第六戦隊と!   作:SEALs

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お待たせしました。
今回はイベントなど色々とありました所以、1ヶ月も待たせてしまい遅れてすみません。

それでは、気分を改めて……

いつも通り、楽しめて頂ければ幸いです!どうぞ!


第40話:温かい看病

提督&第六戦隊邸

時刻 0830

 

ピピピッ、と、体温計から小さな電子音が鳴り響く。

 

「38度5分……これは完全に風邪ですね」

 

提督の脇に挟んだ電子体温計を取り出した青葉は、小さな液晶画面に表示された体温を見て、心配そうに呟いた。

 

「うわぁ……おでこも熱いよ」

 

心配そうな表情を浮かべる衣笠は、ベッドの上で布団に包まって赤い顔をしている提督の額に、自分の額を当て、その肌の熱さを感じた。

 

「氷枕、用意しますね」

 

「冷却シートも貼らないとな」

 

同じく心配そうな表情をする古鷹と加古。

古鷹は、戸棚から青色の氷枕を取り出し、冷蔵庫の冷凍室から冷たい氷を適度に取り、氷枕の中に入れ、なお氷を長持ちさせるために、一掴みの塩も入れた。そして金口をしっかりと留める。布団が濡れないようにタオルで氷枕を包み、提督の後頭部に、そっと氷枕を敷いた。

 

加古は、トテトテと戸棚の上に置いてある救急箱から『冷却アイスシート』を1枚取り出し、ひんやり、と冷感が漂うシートをペタペタと両手で提督の額に貼っていく。

 

「相棒も大丈夫か?」

 

提督の側には、《震電改二》水観妖精こと、相棒も風邪を拗らせ、古鷹たちに似た艤装妖精たちに看病してもらっている。

相棒はハンドサインで『大丈夫だ』と出来るほどの体力はあり、提督は『そうか』と頷いて安心した。

 

「俺も治った。だから、大丈夫だ……」

 

『寝ないとダメ、提督(司令官)!!!!』

 

提督は、高熱と咳に堪えながら言った。

すぐに古鷹たちに寝かされ、提督はほのあかるい室内のインテリも落ち着いた雰囲気を醸し出す自分たちの自宅の天井を見て、日頃の無理も祟ったかな、と、独り言をぶつぶつ呟いた。同時にため息も洩らした。

人類の戦いの歴史は、人類同士の戦争に伴い、もうひとつの戦いとも言える『ウイルス』との戦いの歴史でもあったことも知っている。

 

14世紀のヨーロッパ大陸では、当時『黒死病』とも言われ、人々から恐れられた『ペスト』。その時には、ヨーロッパ大陸に住む人々が3分の1が死亡した。

 

1918年では『スペイン風邪』が蔓延、感染者が6億人以上、且つ、死者は5000万人以上にものぼった。

しかも当時は、WWⅠの戦死及び、戦闘活動中に死亡した死者数を上回り、これが原因で戦争終結の道を辿ったとも言われている。

 

近年でもインフルエンザなどの数々のウイルスも、医学の進歩を武器にし、これらを駆逐した人類だが、『風邪症候群』と言うものに対しては、未だに如何ともしがたいというの現状でもあった。

 

「今日の艦隊指揮は、無理ですね」と青葉。

 

「……うん。そうだね」と古鷹。

 

「提督以外にもいるもんね。風邪」と衣笠。

 

「あたしらも手伝わないとな」と加古。

 

古鷹たちの言う通り、提督と水観妖精以外に風邪で寝込んでいる者たちがいるほど悪質な風邪症候群だ。

扶桑たちが看病の手伝いを行っているとは言え、買い物や食事の用意などもしなければならない。

提督は『このような事態になるとは情けない』と呟き、再度ため息を洩らすと――

 

「提督は何時も何時も、自分を背負い過ぎですから」

 

「こういう時ぐらいは、衣笠さんたち夫婦に頼って良いんだよ」

 

「そうだな。あたしらも買い物や食事の用意以外の用事がないからね」

 

「良くなるまで…お側で青葉が看病しますから安心してくださいね」

 

古鷹たちの言葉に、提督は安堵の笑みを浮かべた。

大好きな古鷹たちが側にいることに、心の底から優しい温もりを感じ、そして嬉しかった。

 

「……ありがとう、みんな。少しばかり寝る」

 

『はい。おやすみなさい』

 

提督は、双眸を落とし、ゆっくりと就寝した。

側にいた相棒も提督と同じように、安心した表情を浮かべて、ゆっくりと就寝したのだった……

 

「私たちもお手伝い頑張ろうね」

 

「こういう時こそあたしらも頑張っていかないとな」

 

「はい。司令官のために頑張りましょう」

 

「うん。みんなで手伝えば、風邪も怖くないんだから」

 

『えいえいおー』

 

就寝中の提督たちを起こさないように、気遣いつつ、古鷹たちは、そっと出掛けて行く。

なお、今日の秘書を務める青葉は、古鷹たちに留守番を頼まれ、看病及び、買い物などの手伝いから戻って来るまで看病に勤めるのだった――

 

――さあ、古鷹たちが戻って来るまで、青葉が司令官のお側で看病任務に勤めますね!取り合えず青葉、これに着替えて看病しますね!

 

 

『へっくちゅん。……提督(司令官)の方は甘い看病になりそうね……』

 

タイミング良くくしゃみをした山城・赤城・大鷹・龍田・如月・皐月・文月・弥生・ヒトミ・イヨは、予想を呟いた。とは言え、慣れていることに慣れているが。

 

「みんな大人しくしないとダメよ」と扶桑。

 

「着替えも用意して」と加賀。

 

「風邪薬と水も人数分と」と鳥海。

 

「のど飴も置いておくからな」と初月。

 

「半纏もあるからね」と由良。

 

扶桑たちも看病をしていた。

風邪を引いていない子たちは、大勢で押し掛けたら迷惑であることを気遣い、代表として初月・五月雨・睦月が、明石・夕張の酒保に陳列したのど飴、桃やフルーツの缶詰などを見舞いの品々を購入して届けた。

 

『手伝いに来ました(来たよ)』

 

古鷹たちも加わり、鬼に金棒、虎に翼と言うことは、まさにこの言葉通りである。

こういう非常時こそ、みんなで温かく助け合うのが仲間であり、そして家族なのである。

 

「ホットドリンクも作って来たから飲んでね♪」

 

「みんなの分もあるからね」

 

「火傷しないように気をつけるんだぞ」

 

古鷹たちは、レモンとはちみつ、そしてすりおろしたしょうがを混ぜたお手製の風邪に効く温かい飲み物――特製ホットドリンクを作り、持参して来た。

山城たちは、マグカップを受け取り、甘い香りのするホットドリンクを一口啜った。

 

『温まる〜〜〜』

 

山城たちは、口を揃えて答えた。

同時に、この黄金の組み合わせを考え、見つけた人は偉大よね、と、感謝した。

山城たちの素直な感想が聞け、古鷹たちも、良かった、と、安堵の笑みを浮かべた。

風邪の定番とも言える卵酒は、加熱でアルコール分は無くなるが、味に好みが分かれるため、誰でも飲みやすいレモンやはちみつと言う黄金の組み合わせとも言えるこのホットドリンクを作ったのだ。

因みに、何処かの鎮守府では、風邪で寝込んだ提督のために風邪のウイルスどころか、患者すらぶっ潰すほどの脅威の手作り卵ウォッカを作った艦娘が、その提督に飲ませて風邪を治した功績があるらしいが。

 

『それじゃあ……みんなで頑張ろうね』

 

そう呟き、軽くハイタッチした。

 

 

提督&第六戦隊邸・寝室

時刻 1145

 

昼食の時間帯に近づく頃、提督は再び起きた。

ぼんやりと横になったまま、枕元に置いてあるスマートフォンで時間を確認した。

俺は昼食前まで寝ていたのかと、提督は呟きつつ天井を眺めた。提督の隣にいる水観妖精も同じく起きて、提督と同じように天井を眺めていた時だった。

寝室まで聞こえるトントン拍子を奏でる音、その正体はキッチンの方からだ。青葉が包丁で食材を切り、何かを作っている音、そして微かに鼻腔をくすぐる料理のいい香りが、室内に漂って来た。

 

――昼食は、なんだろうな?

 

提督が呟いた途端――ガチャッ、と扉が開き、ナース服姿の青葉が入室した。

 

「司令官。ちょうど良いタイミングで起きましたね〜♡」

 

普段の制服から、白衣の天使、セクシーなナース姿の青葉を見た提督は、りんごのように淡い赤色に顔を染めつつも答えた。

 

「可愛いナースさんに看病されて、俺は昇天してしまう」

 

「大袈裟ですよ。司令官〜♡」

 

「よく似合っているし、可愛くて見惚れてしまう」

 

「はう〜♡」

 

青葉は、提督の言葉に嬉々した。

嬉しいの余り、提督に近づき、そして――

 

「司令官、ありがとうございます。……それから、司令官が早く治るおまじないを、青葉掛けちゃいますね♡」

 

提督の前髪をそっと掻き分け、青葉は提督の額にキスをした。額からひんやりとした感触が伝わる。

額にキスは『友情の証』とも言われているが、提督夫婦からしたら、夫婦仲をより深める愛情表現のひとつでもあるのだ。数秒後――青葉は額のキスを終え、ウインクをした。

 

「えへへ。司令官♡」

 

「青葉、ありがとう」

 

「それじゃあ、昼食にしますけど食欲はありますか?」

 

青葉の問いかけに、提督は頷いた。

 

「もちろんさ、青葉」

 

その証拠に、提督の腹から、ぐうっ、と、腹の虫が鳴いたのだった。

 

「では、持ってきますね♪」

 

嬉々しながら青葉は、キッチンから出来上がったばかりの料理が入った土鍋が乗った御盆を持ってきた。

 

「は〜い。風邪の時は温かいものを食べて、新陳代謝を良くするのが一番です♡」

 

天使の微笑みを浮かべ、提督の目の前に置かれた料理が置かれ、青葉は火傷しないようにタオルで土鍋を包み込み、そしてゆっくりと蓋を開けたのだった。

湯気がこみ上げ、鰹と昆布の混合出汁特有の芳醇な香りとともに、土鍋の中に閉じ込められたあらゆる具材の匂い、これら全てが一体化して、より食欲を増進させる。そして少しずつ湯気が薄れ、土鍋の中に隠れた料理が姿を現した。

 

「おおっ、鍋焼きうどんか!」

 

提督が言った。

 

「はい。みんなで決めて鍋焼きうどんにしました。少しでも口に入れてスタミナをつけてくださいね♪」

 

「そうだな。では、いただきます!」

 

提督は手を合わせて、合掌した。

水観妖精も合掌し、提督とともに食事を取る。

彼もまた鍋焼きうどんであり、妖精用の食器に盛り付けられている。

古鷹たち似の艤装妖精たちも、セクシーなナース服を着用していた。提督は艤装妖精たちも主人に影響を受けるのかもしれないな、と呟きつつ、箸をのばした。

 

ズズズ、と、出汁が絡まったうどんを啜る。

適度に噛みつつ、レンゲで掬った黄金色に透き通った出汁を飲むと、空っぽの胃袋に染み込んでくる。

うどんと出汁だけでなく、つゆを吸って、旨みを纏ったエビ天や鶏肉、かまぼこ、ほど良いフルフルの半熟卵が持つ旨みとコク、しいたけとほうれん草、ねぎの素朴な風味が溶け合い、より味を豊かにさせる。

それにほうれん草とねぎを多めに入れてくれるところに、青葉の優しさも伝わる。

 

「うまい。うまいぞ、青葉」

 

風邪で疲れた身体及び、五臓六腑に染み渡るとは、まさにこの事だな、と、提督は顔が綻んだ。

側にいた水観妖精こと、相棒も同じ表情を浮かべた。

 

「えへへ。ありがとうございます、司令官」

 

青葉は、良かった、と微笑んだ。

 

「食べ終わりましたら、用意した風邪薬を飲んで、汗を拭いて安静にしましょうね♡」

 

青葉は、ウインクした。

 

「ああ。よろしく頼む」

 

 

数分後――

 

「ごちそうさま」

 

提督は、食事を終えた。

辛い風邪で掻いた嫌な汗ではなく、心地の良い汗が出て、気持ちがいいぐらい体調も回復した。

 

「お粗末様です♪」

 

完食した様子を見て、青葉は嬉々した。

これだけ食べれるなら、治るまではそんなに時間は掛からないから大丈夫かな、と思うと嬉しくなったのだ。

 

「では、お薬も飲み終えましたし……次は身体中の汗を拭いて安静にしましょうね♡」

 

「お手柔らかにな」

 

「はい。司令官♡」

 

青葉は、てきぱきと、手慣れた様子で提督の寝間着をはぎ取る。側にいた相棒を看病する艤装妖精たちも同じように寝間着をはぎ取り、汗を拭いていた。

 

「では、こちらも汗を拭き取りますね」

 

温かい蒸しタオルで、提督の身体を拭いていく。

寝間着を脱いだ自分の背中を、青葉の手にした温かい手拭いが撫でて、その温かさが随分と心地よい。

 

――身体を拭いて貰っているだけだが、この気持ちよさはひとしおだな。

 

「大丈夫ですか、司令官?」

 

「ああ。大丈夫だ。寧ろ眠くなるほど気持ち良い」

 

「そうですか。良かったです♪」

 

青葉は、気遣った。

汗だくになった身体を拭い、余計に悪くならないか、と心配してくれている。

提督からしたら、この優しいマッサージが気持ちいいせいか、上体から力が抜け、眠りに誘われるほどだ。

 

「はい。司令官、終わりましたよ」

 

「おっ!ありがとう、青葉」

 

青葉の手拭いが離れた。

提督は、さっぱりと清々しい気持ちになったことを確認した青葉は新しい寝間着を手渡した。

 

「では、新しい寝間着に着替えましょうね♡」

 

提督は、新しい寝間着に着替え始めた。

汗を掻いた上体は、風呂やシャワーを浴びたと言うぐらいほど極楽にも、温かさにも満たされた。

そして今朝の辛かっただるさも消え、顔色や体調も大分良くなった。隣にいる相棒も然り。

 

「気分もさっぱりしたし、体調も大分良くなったな。青葉たちのおかげだよ」

 

「青葉は、当然のことをしたまでです♡ 青葉たちは夫婦ですし、いつも司令官に愛されている恩、その御返しで…それ以上のことなんてないですよ♡」

 

嬉しさに伴い、照れ隠しする青葉。

 

「それでもな……ありがとうな」

 

提督の爽やかな微笑み、この不意打ちを受けた青葉も思わずドキンと胸をときめかせた。

 

――不意打ちですよ、司令官♡

 

青葉は、自分のリンゴのように紅く染めた両頬に、両手を自ら抱き締めるように嬉しさを表した。

嬉しさのあまり、青葉は――

 

「あ、青葉?」

 

提督に抱きつき、そっと優しく押し倒した。

 

「司令官は狡いです。罰として青葉と一緒に安静しましょうね?」

 

「もちろんさ」

 

この添い寝状態且つ、潤んだ瞳の前には敵わない。

提督は、青葉と密着して、そのまま抱き締めた状態で、双眸を落として眠りについた。

安心したのか、ほんの数秒で、すやすやと静かな寝息をたて始めた。

青葉は、提督の寝顔をうっとりと眺めた直後、同じく双眸を落として眠りについたのだった……

 

 

夕方――

 

提督は、うっすらと瞼を明け、起き始めた。

食事と薬を取り、青葉に汗を拭って貰い、そのうえ添い寝で一緒に休んだ甲斐があってか、自分の体調もすっかり快復していた。

今日で二度寝どころか、三度寝をしたな、と思いつつ、まだ夢の中で過ごしている青葉、その可愛い寝顔を眺めていた。直後――

 

「……んっ」

 

ほんの少し遅れ、青葉も起きた。

 

「おはようございます。司令官」

 

「おはよう。青葉」

 

「青葉も司令官と寝ましたね。えへへ」

 

「ああ。青葉の可愛い寝顔も見れたから良かったよ」

 

「司令官!」

 

提督は、青葉をからかった。

再び白くて魅力的な肌が、耳まで紅く染まった。

癖毛も嬉しさを表現するように、左右に揺れていた。

 

「司令官……明日は任務とか特にありませんでしたよね?」

 

照れ隠しの啖呵を切るように、青葉は訊ねた。

 

「ああ。風邪が治らないことを考えて、明後日までは艦隊指揮は休むことにした」

 

青葉は照れながらも、にこっと唇を矢形に変えた。

提督も唇を矢形に変え、微笑み返した。

ふたりは半身だけを起こし、隣にいる相棒の様子を見た。彼も提督と同じく、体調も無事に快復していた。

ふたりは嬉々していると、寝室のドアが開き――

 

『ただいま〜♡ ♡ ♡』

 

古鷹たちが帰って来た。

 

『おかえり』

 

ふたりが言った。

 

「体調も良くなりましたね」

 

「ああ。みんなのおかげで良くなったよ。山城たちの方は大丈夫だったかい?」

 

「山城さんたちも看病の甲斐があって、みんな風邪も治まり、昼食を食べられるほど体調も快復しました。今は安静にしたり、読書をしています」

 

「そうか、ありがとう。古鷹たちもお疲れ様」

 

提督の問いに、古鷹は答え、労いの言葉を掛けた。

 

「おでこの熱も冷めてるね。良かった良かった」

 

衣笠は、自分の額をくっつけて確認した。

 

「えへへ。提督、提督〜」

 

加古は、自分の頬を押し付けて、スリスリと頬ずりをした。

 

「加古、衣笠……風邪が移るかもしれないぞ、まったく」

 

『や〜ん。はがしちゃダメ〜♡ ♡』

 

提督も満更でもなく、なんだかんだ言って嬉しいのである。

 

「今日はありがとう。ううん、いつもありがとうな、みんな」

 

『だって、私たちは……♡』

 

『提督(司令官)の妻であり……』

 

『夫婦ですもの♡ ♡ ♡ ♡』

 

古鷹たちは口を揃えて言った。

 

「嬉しいな。今日の看病、ありがとう。気分も良くなったとは言え、油断したらいけないからな」

 

提督が言うと――

 

「はい、ですが……」

 

『今度は、私たちみんなで提督を看病するね♪』

 

青葉の言葉を繋ぐように、古鷹たちが言った。

 

「嬉しいけど、俺はもう大丈夫だから」

 

「司令官、油断したらいけないですよ」

 

「青葉の言う通り、念入りに」

 

「あたしらが朝まで付き添うし」

 

「みんなで昼の分まで」

 

『看病してあ・げ・る♡ ♡ ♡ ♡』

 

提督に寄り添う古鷹たちを見て、相棒と艤装妖精たちは空気を読み、ここから退場する。

なお、相棒が寝ているベッドを持ち上げて、艤装妖精たちは神輿上げをするように静かに退場したのだった。

 

――相棒たち、空気を読んでくれたのか。ありがとうよ。

 

――私たちの艤装妖精さんたちも空気を読んでくれたんだね。ありがとう。

 

提督たちの言葉を脳内に受け取ったのか、各自敬礼を交わしたのは言うまでもない。

 

「今度は青葉たちみんなで看病しますね♪」

 

『もちろん、朝までね♪』

 

「そうか。嬉しいな」

 

最後の理性とともに、プライドも、心の防波堤を張ろうと、古鷹たちの優しさ、魅力的な一時などが全てを無効にしてしまう。提督は抗うことなく、逞しい両腕で古鷹たちを抱き寄せて、より深く愛を込めて、そしてお互いの鼓動が聞こえるぐらい抱き締め合い、提督は古鷹たちの頭を、優しく撫でるのであった――

 

翌日――

提督たちは完治し、いつも通り夫婦円満の時間を、山城たちは姉妹仲良く、そして相棒たちものどかな時間帯を過ごしたのだった……

 




今回は甘々な看病、鍋焼きうどん、そしてKENZENな回でもありました。
お嫁さんたちに看病されたら、風邪も治ります←

風邪の際は、私の場合、お粥ではなく、鍋焼きうどんがありました所以、風邪食=鍋焼きうどんでしたね。
飲み物は、この本編に出たホットドリンクですね。
これらを食べて飲んで休んだら翌日には、嘘のように体調も快復して元気になりました。
ですから、風邪の際は普段とは違う日常でもありましたね。好きなときだけ寝れたりなど色々と出来ましたからね←

後書きに伴い、今回で『第六戦隊と!』は、第40話を迎えて嬉しさもあります。
甘い話+架空戦記と言う変わり種ですが、これからも本作品をお楽しみくださいませ。

では、長くなり兼ねないのでここまでです。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。次回も夫婦愛をお楽しみに。

それでは、第41話まで…… До свидания((響ふうに)

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