第六戦隊と!   作:SEALs

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お待たせしました。
今回は同時連載『天空の富嶽』と同時投稿と言う豪華です。
なお初の中編 part2に伴い、本作での初の第三者視点でもあります。
そして今後の展開にも関わることにもなります。

いつも通り、最後まで楽しめて頂ければ幸いです!

では、本編であります。どうぞ!


第24話:タイム・リンク作戦 中編 part2

提督たちが『タイム・リンク作戦』の成功を祈るための宴会を謳歌していた最中―――

 

 

 

本土 某所

時刻 2200

睡魔に襲われてもおかしくない時間帯に伴い、月夜と静寂に包まれた高速道路を3台のパトカーと2台の白バイともに、2台の囚人護送車が走行する。

彼らは柱島泊地で無許可及び公務執行妨害、共謀罪などを実行した囚人こと、拘束されたデモ隊メンバーをテロリストたちが多く収容され、厳重な警備が施されている特別収容施設に向かっている。

この御時世と言うより、戦中でも相変わらず日常での事故や事件は関係なく起こる、それは何時の時代でも変わることはない。

反日三ヶ国のテロ攻撃及び深海棲艦出現後には、あらゆる憲法が改憲した。

今回拘束されたデモ隊の皮を被ったテロリストはむろん、外患誘致罪(刑法81条)や外患援助罪(刑法82条)などに当たる国会議員や反乱者などには例外などなく拘束された。

良くて無期懲役だが、大抵は死刑である。

以前ならば戦後から一度も改憲しなかったこと自体が不思議であり、同じ敗戦国のドイツや、途中で寝返ったイタリアは戦後の憲法を幾度も改憲した。

だが、日本は自虐史観と戦後アメリカにお世話になったため、真の独立国家としての機能も失われたとも言われている。

当時の英国首相であるウィストン・チャーチル首相ですらも『これで日本は100年の間は立ち直れない』と皮肉を言われたぐらいなのだから。

 

国家転覆をしかねない日本の左翼集団は戦前と戦後、そして今日まで破壊工作を平然としている。

彼らの主張は幼稚園児どころか、豚にも劣る害悪にしかならない身勝手な論理を撒き散らしている。

口癖の如く『世界中から批難の声』や『アジアからの懸念の声』を言うが、狭い世界視点しか持たない連中の国名は虐殺好きなろくでなし共産主義、且つ反日国家の中国と韓国、北朝鮮と言うもはや存在すらしない大陸と化した国家でもあるが。

近年では『戦艦大和に竹やりで挑むような感じだ』と発言する反日議員たちや某国が考えたオンラインゲームでは戦艦大和を模倣した敵を倒すと言う敵意丸出し且つ、我が国の旭日旗を切り裂き、挙げ句は着火して燃やす、そして象徴でもある皇室・皇族の菊花紋章なども侮辱するなど平然とやる連中もいる。

最近では《オリンピア》や、一部では《ストーム・ナイン》と言う名の革命軍と言う深海棲艦のように非人道的な行動を取る組織が国内外に存在するとも言われている。

事実ではテロリストであり、未だに役立たずの憲法9条と国家転覆を諦めていない、所謂カルト宗教団体に近い。

 

この高速道路で、こんな時に襲撃されたら嫌だなとは、各運転手から囚人たちを護衛する警官たち全員共通の思い。

 

その時、先頭を行くパトカー、藤田が窓の外に視線をやっていることに気付く。

 

「何だ、ありゃ?」

 

「大型トラックか、こんな夜中に」

 

同じく助手席に座り、窓の外に視線をやっていた嶋田の言葉。

サイレンを鳴らしてはいないものの、自衛隊や警察、消防車などの緊急車輌に対しての妨害行動は許されない。

 

嶋田は無線機で警告した。

しかし、相手は応答することなくパトカーの前での走行を止めない。

再度警告をしようとした彼らの視線の先を辿り、藤田はあっと息を呑む。

 

「ロケット砲だ!回避しろ!」

 

ぱっと凝視する藤田たちが、各車輌に警告を促した。

そうでなくとも、誰もが危険だと言うことは目に見えている。

夜道を走り抜けて接近してくる、白い閃光。がくっと藤田たちが搭乗していたパトカーが揺れて、咄嗟に回避機動を取ろうとするが、その瞬間には白い閃光が車体の懐に潜り込んでいた。

一瞬閃光が見えなくなったかと思うと、次の瞬間、何かが炸裂したような音が響き、周囲に衝撃が巻き起こった。

廃車と化した藤田たちのパトカーは横転、これに巻き込まれた2台の白バイと、愛車を運転した隊員たちごと空中へと吹き飛ばした。

吹き飛ばされた一人は車輌脇を横切り、そして愛車とともに隊員は地面に叩き付けられた。

もう一人は不運にも護送車の運転席にぶつかり、文字通り即死である。

運転席は白バイ隊員の鮮血で染まり、衝撃で窓ガラスにひびが入った。

 

「ちくしょう!」

 

警官たちと護衛車の双方を失った護送車の運転手は、毒づきながらも横転させまいと回避行動をし続けた。

だが、車体が大きく回避するのに一苦労であり、ついに捕らえられた。

襲撃者は先ほど使用した無反動を放棄して、傍に置いていた新しい物に切り替えて再び構えた。

運転者が目を細めて確認した。

襲撃者が使ったのは米軍などが制式採用している単発使い捨て滑腔式無反動砲M136 AT4だった。

しかし、室内での無反動砲などの重火器の射撃は後方に排出される爆風のために閉所からの射撃は非常に危険であった。

発射器後方15メートル以内に壁などがあれば、爆風はそれに反射して射手自身に火傷をもたらすことが問題だった。

これを解決したのはAT4の発生型ことAT-4CS―――市街地戦闘用に設計に伴い、CS型は発射時の爆風の代わりに発射機後部の塩水を飛散させ、風圧を減少する改良が施された。

これにより、建築物の室内及び閉所からの敵戦車及び軽装甲車輌などの攻撃が可能とともに、夜間に派手なバックブラストで敵に居場所を悟られる可能性も低くなったと言うメリットも増えた。

 

「つかまれ!」

 

運転手がハンドルを思いっ切り回して、回避行動に移った。

襲撃者の攻撃を無事に回避することに出来た、と安心したのも束の間―――何処から視線を感じたことに気づいた。

運転手は恐る恐るゆっくりと視線を前に移した。

運転席の窓には独自の黒いヘルメットとボディスーツに身を包んだ特殊部隊のような人間が、こちらを覗き込むように張り付いていた。

 

「な、なんだ。コイツは!?」

 

叫ぶのも束の間―――謎の襲撃者は、FN社製の傑作銃でも有名なファイブセブン自動拳銃をすかさずホルスターから抜き出し、正確無比な射撃で運転手と彼の同僚を射殺した。

後方にいた護送車もパトカーも同じく、謎の特殊部隊によって射殺された。

運転手とコントロールを失った双方は、ガードレールにぶつかり停止した。

 

「いてて、なんだよ。もう……」

 

あれほど大騒ぎした外とは裏腹に、車内には損傷はなかった。

辛うじて軽傷で済んだ老人と彼の仲間たちは、いったい全体なにが起きたんだと、なにやかんやと状況が分からなかった時だった。

 

「んっ……誰だ?」

 

一筋の光が差し込んだ、扉が開いた証拠でもある。

扉を開けたのは先ほど運転手らを射殺した特殊部隊、外観からして女性だ。

それもひとりではなく、様々な軍用銃などを両手に携えた女性がたくさんいた。

むろん、男性も混ざっていた。

 

「いったい……なんなんだ?」

 

分からずじまいに、考えていると―――

 

「お前たち同胞を助けに来た」

 

この言葉を聞くと、訳も分からなく突然の睡魔に襲われた老人たちは深い眠りについた。

 

「よし……こいつ等を例の場所まで運べ!」

 

指揮官らしき者に対して、はっ、と返答する他の隊員たちはガスで眠らせた老人たちを用意していたトラックで彼らを拉致したのだった……

 

 

 

 

 

某所―――

意識が朦朧とした老人と、デモ隊の仲間たちはゆっくりと、眼を開く。

頭の回転が悪いのか、誰かに支えながら連行されているのが分かる。

周囲は暗いのは、頭巾を被らせているからだ。

しかし、鼻腔からは金属工場独特の臭いや金属を加工する音などが聞こえる。

ここは何処家の工場か、と全員が推測した。

そのように考えていると、老人たちが被っていた頭巾が剥ぎ取られた。

あまりの眩しさに、彼らは思わず双眸を閉じた。

そしてゆっくりと瞼を開くと、全員が驚愕した。

造船所に伴い、テレビでしか見たことのない兵器工場そのものだった。

艦艇はむろん、歩兵が扱う小火器から重火器、現代戦には必要不可欠である各戦闘車輌や航空機なども潤沢に揃っていた。

だが、自分たちがもっとも驚いたのは―――

 

『こいつは、なんだ……?』

 

老人だけではなく、全員が口を揃えて答えた。

彼らの前には、見たことのない巨大な艦艇がそびえ立っていた。

それはある種の爬虫類、ないしは両生類の外観をしているようだった。

つまり、艦形は昔の資料で見たことのある戦艦であることは分かる。

しかし、この戦艦は上部甲板が艦首から艦尾まで、鋼鉄のカバーで覆われていた。

その天辺に艦橋の半分が辛うじて覗いており、主力武器の連装砲と思える砲身は円形の開口部から覗いているが、外から見えるのはそれだけである。

舷側には無数の舷窓があるが、極めて小さい。

また古き水上機を再現したのか、それを搭載しているが、この射出機はハッチの開閉式になっている。

この艦は言わば、かつて南北戦争で活躍した甲鉄艦(装甲艦)を現代に蘇えらせたのだ。

南北戦争で北軍はアメリカ合衆国初の装甲艦《モニター》と、南軍は《メリマック》を改装した《バージニア》と言う名の甲鉄で覆われた軍艦を生み出し、双方とも“ハンプトン・ローズ海戦”と呼ばれる世界初の装甲艦同士の海戦を行ったことで有名である。

 

呆気に取られている彼らを見ている内に―――

 

「なかなか爽快なものだろう、同志諸君?」

 

「あんたはさっきの……」

 

先ほど自分たちを助けた者が素顔を晒していた。

驚くべきことに特殊部隊指揮官を務めていたのは、男性だった。

しかも容姿端麗を兼ね備えているだけでなく、カリスマ性もあるようだなと納得した。

彼らを見て、微笑した男性は口を開いた。

 

「僕の名はイケメン提督だ。以後よろしく、同志諸君。

早速だが、同志たちが目にしている艦は、我らが開発した装甲艦だ。

砲塔は2連装に伴い、回転方式で近代戦艦の走りとも言われている。

現代技術により、当然ながら遥かに速度も速く、電子兵器も備えている。

兵装は40cm連装砲9門を主力に、高角砲と機関砲もあるが、これらはいざと言うときに各砲門が開くように工夫がされている。

艦全体を覆うバルジは、110ミリと設計されている。

例えば、史実の戦艦《大和》のバイタルパートのバルジは230ミリと比べると随分と薄いが、トップヘビーを避けるためである。

その代わり曲面カーブに工夫を凝らしており、敵の砲弾が当たっても全て弾かれるか、跳弾になるように工夫されている。

この曲面については、何度も砲撃実戦を行ない、自信を持っている。

つまり目論見どおりにいけば、戦車の傾斜装甲と同じ役目を果たして、敵の砲弾が命中しても貫通することはなく、弾かれてしまう。

また命中と同時に炸裂する瞬発信管を付けていれば別だが、戦艦の徹甲弾と言うものは全て敵艦のバルジを貫通した直後―――内部で炸裂するように遅発信管を付けられているので、本艦の装甲には被害は皆無である。

敵機の空爆でも同様に、命中しても全て滑り落ちるように設計されている。

そして従来は雷撃に弱い戦艦に対しても大丈夫だ。

本艦のバルジ、この中にはヘリウム・ガスが充満している。

この艦を支えるだけの浮力を付ける利点もだが、このガスが魚雷の威力を吸収してくれるため決して雷撃で撃沈されることはない」

 

彼の説明に、老人たちは分かる素振りを見せるように云々と頷くだけだった。

イケメン提督は気にせずに説明を続けた。

 

「なお人殺しの海自や米軍などと同じように、レーダーや見張員艦橋、戦闘艦橋などを半分は、どうしても露出しなければならないのが泣き所だが不沈艦であることは保証するよ」

 

イケメン提督は、満足した様子で説明を終わった。

 

「これをお前たちにやる、また必要な人数も揃えている」

 

これを聞いた全員がまたしても驚愕した。

 

「この甲鉄艦は大体分かったが、どうして俺たちをここまで誘拐したんだ?」

 

「同志たちだからさ」

 

老人の問いに、イケメン提督は答えた。

 

「そいつは嬉しいが……その見返りは何なんだ、俺たちの金か?」

 

彼の返答に、イケメン提督は首を短く横に振った。

 

「僕たちはこの国を元に戻したいために戦う同志諸君を見て感涙した。

だからこの戦争の切っ掛けを作った元帥と艦娘たちの鼻をへし折るためにこの日本を滅ぼすために結成したのが《オリンピア》だ。

かつて70年以上の平和を維持したのに、彼女たちが壊したんだ。

これを知った僕は提督業でありながらも恥を知った。

日本の恥であり、真の恐るべき軍事国家と差別主義、そして独裁国家へとなり果てたことに怒りを覚えたんだ。

なのに元帥たちは『寧ろ軍事国家のままで良い!』とともに、『艦娘たちと世界を支配する』と開き直る。

僕は無実の罪で、激戦地に左遷されたんだ。

だから僕はかつての日本を取り戻すために、戦死報告書を偽装して、平和を愛する《オリンピア》と言う真の平和組織に寝返ったんだ。

僕は鎮守府と艦娘たちそのまま残していったのは罪深いことだが、だけど皆さんとともに戦い抜いて、これまでの罪を浄化したいと願っています!

僕たちがどうか新世界を建設するために、心をひとつにしましょう!」

 

イケメン提督は、涙を流して語り続ける。

もしこの場に元帥や提督、冷静なホワイト提督たちが見たら、演技と嘘泣きだとたちまち見抜かれてしまう。

まして彼が犯した罪を知る元帥と提督たちの前では、通じないが。

だが、日本独特の反日・左翼集団は感情論に心を動かせられるものが多い。

特にもはや存在しない反日三ヶ国なんかは、まさにこの常套手段を好み、他国との外交の際にも切り札として使い続けていた。

老人とデモ隊の仲間たちは、ここまで覚悟を決めたのかと、何も知らずに反日三ヶ国の常套手段を行使して日本について知らない他国のように、コロッと騙された。

 

「……俺たちも協力して、かつての日本を取り戻すために手を貸すぜ!」

 

「そう言うところに協力を惜しまないのが、我々平和を愛する真の日本人だ」

 

手を取り合う老人たちに、イケメン提督は何度も感謝した。

内心では『せいぜい楽しくやっていろ、消耗品ども』と、彼らを不毛にするように呟いた。

 

「それでは、明日は早速ですが、連中はとある場所に集まるとの情報を傍受したから作戦会議に移りましょう」

 

彼の言葉を聞いた老人たちは、明日実行される艦娘懲罰作戦“ルシファー作戦”の計画を立てたのだ。

 




今回は以前登場したイケメン提督と伴い、例のデモ隊が中心の話でもありました。
なお新たな謎の敵組織《オリンピア》は、とある世界連邦大統領とは違い、多少賢いか果ては烏合の衆となるかは今後の展開で明らかになります。
ただ息をするように、平気で嘘を吐くことだけは確かでもあります。

そして甲鉄艦の元ネタは、私の好きな架空戦記のひとつでもある『超戦艦空母出撃』に登場する米海軍が開発した甲鉄艦です。
黒い特殊部隊は『MGS4』の女性で構成されているBB部隊配下の強化兵士《ヘイブン・トルーパー》に近いです。
この敵組織《オリンピア》は、海外ドラマ『ザ・ラストシップ』シーズン2に登場した
敵対勢力であるグランダーソン議員率いる『新世界』が運用している施設の名前から由来しています。
今後は前書きに書いた通り、今後の展開にも関わることにもなりますのでお楽しみを。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
次回からは予定では本作でも海戦は始まりますので、お楽しみを。

それでは第25話まで…… До свидания((響ふうに)

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