第六戦隊と!   作:SEALs

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お待たせしました。
素ッ晴らしい提督夫婦の話ッッッ!!!

今回はとあるゲストキャラと伴い、サブタイトルで主役となる娘が少しだけ登場しますのでお楽しみくださいませ。

さあ、今日の出張どこでもなんでも鎮守府は、ここ連合艦隊司令部から御送りします。


第33話:ホーム 前編

時刻 1330

連合艦隊司令部内部

 

提督・古鷹たち、各鎮守府の艦隊運営は、相変わらず多忙な日々に伴い、70年以上前に起きた大東亜戦争で得た教訓を日々学び続けている。

そして、次の新たな海戦に向けて、各鎮守府の艦隊と協同するための友軍艦隊編成に向けての計画を立てるなどと、かつての先の大戦をより迅速に伴い、数々の海戦で戦略的勝利を得た旧海軍や米英海軍が採用した長所を活かすために今回は元帥とともに、艦隊会議を行なうことになった。

 

「今日の会議、本当に呆れたな」

 

会議が終えた提督は、愚痴を零した。

連合艦隊による会議では昼食を取れないほど、多忙になることは珍しいことではない。

秘書を務める古鷹たちも同じだが、大好きな提督と一緒にいるのだから気にしていない。

 

「はい、市議会の抗議文を聞くためとは言っても……」

 

「……実際は、地球生命体の御声を聞くだけでもな」

 

「化石思考の、過去の栄光に囚われた元ジャーナリストでしたし……」

 

「それに提督と、私たちの悪口ばかりだったから腹立ったね〜」

 

古鷹・加古・青葉・衣笠も、提督と同じことを呟く。

元帥は一応耳を傾けると言い、今回は会議を開き、その地球外生命体こと、市議会議員の主張を聞いたのだが……

 

2時間前に戻る―――

 

「これ以上、海軍に予算を裂く我々国民の気持ちを考えて下さい。何ですか、この艦娘たちの娯楽はもちろん、観艦式開幕などとは!!国民の皆さんが我慢して耐えているのに娯楽に耽っている余裕があるのはおかしいとは思いませんか?」

 

開幕早々、国会の野党の茶番劇とも言える『国民の声』を盾に口ずさむ男性の名は、金平俊太郎市会議員である。

この男の略歴を提督たちは知っている。

元帥の諜報部隊として、提督としても活躍する郡司から聞いたことがある。

戦前の金平は、コロンビア大学に学んだ後、父から『サンデーイエス』と言う小さなネットニュースを受け継ぎ、わずか3年で西日本有数の発光部に育て上げた。

次いで関東に進出、まず東京で『タイムズ・ウィークリー』を買収し足場をかためると、直ちに『ジャパニーズ・ジャーナル』を創刊、戦中になるまで政府に対して、好戦的実話記事、扇情的読物などを掲載することによって大成功をおさめていた。

金平は、権力と手を振るうま味をこのときに知り、権力=政府は、マスコミによる大衆洗脳を知ったのである。

金平系雑誌及び、タブロイド判新聞、ネットニュースに掲載した社説で、論文で、そしてカーツーン(ひとコマ漫画)で、日本を戦争国家にしたのは黒木首相と元帥、艦娘、提督たちのせいに伴い、深海棲艦は政府の生物兵器だとデタラメを吐く。

艦娘たちはアジア侵略を企てる侵略兵器、挙げ句は今上天皇をカリカチュアされることが多かった。

 

日本の外交官は国際通とも口で言う割には、実際には国際感覚など無きに等しい。

戦前から今日まで、元帥や提督を含めた陸海空軍や駐在武官、そして古鷹たち艦娘たち、良識な愛国者たちなどは、本格的にこのジャーナリズムにキナ臭さを感じた。

特に深海棲艦出現後、元帥はむろん、新人だった提督たち、各陸海軍人たちは口をそろえて―――

 

「我が国で最も注意すべき人物。反乱起これば、その裏に必ずこの男あり」

 

事実、国内での反戦派論客は、もっぱら金平系新聞や雑誌などに寄稿していたのである。

元帥は要注意人物として、金平俊太郎の名前を上げたのも、このような行き先があったからでもある。

民間人を外患誘致罪や内乱罪などの首謀者にすることについて、政府としても慎重になっていたが、海軍なども強引にリストアップした。

金平俊太郎は、青葉の艦隊新聞及び、ネットニュースなどにもトップに挙げられた。

予備調査が行うにつれ、金平の影響力の大きさに、政府調査団は驚きを隠せなかった。

今頃になって驚愕する政府調査団に向かって、元帥たちの警告を無視し続けたことに、彼女が怒鳴るのも無理はなかった。元帥派の提督たちがさかんに抑えたことも然り。

 

その金平は、流石に4年に渡って日本マスコミ界を牛耳ってきただけに解任されるまで政府の追及をするまで、のらりくらりと逃げてばかりいた。

金平系新聞紙や雑誌上などでは、2018年代から毎日のように掲載されている反日及び、反戦キャンペーン記事についても、知らないと突っぱね、責任は全て主筆、または編集者にあると主張したのである。

 

政府の検事たちが手を焼いていたところ、元帥筆頭の特別調査団が、金平系新聞の『平和の礎〜平和国家が軍国主義になったあの日〜』の中に、金平俊太郎の著名記事を発見したのである。

開戦直後、20XX年X月X日の同新聞で、金平は、この開戦に至るまで自分がどのように反日野党やプロ市民団体へ働きかけ、どのように世論をリードしたか、そして、馬鹿のひとつ覚えのように軍国主義日本の復活、などといった扇情的な文章で書き、再び戦火と、アジア侵略を正当化する日本軍と艦娘たちを撲滅させて、独裁政治と軍国主義の魔の手から、我が国が誇る憲法9条を死守しようと言う言葉を締めくくったのである。

証拠品が見つかっても金平はなお、ゴーストライターが自分の名前を騙って書いたものだと言い、怒りを爆発させたほどらしい。

自身はネットニュースも運用しているものの、大のネット嫌いであり、自分専用の原稿用紙に原稿を書く癖があり、元帥たちは彼のサイン入り原稿があるかもしれないと、本社を訪れて、金庫室に保管されていた肉筆原稿を見つけたのである。

流石に金平も、ここまで調査されると否定も出来ず、金平は認めたのである。

会社は倒産に伴い、彼の新聞や雑誌類などは全て廃刊となったものの、悪運強いのか保釈金を払って、厚顔無恥にも市議会議員で活動家と変わらないことをしており、現在にてこうして抗議にやってきたのである。

 

 

「金平議員。それは違います」

 

元帥は落ち着きを払って、金平に問いかけた。

 

「彼女たちも我々と同じ人間である所以に、娯楽がなければ艦隊行動に支障が起きます。

さらに最低限の待遇を保障しなければ、我々も彼女たちも任務にも影響が及びます。

貴方もかつて米軍基地取材でも見ているはず、お分かりでしょう?」

 

彼女の言う通り、世界最強の米軍やロシア軍なども各基地には娯楽施設が備わっている。

日常生活を忘れることなく、兵士の緊張に伴い、ストレスや不安などを解消させる目的も考慮されている。

特に米軍基地にはレストランはもちろん、スーパー、映画館やピザ屋・野球場、学校や大学・ゴルフ場まで種類も豊富であるから驚きでもある。

戦前の日本でも、自衛隊基地でも米軍を模倣して娯楽施設を備えたところ、兵士のストレス減少などと言った効果を生み出したことが認められた。

これにより、各鎮守府や泊地でも艦娘たちなどの意気込みにも貢献している。

しかし、戦争アレルギーなどを患っているプロ市民などの連中からして見れば不愉快極まりないものに伴い、艦娘たちを単なる兵器及び、提督や自衛官、米軍兵士たちなどのように『人殺し』ということしか考えていない。

 

「詭弁だ。国民は苦しい生活を強いられているのですよ。スーパー無駄遣いとは思わないのですか!?」

 

元帥の言葉に聞く耳持たんと、態度を取る金平は反論した。

 

「我々や彼女たちが防衛を維持しなければ、我が国は経済どころか、我が国自体が崩壊し兼ねません。それにシーレーンを維持しているおかげで戦前と比べて失業率は改善されており、食料や生活必需品なども充分に確保していますから、国民は不満点などありません。

むしろ改善されている方です。

ましてや、我々がシーレーンを防衛しなければ、生活も維持できないほど無政府国家になります所以に、黒木首相や我々だから不満と、言いたいことですよね?」

 

彼女は落ち着きを払っているが、内心ではあきれ果てていた。

彼女ももちろん、立ちの悪い噛み付きガメよりも性質が悪いな、と提督たちも内心で呟いた。

 

「それ今言うだけですよね?私は日本が平和国家であればいいんです」

 

「その話の仕方は、平和国家なんですか?」

 

「平和国家です!」

 

議論放棄に伴い、地球外生命体のようにもはや理解しがたいな、と提督たちは苦笑いした。

こういうIYI(Intellectual Yet Idiotsの略)、つまり知的バカ、または高学歴無能を患っているな、と思うと頭を抱えるほどだ。

自分たちの世界に入って、国民意識を貶すことしか出来ない無能な官僚たちと同じ思考、つまり貴族意識を持った特別な存在だと勘違いしている。

近年では『忖度』と言う言葉を悪用している連中と変わらないことも然り。

本来の意味は『風を読んで、先回りして行動する』ことである。

上司のことを忖度する部下、気遣い上手なことをするとも言われている。

しかし、誤った使い方をしたために悪い言葉になってしまったのだ。

 

「そうやって戦前の軍国国家を歩んではいけないのです」

 

元帥に言い負かされた金平は、別の論点にすり替えた。

悪態をつく金平は、議員どころかチンピラ以下となり、提督たちにも噛み付いた。

 

「なんですか、この艦娘とのケッコンと言う悪しき制度は!提督どもは見目麗しい且つ、純粋な艦娘たちを人権で脅迫しているのではないですか。特にそこの骸骨マスク野郎は!?」

 

「ちょっと、あんた!」

 

提督の悪口を言われた衣笠が言った。

 

提督は制止した。

 

「元帥、私も発言よろしいでしょうか?」

 

提督は、元帥に告げた。

 

「ああ、好きにすると良い」

 

彼女は快く、発言を許可した。

 

「これ以上の侮辱は止めていただけたい」

 

「はっ?」

 

金平は威圧を込めた返答をしたが、提督は落ち着きを払って答えた。

 

「金平議員、今年の予算案はご存知ですよね。青葉、資料を」

 

「はい、司令官!」

 

提督の言葉に応じて、青葉が資料ファイルを手渡した。

 

「これは……!」

 

金平は絶句した。

青葉が用意した資料を見ると―――

今年度の予算案は福祉予算も前年比プラスとなり、これは戦前の水準に完全に回復している。

さらに海軍予算を上手く運用したおかげで、そこから生まれる雇用を広め、戦災孤児たちも糊口を凌ぐ結果にも繋がっていた。

低下していた各行政機関サービスも十分な予算が回されており、提督たちの海軍に必要な予算は、上手く必要最小限に抑えられていることも然り。

そして生活保護支給額が減った代わり、食事と住居は無償で官立の生活所で保証されており、これは疾病や戦傷者たちの場合も含まれている。

 

「この資料を見ても、まだ何か足りないですか?」

 

「それは……」

 

提督の問いに、金平は戸惑った。

 

「一般人の職業訓練所や資格学校などにすら入っていない失業者すら怪しい者たちにさえ保障されています所以に、今は戦中にも関わらず、これ以上の保護適用者とは一体誰なのですか。金平議員、答えていただけますか?」

 

「………」

 

金平は黙り込んだ。

完全に論破されたか、もはや噛み付いても無駄だと察したのだろう、と提督は呟いた。

 

「金平市議会議員、これ以上の質問はありませんか?」

 

元帥が仲介して、金平に問いかけた。

 

「………はい、ありません」

 

「そうですか。私が言うのもなんですが、他人の意見は大切なのは分かる。だけど関係ないことを議論に持ち出すのは人としてどうかと思いますよ。そしたら我々も金平市議会議員の背景についても言わないといけないですよね」 

 

元帥の切り返しは非常に理路整然としており、金平はもはや言いたいことも言えずに、ただ『申し訳ありませんでした』と返答するだけであり、元帥や提督の言葉を指摘された挙げ句、肩を落として退室したのだった………

 

そして、今に戻る―――

 

「みんなが製作してくれた資料のおかげで、あそこまで言えたんだ。ありがとう」

 

『愛する提督(司令官)のためですよ♡ ♡ ♡ ♡』

 

「みんながいるから俺も勇気を貰ったし、こうして中将まで昇進出来たんだ。寧ろ俺が礼を返すべきでも……」

 

提督は照れながら答えると―――

 

「お礼なんて良いですよ。そうだよね、みんな♪」

 

「ねぇ〜〜〜♪」

 

古鷹の声に、全員一致で答える。

 

「それに提督と一緒に居て、過ごせる毎日がこれ以上にない幸せですよ♡」

 

「あたしも〜♡」

 

「青葉も〜♡」

 

「衣笠さんも〜♡」

 

彼女たちは、にっこりと微笑した。

 

「俺も古鷹たちと過ごせる毎日が幸せだ」

 

『はい、提督(司令官)♡ ♡ ♡ ♡』

 

提督は両手を広げ、古鷹たちを抱き締めた。

この瞬間が彼に、彼女たちにとって至福の時間でもある。

 

「もちろん、今夜もみんなでたくさん愛し合いましょうね♪」

 

「ああ、分かっている////」

 

「相変わらずラブラブだね」

 

「まあ、俺たちも言えないけどな」

 

提督たちは、後ろを振り返った。

その声の主たち、ひとりは有名なロシア軍最強の特殊部隊《GRUスペツナズ》の軍服を纏っている。

もうひとりは、海賊を彷彿とさせる衣装に伴い、金の格子状の装飾が施された眼帯を身に付けた少女がいた。

 

「郡司、木曾!」

 

提督は歓喜の声を上げた。

郡司は艦隊指揮に伴い、情報戦略を得意とする提督として有名である。

先導艦隊としての腕はピカ一であり、敵の捜索や内偵、逮捕に加えて、艦娘たちを酷使するブラック鎮守府の提督及び、裏切り者の味方軍人などの綱紀粛正のような警務的任務にも従事している。

 

彼を傍から支えるのが球磨型五番艦、今は重雷装巡洋艦の木曾だ。郡司の秘書であり、妻でもある。

忠誠心はもちろん、郡司のことを心から愛している。

なお、歴戦練磨に相応しく敵艦を葬っては艦隊の勝利に貢献している可憐な少女でもある。

 

ふたりとも親友提督たちと同じく、数多くの作戦で戦果に伴い、高い功績も残しているかけがえのない戦友でもあり、提督たちの良き理解者でもある。

 

「久しぶり。郡司、木曾!」

 

「同志たちも久しぶり!」

 

「お久しぶりですね。郡司提督、木曾さん」

 

「やっほー、郡司提督、木曾」

 

「お久しぶりです。郡司司令官、木曾さん」

 

「おひさー、郡司提督、木曾」

 

久しぶりの再会で、提督はふたりに握手を交わした。

古鷹たちも同じく握手を交わし、郡司・木曾も『久しぶり』と再会を喜んだ。

 

「今日はどうしたんだい、郡司?」

 

提督は問いかけた。

 

「今日はブラック鎮守府に配属されている艦娘たちの救出とともに、ブラック提督たちの拘束を元帥に報告するために来たんだ」

 

「相変わらず、ロシアのGRUスペツナズ並みに迅速だな。郡司は」

 

「スパシーバ、同志」

 

郡司は微笑した。

 

「積もる話はたくさんあるが、同志にもちょうど用事があったんだ」

 

「俺に何の用事か?」

 

提督の問いに、郡司は頷いた。

 

「ああ、元帥に頼まれたんだ」

 

郡司の言葉、元帥の命令だから重要事項とも言える作戦かな、と提督は推測した。

 

「分かった、郡司。今すぐ行こう」

 

「うむ。それじゃあ、元帥が待っている執務室に行こう」

 

提督たちは、郡司たちとともに元帥が待っている執務室へと足を進めたのだった……

 

 

 

元帥指令室―――

 

執務机に提督たちが来るのを元帥とともに、彼女の傍には蒼海のように不思議な青い長髪に、青と白の制服、黒色のロング手袋、ミニスカート、ニーソックスを身に纏った少女がいた。

 

「大丈夫だ。彼は少し変わっているが良い提督だよ」

 

「……はい」

 

元帥が伝えると、少女は小さく頷いた。

 

(また彼とともに、協力して解決するしかないな。この娘を……五月雨ちゃんを頼めるのは彼しかいないからな)

 




今回の前書きの元ネタは『トランスフォーマーアニメイテッド』の記念すべき第1話のナレーションです。
アナゴさん及び、なんでも鑑○団のナレーションの中の人との組み合わせたこの第1話もですが、本編も本編でネタ豊富で面白かったです。

今回のゲストキャラ、郡司は『天空の富嶽』でも活躍しているオリ提督です。
本作は平行世界ですが、私の作品では郡司は欠かせないキャラであり、私の作品の象徴でもあります。
ゲンブン作品で言う佐藤と中村ペアのようなものかなとも思います。
今後も元帥とともに、提督たちとの活躍を支えるサブキャラとしても活躍しますのでお楽しみくださいませ。

次回は提督たちは、とある作戦を行います。
作戦と言いましても、ほのぼのな作戦となります。
どんな作戦かは、次回のお楽しみに。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。

それでは、第34話まで…… До свидания((響ふうに)

???「なお、もう少ししたら、私も本作に登場しますのでお楽しみくださいませ」

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