。ましてやここまで誰ひとりも提督に気づくことすらもない。

 

――明石と夕張がまた新しく開発してくれたアビリティ、クロークのおかげだな。

 

提督が先ほど端末機で起動させたものは、光学迷彩で自身を覆い隠すクローク機能。一定時間ではあるものの、使用者が半透明になり、敵に視認されにくくなるという機能である。

謂わば透明人間状態と化し、隠密作戦向けの優れた機能でもあるが、クロークを起動中に動き続けると、エナジーセルを消耗してしまい、使い果たしてしまうと自動的に解除される仕組み、サーマルなどには探知されて映ってしまうなど弱点もあるから過信は出来ない。

上手く活用するには隠密行動を重視し、なおかつ長時間使用する際は、遮蔽物に隠れている間にクロークを解除、チャージさせた直後、再び起動させれば大丈夫だとのことだ。

だが、幸いにも、ガントラックの運転手などはみんな律儀なのか、それとも単に間抜けなのか、前方にしか警戒態勢を敷いていなかった。

また会話でクロークの起動及び、解除時に発する音を搔き消してくれる。双方のおかげで解除中は周囲に姿を曝け出す隙も短くて済む。

 

《止められるのは貴様らだけだ。無能な貴様らの選択肢に掛かっている。それとも殺したいためにわざわざ出向くとは、とんだ人でなしだな》

 

僅かな隙間から見えたが、音無桐子は、人質たちを利用し、俺たちが今かと飛び出して来るのではないかと嬉々していた。

彼女が発する挑発の最中、右手に携えた銃、かの有名なクリス・ヴェクター短機関銃を元に、デュアルマガジン方式に改装し、継戦能力を高めたKarma-45短機関銃を早く撃ちたいなという気持ちを込み上げていたほど緩みきっていたのだからだ。

新兵のように気持ちが高ぶる者は、戦場で予知せぬ出来事に遭遇した場合は脆くも壊れるものだと、提督は胸の内に呟いた。

 

――さて、次は所定の位置に就くか。

 

プランBの準備完了。設置後、最大限までチャージされたエナジーセルを確認、クロークを起動、再び透明人間と化した提督は、ガントラックの下から匍匐で這い出て、所定の位置に移動したのだった。

 

 

「全員、配置に就いたか?」

 

元帥が言った。

彼女の声が、各自の通信機に届き、すぐさま返答が来た。

 

《こちら、ゴースト。準備完了》と提督。

 

《こちら、シックス。配置に就きました》と古鷹たち。

 

《こちら、アイザック。いつでも準備完了》と久島たち。

 

好きなキャラを付けたコードネームで返答、全員配置完了。

元帥の後ろで狙撃体勢を構える香取と鹿島、ふたりの援護を務める五月雨と初月は頷いた。

 

「では、少しばかり女優になるか」

 

元帥は微笑しながら、手を上げてゆっくりと姿を見せで近づいた。

腰には愛刀を携えていたが、プランBが来るまで抜刀しない。

本当に出向くという予想に反した行動に驚いた全ての兵士たちは銃を構え、照準をすでに合わせていたが、音無大尉は銃口を下げるように促した。

 

《ほほう。貴女が元帥ですか? 全ての提督たちを指揮し、連合艦隊最高司令官として相応しく、大変お美しい方ですね。戦争でなければ、貴女をお茶会お誘いし、私が奏でる優雅なバイオリンの演奏を披露させたいところですね》

 

「……それはどうも」

 

嫌な口説きに対し、元帥は冷静な表情を崩さなかった。

冷静な彼女に対し、音無たちは元帥を人質に取ったつもりで勝ち誇ったと余裕のある笑みを浮かべていた。

それに相変わらず拡声器を捨てず、話しているから耳障りだが、寧ろ会話に夢中になってくれた方が都合がいい。

 

《ふふふ。再びこの場にいる無能提督どもに告ぐ。貴様らの元帥が降伏しに来たぞ。今すぐ降伏すれば命だけは助けてやる!私は慈悲深いから安心するがいい!この愚かな戦乱と混沌な世界を、男どもが歩み続けた歪んだ世界を、我らの聖母であるグランド・マザーとともに築く新たな世界秩序が世界平和と安定、そして幸福を約束してくれる!》

 

音無大尉は、再び降伏勧告を促し、終いにはカルト宗教の教祖による勧誘宣伝を告げた。

未だに、提督たちの詳細な位置は概ねでしか掴んでいないのだ。

分かっているならさっさと元帥は拘束して、周囲を捜索するくるに違いない。

 

「各員。プランBだ」

 

救いようがないな、と悟り、囁くようにして入った通信は、提督たちに伝わった。

提督は、起爆装置を取り出したのと、相手が反応を見せないのに苛立った敵の指揮官が、また拡声器で声を張り上げだすのはほぼ同時の出来事だった。

 

《何を呟いたのですか、元帥閣下?》

 

音無大尉が訊ねた。

 

「そうだな。キミたちに対して、最後に言い残すことかな」

 

《良いでしょう。愛の告白ならば受け入れますよ》

 

間抜けな指揮官で良かったな、と、元帥は口を開いた。

 

「今の世界は確かに戦乱と混沌な世界で最悪だ。日本を含めた全ての世界を変えなければいけないことは山ほどある。だが……古い世界の決まり事で、今でも変えようのないもの、将来も変わらないことがある」

 

彼女の言葉に、音無たちは怪訝な顔になった瞬間、提督はスイッチを押した。

 

「テロリストとは交渉しない」

 

その台詞と同時に、プランBが発動された。

音無大尉たちを護っていたウラル-4320ガントラックは、爆発、炎と衝撃に包まれて大破炎上した。傍に駐車した通常型に乗車していた運転手は逃げる暇もなく、爆発に巻き込まれて死亡した。

その場にいたオリンピア軍の誰もが、何事かと後ろを振り返った。

 

――今だ!

 

提督は、C4爆弾の遠隔操作スイッチを放り投げて、クロークを解除して姿を現した。直後、素早く拳銃ホルスターからH&K USP自動拳銃を引き抜き、オーバードライブを発動する。

スローモーションのように流れる感覚を利用し、敵兵の頭部を狙う。

二重の驚きに対処しきれなかった音無大尉の兵士たちはなす術なく、彼の銃撃を受けて転倒した。他の兵士たちも同じく久島及び、香取たちの狙撃を受けて、反撃をする暇もなく、片っ端から薙ぎ倒されていく。

 

『この卑怯者めがっ!!』

 

提督を殴り殺そうと2体の重装甲兵士が動き出し、鋼鉄の巨人たちが重なり合う瞬間、スコープで捉えた古鷹がある武器の引き金を引いた。その瞬間、一筋の眩い閃光が迸る。

彼が彼女に手渡した武器、それは特零式レールガンだ。

防衛省が開発した特殊兵器であり、米軍が開発したレールガンを対重装甲歩兵携行用火器として、携行可能な大きさに改良された重火器である。チャージによる射撃後は1発毎にリロードをしなければならないが、その圧倒的な火力は、あらゆる対人兵器としては最強のクラスを誇るとも言われる。

偶然にも飲食店に置いていたものを、提督が拝借したのだ。

 

特零式レールガンの咆哮を上げ始めた閃光、数百以上の電磁石に大電流が送り込まれ、鋼鉄の高性能炸薬弾を加速する。長い銃身全体で加速が続き、運動エネルギーと爆発の威力を組み合わせることにより、最終速度を誇る光弾が発射された。

いち早く気づいた提督は、すぐに重装甲兵士たちから距離を離れた。拳を振り下ろそうとした鋼鉄の巨人たちは、奇妙な音がする方向に振り返った途端、目視出来ぬ飛翔体が身体のど真ん中に直撃、胴体は吹き飛ばされて死亡した。さらに撃ち抜かれた光弾は、もうひとりの重装甲兵士にも襲い掛かり、死亡した相棒と同じ運命を辿り絶命した。

金属部品と鮮血の雨、引き千切られた胴体や腕の一部が近くに落ちだが、彼はそれを気にすることなく、音無の傍にいたひとりの護衛兵を撃ち抜いた。

 

「来るな、この汚らわしい男がーーー!!!」

 

絶叫する音無大尉と、三人の護衛兵たちが、提督を射殺しようと銃口を向けたが――

 

「背中がガラ空きだ」

 

元帥は素早く抜刀し、手入れが万端な刀は鍔鳴りはなく、実に静寂な音に等しいものだ。彼女の掛け声とともに打ち下ろされた日本刀は、まるで月の光を浴びて氷のように煌き、恐ろしくも神秘的な美しさを兼ね備えていた白刃が風を斬るように、音無たちを躊躇なく斬り伏せられた。

 

「許せ……」

 

元帥が日本刀を鞘に納めた直後、音無たちは悲鳴を上げながら、糸が切られた操り人形のように力尽きながら倒れた。

 

「クリア」

 

「オールクリア」

 

敵部隊殲滅に伴い、要救助者確保。

元帥は安堵な笑みを浮かべると、提督も同じく微笑した。

無事に救出したこと、援護を頼むと、ただちに後方で待機していた古鷹たちがやって来て、周囲に敵部隊がいないか確認する。

 

「提督、周囲にオリンピア軍いません!」

 

「そうか。くっしーと香取たちと引き継ぎ警戒を。初月。お前は涼月を、俺は神鷹を解放する。五月雨は医療キットの用意を」

 

『了解しました!!!』

 

「うん。分かった」

 

「はい。提督!」

 

古鷹の報告を受け、提督は頷いた。

同時に、人質たちの解放及び、応急処置の指示を出した。だが、音無たちは何故あの様な派手な行動に出たのか、疑問に思えた。まるで自分たちを見つけてくださいとばかりに。

 

彼は何がおかしいと思いつつ、人質たちの目隠しを取り外した。

自分たちを味方と分かっていたが、ふたりは酷く怯えきった様子をし、何かを告げようと、もごもごと口を動かしていた。

 

「もう大丈夫だ。俺たちが助けに来たから安心しろ」

 

「涼月姉さん。もう大丈夫だから」

 

提督と初月が落ち着かつつ、猿轡とタイラップを外した。

解放されたことに、神鷹と涼月は『ありがとうございます』と、礼を言い終わると、すぐさま提督たちにこう告げた。

 

「あの……早く、逃げてください。私たちを置いて……」

 

「神鷹さんの言う通り、皆さん早く逃げてください!これは奴らの罠です!この部隊は囮部隊で、私たちは貴方たちを誘き寄せるために用意された餌なのです!」

 

彼女たちが警告を促した。

ふたりが告げた真実。これは罠だったと知った、まさにその瞬間だった。ドシンッと、異様な大音響が、全員の鼓膜を震わせた。

 

「何の音でしょう、提督……」と古鷹。

 

「分からない。ただの地震でないことは確かだ」

 

その音が、次第に近づいてくる。

大地を揺るがせ、接近してくる大音響の中、遠くに聳え立つ高層ビルが巨人の拳を受けたかのように、脆くも崩れ去った。

 

「なんだ、あれは……」

 

提督が言った。

砂埃の中に、振り立てられた長大な砲身が浮かび上がった。

最初はユニコーンの一角と見違える者もいたが、それが要塞攻撃用の重砲だと気づくのに、長い時間は掛からなかった。

それに伴い、巨大なビルには、あまりにも禍々しいほど見渡す限りの巨大な車体を、この巨大なタイヤと、比較的小さな無数の履帯が支え、土を押し分けるようにして向かって来る。

 

最新鋭多脚戦車T-600《タイタン》など、あらゆる最大の戦車砲でも、傷もつけられない装甲を持つ攻城を模倣した車体が、1門の重砲が突き出した砲塔を載せたまま進撃する。その禍々しい姿は、とても陸上兵器のものとは思えない。否、ドイツ第三帝国がかつて開発計画として考えていた陸上戦艦という名が相応しい巨大戦車《ラーテ》と、P-1500《モンスター》のように頑強極まるものだった。

 

深海棲艦や海賊など戦い慣れ、さしもの怖いもの知らずの提督たちも、今回ばかりは眼を見開いて、言葉も失うほど驚愕したのだった……

 




今回は救出作戦に伴い、またキリが良い、次にボス戦という展開になる場面という中途半端で終わりました。

CoD AWでこのクロークを行う潜入任務ステージが好きで、なおかつオーバードライブと同じく、好きなEOX機能のひとつです。
Bo2ではステルス迷彩服を着ながら、ステージも好きですが。

名前だけですが、MQ-170《センチネル》という無人攻撃機はオリジナル……というよりは元の機体はRQ-170無人偵察機を攻撃機に改装した無人攻撃機です。外観はHo229に近くかっこいい機体です。
イランがこれを鹵獲、コピーしたと思われる新型無人航空機"シームルグ" を公開したり、サーゲルという無人攻撃機に発展したなどで有名になったが、ステルス性能はガーヘル313同様に不明という……
イラン空軍と言えば、貴重なF-14が現役なのが印象ですが。

特零式レールガンの元ネタは、Flash黄金時代で夢中になった艦船ゲームに登場する最強兵器名を、HALO4やバイオハザード ヴェンデッダなどに登場するレールガンを参考にしたオリジナル兵器であり、私が考えた兵器ではお気に入りのひとつです。

今回もまた好きな軍事ネタなど盛り込んでいますが、全て説明すると書き切れないものですから御了承くださいませ。

では、次回は長らく大変お待たせしました。
この攻城兵器と提督の戦いが始まります所以、彼のエグゾスーツ・カスタムに搭載されているある兵装が活躍しますので、次回もお楽しみに。

では、第47.5話まで…… До свидания((響ふうに

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