現在連載中の『超艦隊これくしょんR -天空の富嶽、艦娘と出撃ス!-』に伴い、新たに新作スタートします!
本作品は更新ゆっくりですが、楽しめて頂ければ幸いです!
では長話はさて置き、本編であります。
どうぞ!
提督&第六戦隊邸
「ふんふんふ〜ん♪」
楽しそうに歌を口ずさみ、青ネギを小刻みにリズムよくトントンと切っているのは青葉型2番艦の衣笠。
「アジの開きも焼けたよ♪」
衣笠と同じく、朝食の準備をしているのは古鷹型1番艦の古鷹。
昨日は加古・青葉が担当したので、今日の朝食当番はふたりだ。
「うん、こっちもお味噌汁の仕上げに入るね~♪」
衣笠はおたまに麦味噌を入れ、それに煮汁を溶きのばしながら加えた。
味噌の風味を失わないように、沸騰する前に火を止めた。
あとは食べる前に、刻みネギを入れるだけである。
「良い香り、さて味見をしておかないとね?」
仕上げの味見をするためにお玉で掬い、それを小皿に注いだ。
今日の出来合いはどうかなと、衣笠はひと口啜った。
「よし、これで完成♪」
衣笠は、今日も良い塩梅と微笑んだ。
「出し巻き玉子も完成♪」
「おひたしもいい感じにできたよ♪」
古鷹も玉子焼き器から焼きたての出し巻き玉子が完成した。
皿に盛り、包丁で切ると出汁の香りが鼻腔をくすぐる。
ほうれん草のおひたしは、衣笠が1時間前に仕込んでおいた。
味見をすると、鰹だしが隅々まで沁み込んでいた。
これを器に盛り付け、鰹節をパラりっと盛り付けた。
完成すると同時に炊飯器から、ぴゃあとご飯が炊けたと言う音を知らせが聞こえた。
因みにこの炊飯器はお歳暮時に利用した酒匂急便からの特典であり、ごく普通の炊飯器だが……なぜか炊き上がると何故か『ぴゃあ』と言う音声がする。
とある友人の阿賀野型四姉妹の末っ子とは関係はないが、各鎮守府には一台は必ずあるらしい……
「そろそろ、お寝坊さんたちを起こしに行かないとね♪」
「そうね、みんなを起こしに行こうね♪」
時刻は0700時。
デジタル時計を見た古鷹と衣笠は、エプロンを脱いで提督たちがいる寝室へと向かった。
寝室
「むにゃむにゃ〜 提督、大好き♡」
寝言で提督の名前を呟くのは、古鷹型2番艦の加古とともに……
「司令官、大好きです〜♡」
同じく加古と同じように寝言で呟くのは、青葉型1番艦の青葉である。
「す〜…す〜…」
ふたりは寝言を呟いている最中…… 提督はまだ静かな寝息を立てて眠っていた。
「相変わらず可愛いね、提督の寝顔♡」
「そうだね、昨日もあんなに激しく愛してくれたのにね♡」
衣笠と古鷹はお互いの顔を見合って、クスッと笑い合った。
ふたりの声に反応したのか、提督はゆっくりと双眸を開けてまだ眠たそうな目を擦りながら起きた。
起き上がると気持ちを切り替えるために、背伸びをした。
「おはよう。古鷹、衣笠」
『はい、おはようございます♡♡』
ふたりは、笑みを浮かべてニッコリとした。
1日の始まりとも言える挨拶でもあり、大切な会話でもあるが……
またもうひとつ大事なことがある。
「提督、忘れちゃいけないよ」
「おはようのキス、お願いします♡」
「ああ、もちろん」
ケッコン前は、おでこにキスをすることが多かった。
因みにこれは親愛や友情といった意味であり、守りたいと気持ちも込められている。
次第にお互いの距離が縮まると惹かれ合い、そして夜を共に過ごすことが多くなった。
あらゆる海域を超えて、攻略していくと伴い、古鷹たちとの絆も深まり……
そして晴れて古鷹たちとケッコンして、今でも唇がふやけてしまうまで何時でも何処でも彼女たちとのディープキスが当たり前になるぐらい愛し合っている。
「ありがとねぇ♡」
「ありがとうございます♡」
「二人ともありがとう、おかげで目が覚めたよ」
えへへと古鷹たちが微笑んでいると……
「何か二人に先を越されたみたいで悔しいですね」
「……ずるいな〜……あたし等を忘れるなんて」
「あ、二人共おはよ♪」
「おはよう♪」
「おはよう。加古、青葉」
「おはよ♪」
「おはようございます♪」
衣笠と古鷹、提督が『おはよう』と言うと、二人ともニコッと笑い『おはよう』と返した。
今のふたりは髪を下ろし、ストレートロングである。
普段はポニテールだが、髪を下ろした二人もまた違った可愛さがある。
「提督、あたしらも♡」
「青葉もお願いします♡」
「うん、もちろん」
提督は加古の顎を持ち上げてキスをした。
加古は嬉しさのあまり、両腕を提督の首に回してキスをした。
「目が覚めたよ、サンキュー♡」
「どういたしまして」
「司令官、早く〜♡」
「次は青葉だ」
青葉にも同じく顎を持ち上げてキスをした。
彼女も積極的に舌を絡んだものの、それでもまだ提督には敵わない。
「これで目が覚めました♡」
「俺も目が覚めたよ」
古鷹たちの顔を見て、ニッコリとした。
彼女たち第六戦隊と出逢ってからは、あの頃が嘘のように自然に笑い合うようになった。
「それじゃ、私と古鷹は朝ごはん用意しておくから♪」
「みんな早く支度するようにね♪」
『は〜い』
衣笠・古鷹は朝食の準備をするために茶の間に戻った。
加古・青葉は普段の髪型に纏め、服装に着替えた。
また青葉は改二実装後、髪型をロングポニーテールに変えた。
本人曰く『髪は乙女の命』だとの事で腰まで髪を伸ばした。
なお髪を伸ばしたのにも理由が、愛する提督のためでもある。
オフのときは提督のために髪型を変えたりすることもある。
提督も同じくいつもの軍服に着替えている。
提督は海軍第一種軍衣ではなく、海軍特殊部隊『Navy SEALs』の服装を纏っている。
彼自身のこだわりもあり、某作品『ヨルムンガンド』に登場した海軍特殊作戦コマンド・チーム9《ナイト・ナイン》仕様にしている。
この特徴があるせいか、一部の提督たちからは『SEALs提督』と呼ばれている。
しかし彼のこだわりもあるのか、スカルマスクを装面することを忘れない。
朝食前はしていないが。
「よし、二人とも支度はできたか?」
「もう少し待ってくれよ。あたしの髪、整えるのに時間掛かるからよ〜」
「青葉ももう少しですから待ってください」
「慌てなくていいよ、まだ時間はあるから」
提督はそう言うと、加古と青葉は再び髪を整える。
この仕草はいつ見ても見惚れてしまう、目の前で髪を結んでいる姿も綺麗だからだ。
「よし、これで終わり♪」
「司令官、終わりました♪」
もっとゆっくり結んで欲しかったが、今は致しかたない。
「それじゃあ、朝ご飯食べよう」
『はい♡ 提督(司令官)♡♡』
支度を整えた提督たちは、茶の間へと移動した。
テーブルには、出来立ての湯気が立ち上がる朝ごはんが並べられていた。
各椅子に座り、手を合わせて合掌した。
因みに昨日はトーストとトマト入りスクランブルエッグ・カリカリベーコン添え、そして野菜サラダなどと言ったポピュラーな洋食だったため、今日はシンプルな和食だ。
今朝の朝食はアジの開き、出し巻き玉子、ほうれん草のお浸し、豆腐とわかめの味噌汁、ご飯である。
「いただきます」
『いただきます♪』
いただきますと言うと、提督は迷わずに味噌汁から手をつけた。
味噌の香りが、朝の目覚めを覚ましてくれる。
ひと口啜ると、口いっぱいに旨味が広がった。
「やはり、朝の味噌汁は最高だな〜」
「えへへ、今日は私がおひたしとともに作ったんだよ♡」
「おひたしも丁度いい味で、アジの開きも出し巻き玉子も焼きたてで美味しいな」
「私も作り甲斐がありました♡」
提督の感想に、衣笠・古鷹は微笑んだ。
微笑んでいる二人を見て、提督も笑みを浮かべた。
二人を見た加古・青葉は『二人とも褒められると弱いね』と言ったが、ふたりも同じく提督に褒められると弱いが。
提督は朝からご飯を二杯もおかわりをした。
朝からはこれくらい食べないと仕事が捗らないゆえに、古鷹たちと過ごす夜にも備えなければならないという事もあるが。
そして一同は、仲良く朝食を食べて出勤した。
執務室までの道中でも、甘い光景を見せていた。
「提督〜♡」
「司令官〜♡」
右腕には加古、左腕には青葉が抱き付いており、提督は照れながら歩いていた。
いわば、両手に花状態を周囲に見せていた。
先ほどは古鷹・衣笠がしていたため、交代ずつで行なっている。
周囲では『今日も甘いね』と呟く者もいれば、あまりの甘さにバケツを用意するものたちもいたのは言うまでもない。
「今日も頑張ろうな、みんな」
『はい♡ 提督(司令官)♡♡♡♡』
かくして今日もまた、提督と古鷹たちの一日が始まるのだ――
甘々に伴い、飯テロからスタートとなりました!
初めての日常系かつシュガーテロですが、時々戦闘シーンもありますのでお楽しみを。次回もまたこの調子で頑張ります。
長話はさて置き、次回もお楽しみに。
それでは第二話まで…… До свидания