第六戦隊と!   作:SEALs

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お待たせしました。
今回はサブタイトル通り、今日の秘書艦と二人っきりの空間です。

いつも通り、最後まで楽しめて頂ければ幸いです!

では、本編であります。

どうぞ!


第12話:二人っきりの空間

『シミュレーションを終了します』

 

コンピューターのひと言で、提督は『ふう……』と短い息を吐いた。

提督はエグゾスーツ・カスタムを着用して、午後の鍛練を終了した。

今回はマグクリップを使用して、敵が占領している建物に潜入して人質救助に伴い、敵を殲滅するというハードなシミュレーションだった。

今回は何故か京劇の仮面を被り、青竜刀やRPK軽機、MAC11マシンピストル、M14EBRに、そしてRPG-7を持った摩訶不思議な敵兵に、一部は攻撃用ドローンが混ざっていた。

しかし、明石と夕張が開発してくれたあらゆる機能を搭載したバリアブルグレネードのおかげで対処することができた。

まさに『訓練に勝る近道はない』と言う言葉通り、積み重ねることで精進する。

そして、汗を搔いて心も体もリフレッシュすることが出来る。

一番は古鷹たちと愛し合うことだが、古鷹たちが出撃していない時はこうして身体を動かしたり、執務室にある架空戦記や戦記漫画などを読みふけたり、仮眠したりなどをして心をリフレッシュさせる。

 

「今日もそれなりだな、慢心は禁物だからな」

 

タオルで汗を拭いていた時に……

 

「はい、お疲れ様です。司令官♡」

 

青葉がキンキンに冷えたスポーツドリンクを持って来た。

 

「ありがとう、青葉」

 

「いいえ、司令官の妻ですから当然です♡」

 

「ああ、俺だけの青葉たちだからな」

 

「えへへ♡」

 

提督は青葉の頭を撫でた。

古鷹たちだけでなく、他の娘たちも提督の撫で撫で攻撃が大好きである。

とても温かみがあり、優しく撫でるため、中毒性のある『魔力』みたいなものだ。

 

「ごちそうさま、それじゃ執務室に戻ろうか」

 

「はい、司令官♡」

 

スポーツドリンクを飲み終えた提督は、汗を拭き終えるといつものスカルマスクを被り、青葉とともに執務室に戻った。

 

 

 

執務室

静けさのなかで提督と青葉は、PC画面と睨めっこしながら書類を作成していた。

青葉は時々、執務中の提督をチラッと見ていた。

いつもの提督もカッコいいが、提督の素顔もまた違ってカッコいい。

日本人とは思えないほど顔立ちもよく、身長も高い。

またその知性に溢れる双眸も、とても魅力的で素敵である。

戦闘中の提督はとても逞しい、だが深海棲艦との戦闘が終わるといつも通り優しい提督に戻る。

 

「青葉、どうかしたか?」

 

提督は青葉に訊いた。

 

「あ、その、司令官を……見たくなりました……♡」

 

青葉はハニカミながら答えた。

 

「そう見つめられたら、俺もさすがに////」

 

「あのごめんなさい、司令官////」

 

「いや、別に悪くないから謝らなくていい////」

 

お互い赤面していたため、何を話せばいいか分からない。

この難題を打開するにはどうすれば良いかと考えたとき、パッと良いアイデアを思い出した。

 

「司令官、青葉にいい考えがあります!」

 

青葉のそのアイデアを聞いた提督は、彼女の言葉通りにしてみたのだった。

 

「……これで良いのか、青葉?////」

 

「はい、これでお願いします♡////」

 

青葉は自分でも恥ずかしかったが、これはこれで良いなと喜んだ。

いまは提督の膝の上に鎮座に伴い、あすなろ抱きをされているのだからだ。

正面から抱きしめられるのと違って、後ろから抱擁される姿は独占されており、また愛してくれている温もりが伝わる。

 

「青葉の書類は本当に分かり易くて助かる」

 

「いいえ、青葉の得意分野でもありますから♪」

 

提督は今の流れを、青葉をリラックスさせるために、まず書類のことについて話した。

青葉の書類はとても分かりやすく各海域攻略や会議にも役立つ。

 

「青葉の小説もスゴく面白いから大好きだよ」

 

「少しでも司令官やみんなに楽しめて頂ければ嬉しいですから♡」

 

青葉は文才に伴い、それを活かして趣味で架空戦記などを執筆している。

かの有名な従軍作家の海野十三氏が乗り込んでいたということもあってなのかもしれない。

だが青葉は誠意を持って取材しており、決して相手を陥れるようなことはしない。

作家と言うよりは、ジャーナリストに近いかなと提督は評している。

どんな事でもみんなを笑顔にしたいと青葉なりの信念を、提督・古鷹たちは理解して応援している。

 

「次の新作はどうするのか、青葉?」

 

「次は、恋愛小説になりますね♪」

 

「タイトルは決めているのか?」

 

提督は尋ねると、青葉はニッコリと笑みを浮かべて答えた。

 

「はい、タイトルは決まっています。タイトルは――」

 

『艦隊帰投しました♪』

 

青葉がタイトルを言おうとした瞬間、出撃していた衣笠が帰投した。

同時に演習部隊の古鷹・加古たちも帰投した。

 

「おかえり、みんな」

 

「おかえりなさい、みんな♪」

 

「今回も大勝利で、みんな帰投したよ♪」

 

衣笠は嬉しそうに報告をした。

道中は中破や大破はなく、ボスエリアまで辿り着いた。

敵艦隊旗艦のタ級flagshipを衣笠は一撃で撃沈しただけでなく、加賀の艦載機部隊と扶桑の砲撃により、敵艦隊はなすすべなく殲滅したとのことである。

 

「今日の演習も無事勝利しました、提督♪」

 

「あたしと古鷹がMVP取ったよ♪」

 

衣笠・古鷹・加古の報告を聞いた提督は、ホッと胸を撫で下ろした。

全員帰投することが、最高の勝利である。

誰かを失って得る勝利は勝利ではなく、負けたも当然である。

だからこそ各海域攻略では全員に『危なくなったら撤退すること』を促している。

演習でも彼女たちが中破や大破した場合でも、提督は心配する。

自分でも過保護すぎるかなと思うが、それでも慢心しないよりは良い。

怠ると、必ずその報いや慢心が襲い掛かって来るのだから帰投後は充分に休息し、次の戦いのために『勝って兜の緒を締めよ』と言う言葉を忘れてはならない。

 

「全員補給を済ませ、小破は明石に、中破した娘たちは入渠すること。また……」

 

『また……?』

 

全員は顔を見合わせると同時に、もしかしてと思った。

 

「それ等が済み次第は、今日の夕食は私が手料理を振る舞うから遅れないこと!以上だ!」

 

これを聞いた全員は――

 

『了解しました!!!』

 

全員敬礼後には喜びのあまり、それを表現するかのように『やった!』とジャンプした。

提督が作る料理は、プロ並みに美味いと好評である。

少しでも恩を返すことができれば良いなと、趣味のひとつである料理を振る舞う。

彼だけでなく、料理ができる提督も増え続けている。

なお史実の帝国海軍のように料理はプロの味、また海自でも年に一度、カレー大会が開催されるほど海軍が作る料理はとても美味である。

一般人にとっては当たり前だが、あらゆる戦争でもその国の、故郷の味が恋しくなる。

明日をも知れぬ兵士たちは故郷の味を食べて、また銃を手にし、戦い続ける。

腹が減ってなんとやら、という言葉のように空腹では戦えないのは今も昔も変わらない。

史実では日本軍では羊羹や最中などの甘味もの、米軍はアイス、またクリスマスの日にはターキー(七面鳥)やコーラなどが支給されたりしたほどである。

例え戦争になっても故郷の食べ物は恋しくなり、それが明日知れぬ兵士たちの戦意高揚ないし元気の源でもあるのだからだ。

 

「今日は腕が振るうな」

 

「司令官、青葉も手伝います////」

 

「ありがとう、青葉」

 

今日は何を作ろうかなと考えていたとき―――

 

『でも、その前に♡♡♡♡』

 

青葉たち六戦隊をやることは、もちろん―――

 

 

『テイトクニウムの補給が、まず先です♡♡♡♡』

 

「お、おう////」

 

両手に花……花と言うよりは花束といった方が良いだろう。

手を合わせて『ご馳走様』と言う娘もいれば、いつ見ても甘いなと口から放出する砂糖をバケツでキャッチする娘たちがいるから日常茶飯事である。

 

「まあ、そうなるな////」

 

提督は、ハワイで瑞雲教を広めた某航空戦艦の口癖を言った。

この後は、提督は古鷹たちとともに夕食作りをした。

今日はたまには洋食が食べたいなと言う欲求に襲われたので、提督たちは加古・衣笠がネット販売で取り押せた神戸牛を使った特製ハヤシライスを作った。

なお、夫婦愛のおかげでコーヒーのお代わりは耐えなかったと言う。




今回は青葉と過ごす空間と言う、甘々な空間で行きました。
あすなろ抱き状態で、嫁艦と過ごすことも良いんじゃない!(伊勢ふうに)
なお青葉の言った『いい考えがある!』は、某コンボイ司令官の名台詞です。
シミュレーションで登場した敵の元ネタは、某バイオ6の敵クリーチャーです。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
次回は青葉が執筆したこの小説がどういう作品なのかが分かりますゆえに、とある架空戦記キャラがゲスト出演します。

では予告編を伝えたとともに、次回も古鷹たち第六戦隊の魅力とともにシュガーテロもお楽しみに!

それでは第13話まで…… До свидания((響ふうに)

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